JPH0480828B2

JPH0480828B2 -

Info

Publication number: JPH0480828B2
Application number: JP57225625A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Kyogoku
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1982-12-22
Filing date: 1982-12-22
Publication date: 1992-12-21
Also published as: JPS59115855A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は高速で往復運動するキヤリツジ上に記
録ヘツド及びこれにインクを供給するサブインク
タンクを設け、該サブインクタンクをインク供給
チユーブによつてメインインクタンクに連結し
て、疑似密閉のインク供給系を構成したインクジ
エツト記録装置に関する。

インクジエツト記録装置としては、メインイン
クタンクから、記録ヘツドのインク吐出オリフイ
スまで、大気と連通部のない完全密閉系が装置の
輪送中や使用中に発生する振動，衝撃等によるイ
ンクの漏出やインクの蒸発等々の発生が少ないの
で望ましい。しかし、キヤリツジが高速で往復運
動する型式のインクジエツト記録装置に於いて
は、上記キヤリツジの往復動作に伴なつてインク
供給チユーブも移動してキヤリツジの走査時の振
動や走査の始動，停止時，キヤリツジ両端でのヘ
ツドの方向転換時に生じる加速度の変化に伴ない
ヘツドの吐出オリフイスに圧力変動を生じメニス
カスに不適当な振動が加わりヘツドから吐出され
るインク小滴の大きさが変化したり、吐出速度を
変化させたり、ヘツド内に空気を抱き込んでイン
クが不吐出になつたり、或いは、吐出オリフイス
からインク漏れ等を起こして正常な印字が阻害さ
れる。その対策として、ヘツド近傍で且つキヤリ
ツジ上にサブインクタンクを設置して、その上部
に空気層を設ける事によりインク供給チユーブ内
のインクに発生する圧力変動を吸収する試みがあ
る。しかし、この空気層は、長期間の放置、或い
は高温の雰囲気に於いて、インク中の水分がイン
クの供給チユーブ等を通して徐々に蒸発する結
果、タンク内に侵入する空気が更に、蓄積されて
徐々に増大して来る。又、メインインクタンク中
の溶在空気も外気温の変化に伴ない気泡となつて
サブインクタンク内に蓄積される。従つて、この
サブインクタンク内の空気量を調整する手段が必
要になる。

本発明は上記諸点に鑑みなされたもので、主た
る目的は、記録ヘツドに供給されるインク及びイ
ンクの圧力変動を防ぐ空気層を貯留するサブイン
クタンク内の空気量を適正に保つ簡便な手段を備
えたインクジエツト記録装置を提供することにあ
る。そして、この様な目的を達成する本発明のイ
ンクジエツト装置は、オリフイスから吐出されるインクを貯溜するた
めのインク貯溜部と、該インク貯溜部と大気とを連通させるための開
口を備えた大気連通部と、前記オリフイスと前記開口とを一体的に覆うた
めの室が設けられたキヤツプを介して、前記オリ
フイスと前記開口との両方から吸引を行う吸引手
段と、を有することを特徴とするものである。

以下、図面を用いて本発明の実施例に就いて説
明する。

第１図において、１はインクによる記録を行う
為にインクを吐出する記録ヘツド、２はインクに
よる記録を行う記録紙、３は記録ヘツドを往復動
作させるキヤリツジ、４は記録ヘツドにインクを
供給するサブインクタンク（インク貯溜部）、５
は記録ヘツドヘサブインクタンク４からインクを
供給する供給管、６はゴミ、泡、圧力等をカツト
するフイルターを示す。

この様に往復動作するキヤリツジ３上に記録ヘ
ツド１及びこれにインクを供給するサブインクタ
ンク４が一体に設けられている。

このサブインクタンク４は往復動作するインク
供給チユーブ７によつてメインインクタンク８に
連結されている。キヤリツジ３の往復移動によつ
て振られるインク供給チユーブ７内のインクの慣
性によつて生じる圧力変動はサブインクタンク４
内の空気層１０及びフイルター６によつて吸収さ
れる。

しかし、サブインクタンク４内の空気層１０が
温度上昇、周囲環境の減圧によつて加圧状態とな
つた場合記録ヘツド１にその圧力が波及してイン
クの正常吐出が出来なくなる。

そこでメインインクタンク８を偏平薄型の可撓
性袋構造としてサブインクタンク４内の空気層１
０により生じる圧力変化を吸収している。即ち、
固定されたメインインクタンク８より移動可能な
ように供給チユーブ７でインクの供給を受けてキ
ヤリツジ上を高速往復移動して記録する型式のイ
ンクジエツトプリンターは、供給チユーブ７内の
インクの慣性によつて生じる瞬間的な圧力変動を
吸収する空気層を有するサブインクタンクを必要
とし、更に、その空気層が機器内部の温度上昇等
によつて生じる比較的緩慢な圧力変動をも吸収す
ることが必要である。記録ヘツド１及びフイルタ
６の負荷抵抗が、供給チユーブ７及び偏平薄型可
撓性袋構造のメインインクタンク８等の負荷より
もはるかに大きい溜サブインクタンク４内のイン
クは容易にメインインクタンク８に移動してサブ
インクタンク４内の圧力がバランスする。記録ヘ
ツドの吐出オリフイスの口径は一般に、100μm以
下である。又、フイルター６の空孔も数10μm程
度であり、インク負荷抵抗は吐出オリフイスとほ
ぼ同等である。それに比較して供給チユーブ等の
抵抗は1/10以下である。

サブインクタンク４内の空気層１０は多重にな
る程瞬間的な圧力変動の吸収効果は大きい。しか
し、その反面、温度変化によつて膨張，収縮する
という副作用は大きくなり、通常は、0.3c.c.〜0.8
c.c.程度の容量を有する。

しかし、この様な構成であつてもインク供給チ
ユーブ７内に気泡が散在するとインクが円滑に移
動しなくなる。この不都合を解消するために、本
実施例では、サブインクタンク４に大気への連通
開口を内径の小さな細管９により設ける。

従つて、この構造は完全密閉系ではなく疑似密
閉系を成す。この細管９の外側端９Ａはサブタン
ク４へのインクの初期充填動作が利用され、サブ
インクタンク４内のインク水位は細管９の内方端
部９Ｂに達してその管内もインクで満たされる。

インクはインクジエツト専用に作られたもので
その成分の中にはポリエチレングリコールの様な
非常に蒸発し難い溶媒も含まれており、細管９内
のインクは長い期間を通じても完全に蒸発する事
なく、その表面張力や粘性により、サブインクタ
ンク４の中の空気層１０と大気との連絡を断つ
て、疑似的な密閉系を構成する。

第２図は第１図図示装置の略画上面図である。
図中、１１は摺動軸を兼ねるリニヤモータの磁気
ヨーク、１２はフレーム兼磁気ヨーク、１３は永
久磁石である。ここで、キヤリツジ３は不図示の
コイルとの間に働くフレミング力で磁気ヨーク１
１上を左右へ往復運動する。１４はダンパーであ
りヨーク１１の右端でキヤリツジ３の位置決めを
助ける。１５は位置決めされたキヤリツジ３に載
置された記録ヘツド１のオリフイスと該オリフイ
スより上側へ配された細管（大気連通部）９の外
側端（開口）９Ａとを一体的に覆うための室が設
けられたシリコンゴム等で形成されたキヤツプで
ある。このキヤツプ１５には吸引チユーブ１７を
介して吸引ポンプ１６が連結されている。

第３図は、第２図の右方側面の略画構成図であ
り、１８はポンプ１６が吸引したインクを排出す
る為の排出口を示す。

第３図において、サブタンク４や記録ヘツド１
にインクを初期充填する時や記録ヘツド１に気泡
を抱き込んでインク不吐出の時には、キヤリツジ
３をヨーク１１（第２図図示）の右端へ確保し
て、キヤツプ１５を記録ヘツド１に向けて前進さ
せヘツド１の前端に圧接して吸引ポンプ１６を動
作させて記録ヘツド１及び細管９両方から同時に
インクを減圧にて吸引する。このとき、インクは
不図示のメインインクタンクから、供給チユーブ
７を経て、サブインクタンク４に注入され、この
タンク４内から供給管５を介して記録ヘツド１
に、又、細管９には直接充填される。

ここに使用したインクの粘性は25℃で３〜6cp
程度であり、空気の0.018lcpに比べて200倍程度
である細管内の液流量に関しては、ポアズイ２の
式があり、流量（Ｇ）は、Ｇ＝πρ（PA−PB）r⁴／8μL なる公式にて定義されている。

（ここで、ｒ：細管の半径、Ｌ：細管の長さ、
μ：粘性、PA−PB：圧力差、ρ：密度である。）
従つて、半径の４乗に比例して粘性に逆比例す
る。この公式を基に、細管９の内径を同じインク
の流量でノズルの流量の1/2以下に設定すれば、サブインクタンク４の底部にインクが注入され
れば記録ヘツド１の先端（つまり、吐出オリフイ
ス）迄インクが充填され、同時に、細管９からは
空気がヘツド１に対して約200倍の流量で排出さ
れ、サブインクタンク４内の水位が細管９の位置
に達して、細管９にインクが満たされる。記録ヘ
ツド１及び細管９の両者がインクで満たされる
と、両者のインクの流量は設定された比でヘツド
１からの方が多くなる。

即ち、叙上の構成によれば、サブインクタンク
４内のインク水位が細管９の設置位置に達してい
ないときは、記録ヘツド１及び細管９を共に同圧
力で吸引したとしても、記録ヘツド１からのイン
ク吸引量に比べて細管９からの空気吸引量の方が
約200倍多くなり、先ず空気を多大に吸引排出し
て、インク水位を細管９の設置位置迄、上昇させ
ると共に、サブインクタンク４上部の空気層１０
の量を一定に保持することができる。

この様にして、サブインクタンク４内に（細管
９の設置位置迄）インクが満たされた後は、細管
９の内方端部９Ｂからのインク吸引量が記録ヘツ
ド１からのそれに比べ1/2以下に設定されている
ために、細管９からのインク吸引は制約を受け
る。その結果、この時点からは、記録ヘツド１か
らのインク吸引が主として為される。

以上に説明したとおり、記録ヘツド１に並置し
た細管９の内径を適切に設定することによつて、
記録ヘツド１と細管９とを同時に吸引したときに
も、サブインクタンク４内のインク水位に応じ
て、各各が別の作用を為すものである。

つまり、細管９は、サブインクタンク４内を吸
引による減圧にしてインクの導入を助長し、又、
サブインクタンク４内の過剰量の空気を排出すべ
く作用する。

更に、細管９内にインクが充填されると、サブ
インクタンク４を疑似的に密閉系に保つ役目を為
し、サブインクタンク４内に圧力変動を吸収する
所定量の空気層１０を保持する作用を行う。

他方、記録ヘツド１からは、気泡の混入したイ
ンクの吸い出しが主として行われる。

叙上のとおりに構成した本発明によれば、常に
安定したインク供給が為され、インク供給に際し
てインク供給系内の圧力変動を最小に抑えること
ができるので、印字性能が安定し、信頼性の高い
インクジエツトプリンターを実現できると言う効
果が得られる。

特に本発明に係るキヤツプは、オリフイスと開
口とを同一の室で一体的に覆うものなので、キヤ
ツプの構造自体が簡略であり、構造が簡略である
からこそ吸引を行う際のキヤツプによる密閉性が
一層優れたものとなつている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す略画構成
図、第２図は第１図図示例の略画上面図、第３図
は第２図図示例の右方側面の略画構成図である。図において、１……記録ヘツド、２……記録
紙、３……キヤリツジ、４……サブインクタン
ク、５……供給管、６……フイルター、７……イ
ンク供給チユーブ、８……メインインクタンク、
９……細管、９Ａ……外側端、９Ｂ……内方端
部、１０……空気層、１５……キヤツプ、１６…
…吸引ポンプ、１７……吸引チユーブ、１８……
排出口。

Claims

【特許請求の範囲】１オリフイスから吐出されるインクを貯溜する
ためのインク貯溜部と、該インク貯溜部と大気とを連通させるための開
口を備えた大気連通部と、前記オリフイスと前記開口とを一体的に覆うた
めの室が設けられたキヤツプを介して、前記オリ
フイスと前記開口との両方から吸引を行う吸引手
段と、を有することを特徴とするインクジエツト装置。２前記開口が前記オリフイスより上側に配され
ている特許請求の範囲第１項に記載のインクジエ
ツト装置。