JP5015106B2 - 液体吐出装置、および、キャップ - Google Patents

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本発明は、インクなどの液体を吐出する液体吐出装置に関する。また、液体を吐出する吐出ヘッドを収納するキャップに関する。
液体を吐出する液体吐出装置、特に、インクを吐出するインク滴吐出装置が普及している。インク滴吐出装置は、吐出信号に応じて吐出ヘッドの吐出孔からインク滴を吐出することによって、記録媒体にドット記録を行う。このようなインク滴吐出装置においては、繰り返し加圧または減圧する間欠駆動により、ノズル内のインク滴、特に吐出孔近傍のインク滴を吐出する。
吐出ヘッドを用いたインク滴吐出装置では、吐出動作の停止状態においてインク滴の吐出が長時間実行されない場合に、吐出ヘッドの吐出孔からインクが揮発する。インクが揮発するとインクの粘度が上昇し、吐出孔付近のインクが固化したり、乾燥したりする。これを原因として、吐出孔の目詰まりが発生する。このインクの固化および乾燥による吐出孔の目詰まりを防止するために、吐出動作の停止状態において吐出ヘッドの吐出孔をキャップで覆う方法がある。
しかしながら、このキャップで覆った時間が長かったり、乾燥の速い溶媒を使用した場合では、吐出ヘッドがキャップに覆われていたとしても、吐出ヘッドの吐出孔からインクが少しずつ揮発してインク粘度が上昇してしまう。また、産業用のインク滴吐出装置は家庭用のインク滴吐出装置と比較して大きいため、インク滴の吐出孔と該吐出孔を保湿するためのキャップとの距離が長い。このため、該吐出孔をキャップで覆うのに時間を要するので、インク粘度が上昇しやすくなってしまう。
このような問題を解決するための方法として、例えば、特許文献1から3に記載の技術がある。
特許文献1には、キャップ内の湿潤状態を維持するために、キャップと廃液タンクとを接続するチューブにインクを一時的に停留させるインク停留部を設けて、該インク停留部に停留しているインクの水分により、キャップ内を保湿する技術が開示されている。
特許文献2には、キャップと廃インクタンクとの間にインク溜を設け、インク溜中の廃インクを流路を介してキャップ内に吸い上げることによって、キャップ内を保湿する技術が開示されている。
特許文献3には、インク吸収体に残留しているインクが蒸発し、ゴムチューブを通じてキャップ内に補給されることによって、キャップ内を保湿する技術が開示されている。
特開2004−291357号公報(公開日:平成16年10月21日) 実開平6−21939号公報(公開日:平成6年 3月22日) 特開2001−347689号公報(公開日:平成13年12月18日)
しかしながら、特許文献1から3に記載の技術を用いたとしても依然として以下のような問題が生じる。
まず、特許文献1に記載の技術では、液体噴射装置の構成が複雑となる。具体的には、キャップ内の保湿を行なうためにある程度の容積が必要なインク停留部を、蒸発したインクをキャップ内に運ぶため、キャップ下部のチューブ管路途中に設ける必要がある。換言すれば、チューブを使用してキャップ内の保湿を行なう場合には、キャップ外部にインク停留部を別途設ける必要が生じる。このため、キャップ周辺の構成に制約が生じるとともに部品点数も増加し、液体噴射装置の構成が複雑になる。
また、キャップ内の保湿の効果はチューブの長さ、内径、および形状に依存してしまうため、インクに応じてチューブを交換する等の対応が必要となる。さらに、キャップが可動式である場合には、連動するチューブの屈折により保湿効果が変化してしまう。
また、変形しない材料からなるチューブを使用した場合にゴミ等がチューブに混入するとメンテナンスが困難となる。また、チューブの材料次第では、コスト増につながるといった問題もある。
引用文献2および引用文献3に記載の技術においても、チューブを介してインクを運び保湿する点においては引用文献1に記載の技術と同様であるため、同様の問題がある。
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体吐出装置の構成を複雑化することなく、キャップ内における十分な保湿効果のある液体吐出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る液体吐出装置は、液体を吐出する吐出ヘッドと、非印字時に上記吐出ヘッドを収納するための収納室、および、該吐出ヘッドから吐出または吸出された液体を貯留するための貯留室が形成されたキャップとを備え、上記収納室と上記貯留室とは、開口が形成された隔壁を介して連結されている、ことを特徴としている。
従来の構成では、別体で形成された収納室と貯留室とがチューブを介して連結されていたのに対し、上記の構成では、非印字時に上記吐出ヘッドを収納するための収納室と貯留室とが隔壁を介して連結されている。したがって、従来のように、上記貯留室と上記吸収室とを繋ぐためにチューブを設ける必要がなく、コストを低く抑えることができる。
また、上記キャップが可動式であっても、上記キャップの移動によるチューブの変形を考慮する必要がない。このため、上記キャップを自由に移動することができるので、可動キャッピング方式の液体吐出装置を容易に実現することができる。
また、上記隔壁を介することにより、チューブを使用した場合と比較して、上記吐出ヘッドと、上記貯留室との距離は通常は短くなる。距離が短くなることにより、上記貯留室から揮発した液体が上記吐出ヘッドに到達しやすくなるため、保湿効果が大きくなる。
また、従来の構成では、保湿効果を高めるために、チューブの長さを短くしたり、チューブの内径を大きくしたりする必要があった。これに対し、上記構成によれば、隔壁に形成された開口を大きくするだけで保湿効果を容易に高めることができる。さらに、隔壁を交換するだけで、種々の特質をもつインクに対応できる、という効果を奏する。
本発明に係る液体吐出装置の上記収納室内に上記吐出ヘッドから吸出された液体を吸収するための吸収体が配設されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記吸収体は上記液体を一定量吸収するため、上記吐出ヘッドから吸出された液体が上記吸収体に吸収されて上記収納室内に留まり、上記収納室内を保湿することができる。また、上記吐出ヘッドと、上記貯留室内部の液体とを上記吸収体によって隔てているため、何らかの衝撃を原因として上記貯留室が振動および傾斜したとしても、上記貯留室内部の液体が上記吐出ヘッドに付着することはない、という更なる効果を奏する。
本発明に係る液体吐出装置の上記貯留室の側壁に上記貯留室内の気体または液体を吸引するための吸引口が形成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記貯留室と上記収納室とが上記隔壁によって隔てられているため、上記収納室内に配設された上記吸収体が、上記収納室の側面に形成された上記吸引口と接触したり、上記吸引口に吸い込まれたりする虞がない。このため、上記吸収体が上記吸引口に吸い込まれて、目詰まりの原因となることはない。また、上記吸収体が吸引口に接触しないため、安定した吸引圧を上記吐出ヘッドに均一に付与することができる。このため、上記吸引口と上記吐出ヘッドとの位置関係によって、上記吐出ヘッドからの液体の吐出体積に偏りが発生することがない、という更なる効果を奏する。
本発明に係る液体吐出装置は、タンクと、上記タンク内に負圧を発生させるポンプと、一端が上記貯留室の側壁に形成された上記吸引口に接続され、他端が上記タンクに接続された配管と、を更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記ポンプを使用し、上記吸引口から吸引することによって、上記貯留室内が減圧する。上記貯留室内が減圧することによって、上記収納室内が減圧する。上記収納室内が減圧することによって、上記吐出ヘッドから液体を吸出することができる。また、同様に上記ポンプを使用し、上記吸引口から吸引することによって、上記貯留室内の液体のうち、上記側壁と上記隔壁と上記隔壁に平行な平面であって上記吸収口を通る平面とに囲まれた空間の液体を、上記配管を介して上記タンクに運出することができる。このため、上記貯留室内の液体を溢れさすことがない、という更なる効果を奏する。
本発明に係る液体吐出装置の上記配管の容積は、上記貯留室の容積未満である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記キャップの位置が上記タンクより下位にある場合などに、上記配管内の液体が逆流したとしても、上記貯留室内に液体が貯留されていなければ、上記配管内の全ての液体が上記貯留室に貯留されるため、上記貯留室から液体が溢れ出す虞はない。このため、液体が上記吸収体に付着することはない、という更なる効果を奏する。
本発明に係る液体吐出装置の上記配管の容積は、上記側壁と上記隔壁と上記隔壁に平行な平面であって上記吸収口を通る平面とに囲まれた空間の容積未満である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記空間における液体は上記タンクに運出されるので、上記空間に液体が貯留することはなく、かつ、上記配管の容積は上記空間の容積未満のため、上記配管内の液体が全て逆流したとしても、上記空間内に貯留される。したがって、上記配管内の液体が逆流したとしても、上記吸収体に液体が付着することはない、という更なる効果を奏する。
本発明に係る液体吐出装置の上記収納室には、非印字時に上記収納室の気密性を保つためのシール部材が、上記吐出ヘッドのノズル形成部と干渉することがないように形成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記シール部材は、上記吐出孔形成面の外周部と当接するので、上記吐出孔形成面の上記外周部以外に形成された吐出孔に接触して該吐出孔を傷つけたり、汚したりすることはない。また、上記吐出ヘッドと、上記吐出孔形成面との隙間から空気を無駄に吸引することなく、上記ポンプを使用して上記吐出ヘッドから液体を吸引することができる、という更なる効果を奏する。
本発明に係るキャップは、液体を吐出する吐出ヘッドを収納するためのキャップであって、上記吐出ヘッドを収納するための収納室と、該吐出ヘッドから吸出された液体を貯留するための貯留室とが形成されており、上記収納室と上記貯留室とは、開口が形成された隔壁を介して連結されている、ことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記キャップを保湿するための上記貯留室が、上記キャップ内部に形成されているため、上記キャップ外部に保湿を行なうための部材を設ける必要がない。このため、構成を複雑にすることなく、十分な保湿効果のあるキャップを提供できる、という効果を奏する。
本発明に係る液体吐出装置は、以上のように、液体を吐出する吐出ヘッドと、上記吐出ヘッドを収納するための収納室、および、該吐出ヘッドから吸出された液体を貯留するための貯留室が形成されたキャップとを備え、上記収納室と上記貯留室とは、開口が形成された隔壁を介して連結されている。したがって、装置の構成を複雑にすることなく十分な保湿効果のある液体吐出装置を提供できる。
また、本発明に係るキャップは、以上のように、キャップを保湿するための貯留室が、キャップ内部に形成されている。したがって、構成を複雑にすることなく、十分な保湿効果のあるキャップを提供できる。
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、本実施形態に係る液体吐出装置は、インクを吐出するインク滴吐出装置として実現されている。そこで、本実施形態に係る液体吐出装置を、以下ではインク滴吐出装置1と呼称し、これについて説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、液体を吐出する液体吐出装置であれば、本発明の範疇に入る。
まず、本実施形態に係るインク滴吐出装置1の構成について、図2を参照して説明する。図2は、インク滴吐出装置1の構成を示す斜視図である。インク滴吐出装置1は、概略的には、台座2と、支柱5を介して台座2に取り付けられたレール6と、キャリッジ8を介してレール6に取り付けられた吐出ヘッド9とを備えている。
台座2には、記録媒体46を載置するための中台座3と、キャップ7が埋め込まれた小台座4とが形成されている。記録媒体46は、印字時(吐出信号が与えられたとき)に、インクを吐出(ドット吐出)する対象となる媒体であり、例えば紙である。キャップ7は、非印字時(吐出信号が与えられていないとき、あるいは、吐出の休止または停止を指示する吐出信号が与えられているとき)に、吐出孔付近のインクが乾燥することを防止するために、吐出ヘッド9を収納するキャップである。キャップ7の構成の詳細については、参照する図を代えて後述する。
レール6は、台座2に立脚する2本の支柱により支持され、台座2の板面と平行に配設されている。吐出ヘッド9は、キャリッジ8を介してレール6に取り付けられており、レール6に沿って移動する。例えば、印字時には、中台座3に載置された記録媒体46の真上に移動し、非印字時には、小台座4に埋め込まれたキャップ7の真上に移動する。また、吐出ヘッド9は、台座2の板面と垂直な方向に昇降移動する。例えば、非印字時には、吐出ヘッド9の先端に形成されたノズル形成部10を乾燥から守るために、吐出ヘッド9がキャップ内に収納されるよう小台座4の真上で降下する。
次に、本実施形態に係るキャップ7の構成の詳細について図1を参照して説明する。図1は、キャップ7の構成を示す断面図である。
キャップ7は、キャップケース14、シール部材12、およびインク吸収体24を備えている。キャップ7内には、非印字時に吐出ヘッド9に形成されたノズル形成部10を収納するための収納室11と、吐出ヘッド9から吐出または吸出されたインクを貯留するための貯留室16とが設けられている。収納室11は、キャップケース14の上部側壁と隔壁21とに囲まれた空間であり、貯留室16は、キャップケース14の下部側壁と底板と隔壁21とに囲まれた空間である。収納室11と貯留室16とを隔てる隔壁21には開口22が形成されており、開口22を介して収納室11と貯留室16とが連通している。
吐出ヘッド9から吐出または吸出されたインクは、収納室11内にノズル形成部10と接触しないように配置された、多孔質のインク吸収体24に吸収される。インク吸収体24は液滴を一定量吸収するため、吐出ヘッド9から吐出または吸出されたインクがインク吸収体24に吸収されて収納室11内に留まる。このため、インク吸収体24に吸収されたインク、あるいは、インク吸収体24に吸収されたインクの溶媒が揮発し、収納室11の内部がインク雰囲気で満たされる。これにより、収納室11の内部が湿潤な状態に維持され、ノズル形成部10に付着したインクの増粘および固化を防止することができる。
インク吸収体24に吸収されたインクの量がインク吸収体24の吸収可能量を超えると、吸収しきれなかったインクが開口22を通過して貯留室16に滴下される。貯留室16に貯留されたインク18、または、貯留室16に貯留されたインク18の溶媒は、揮発して収納室11内のインク吸収体24を湿潤状態に保つ。その結果、貯留室16にインクが貯留されていない場合と比べ、収納室11内部の安定した保湿を行なうことができる。なお、インク吸収体24は、多孔質の吸収体に限定されず、例えば、綿状の吸収体であってもよい。
また、収納室11には、非印字時に収納室11の気密性を保つためのシール部材12が形成されている。本実施形態においては、側壁がキャップケース14の上部側壁内面に覆い、かつ、底板がキャップケース14の隔壁21上面を覆うように収納室11内に配設されたゴムキャップをシール部材12として用いている。このゴムキャップの側壁の肉厚は、吐出ヘッド9のノズル形成部10とが干渉することがないように設定されている。このため、シール部材12がノズル形成部10に形成された吐出孔に接触して該吐出孔を傷つけたり、汚したりすることはない。また、このゴムキャップの底板にも開口22が形成されており、収納室11と貯留室16との連通が確保されている。
本実施形態においては、非印字時に吐出ヘッド9をキャップ7に移動し、吐出ヘッド9の先端に形成されたノズル形成部10を収納室11内に収納する。そして、ノズル形成部10を収納室11に収納した状態で、ノズル形成部10に形成された吐出孔からインク滴を吐出(捨て吐出)する。吐出を行なうタイミングは、特に限定されず、予め定められたタイミングで定期的に行なうようにしてもよいし、あるいは、収納室11内の湿度が予め定められた規定値を下回ったタイミングなど、必要が生じたタイミングで行なうようにしてもよい。
これにより、上述したように、収納室11の内部がインク雰囲気で満たされ、収納室11の内部が湿潤な状態に維持される。すなわち、ノズル形成部10に付着したインクの増粘および固化を防止することができる。
また、本実施形態においては、吐出ヘッド9に何らかの原因により気泡が混入した場合に、キャップ7に接続されたインク吸引機構25を用いて吐出ヘッド9に強い吸引力を作用させ、インクを吸出(強制吐出)することができるように構成されている。インク吸引機構25は、図1に示したように、継手26、電磁弁28、配管30、廃インクタンク32、および負圧発生用ポンプ34を備えている。
廃インクタンク32は、インクを貯留するためのものであり、配管30に接続されている。配管30は、一端が廃インクタンク32に接続され、他端が継手26を介して貯留室16の側壁19に形成された吸引口20に接続されている。吸引口20は、貯留室16に一定量のインク18を貯留するために、貯留室16底部より高い位置に形成される。電磁弁28は、開閉することによってインクの流れを制御するものであり、配管30に配設されている。負圧発生用ポンプ34は、廃インクタンク32内に負圧を発生させるためのものであり、廃インクタンク32に接続されている。貯留室16に貯留されたインク18のうち過剰なインク18は、負圧発生用ポンプ34の作用により、廃インクタンク32に運出される。廃インクタンク32に運出される処理については後述する。
(隔壁の効果)
本発明においては、上述したように、収納室11と貯留室16とは、開口22が形成された隔壁21を介して連結されている。この構成により、収納室11と貯留室16とが別体として形成されていた従来のように、収納室11と貯留室16とを繋ぐためにチューブを設ける必要がなく、コストを低く抑えることができる。
また、キャップ7が可動式であっても、キャップ7の移動によるチューブの変形を考慮する必要がない。このため、キャップ7を自由に移動することができるので、可動キャッピング方式のインク滴吐出装置を容易に実現することができる。
また、隔壁21を介することにより、チューブを使用した場合と比較して、吐出ヘッド9と、貯留室16との距離は通常は短くなる。距離が短くなることにより、貯留室16から揮発した液体が吐出ヘッド9に到達しやすくなるため、保湿効果が大きくなる。
また、従来の構成では、保湿効果を高めるために、チューブの長さを短くしたり、チューブの内径を大きくしたりする必要があった。これに対し、上記構成によれば、隔壁21に形成された開口22を大きくするだけで保湿効果を容易に高めることができる。さらに、隔壁を交換するだけで、種々の特質をもつインクに対応できる。
また、吐出ヘッド9と、貯留室内部の液体とを吸収体24によって隔てているため、何らかの衝撃を原因として貯留室16が振動および傾斜したとしても、上記貯留室内部の液体が吐出ヘッド9に付着することはない。
(インク吸引機構25内部におけるインクの流れ)
次に、インク吸引機構25によるインク処理について説明する。
上述したように、貯留室16に貯留されたインク18のうち揮発しない過剰なインク18は、配管30を介して廃インクタンク32に運出される。これを以下に説明する。
まず、電磁弁28のバルブを開放した状態において負圧発生用ポンプ34を動作させることにより、貯留室16内を減圧する。貯留室16内が減圧することによって、貯留室16内の液体のうち、側壁19と隔壁21と隔壁21に平行な平面であって吸収口20を通る平面とに囲まれた空間の液体を、配管30を介して廃インクタンク32に運出する。このため、貯留室16内の液体を溢れさすことがない。
また、電磁弁28のバルブを開放した状態において負圧発生用ポンプ34を動作させることにより、貯留室16内を減圧する。貯留室16内が減圧することによって、収納室11内が減圧する。収納室11内が減圧することによって、吐出ヘッド9から液体を吸出することができる。
なお、上記吸引圧は、吸引口20から多孔質のインク吸収体24を介してノズル形成部10を吸引する。インク吸収体24は吸引口20に接触しないため、安定した吸引圧を吐出ヘッド9に均一に付与することができる。このため、吸引口20と吐出ヘッド9との位置関係によって、吐出ヘッド9からの液体の吐出体積に偏りが発生することがない。
また、インク18の高さが吸引口20の形成位置より低いときには、インク18を直接吸引することなく吐出ヘッド9に直接吸引圧を作用させる。したがって、インク18を無駄に吸引することなく、吐出ヘッド9のインクを吸引することができる。
また、貯留室16と収納室11とが隔壁21によって隔てられているため、収納室11内に配設された吸収体24が、貯留室16の側面に形成された吸引口20と接触したり、吸引口20に吸い込まれたりする虞がない。このため、インク吸収体24が吸引口20に吸い込まれて、目詰まりの原因となることはない。
また、配管30の容積は、貯留室16の容積未満なのが好ましい。これにより、貯留室16にインク18が空の場合においては、もし電磁弁28が開放した状態で配管30を介して廃インク36が逆流したとしても、配管30内の全ての液体が貯留室16に貯留されるため、貯留室16から液体が溢れ出す虞はない。このため、液体が吸収体24に付着することはない。
また、配管30の容積が貯留室16内の空間のうち、貯留室16の側壁19と隔壁21と隔壁21に平行な平面であって吸収口20を通る平面とに囲まれた空間の体積未満である場合には、上記空間における液体は廃インクタンク32に運出されるので、上記空間に液体が貯留することはなく、かつ、配管30の容積は上記空間の容積未満のため、配管30内の液体が全て逆流したとしても、上記空間内に貯留される。したがって、配管30内の液体が逆流したとしても、吸収体24に液体が付着することはない。
(キャップ7の構成の変形例)
次に、キャップ7の構成の変形例について、図3〜図5を参照して説明する。
まず、図1に示したキャップ7の変形例について、図3を参照して説明する。図3は、キャップ7aの構成を示す断面図である。
図3に示すキャップ7aの構成は、収納室11と、貯留室16とを隔てるキャップケース14の隔壁21がなく、開口22´が形成されたシール部材12のみにより収納室11と、貯留室16とがシール部材12の隔壁を介して連結されている点において図1に示したキャップ7と異なる。なお、図3においては、廃インクタンク32および負圧発生用ポンプ34は図示しない。
図3に示したキャップ7aは、キャップ7aの交換が容易になる。なぜなら、図1に示したキャップ7のように、シール部材12の開口22と、キャップケース14の開口22との位置合わせが不要であるからである。またこれにより、キャップ7aのメンテナンス性も向上する。
図4に示すキャップ7bは、シール部材12に形成された開口22´´が複数ある点において図3に示したキャップ7aと異なる。なお、図4においては、廃インクタンク32および負圧発生用ポンプ34は図示しない。
図4に示したキャップ7bは、開口22´´が増粘したインクによって目詰まりすることはない。なぜなら、ノズル形成部10の吐出孔に平行して複数の開口22´´が形成されているからである。また開口22´´が複数形成されていることにより、貯留室16に貯留されたインク18から揮発したインク18またはインク溶媒がインク吸収体24全体に行き渡る。したがって、インク吸収体24による保湿効果が大きくなる。
図5に示すキャップ7cは、収納室11を覆うように可動式のキャップカバー38を設けている点において図1に示したキャップ7と異なる。なお、図5においては、廃インクタンク32および負圧発生用ポンプ34は図示しない。
図5に示したキャップ7cは、キャップ7cの内部の保湿効果が大きくなる。なぜなら、吐出ヘッド9の動作中、すなわち印字中に、ヒンジ40を可動させることによってキャップ7cの収納室11をキャップカバー38で覆うことにより、インク18またはインク溶媒の揮発によって保湿されている空気が、印字中においてもキャップ7の外部に逃げることを防止するからである。
また、図示した実施形態においては、貯留室16はキャップ7内に構成されているが、必ずしもこの限りではなく、貯留室16内の圧力が低下したときに、キャップ7のインク吸収体24からインクが貯留室16へ流れ出る構成であればよい。すなわち、収納室11と、貯留室16とが隔壁を介して連結されていれば、収納室11と、貯留室16とは別体で形成されていてもよい。
(キャップ7が可動式の場合)
次に、可動式のキャップ7を使用した保湿について図6を参照して説明する。図6は可動式のキャップ7を示す断面図である。
吐出ヘッド9が通常のインク吐出動作中には、図6に示すように、スライダ機構44を用いて、矢印Cに示す方向に可動式のキャップ7を退避位置(図6の点線および継手26´に示す位置)に移動する。続いて、退避位置に設置されたキャップカバー42を用いてキャップ7を覆う。これにより、インク吐出動作中においても、キャップ7の内部の空気をキャップ7外部に逃がすことがないため、キャップ7内部の保湿を維持することができる。
本実施形態においては、上述したようにキャップ7の移動が容易なため、このような保湿も容易に行なうことができる。
また、図示はしないが、キャップ7をキャリッジ8に取り付けてもよい。この場合には、印字中におけるキャリッジ7の退避位置であるキャリッジ8上にキャップカバー42を設置してもよい。これにより、インク吐出動作中においても、キャップ7内部の保湿を維持することができる。
なお、本発明に係るキャップも本発明の技術的範囲に含まれる(請求項8の効果)。
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、例えば、以下のように表現することもできる。
1.インク滴を吐出する吐出ヘッドを有するインク滴吐出装置において、上記吐出ヘッドを覆った状態においてヘッドノズル形成部の吐出孔を封止するキャップと、上記キャップ内に多孔質のインク吸収体を備え、上記インク吸収体の下部に縦孔を介して吸収体から隔てられた貯留室が形成されていることを特徴とするインク滴吐出装置。
2.上記インク吸収体下部にキャップ内に負圧を与える吸引手段の連通部が具備されている1に記載のインク滴吐出装置。
3.上記キャップの吸引手段連通部から電磁弁を介して負圧付与手段のあるポンプを設置したインク吸引機構に配管が連通するように構成されている2に記載のインク滴吐出装置。
4.上記配管流路の総容積がキャップ内の貯留室の総容積未満とするように構成されている3に記載のインク滴吐出装置。
5.1〜4に記載の構成を用いたキャップ機構において、上記キャップ機構のシール部材を吐出ヘッドに接触させることなく吐出ヘッドの保湿を行う方法。
本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出装置一般に対して広く適用することができ、特に、インクを吐出するインク滴吐出装置に適用することができる。
本発明の実施形態を示すものであり、キャップおよびインク吸引機構の構成例を示す断面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、インク滴吐出装置の構成例を示す斜視図である。 本発明の実施形態を示すものであり、キャップの他の構成例を示す断面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、キャップの他の構成例を示す断面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、キャップの他の構成例を示す断面図である。 本発明の実施形態を示すものであり、可動式のキャップの構成例を示す断面図である。
符号の説明
1 インク滴吐出装置(液体吐出装置)
2 台座
6 レール
7 キャップ
9 吐出ヘッド
10 ノズル形成部(吐出孔)
11 収納室
12 シール部材
14 キャップケース
16 貯留室
18 インク
19 側壁
20 吸引口
21 隔壁
22 開口
24 インク吸収体(吸収体)
25 インク吸引機構
30 配管
32 廃インクタンク(タンク)
34 負圧発生用ポンプ(ポンプ)
38 キャップカバー
40 ヒンジ
42 キャップカバー
44 スライダ機構

Claims (6)

  1. 液体を吐出する吐出ヘッドと、
    非印字時に上記吐出ヘッドを収納するための収納室、および、該吐出ヘッドから吐出または吸出された液体を貯留するための貯留室が形成されたキャップとを備え、
    上記収納室と上記貯留室とは、開口が形成された隔壁を介して連結されており
    上記収納室内に上記吐出ヘッドから吐出または吸出された液体を吸収するための吸収体が配設されており、
    上記貯留室の側壁に上記貯留室内の気体または液体を吸引するための吸引口が形成されている、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. タンクと、上記タンク内に負圧を発生させるポンプと、一端が上記貯留室の側壁に形成された上記吸引口に接続され、他端が上記タンクに接続された配管と、を更に備えている、
    ことを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  3. 上記配管の容積は、上記貯留室の容積未満である、
    ことを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  4. 上記配管の容積は、上記側壁と上記隔壁と上記隔壁に平行な平面であって上記吸引口を通る平面とに囲まれた空間の容積未満である、
    ことを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  5. 上記収納室には、非印字時に上記収納室の気密性を保つためのシール部材が、上記吐出ヘッドのノズル形成部と干渉することがないように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1からまでの何れか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 液体を吐出する吐出ヘッドを収納するためのキャップであって、
    上記吐出ヘッドを収納するための収納室と、該吐出ヘッドから吸出された液体を貯留するための貯留室とが形成されており、
    上記収納室と上記貯留室とは、開口が形成された隔壁を介して連結されており
    上記収納室内に上記吐出ヘッドから吐出または吸出された液体を吸収するための吸収体が配設されており、
    上記貯留室の側壁に上記貯留室内の気体または液体を吸引するための吸引口が形成されている、
    ことを特徴とするキャップ。
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