JPH0480524B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、硬化可能な含浸用配合樹脂を含
浸、硬化したテープ巻き絶縁層を備えた導体又は
導体束特に回転電機のコイルバー又はコイルであ
つて、その絶縁層を構成するテープが、はがしマ
イカ又は集成マイカからなるマイカテープのよう
な偏平な絶縁材料を、紙、織布又はプラスチツク
フイルムからなる可撓性の裏打ち材の上に置き、
更にその上に保護層を重ね合わせ、互いに結合材
料により接着してなるものにかかわる。

かかる絶縁層の構成はドイツ特許公報第
1490427号により公知である。しかしながら１つ
のかかる絶縁層の内部ではただ１種類のマイカテ
ープすなわちただ１種類の裏打ち材を有するマイ
カテープだけが用いられるが通例である。その際
に含浸用配合樹脂がテープ巻きされた絶縁層の中
によく含浸されるように従来から主としてテープ
の裏打ち材料としては、紙、ガラス布等の織布、
あるいは不織布のような多孔性の裏打ち材が用い
られている。

絶縁層の厚さ寸法は運転時の許容電界強さによ
り決まり、更に西ドイツ又はその他の規定により
要求される定格電圧の４倍を越える短時間絶縁耐
力をも考慮しなければならない。しかしながら薄
い絶縁層は回転電機の巻線において積層鉄心の溝
内の導体の充填率を良くしかつ導体と積層鉄心と
の間の伝熱抵抗を減少せしめるので、それにより
容量増加が可能となる。

従つてこの発明は、耐電圧強度を改善した導体
又は導体束のための含浸可能なテープ巻き絶縁層
を提供することを目的とする。

この目的はこの発明にもとづき、絶縁層の内部
で多孔性の裏打ち材を有する第一のテープからな
る層の間に裏打ち材としてプラスチツクフイルム
を有する第二のテープからなる層を１層又は複数
層設けることにより達成される。

絶縁層の中のかかる複合絶縁により絶縁層の含
浸性が著しく損なわれることはない。何となれば
プラスチツクフイルムの裏打ち材を有するテープ
からなる層に隣接する層が多孔性の裏打ち材を有
するテープなので、含浸樹脂が流入するのに十分
な流路がなお存在するからである。従つてプラス
チツクフイルムの裏打ち材を有するテープからな
る中間層の存在により、コイルの抜取り検査の際
の短時間の絶縁耐力にたいしてばかりでなく運転
中の連続した電圧負荷に対しても絶縁層の耐電圧
強度が著しく高められる。この改善は薄い絶縁層
の場合に著しい。

この発明にもとづく複合絶縁によつて高められ
た耐電圧強度のために運転時の電界強さを引き上
げることができ、またそれに応じて絶縁層の厚さ
寸法を減らすことができる。その際多孔性の裏打
ち材にくらべて薄いプラスチツクフイルムの裏打
ち材が付加的に有利に作用する。更に以外にもこ
のように構成えれた絶縁層はより高い耐熱性を有
する。すなわちこの絶縁層は高い温度に連続にさ
らしても誘電正接（tanδ）の電圧特性の測定で、
印加電圧に対するtanδの増加に変化を生じること
がないことが判明した。

プラスチツクフイルムの裏打ち材を有するテー
プからなる複数の絶縁層は、絶縁層の全高にわた
り多孔性の裏打ち材を有するテープからなる層の
間に一様に分散配置されることが推奨される。そ
れにより樹脂含浸に有利な絶縁層の層状構成が生
じる。プラスチツクフイルムの裏打ち材からなる
テープと多孔性の裏打ち材からなるテープとのテ
ープ層数比は１：１となるように努める。厚さ寸
法の大きい絶縁層の場合はマイカテープの間に浸
潤性のよい層例えば目のもつれたガラス不織布か
らなる層を追加して設けるのが良い。この層は含
浸樹脂に対して浸透効果を及ぼす。

マイカテープ用プラスチツクフイルムの裏打ち
材としては、ポリイミド、ポリカーボネイト又は
ポリエステルをベースとするあらゆる耐熱性のフ
イルムが用いられるが、テレフタール酸ポリエス
テルからなるフイルムが特に適している。含浸樹
脂との接着を容易にし絶縁層の中にプラスチツク
フイルムを組み込みやすくするために、プラスチ
ツクフイルムの裏打ち材の表面は活性化される。
活性化は物理的、化学的又は接着促進材を用いて
行いうる。

つぎにこの発明をその１実施例を示す図面にも
とずき詳細に説明する。

第１図はこの発明にもとづき構成された絶縁層
の部分拡大断面図、第２図はこの発明によるコイ
ルバーの導体束にマイカテープを巻き付ける所を
示す斜視図である。

回転電機のコイルバー又はコイル辺として複数
の相互に絶縁された導体を組み合わせて構成され
る導体１の周囲に、後に含浸樹脂を含浸し硬化さ
る絶縁層２を構成するために第一および第二のテ
ープであるマイカテープ３及び４が種々の割合で
層状に巻付けられる。マイカテープ３は導体１の
上に直接に置かれた絶縁層２の最下層を形成す
る。マイカテープ３はガラス布からなる裏打ち材
５と、その上に図示されていない結合材により接
着されたはがしマイカの層６とからなり、その上
にはさらに結合材により保護層７が接着されてい
る。この保護層７は多孔性の裏打ち材５と同一材
料すなわちガラス布からなるのが良い。その上の
次の絶縁層はマイカテープ４により巻かれてい
る。マイカテープ４はテレフタール酸ポリエステ
ルのフイルムからなる耐熱性のプラスチツクフイ
ルムの裏打ち材８と、その上に図示されていない
結合材により接着されたはがしマイカの層９とか
らなる。さらにその上に、裏打ち材８と同様なプ
ラスチツクフイルムか又は適切な多孔性材料から
なる保護層１０が設けられている。この層の上に
１層しか図示されていないマイカテープ３の複数
の層が続いて設けられ、それらの層の上に再びプ
ラスチツクフイルムの裏打ち材８を有するマイカ
テープ４の１層が設けられている。絶縁層２の最
上層はマイカテープ３により構成されている。

絶縁層の外層は図示されていない被覆層又は保
護層により構成することができる、この外層はそ
れ自身外部コロナ防止層が設けられる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明にもとづき構成された絶縁層
の１実施例を示す部分拡大断面図、第２図はこの
発明による導体束にマイカテープを巻き付ける所
を示す斜視図、である。 図面において、１は導体又は導体束、２は絶縁
層全体、３は多孔性の裏打ち材を有するテープ、
４は裏打ち材としてプラスチツクフイルムを有す
るテープ、５は多孔性の裏打ち材、６，９ははが
しマイカ、７，１０は保護層、８はプラスチツク
フイルム裏打ち材、である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 硬化加工な含浸用配合樹脂を含浸硬化したテ
   ープ巻絶縁層を備えた導体又は導体束であつて、
   その絶縁層を構成するテープが、はがしマイカあ
   るいは集成マイカからなるマイカテープの偏平な
   絶縁材料を、多孔性の紙、織布からなる可撓性の
   裏打ち材の上に置き、更にその上に保護層を重合
   わせ互いに結合材料により接着してなる第一のテ
   ープと、はがしマイカあるいは集成マイカからな
   るマイカテープの偏平な絶縁材料を、プラスチツ
   クフイルムからなる可撓性の裏打ち材の上に置
   き、更にその上に保護層を重合わせ互いに結合材
   料により接着してなる第二のテープとからなり、
   その第一のテープの間に第二のテープを設けた絶
   縁層からなることを特徴とするテープ巻き絶縁層
   を備えた導体。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の導体におい
   て、前記第二のテープからなる複数の絶縁層が絶
   縁層の全高にわたり前記第１のテープからなる絶
   縁層の間に一様に分散配置されていることを特徴
   とするテープ巻き絶縁層を備えた導体。 ３ 特許請求の範囲第１項又は第２項記載の導体
   において、前記第一のテープからなる絶縁層と、
   第二のテープからなる絶縁層との層数比率がほぼ
   １：１であることを特徴とするテープ巻き絶縁層
   を備えた導体。 ４ 特許請求の範囲第１項に記載の導体におい
   て、前記第二のテープのプラスチツクフイルムの
   裏打ち材としてテレフタール酸ポリエステルのフ
   イルムが用いられることを特徴とするテープ巻き
   絶縁層を備えた導体。