JPH048037Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《考案の技術分野》 本考案は、自動車用のドアミラーに関する。特
に外部からの衝撃を緩和するとともに、人為的に
車体外部より突出したドアミラーのミラーハウジ
ングを傾倒せしめ、もつて、ドアミラーを車体外
側より内側に傾倒保持せしめるべく成した傾倒機
構を備えた緩衝式のドアミラーに関するものであ
る。

《従来技術とその問題点》 従来の電動格納式ドアミラーは、たとえば実開
昭60−58553号公報記載のものがある。これによ
ると、ドア（車体）に対しベースの回転軸を介し
て回転可能にハウジングを設置し、この回転軸を
歯車手段を介してモータにより回動してドア（車
体）側に格納できるようにしたものである。

これによると、ドア（車体）に対しベースの回
転軸を介して回転可能にハウジングを設置し、こ
の回転軸を歯車手段を介してモータの駆動軸に連
結して、ハウジングがモータにより回動してドア
（車体）側に格納できるようにしたものである。

一般に自動車用のドアミラーＤは、第１図に示
すように車体の外側よりだけ突出して配置され
ることが多かつた。これはドアミラーに設けられ
たミラーが平面鏡であること、又運転者の視点に
近いこと等から、従来にフエンダーミラーの如き
ミラー面積すなわち視界映像面積では充分な後方
視界を得ることができず、そのためミラーを大き
く構成することとなり、従つてドアミラー全体が
大型化する故であつた。

この為、前記の如く、車体外側より突出した部
分に外部の物や人等が接触し、思わぬ事故等が生
ずる危険性があつた。又その突出分が車両の輸
送時の積載量増加分となり、輸送コストを上昇す
る要因となるばかりでか、車庫入れの際の障害と
なる場合があつた。

従つて、上記したような電動格納式のドアミラ
ーは、車庫入れの際に障害等が生じた場合、前記
モータが回動しなくとも、外力によりミラーハウ
ジングが傾倒し、衝撃を緩和するように、傾倒機
構を備えた緩衝式のドアミラーは実開昭58−
33339号に開示されているような構成が採用され
ていた。すなわちミラーを調整自在に保持したミ
ラーハウジング（ミラー本体）と取付用ベースと
をヒンジプレートで連結すると共にミラーハウジ
ング（ミラー本体）を２本の引張りコイルスプリ
ングによつて取付用ベースに圧着保持させ、外部
から衝撃を受けた場合には、前記引張りコイルス
プリングに抗してミラーハウジング（ミラー本
体）を衝撃方向に傾倒させることによつて、衝撃
を緩和すると共に、車輌の輸送時あるいは車庫入
れの際には、ミラーハウジング（ミラー本体）を
人為的に強制傾倒せしめミラーハウジング（ミラ
ー本体）と取付用ベースとの間に傾倒保持部材
（保持板）を介在させることによつて、ミラーハ
ウジング（ミラー本体）を取付用ベースに対して
傾倒状態に保持せしめていた。

しかしながら、この様な従来技術にあつては、
２本の引張りコイルスプリングによつてミラーハ
ウジング（ミラー本体）と取付用ベースに圧着
し、その引張りコイルスプリングに抗してミラー
ハウジング（ミラー本体）を傾倒することによつ
て外部からの衝撃を緩和する構成であるため衝撃
を受けた時に前記引張りコイルスプリングの傾倒
に対する抗力が思わぬ障害となつて、損傷を大き
くする危険性がある。又輸送時や車庫入れの際に
人為的にミラーハウジング（ミラー本体）を取付
用ベースに対して傾倒させる場合にも前記引張り
コイルスプリングに抗する力を加えその間に傾倒
保持部材（ヒンジプレート）を介在させる必要が
あり、力の弱いものには、かなりの負担になつて
いた。又前記傾倒保持部材（ヒンジプレート）
は、緩衝式ドアミラーと別個の構成として設けら
れているため紛失したりする虞があつた。

更に、電動格納式のドアミラーにあつては、上
記した傾倒機構は、モータよりミラーハウジング
への回転伝達手段とは別個に構成するもので、ミ
ラーハウジングが衝撃に対して傾倒した場合、回
転伝達手段の歯車噛合部に大きな衝撃が加わるこ
ととなり、歯車の歯部の破損にもつながることが
あり、このため、歯車の歯巾を大きくする等の対
策を必要とし、ドアミラーが益々大型化すること
となつていた。この大型化は自動車のドアミラー
として使用する場合には、最も危惧すべきことで
ある。

《考案の目的》 本考案は、たとえハウジングに衝撃が加わつて
も、回転伝達機構には、その衝撃が伝達しないよ
うにした傾倒機構を備えた衝撃式のドアミラーを
提供することを目的とするものである。

《考案の構成》 本考案のドアミラーは、車体に固定されたベー
スと、該ベースに中心軸を介して傾倒可能に軸支
したミラーハウジングと、該ミラーハウジング内
に配設した駆動部と、該駆動部の駆動軸に固定し
たウオームギアと、該ウオームギアに噛合し前記
中心軸に取付けたウオームホイールと、前記中心
軸上に設けた前記駆動部の過負荷防止手段と、前
記中心軸の下方における前記ミラーハウジングと
ベースとの間に設けた緩衝手段とからなり、前記
過負荷防止手段は、前記ミラーハウジングに形成
した円錐状凹部と中心軸に形成し外周が前記円錐
状凹部に嵌合する凸円錐状周接部とを有し、前記
緩衝手段は、該凸円錐状周接部の内周面と前記ベ
ースに形成し前記凸円錐状周接部の内周面に嵌合
する円錐状凸部と前記凸円錐状周接部に形成した
鍔と該鍔の前記ベース側当接面と該当接面又は前
記鍔の一方に形成した突起及び他方に形成し該突
起が嵌合する嵌合凹部で構成するデイテントとを
有し、前記過負荷防止手段及び緩衝手段は前記中
心軸に取付けたスプリング受けとベースおよび又
はハウジングとの間に縮設したスプリングにより
圧接保持力を付勢され、前記過負荷防止手段の圧
接保持力より緩衝手段の圧接保持力が大きくなる
ように構成したことを特徴とするものである。

《実施例の説明》 以下、添付図面について、本考案のドアミラー
の位置実施例を詳述する。

第２図乃至第４図に示すように、ミラーハウジ
ング２は開口にミラー１を自在継手（図示しな
い）を介して調整自在に保持する概略長矩形の箱
状を成している。そして前記ミラーハウジング２
のベース３側は円弧状に形成されかつ該下方部に
は鉤形状のベース３の嵌合部２１が形成されてい
る。更に前記嵌合部２１のミラーハウジング２の
内方には、駆動部４のモータ４１と減速機４２の
取付部２２と、モータ４１の出力を回転伝達する
手段はギア４１ｂと、ウオームギア４３とウオー
ムホイール４４とを有し、この回転伝達手段を収
納する空〓２３と、前記空〓２３と嵌合部２１と
の間に形成された円錐状凹部２４とを設けられて
いる。尚該円錐状凹部２４の嵌合部２１側にはア
クチユエータ５の鍔５１の当接面２５が形成され
ている。

ベース３は、車体（図示しない）に固定される
ベース本体３１と前記ミラーハウジング２を回動
可能に支持する支持部３２とを備え前記支持部３
２は、ミラーハウジング２の鉤状の嵌合部２１と
対応する如く概略鉤状を成し、ミラーハウジング
２の円錐状凹部２４にアクチユエーター５の凸円
錐状周接部５２を介してその内周部に嵌合される
円錐状凸部３３はミラーハウジング２側に突出し
ている。該円錐状凸部３３の支持部３２側にはコ
イルスプリング６の収納部５３ａが設けられてい
る。又第９図は、前記ベース３の支持部３２の詳
細図であつて、支持部３２のミラーハウジング２
の嵌合部２１との当接面３４には、前記凸円錐状
周接部５２から突設した突起３５が120°間〓で設
けられている。

アクチユエータ５は第４図と第８図に示すよう
に、中空状の中心軸５４と該中心軸５４の中間部
に形成された周縁に鍔５１を有するスカート状の
凸円錐状周接部５２とを備え、前記凸円錐状周接
部５２と中心軸５４との間には収納部５３が設け
られている。又前記中心軸５４の凸円錐状周接部
５２より上方（第４図において）には、回転伝達
手段のウオームホイール４４の取付部５５と、ス
プリング受け７の止めリングの嵌合溝５６が形成
され、かつ下方軸部には同様にスプリング受け８
の止めリングの嵌合溝５７が設けられている。尚
５８は鍔５１の下面におけるベース３の鍔５１と
の当接面２５に形成した突起３５を嵌合する嵌合
凹部である。そして、この突起３５および嵌合凹
部５８でいわゆるデイテントを形成する。

また、前記ミラーハウジング２に形成した円錐
状凹部２４とこの円錐状凹部２４に嵌合し中心軸
５４に形成した凸円錐状周接部５２およびコイル
スプリング６，９により過負荷防止手段を構成
し、凸円錐状周接部５２の内周面５２ｂと該凸円
錐状周接部５２の内周面５２ｂに嵌合し前記ベー
ス３に形成した円錐状凸部３３と前記凸円錐状周
接部５２に形成した鍔５１および該鍔５１のベー
ス３側当接面に設けた前記デイテントと前記コイ
ルスプリング６，９により緩衝手段を構成する。

上記の如く構成されたミラーハウジング２とベ
ース３と駆動部と回転伝達手段及びアクチユエー
タ５は第４図に示すように組み付けられている。
すなわち、先ずベース３の支持部３２に形成した
円錐状の円錐状凹部５２にアクチユエーターの中
心軸５４を貫通配設する。このとき、前記円錐状
凸部３３の外周面３３ａにはアクチユエーター５
のスカート状の凸円錐状周接部５２の収納部５３
が嵌合し、鍔部５１がベース３の当接面３４に当
接する。この時にアクチユエーター５の鍔５１に
形成した嵌合凹部５８と当接面３４上の突起３５
とが正規の位置で嵌合している。そしてその上方
からミラーハウジング２の円錐状凹部２４をアク
チユエーター５の凸円錐状周接部５２に嵌合し、
ウオームホイール４４を、前記中心軸５４に回転
不能に嵌合し、ミラーハウジング２の空〓部２３
内に配設する。そしてウオームギア４３とモータ
４１の駆動軸４１ａに嵌合したギア４１ｂと各々
噛合する如く配設し、蓋２３ａで密閉し、モータ
４１を前記蓋２３ａ上の取付部２２上に配設す
る。最後にスプリング６，９を各々アクチユエー
ター５の上下端にスプリング受け７，８を介して
取付部２３と収納部５３内に縮設する。尚モータ
４１のコード４１ｃは、中心軸５４の中空〓５３
ａを貫通して外部に導出される。

次に本考案の作動を説明すると、第１にミラー
ハウジング２を第５図、第６図に示すように遠隔
操作で人為的にベース３に対して回動傾倒させた
場合に例えば第６図の如くミラーハウジング２を
後方に傾倒させる場合にはモータ４１を回転させ
その回転をギア４１ｂとウオームギア４３を介し
てウオームホイール４４に伝達するとウオームホ
イール４４はアクチユエーター５の中心軸５４の
取付部５５に回転不能に取付けられて、更にアク
チユエータ５はベース３に対し、嵌合凹部５８と
突起３５によつて回転が規制されている為に、ウ
オームギア４３は自転しながら、ウオームホイー
ル４４の周囲を噛合回転する。従つて前記ウオー
ムギア４３を固着したミラーハウジング２はアク
チユエータ５の円錐状周接部５２の外周面５２ａ
を周接しながら後方に回転傾倒する。又逆にミラ
ーハウジング２とベース３側に対して前方に回転
傾倒させる場合には、モータ５１を逆転すること
によつて、ウオームギア４３をウオームホイール
４４に対して逆方向に回転、かつ公転させること
によつて同様に達成される。

次に第７図の如く、ミラーハウジング２の外力
ｐが加わつた時には、ウオームホイール４４とウ
オームギア４３とが噛合し、回転しない為にミラ
ーハウジング２とアクチユエーター５とが固定し
た状態となり、外力はベース３の円錐状凸部３３
と当接面３４とアクチユエーター５の円錐状周接
部５２の内周面５２ｂの鍔５１とに加わり、前記
当接面３４の突起３５と鍔５１の嵌合凹部５８と
の係合状態をコイルスプリング６，８に抗して解
除し、ミラーハウジング２をアクチユエーター５
とともにベース３に対して回動させる。この時ア
クチユエーター５の内周面５２ｂがベース３の円
錐状凸部３３の外周面３３ａ上を周接回動し、ミ
ラーハウジング２をベース３に対して回動傾倒さ
せる。

《考案の効果》 上記のように構成する本考案のドアミラーにあ
つては、車体に固定されたベースと、該ベースに
中心軸を介して傾倒可能に軸支したミラーハウジ
ングと、該ミラーハウジング内に配設した駆動部
と、該駆動部の駆動軸に固定したウオームギア
と、該ウオームギアに噛合し前記中心軸に取付け
たウオームホイールと、前記中心軸上に設けた前
記駆動部の過負荷防止手段と、前記中心軸の下方
における前記ミラーハウジングとベースとの間に
設けた緩衝手段とからなり、前記過負荷防止手段
は、前記ミラーハウジングに形成した円錐状凹部
と中心軸に形成し外周が前記円錐状凹部に嵌合す
る凸円錐状周接部とを有し、前記緩衝手段は、該
凸円錐状周接部の内周面と前記ベースに形成し前
記凸円錐状周接部の内周面に嵌合する円錐状凸部
と前記凸円錐状周接部に形成した鍔と該鍔の前記
ベース側当接面と該当接面又は前記鍔の一方に形
成した突起及び他方に形成し該突起が嵌合する嵌
合凹部で構成するデイテントとを有し、前記過負
荷防止手段及び緩衝手段は前記中心軸に取付けた
スプリング受けとベースおよび又はハウジングと
の間に縮設したスプリングにより圧接保持力を付
勢され、前記過負荷防止手段の圧接保持力より緩
衝手段の圧接保持力が大きくなるように構成した
ことを特徴とするもので、前記スプリング手段の
圧接力をウオームホイールとウオームとのロツク
力より小さく設定すれば、歯車の破損や損傷を起
こすことなく小型化でき、過負荷防止を行うこと
ができ、よつてミラーハウジングが回動傾倒し衝
撃を緩和できるものである。

上記の構成で明らかなように、本考案のドアミ
ラーにあつては、次のような効果を有するもので
ある。

(1) 本考案にあつては、ミラーハウジングを船積
あるいは車庫入れの際等に遠隔操作で人為的に
回動傾倒させる場合にその駆動部のウオームギ
アが回動中心を成す中心軸に固定されたウオー
ムホイール上を自転しながら公転するために、
少ない駆動力でしかも滑らかに該回動傾倒が成
される。

(2) 駆動モータの回転はウオームギア等によつて
成される為減速が容易に達成され、回転数が多
い小型のモータを使用でき全体を小型化でき
る。

(3) ミラーハウジングとアクチユエーター並びに
ベースとは互いの周接面を介して周接されてい
る為に、その周接面の面積が大きく、振動に対
してミラーハウジングがブレることも少ない。

(4) 外部衝撃を受けた時には、ウオームホイール
とウオームギアとによつて、堅固に固定される
ためその衝撃力がモータに伝達されてモータを
破壊することも少なく、しかも、ミラーハウジ
ングとアクチユエーターを確実にベースに対し
て回動傾倒させることができ衝撃による損傷を
緩和することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はドアミラーの車体への取付状態を示し
た説明図、第２図乃至第９図は、本考案のドアミ
ラーを示し、第２図は一部破断した正面図、第３
図は第２図のＡ−Ａ断面図、第４図は第３図のＢ
−Ｂ断面図、第５図はミラーハウジングを遠隔操
作によつて人為的に車体後方に回動傾倒させた状
態を示す一部破断した平面図、第６図は同じく前
方に回動傾倒した状態を示す一部破断した平面
図、第７図は外部衝撃を受けてミラーハウジング
が車体前方に回動傾倒した状態を示す一部破断し
た平面図、第８図はアクチユエーターを示し、図
イは左側面図、図ロは一部断面した正面図、図ハ
は右側面図、図ニは一底面図、第９図はベースの
支持部を示し、図イは平面図、図ロは図イのＣ−
Ｃ断面図、ハは図イのＤ−Ｄ断面図である。 １……ミラー、２……ミラーハウジング、２１
……嵌合部、２２……取付部、２３……ベース、
２４……円錐状凹部、３……ベース、３１……ベ
ース本体、３２……支持部、３３……円錐状凸
部、３４……当接面、４……駆動部、４３……ウ
オームギア、４４……ウオームホイール、５……
アクチユエーター、５１……鍔、５２……凸円錐
状周接部、６，９……コイルスプリング、７，８
……スプリング受け。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に固定されたベースと、該ベースに中心軸
   を介して傾倒可能に軸支したミラーハウジング
   と、該ミラーハウジング内に配設した駆動部と、
   該駆動部の駆動軸に固定したウオームギアと、該
   ウオームギアに噛合し前記中心軸に取付けたウオ
   ームホイールと、前記中心軸上に設けた前記駆動
   部の過負荷防止手段と、前記中心軸の下方におけ
   る前記ミラーハウジングとベースとの間に設けた
   緩衝手段とからなり、前記過負荷防止手段は、前
   記ミラーハウジングに形成した円錐状凹部と中心
   軸に形成し外周が前記円錐状凹部に嵌合する凸円
   錐状周接部とを有し、前記緩衝手段は、該凸円錐
   状周接部の内周面と前記ベースに形成し前記凸円
   錐状周接部の内周面に嵌合する円錐状凸部と前記
   凸円錐状周接部に形成した鍔と該鍔の前記ベース
   側当接面と該当接面又は前記鍔の一方に形成した
   突起及び他方に形成し該突起が嵌合する嵌合凹部
   で構成するデイテントとを有し、前記過負荷防止
   手段及び緩衝手段は前記中心軸に取付けたスプリ
   ング受けとベースおよび又はハウジングとの間に
   縮設したスプリングにより圧接保持力を付勢さ
   れ、前記過負荷防止手段の圧接保持力より緩衝手
   段の圧接保持力が大きくなるように構成したこと
   を特徴とするドアミラー。