JPH0476784B2 - - Google Patents
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- JPH0476784B2 JPH0476784B2 JP59045919A JP4591984A JPH0476784B2 JP H0476784 B2 JPH0476784 B2 JP H0476784B2 JP 59045919 A JP59045919 A JP 59045919A JP 4591984 A JP4591984 A JP 4591984A JP H0476784 B2 JPH0476784 B2 JP H0476784B2
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Description
(技術分野)
本発明は、プリント配線板として用いられる金
属箔張り積層板の連続工法による製法に関するも
のである。 (背景技術) 金属箔張り積層板は通常、紙やガラス布など基
材に熱硬化性樹脂ワニスを含浸させたのち加熱乾
燥してプリプレグとなし、このプリプレグを定寸
に切断して複数枚のプリプレグと金属箔とを重
ね、これをプレス装置に10〜14組みプレートを介
して重ねた状態で導入して上下の熱盤により所定
時間加熱加圧する多段積層成形を行なうことによ
つて、製造が行なわれている。しかしながらこの
方法では積層成形がバツチ作業として行なわれる
ために作業能率が非常に悪く、生産性に多大の問
題を有するところであつた。そこで本出願人は従
前より金属箔張り積層板を連続して製造する方法
を検討するに至つている。すなわち、複数枚の長
尺のプリプレグを重ねて連続的に送りつつ長尺の
金属箔をこのプリプレグの外面に重ね、そしてこ
の積層物を上下のベルトすなわちダブルベルト間
に連続的に通してこのダブルベルトによつて積層
物を加熱加圧し、プリプレグ中の熱硬化性樹脂を
溶融硬化せしめることによつて複数枚のプリプレ
グと金属箔とが積層一体化された金属箔張り積層
板を連続して成形できるようにしたものである。
このものでは連続した成形作業が行なわれるため
に生産能率が上記の多段積層成形よりも飛躍的向
上し、しかも多段積層成形では多段に積層物が重
ねられた状態で加熱されるために積層物の熱盤に
近い面と遠い面とで温度の上昇カーブが異なり、
成形された積層板に反りが生じ易いのに対して、
このようなダブルコンベア間で一組みのみの積層
物を通して積層成形が行なわれる連続工法におい
ては積層物の上下両面に対する温度上昇カーブは
等しくなるために反りの小さな積層板を得ること
ができるという利点もある。しかしこの反面、こ
のような連続工法においては大きな加圧力を積層
物に加えないために次のような問題が生じる。す
なわち、ダブルコンベア間に通す積層物を加熱加
圧するこのような連続工法においては、積層物へ
の加熱は積層物の表面に熱媒体や電熱などによつ
て外部から行なわれることになり、熱は積層物の
上下の両表面から内部へと伝えられることにな
る。従つてこのものではプリプレグの熱硬化性樹
脂は積層物の表面部分において内部よりも硬化反
応が早く進行することになり、特に熱硬化性樹脂
として反応速度の速いものを用いるとこの傾向が
大きくなり、この結果プリプレグ内に含まれてい
る気泡が外部に逃げることができず、ボイドの多
い積層板が得られることになるものである。ま
た、この連続工法にあつては、熱の良導体である
金属箔がプリプレグよりも早く昇温されしかも金
属箔の熱膨張係数はプリプレグの熱膨張係数より
も大きいために、両者の熱膨張の相違によつて成
形された積層板には金属箔のしわが発生し易いと
いう問題も有するものである。 (発明の目的) 本発明は上記の点に鑑みてなされたものであつ
て、気泡が少なくまた金属箔にしわのない金属箔
張り積層板を生産能率よく得ることのできる金属
箔張り積層板の製法を提供することを目的とする
ものである。 (発明の開示) しかして本発明に係る金属箔張り積層板の製法
は長尺のプリプレグ1を連続的に送りつつ所定枚
数のプリプレグ1,1……を重ね合わせると共に
その最外層の外面に長尺の金属箔2を重ね、これ
を上下のベルト3,4間に連続して送り込むこと
によつて上下のベルト3,4間で加熱加圧を行な
つて金属箔張り積層板を得るにあたつて、上記プ
リプレグ1と金属箔2との積層物5を誘電加熱し
てプリプレグ1に含浸した樹脂を溶融状態にした
のちに上下のベルト3,4間に送り込むようにす
ることを特徴とするもので、以下本発明を詳細に
説明する。 プリプレグ1はガラス布、紙などの基材にエポ
キシ樹脂など熱硬化性樹脂を含浸して乾燥させる
ことによつて長尺体として調製される。そしてこ
のプリプレグ1を複数枚ロール状に巻いたものか
ら巻き外して所定枚数をガイドロール6を経由さ
せて重ねロール7によつて連続的に重ね合わせ
る。一方、銅箔などの金属箔2も長尺に形成して
ロール状に巻いておき、これを巻き外して上記重
ね合わせたプリプレグ1,1…最外層の外面に重
ねる。両面金属箔張り積層板を作成する場合には
二枚の金属箔2を用いて重ね合わせたプリプレグ
1,1…の両最外層に重ねるようにし、片面銅張
り積層板を作成する場合には一枚の金属箔2を用
いて重ね合わせたプリプレグ1,1…の片側の最
外層に重ねるようにする。片側にのみ金属箔2を
配置するようにする場合は、他の片側にポリテト
ラフルオロエチレン等の150℃以上の温度に耐え、
tanδの小さいフイルムを配置するようにする。こ
こで金属箔2は接着剤を塗布したものや、アルミ
ニウムキヤリアーと極薄銅箔との組み合わせにな
つている箔などいずれでも使用できる。このよう
に複数枚のプリプレグ1と金属箔2とを重ね合わ
せた積層物5を上下の高周波印荷用電極8,8間
に通し、無圧下又は接触圧下で誘電加熱すること
により、積層物5のプリプレグ1に含浸された樹
脂を好ましくは100〜140℃程度に加熱する。この
際電極8と金属箔2とは電気的に接続されるよう
接触圧で行なうのが望ましい。また誘電加熱はプ
リプレグ1中の樹脂が溶融して流動性が与えられ
る程度になるまで行なわれるもので、このように
誘電加熱すると加熱温度はプリプレグ1の表面部
よりもむしろ内部で高くなり、電熱などを用いて
外部加熱する場合のように表面部が内部よりも高
く加熱されてプリプレグ1の表面部において樹脂
の硬化反応が速く進行し、プリプレグ1内の気泡
が抜けきらなくなるというようなことはなくな
り、次工程におけるベルト3,4間による加圧の
工程での気泡の抜けを良くして、気泡のプリプレ
グ1内での残留を低減できることになる。このよ
うに誘電加熱によつて予備加熱を行なつてプリプ
レグ1中の樹脂を溶融状態にしたのち、積層物5
をドラム9によつて連続駆動される上下のエンド
レスのベルト3,4で構成されるダブルベルト1
0に導入する。そしてベルト3,4間で積層物5
に加圧を行なうが、各ベルト3,4の内側には熱
盤など加圧加熱装置11,11が配してあつて、
この加圧加熱装置によつても積層物5に加圧と加
熱を行なつて、プリプレグ1の樹脂を硬化させる
と共に複数枚のプリプレグ1と金属箔2とを積層
接着一体化させる。硬化が終了した積層体はガイ
ドロール12によつて導かれ、切断機13で切断
することにより、定尺寸法となつた金属箔張り積
層板Aを得るものである。ここで、プリプレグ1
は誘電加熱によつて予じめ加熱されているため
に、ベルト3,4間で加熱を受ける際でのプリプ
レグ1と金属箔2との加熱速度に事実上差はな
く、プリプレグ1と金属箔2との熱膨張の差によ
る金属箔2のしわの発生を防止できることにな
る。尚、上記添付図におけるものにおいて、プリ
プレグ1間に内層回路を形成させた内層材を挾み
込んで、多層配線板用の積層板を得るようにする
こともできる。 次に本発明を実施例によつて具体的に説明す
る。 実施例 1 エポキシ当量520のブロム化エポキシ520gに対
しジシアンジアミドを9g、2−エチル−4−メ
チルイミダゾールを0.5g配合し、これを溶剤に
溶解してエポキシ樹脂ワニスを得た。このワニス
のゲル化時間は160℃に於て10分であつた。この
ワニスを205g/m2のガラス布に含浸、乾燥させ
て樹脂含量45%、160℃でのゲルタイム180秒のプ
リプレグを得た。このプリプレグにあつて、実験
室における試験の結果、層間接着性が実用に耐え
る積層板を得るには、170℃以上で20分間以上の
加熱が必要であることが確認された。 次にこのプリプレグを用い、図に示すと同様な
装置によつて銅張り積層板の製造を行なつた。す
なわちプリプレグ8枚と12μ厚の電解銅箔を重ね
合わせ、発振周波数13.5MHzの高周波誘電加熱装
置を用いて積層物の中央部の温度が120℃〜125℃
になる迄加熱して、樹脂を溶融状態にした後、
0.1m/分で回転しているダブルベルトのプレス
にこの積層物を導き、圧力25Kg/cm2、温度175℃
の条件で成型を行なつた。ダブルベルト内での加
圧・加熱時間は20分とした。しかるのち成型され
た積層板を所望の大きさに切断して銅張積層板を
得た。 実施例 2 2−エチル−4−メチルイミダゾールを1.5g
とした以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂
ワニスを得た。このワニスのゲル化時間は160℃
に於て2分30秒であつた。このワニスを205g/
m2のガラス布に含浸、乾燥させて樹脂含量45%、
160℃でのゲルタイム30秒のプリプレグを得た。
このプリプレグにあつて、実験室における試験の
結果、層間接着性が実用に耐える積層板を得るに
は175℃で4分以上の加熱が必要であることが確
認された。 以降はダブルベルト内での加熱加圧の時間を4
分とするために、ベルトスピードを0.5m/分と
した以外は実施例1と同様にして銅張り積層板を
得た。 比較例 1 実施例1と同様のプリプレグを500mm×500mmに
切断し8枚重ね合わせた。この上下に500mm×500
mmの35μ厚の電解銅箔を重ね合わせたものを厚さ
1.5mmのステソレスプレートの間にはさみ、これ
を多段式油圧プレスの熱盤間に挿入し、175℃で
25分間加熱加圧して銅張り積層板を得た。 比較例 2 実施例2と同様のプリプレグを用い、加熱、加
圧時間を10分間とした以外は比較例1と同様にし
て銅張り積層板を得た。 比較例 3 熱盤間に5組の積層物を挿入し、加熱、加圧時
間を35分間とした以外は比較例1と同様にして銅
張り積層板を得た。 比較例 4 熱盤間に5組の積層物を挿入し、加熱、加圧時
間を15分間とした以外は比較例2と同様にして銅
張り積層板を得た。 比較例 5 誘電加熱による予備加熱を行なわないようにし
た他は、実施例2と同様にして銅張り積層板を得
た。 比較例 6 予備加熱を誘電加熱の替りに赤外線ランプによ
る加熱で行なつた他は、実施例1と同様にして銅
張り積層板を得た。 比較例 7 予備加熱を誘電加熱の替りに赤外線ランプによ
る加熱で行なつた他は、実施例2と同様にして銅
張り積層板を得た。 上記実施例1、2及び比較例1〜7において得
た銅張り積層板について、反り量、積層板内の残
留気泡、銅箔のしわ発生の測定を行なつた。反り
量は銅箔を全面エツチングによつて除去したの
ち、250mm×250mmの大きさに切断してサンプルと
し、これを150℃、30分の条件で加熱して測定を
行なうようした。結果を次表に示す。
属箔張り積層板の連続工法による製法に関するも
のである。 (背景技術) 金属箔張り積層板は通常、紙やガラス布など基
材に熱硬化性樹脂ワニスを含浸させたのち加熱乾
燥してプリプレグとなし、このプリプレグを定寸
に切断して複数枚のプリプレグと金属箔とを重
ね、これをプレス装置に10〜14組みプレートを介
して重ねた状態で導入して上下の熱盤により所定
時間加熱加圧する多段積層成形を行なうことによ
つて、製造が行なわれている。しかしながらこの
方法では積層成形がバツチ作業として行なわれる
ために作業能率が非常に悪く、生産性に多大の問
題を有するところであつた。そこで本出願人は従
前より金属箔張り積層板を連続して製造する方法
を検討するに至つている。すなわち、複数枚の長
尺のプリプレグを重ねて連続的に送りつつ長尺の
金属箔をこのプリプレグの外面に重ね、そしてこ
の積層物を上下のベルトすなわちダブルベルト間
に連続的に通してこのダブルベルトによつて積層
物を加熱加圧し、プリプレグ中の熱硬化性樹脂を
溶融硬化せしめることによつて複数枚のプリプレ
グと金属箔とが積層一体化された金属箔張り積層
板を連続して成形できるようにしたものである。
このものでは連続した成形作業が行なわれるため
に生産能率が上記の多段積層成形よりも飛躍的向
上し、しかも多段積層成形では多段に積層物が重
ねられた状態で加熱されるために積層物の熱盤に
近い面と遠い面とで温度の上昇カーブが異なり、
成形された積層板に反りが生じ易いのに対して、
このようなダブルコンベア間で一組みのみの積層
物を通して積層成形が行なわれる連続工法におい
ては積層物の上下両面に対する温度上昇カーブは
等しくなるために反りの小さな積層板を得ること
ができるという利点もある。しかしこの反面、こ
のような連続工法においては大きな加圧力を積層
物に加えないために次のような問題が生じる。す
なわち、ダブルコンベア間に通す積層物を加熱加
圧するこのような連続工法においては、積層物へ
の加熱は積層物の表面に熱媒体や電熱などによつ
て外部から行なわれることになり、熱は積層物の
上下の両表面から内部へと伝えられることにな
る。従つてこのものではプリプレグの熱硬化性樹
脂は積層物の表面部分において内部よりも硬化反
応が早く進行することになり、特に熱硬化性樹脂
として反応速度の速いものを用いるとこの傾向が
大きくなり、この結果プリプレグ内に含まれてい
る気泡が外部に逃げることができず、ボイドの多
い積層板が得られることになるものである。ま
た、この連続工法にあつては、熱の良導体である
金属箔がプリプレグよりも早く昇温されしかも金
属箔の熱膨張係数はプリプレグの熱膨張係数より
も大きいために、両者の熱膨張の相違によつて成
形された積層板には金属箔のしわが発生し易いと
いう問題も有するものである。 (発明の目的) 本発明は上記の点に鑑みてなされたものであつ
て、気泡が少なくまた金属箔にしわのない金属箔
張り積層板を生産能率よく得ることのできる金属
箔張り積層板の製法を提供することを目的とする
ものである。 (発明の開示) しかして本発明に係る金属箔張り積層板の製法
は長尺のプリプレグ1を連続的に送りつつ所定枚
数のプリプレグ1,1……を重ね合わせると共に
その最外層の外面に長尺の金属箔2を重ね、これ
を上下のベルト3,4間に連続して送り込むこと
によつて上下のベルト3,4間で加熱加圧を行な
つて金属箔張り積層板を得るにあたつて、上記プ
リプレグ1と金属箔2との積層物5を誘電加熱し
てプリプレグ1に含浸した樹脂を溶融状態にした
のちに上下のベルト3,4間に送り込むようにす
ることを特徴とするもので、以下本発明を詳細に
説明する。 プリプレグ1はガラス布、紙などの基材にエポ
キシ樹脂など熱硬化性樹脂を含浸して乾燥させる
ことによつて長尺体として調製される。そしてこ
のプリプレグ1を複数枚ロール状に巻いたものか
ら巻き外して所定枚数をガイドロール6を経由さ
せて重ねロール7によつて連続的に重ね合わせ
る。一方、銅箔などの金属箔2も長尺に形成して
ロール状に巻いておき、これを巻き外して上記重
ね合わせたプリプレグ1,1…最外層の外面に重
ねる。両面金属箔張り積層板を作成する場合には
二枚の金属箔2を用いて重ね合わせたプリプレグ
1,1…の両最外層に重ねるようにし、片面銅張
り積層板を作成する場合には一枚の金属箔2を用
いて重ね合わせたプリプレグ1,1…の片側の最
外層に重ねるようにする。片側にのみ金属箔2を
配置するようにする場合は、他の片側にポリテト
ラフルオロエチレン等の150℃以上の温度に耐え、
tanδの小さいフイルムを配置するようにする。こ
こで金属箔2は接着剤を塗布したものや、アルミ
ニウムキヤリアーと極薄銅箔との組み合わせにな
つている箔などいずれでも使用できる。このよう
に複数枚のプリプレグ1と金属箔2とを重ね合わ
せた積層物5を上下の高周波印荷用電極8,8間
に通し、無圧下又は接触圧下で誘電加熱すること
により、積層物5のプリプレグ1に含浸された樹
脂を好ましくは100〜140℃程度に加熱する。この
際電極8と金属箔2とは電気的に接続されるよう
接触圧で行なうのが望ましい。また誘電加熱はプ
リプレグ1中の樹脂が溶融して流動性が与えられ
る程度になるまで行なわれるもので、このように
誘電加熱すると加熱温度はプリプレグ1の表面部
よりもむしろ内部で高くなり、電熱などを用いて
外部加熱する場合のように表面部が内部よりも高
く加熱されてプリプレグ1の表面部において樹脂
の硬化反応が速く進行し、プリプレグ1内の気泡
が抜けきらなくなるというようなことはなくな
り、次工程におけるベルト3,4間による加圧の
工程での気泡の抜けを良くして、気泡のプリプレ
グ1内での残留を低減できることになる。このよ
うに誘電加熱によつて予備加熱を行なつてプリプ
レグ1中の樹脂を溶融状態にしたのち、積層物5
をドラム9によつて連続駆動される上下のエンド
レスのベルト3,4で構成されるダブルベルト1
0に導入する。そしてベルト3,4間で積層物5
に加圧を行なうが、各ベルト3,4の内側には熱
盤など加圧加熱装置11,11が配してあつて、
この加圧加熱装置によつても積層物5に加圧と加
熱を行なつて、プリプレグ1の樹脂を硬化させる
と共に複数枚のプリプレグ1と金属箔2とを積層
接着一体化させる。硬化が終了した積層体はガイ
ドロール12によつて導かれ、切断機13で切断
することにより、定尺寸法となつた金属箔張り積
層板Aを得るものである。ここで、プリプレグ1
は誘電加熱によつて予じめ加熱されているため
に、ベルト3,4間で加熱を受ける際でのプリプ
レグ1と金属箔2との加熱速度に事実上差はな
く、プリプレグ1と金属箔2との熱膨張の差によ
る金属箔2のしわの発生を防止できることにな
る。尚、上記添付図におけるものにおいて、プリ
プレグ1間に内層回路を形成させた内層材を挾み
込んで、多層配線板用の積層板を得るようにする
こともできる。 次に本発明を実施例によつて具体的に説明す
る。 実施例 1 エポキシ当量520のブロム化エポキシ520gに対
しジシアンジアミドを9g、2−エチル−4−メ
チルイミダゾールを0.5g配合し、これを溶剤に
溶解してエポキシ樹脂ワニスを得た。このワニス
のゲル化時間は160℃に於て10分であつた。この
ワニスを205g/m2のガラス布に含浸、乾燥させ
て樹脂含量45%、160℃でのゲルタイム180秒のプ
リプレグを得た。このプリプレグにあつて、実験
室における試験の結果、層間接着性が実用に耐え
る積層板を得るには、170℃以上で20分間以上の
加熱が必要であることが確認された。 次にこのプリプレグを用い、図に示すと同様な
装置によつて銅張り積層板の製造を行なつた。す
なわちプリプレグ8枚と12μ厚の電解銅箔を重ね
合わせ、発振周波数13.5MHzの高周波誘電加熱装
置を用いて積層物の中央部の温度が120℃〜125℃
になる迄加熱して、樹脂を溶融状態にした後、
0.1m/分で回転しているダブルベルトのプレス
にこの積層物を導き、圧力25Kg/cm2、温度175℃
の条件で成型を行なつた。ダブルベルト内での加
圧・加熱時間は20分とした。しかるのち成型され
た積層板を所望の大きさに切断して銅張積層板を
得た。 実施例 2 2−エチル−4−メチルイミダゾールを1.5g
とした以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂
ワニスを得た。このワニスのゲル化時間は160℃
に於て2分30秒であつた。このワニスを205g/
m2のガラス布に含浸、乾燥させて樹脂含量45%、
160℃でのゲルタイム30秒のプリプレグを得た。
このプリプレグにあつて、実験室における試験の
結果、層間接着性が実用に耐える積層板を得るに
は175℃で4分以上の加熱が必要であることが確
認された。 以降はダブルベルト内での加熱加圧の時間を4
分とするために、ベルトスピードを0.5m/分と
した以外は実施例1と同様にして銅張り積層板を
得た。 比較例 1 実施例1と同様のプリプレグを500mm×500mmに
切断し8枚重ね合わせた。この上下に500mm×500
mmの35μ厚の電解銅箔を重ね合わせたものを厚さ
1.5mmのステソレスプレートの間にはさみ、これ
を多段式油圧プレスの熱盤間に挿入し、175℃で
25分間加熱加圧して銅張り積層板を得た。 比較例 2 実施例2と同様のプリプレグを用い、加熱、加
圧時間を10分間とした以外は比較例1と同様にし
て銅張り積層板を得た。 比較例 3 熱盤間に5組の積層物を挿入し、加熱、加圧時
間を35分間とした以外は比較例1と同様にして銅
張り積層板を得た。 比較例 4 熱盤間に5組の積層物を挿入し、加熱、加圧時
間を15分間とした以外は比較例2と同様にして銅
張り積層板を得た。 比較例 5 誘電加熱による予備加熱を行なわないようにし
た他は、実施例2と同様にして銅張り積層板を得
た。 比較例 6 予備加熱を誘電加熱の替りに赤外線ランプによ
る加熱で行なつた他は、実施例1と同様にして銅
張り積層板を得た。 比較例 7 予備加熱を誘電加熱の替りに赤外線ランプによ
る加熱で行なつた他は、実施例2と同様にして銅
張り積層板を得た。 上記実施例1、2及び比較例1〜7において得
た銅張り積層板について、反り量、積層板内の残
留気泡、銅箔のしわ発生の測定を行なつた。反り
量は銅箔を全面エツチングによつて除去したの
ち、250mm×250mmの大きさに切断してサンプルと
し、これを150℃、30分の条件で加熱して測定を
行なうようした。結果を次表に示す。
【表】
前表の結果、多段積層を行なうことによつて積
層物の表裏の温度上昇の速度が異なる比較例3、
4のものでは反りが大きく生じるのに対して、実
施例1、2のものでは積層物の表裏の温度上昇差
が小さくて、反りの発生は小さいことが確認され
る。また銅箔のしわの発生は予備加熱を行なわな
い比較例1〜5でみられるのに対し、予備加熱を
行なうようにした実施例1、2のものではしわの
発生がないことが確認される。さらに予備加熱を
外部から表面加熱するようにした比較例6、7の
ものにあつて、硬化速度の速い樹脂を用いた比較
例7では積層板内に残留気泡が生じたのに対し、
同じ硬化速度の速い樹脂でも誘電加熱で予備加熱
を行なうようにした実施例2のものでは残留気泡
は生じないことが確認される。 (発明の効果) 上述のように本発明にあつては、プリプレグと
金属箔との積層物を誘電加熱してプリプレグに含
浸した樹脂を溶融状態にしたのちに上下のベルト
間に送り込むようにしたので、プリプレグと金属
箔とを積層した状態で加熱する場合、電熱などで
外部加熱を行なうと熱伝導性が高い金属箔を積層
したプリプレグの表面部に熱が集中し易くなつて
プリプレグは表面部から硬化が進行するおそれが
あるが、プリプレグ中の樹脂は誘電加熱によつて
内部から加熱され内部から硬化が進行することに
なり、硬化速度の速い樹脂を用いても気泡がプリ
プレグ中から抜けないようなおそれがなく、プリ
プレグと金属箔とを積層した状態で加熱するよう
にしたにもかかわらず、気泡のない積層板を得る
ことができるものである。しかもプリプレグと金
属箔とを加圧して積層する前にプリプレグは予備
加熱されているため、金属箔にしわが発生するこ
とを防止できるものである。
層物の表裏の温度上昇の速度が異なる比較例3、
4のものでは反りが大きく生じるのに対して、実
施例1、2のものでは積層物の表裏の温度上昇差
が小さくて、反りの発生は小さいことが確認され
る。また銅箔のしわの発生は予備加熱を行なわな
い比較例1〜5でみられるのに対し、予備加熱を
行なうようにした実施例1、2のものではしわの
発生がないことが確認される。さらに予備加熱を
外部から表面加熱するようにした比較例6、7の
ものにあつて、硬化速度の速い樹脂を用いた比較
例7では積層板内に残留気泡が生じたのに対し、
同じ硬化速度の速い樹脂でも誘電加熱で予備加熱
を行なうようにした実施例2のものでは残留気泡
は生じないことが確認される。 (発明の効果) 上述のように本発明にあつては、プリプレグと
金属箔との積層物を誘電加熱してプリプレグに含
浸した樹脂を溶融状態にしたのちに上下のベルト
間に送り込むようにしたので、プリプレグと金属
箔とを積層した状態で加熱する場合、電熱などで
外部加熱を行なうと熱伝導性が高い金属箔を積層
したプリプレグの表面部に熱が集中し易くなつて
プリプレグは表面部から硬化が進行するおそれが
あるが、プリプレグ中の樹脂は誘電加熱によつて
内部から加熱され内部から硬化が進行することに
なり、硬化速度の速い樹脂を用いても気泡がプリ
プレグ中から抜けないようなおそれがなく、プリ
プレグと金属箔とを積層した状態で加熱するよう
にしたにもかかわらず、気泡のない積層板を得る
ことができるものである。しかもプリプレグと金
属箔とを加圧して積層する前にプリプレグは予備
加熱されているため、金属箔にしわが発生するこ
とを防止できるものである。
図は本発明に用いる装置の一例を示す概略図で
ある。 1はプリプレグ、2は金属箔、3,4はベル
ト、5は積層物である。
ある。 1はプリプレグ、2は金属箔、3,4はベル
ト、5は積層物である。
Claims (1)
- 1 長尺のプリプレグを連続的に送りつつ所定枚
数のプリプレグを重ね合わせると共にその最外層
の外面に長尺の金属箔を重ね、これを上下のベル
ト間に連続して送り込むことによつて上下のベル
ト間で加熱加圧を行なつて金属箔張り積層板を得
るにあたつて、上記プリプレグと金属箔との積層
物を誘電加熱してプリプレグに含浸した樹脂を溶
融状態にしたのちに上下のベルト間に送り込むよ
うにすることを特徴とする金属箔張り積層板の製
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4591984A JPS60189439A (ja) | 1984-03-10 | 1984-03-10 | 金属箔張り積層板の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4591984A JPS60189439A (ja) | 1984-03-10 | 1984-03-10 | 金属箔張り積層板の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60189439A JPS60189439A (ja) | 1985-09-26 |
JPH0476784B2 true JPH0476784B2 (ja) | 1992-12-04 |
Family
ID=12732652
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4591984A Granted JPS60189439A (ja) | 1984-03-10 | 1984-03-10 | 金属箔張り積層板の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60189439A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0473144A (ja) * | 1990-07-14 | 1992-03-09 | Matsushita Electric Works Ltd | 金属箔張り積層板の製法 |
JP2001334543A (ja) * | 2000-05-26 | 2001-12-04 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 積層板の製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4929956A (ja) * | 1972-07-19 | 1974-03-16 | ||
JPS5784845A (en) * | 1980-11-15 | 1982-05-27 | Matsushita Electric Works Ltd | Manufacture of metal foil lined laminated board |
JPS57163563A (en) * | 1981-03-31 | 1982-10-07 | Hitachi Shipbuilding Eng Co | Method of molding composite material board |
-
1984
- 1984-03-10 JP JP4591984A patent/JPS60189439A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4929956A (ja) * | 1972-07-19 | 1974-03-16 | ||
JPS5784845A (en) * | 1980-11-15 | 1982-05-27 | Matsushita Electric Works Ltd | Manufacture of metal foil lined laminated board |
JPS57163563A (en) * | 1981-03-31 | 1982-10-07 | Hitachi Shipbuilding Eng Co | Method of molding composite material board |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60189439A (ja) | 1985-09-26 |
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