JPH0475159B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は表面処理鋼板、プライマー鋼板、ガル
フアン、ガルバリウム鋼板、ステンレス板、アル
ミニウム板、銅板などからなる平板状の金属薄板
（以下、単にコイルという）に同一模様をエンボ
ス加工時に１つのエンボスローラを介して印刷模
様と凹凸模様とを能率よく安価に、しかも深い立
体感の外観に形成しうる化粧面の立体化装置（以
下、単に立体化装置という）に関するものであ
る。

一般にコイルは立体感と意匠性、フアツシヨン
性に欠けるという欠点があつた。そこで、コイル
に対しエンボス加工を施したり、印刷を付加した
コイルも上市されている。しかしながら、模様が
眠つていたり、耐候性、防食性に欠けたり、ペコ
ツキが化粧面に多く生じたりする不利があつた。

本発明はこのような欠点を除去するため、エン
ボス加工時に下塗塗膜、または化粧塗膜を含む全
塗膜を柔らかくして延性を発揮させ、しかもエン
ボス加工による凹凸模様の形成と、これに印刷す
る模様、色彩、コントラストとを１つのエンボス
ロールを用いて同時に行い、さらに、エンボス加
工、印刷後の凹凸模様面にトツプコートを塗布し
て耐候性、防食性、模様間のズレをなくして美し
いと共に、立体感に富み、その上に工程も低減し
て高能率で安価に生産できる立体化装置を提案す
るものである。

以下に、図面を用いて本発明に係る立体化装置
の一実施例について詳細に説明する。第１図は上
記装置の一例を示す構成略図であり、１は金属薄
板送給部（以下、単に送給部という）でアンコイ
ラ２とピンチローラ３、または図示しないがアン
コイラ２のみ、もしくはリフタだけなどからな
り、コイル状に巻回されたコイル、定尺に切断さ
れたコイル（図示せず）Ａを装着し、前処理剤塗
布機４（以下、単に塗布機という）に送給するた
めのものである。塗布機４はコイルＡの化粧面と
なる面に洗浄剤、下塗材、下塗兼インク吸着剤の
１種以上をスプレーガン、ロールコータ、カーテ
ンフローコータなどの装置を用いて塗布する。な
お、図においてはロールコータによつて下塗り兼
インク吸着剤Ｂを化粧面に均一に塗布する場合を
示すものである。５はヒータ部でコイルＡに付着
している洗浄液等を蒸発させると共に、コイルＡ
の化粧面に塗布されている塗膜を約30〜60℃に加
温し、上記塗膜を柔らかくし、エンボス加工時に
化粧塗膜（カラー鋼板等の１コート、２コート）、
前処理剤被膜（ある場合）に化粧被膜、前処理被
膜がコイル自体（素材等）から剥離したり、割れ
たり、きずがついたり、クラツクを生起しないよ
うにするものである。その加熱方式としては熱風
方式、直火方式、熱線方式のいずれかである。６
は印刷兼エンボス部（以下、単にロールという）
でコイルＡに第２図ａ，ｂに示すような凹模様
Ｃ、凸模様Ｄに示すような模様が平面図として表
わされ、拡大断面が、例えば第３図ａ〜ｅに示す
ような凹凸模様として現れるようにエンボス加工
と印刷とを同時に行うものである。この構成例と
しては、版胴兼雌型となる上ロール７、圧胴兼バ
ツクアツプロール、または圧胴と雄型ロールとな
る下ロール８とインクパン９、インキングローラ
１０、アニロツクスローラ１１、コーテングロー
ラ１２、溶剤入れ１３、拭き取りローラ１４、ド
クターブレード１５とからなるものである。な
お、印刷用のインクＥは第４図ａ〜ｅに示すよう
に凹凸模様の任意個所に、任意の濃度、色彩等で
印刷するものである。１６はオープンでインクＥ
が第４図ｃ，ｄに示すように凸模様Ｄの頂部に存
在するときに必要なものであり、インクＥを乾燥
するものである。１７はレベラでエンボス加工さ
れたコイルA′に存在する残留歪を矯正するもの
であり、例えば第５図に示すように上ローラ１７
a₁，１７a₂，１７a₃，…１７a_o（第５図では１７
a₃まで示す）、下ローラ１７b₁，１７b₂，１７b₃，
１７b₄，…１７b_o（第５図では１７b₄まで示す）
の順にジグザグ状に配列し、かつ、上ローラ群と
下ローラ群のギヤツプ１８を任意に調整しうるよ
うに構成したものである。１９は引張り用ピンチ
ローラでロール６の回転より速く回転し、コイル
A′を引張つた状態でコイルＡがロール６、レベ
ラ１７を通過するようにしたものである。

次ぎに本発明に係る立体化装置の動作について
説明すると、まず送給部１に装着されたコイルＡ
はピンチローラ３を介して塗布機４に送給され
る。なお、この際、コイルＡはピンチローラ３に
よつて引張られた場合でもアンコイラ２にブレー
キ装置（図示せず）が装着されているため、コイ
ルＡはある許容された張力下で塗布機４へ送給さ
れるものである。そして、ヒータ部５ではコイル
Ａに塗布した前処理剤Ｂを蒸発、もしくは乾燥、
硬化すると共に、コイルＡの素材上に被着してい
る塗膜を柔らかくしてロール６に送給するもので
ある。そこで、コイルＡに対しては、例えば第２
図ａ，ｂに示すような模様（トーン差のみで示
す）で、かつ、その凹模様Ｃに第４図ｂに示すよ
うにインクＥを塗布し、レベラ１７を介して引張
り用ピンチローラ１９に送給するものである。レ
ベラ１７ではコイルA′を引張つた状態でエンボ
ス加工による残留歪を除去した後で次工程、例え
ばオーブン２０に送給するものである。

以上説明したのは本発明に係る立体化装置の一
実施例にすぎず、第１図において１点鎖線で示す
位置にループ部２１、ピンチローラ２２、ブライ
ドルローラ２３、トツプコート材（透明塗料）Ｆ
を塗布する装置２４の少なくとも１つを目的に応
じて介在させたりすることができる。

上述したように本発明に係る立体化装置によれ
ば、印刷とエンボスを同一ロールで行うため、
印刷模様とエンボス加工による凹凸模様との間に
ズレがなく、高能率で、しかも安価に生産でき
る。印刷模様と凹凸模様間にズレが生じないた
め、美しく、かつ、立体感にあふれる化粧面を形
成できる。コイル上の塗膜を加温してエンボス
加工に対応できる柔らかさにしたため、エンボス
加工時に化粧被膜が鋼板から剥離した化粧塗膜が
しわになつたり、割れたり、きずがついたり、ク
ラツクが生じたりすることがなく、美しい化粧塗
膜と耐候性、耐スクラツチ性、耐薬品性にすぐれ
た化粧面を形成できる。エンボス加工によつて
形成された歪によるペコツキはテンシヨン下での
矯正によつて容易に、かつ、十分に残留歪が除去
され、ペコツキのない、しかも立体感にあふれる
凹凸状模様を形成できる。ラインを直線状に配
列し、コイルに対し無理な力が付加されない流れ
による工程としたため、スムーズにエンボス加工
できる。コイルを加温してエンボス加工するた
め、作業環境に左右されない。直線ラインのた
め高速でエンボス加工できる。等の特徴を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明に係る化粧面の立体化装置の一
実施例を示す構成略図、第２図ａ，ｂは印刷、凹
凸模様の一例を示す平面図、第３図ａ〜ｅは凹凸
模様の一例の一部を拡大して示す説明図、第４図
ａ〜ｅはインクの付着面の一例を示す説明図、第
５図はレベルの一例を示す斜視図である。 １……金属薄板送出部、４……前処理剤塗布
機、５……ヒータ部、１６……エンボスロール、
１７……レベラ。 【特許請求の範囲】 １ 基材の表面に部分的または全面に化粧単板を
貼付し、ついで表面全体にクリヤー塗装を施し、
乾燥後平滑に仕上げ、つぎに象嵌あるいは塗装塗
り分け部に見せたい部分を残しそれ以外の部分に
スクリーン印刷を施し、さらに平面にクリヤー塗
装を施し、乾燥後平滑に仕上げる上記各工程の結
合から成る疑似象嵌および疑似塗装塗り分けの作
成方法。