JPH047462Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、室内の上部壁面に取り付けられる壁
掛形空気調和機に関する。

（従来の技術） 従来、壁掛形空気調和機の室内ユニツトは、一
般に第５図に示すように構成されている。すなわ
ち、１はユニツト本体で、このユニツト本体１の
前面には前面パネル２が着脱可能に設けられてい
る。そして、ユニツト本体１内に設けられた電動
送風機３および室内熱交換器４を前記前面パネル
２によつて覆つている。さらに、このユニツト本
体１内には運転制御用の各種電気部品を収納した
電気部品箱５が着脱自在に取り付けられている。
そして、保守点検時に電気部品箱５をユニツト本
体１から取り外すことができるようになつてい
る。すなわち、ユニツト本体１の下部および上部
には固定用ボス６，６が一体に設けられ、これら
固定用ボス６，６にはねじ穴７，７が設けられて
いる。一方前記電気部品箱５の上部および下部に
は前記ねじ穴７，７に対応する通孔８，８を有す
る取付け片９，９が一体に突設されている。そし
て、通孔８，８に取付けねじ１０，１０を挿入
し、前記ねじ穴７，７に締付けることにより、電
気部品箱５をユニツト本体１に対して固定してい
る。

しかしながら、前記電気部品箱５の取付けに用
いている取付けねじ１０，１０はその頭部が約10
mmあり、その分だけ固定用ボスのボス６および取
り付け片９の幅を必要とする。したがつて、少な
くとも10mm程度の固定用ベースを必要とし、この
分だけユニツト本体１の容積が減少していた。

さらに壁掛形空気調和機の室内ユニツトはユニ
ツト本体１を天井に近接して据え付けるため電気
部品箱５の上部の取付けねじ１０の位置も天井に
近接する。したがつて、保守点検時に行われる電
気部品箱５の取り外し、取付け時には確認のため
に取付けねじ１０を目視しようとしても頭が天井
に当たつて目視することができず、電気部品箱５
の着脱作業に手間取るという問題があつた。

（考案が解決しようとする課題） 以上のように従来の壁掛形空気調和機の室内ユ
ニツトにおいては室内の天井近くに据え付けられ
た場合、保守点検時の電気部品箱の着脱作業が困
難で非常に手間取るという問題があつた。また、
室内ユニツト内への電気部品箱の固定に必要な寸
法だけユニツト本体１の容積が減少してしまうと
いう問題があつた。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案は、室内の上部壁面に取り付けられる壁
掛形空気調和機の室内ユニツトにおいて、室内ユ
ニツトの背面を覆うユニツト本体に電気部品箱の
下部を固定する固定部を設けるとともにユニツト
本体の上面に手指が挿入可能な係合孔を設け、電
気部品箱の上面に前記ユニツト本体の係合孔に弾
性係合する係止爪および電気部品箱の下部にユニ
ツト本体の固定部に対応する被固定部を設け、電
気部品箱を前記ユニツト本体の前面から挿入して
電気部品箱の係止爪をユニツト本体の係合孔に係
合固定するとともにユニツト本体の固定部と電気
部品箱の被固定部とを固定し、ユニツト本体上面
の係合孔およびユニツト本体前面を覆うようにユ
ニツト本体に前面パネルを取り付けた壁掛形空気
調和機の室内ユニツトである。

（作用） ユニツト本体の前方からユニツト本体に電気部
品箱を挿入すれば、ユニツト本体の係合孔に電気
部品箱上面の係止爪が係合し電気部品箱の上部が
ユニツト本体に固定される。

そして、ユニツト本体の固定部と電気部品箱の
被固定部を固定後、前面パネルを取り付けること
によりユニツト本体上面の係合孔およびユニツト
本体前面が覆われる。

また、ユニツト本体から電気部品箱の取り外し
は、ユニツト本体の固定部と電気部品箱の被固定
部を解除するとともに、前面パネルを取り外すこ
とにより露出したユニツト本体の係合孔から手指
を挿入し、電気部品箱上面の係止爪を押し、係合
孔と係止爪の係合状態を解除するとともにユニツ
ト本体の固定部と電気部品箱の被固定部を解除し
て電気部品箱を引き抜くこと容易に行える。

（実施例） 以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。

第１図乃至第３図中２１は壁掛形空気調和機の
室内ユニツトの背面を覆うユニツト本体で、２２
はユニツト本体２１を覆う前面パネルである。こ
のユニツト本体２１の外周縁には側板２３が一体
に設けられ、この側板２３の外周面には係合凹部
２４が設けられている。そして、この係合凹部２
４には前面パネル２２の開口端部が嵌合され、ユ
ニツト本体２１と前面パネル２２とが連結される
ようになつている。ユニツト本体２１と前面パネ
ル２２によつて構成される筺体内部には電動送風
機２５および室内熱交換器２６が収納されてい
る。さらに、前記ユニツト本体２１の一側部にお
ける側板２３の上面には矩形状で手指が挿入でき
る大きさの開口部からなる係合部としての係合孔
２７が穿設されているとともに、側板２３の下部
にはねじ孔２８を有する固定用ボス２９が一体に
設けられている。さらに、係合孔２７の両サイド
に位置する側板２３には下方へ突出する一対のリ
ブからなる左右ガイド部３０，３０が突設されて
おり、これら左右ガイド部３０，３０間に対向す
る下方にはユニツト本体２１の背面から突出する
板状の下ガイド部３１が設けられている。そし
て、左右ガイド部３０，３０および下ガイド部３
１によつて前面が開口する凹部からなる収納部３
２が構成され、この収納部３２内には電気部品箱
３３が着脱自在に収納されている。この電気部品
箱３３は内部に各種電気部品、プリント基板を収
容しており、前面には表示盤や操作スイツチ類３
４が取り付けられている。また、この電気部品箱
３３の上面にはコ字状のスリツト３５によつて囲
まれる係止爪が設けられている。この係止爪３６
は上下方向に弾性を有しており、電気部品箱３３
の後部に向かつて下り勾配となるほぼ三角形状に
形成されている。そして、この係止爪３６にはユ
ニツト本体２１の係合孔２７と弾性係合するよう
になつている。また、電気部品箱３３の下部には
取付け片３８が一体に形成されていて、この取付
け片３８にはユニツト本体２１のねじ孔２８に対
向する取付け孔３９が穿設されている。そして、
取付け孔３９に挿入された取付けねじ４０がねじ
孔２８に締付けられるようになつている。

つぎに、室内ユニツトに電気部品箱３３を組み
込む場合について説明する。まずユニツト本体２
１から前面パネル２２を取り外した状態におい
て、ユニツト本体２１の収納部３２に電気部品箱
３３を対向させる。そして、電気部品箱３３の上
部を左右ガイド部３０，３０間に位置させ、下部
を下ガイド部３１上に位置させる。この状態で、
電気部品箱３３を前方から押し込むと、電気部品
箱３３上面とユニツト本体２１の上面を構成する
側板２３が略当接し、係止爪３６はユニツト本体
２１の側板２３によつて下方へ弾性変形する。そ
して、電気部品箱３３の背面が本体２１の後面に
当接する位置で、係止爪３６は側板２３から外れ
て弾性復帰し、係合孔２７に係合する。

したがつて、電気部品箱３３の上部はユニツト
本体２１に対して結合されるとともに、下部は取
付け片３８の取付け孔３９がユニツト本体２１の
ねじ孔２８に対向する。そこで、取付け孔３９に
取付けねじ４０を挿入し、ねじ孔２８に締付ける
ことにより、電気部品箱３３の下部も本体２１に
結合される。

その後、ユニツト本体２１の外周の側板２３に
設けられた係合凹部２４に前面パネル２２の開口
端部を嵌合させ、ユニツト本体２１と前面パネル
２２とを連結することにより室内ユニツトに電気
部品箱３３が組み込まれる。この際、ユニツト本
体２１の係合孔２７は前面パネル２２に覆われ、
室内ユニツト表面から隠される。

また、電気部品箱３３の保守点検等によつて電
気部品箱３３をユニツト本体２１から取り外す場
合には、まずユニツト本体２１から前面パネル２
２を取り外し、ユニツト本体２１前方を露出さ
せ、取付けねじ４０を緩めて取り外すとともに、
係合孔２７に手指を上方から挿入して係止爪３６
を押下げ、係合孔２７との係合を解除する。そし
て、電気部品箱３３を前方に引き出すことによ
り、収納部３２から取り外すことができる。

なお、以上の実施例においては、電気部品箱３
３の上部のみを弾性係合させ、下部の固定をユニ
ツト本体２１の固定部であるねじ孔２８と電気部
品箱３３の被固定部である取付け孔３９を取付け
ねじ４０によつて固定したが、第４図に示すよう
に、本体２１の側板２３の下面に固定部である係
合孔２７を設けるとともに、これに対応する電気
部品箱３３の下部に被固定部である係止爪３６を
設けることにより、取付けねじを不要としても良
い。この場合、電気部品箱３３の取付け取り外し
には全くねじの取付け取り外しが不要となり一層
電気部品箱３３の着脱作業が容易になる。

（考案の効果） 本考案によれば、以下の効果がある。

電気部品箱の上部の固定をユニツト本体の上
面に設けた手指が挿入可能な係合孔と電気部品
箱上面に設けた係止爪により行つたため、固定
のために必要な寸法を縮小でき、室内ユニツト
の小形化に寄与する。

また、この電気部品箱の上部の固定の解除
は、ユニツト本体の係合孔に指を挿入して電気
部品箱の係止爪を下方に押せばよく、室内ユニ
ツトの据え付け位置と天井の間に手が挿入でき
るだけの隙間さえあれば可能となり、保守点検
時の電気部品箱の着脱作業が極めて容易とな
る。

さらに、ユニツト本体上面の係合孔およびユ
ニツト本体前面を覆うようにユニツト本体に前
面パネルを取り付けるためユニツト本体上面の
係合孔から侵入するほこり等を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの考案の一実施例を示す
もので、第１図は壁掛形空気調和機の室内ユニツ
トの縦断面図、第２図は第１図に示す壁掛形空気
調和機の室内ユニツトの要部の斜視図、第３図は
電気部品箱の斜視図、第４図はこの考案の他の実
施例係る壁掛形空気調和機の室内ユニツトの縦断
面図、第５図は従来の壁掛形空気調和機の室内ユ
ニツトの縦断面図である。 ２１……ユニツト本体、２２……前面パネル、
２７……係合孔、３０……左右ガイド部、３１…
…下ガイド部、３３……電気部品箱、３６……係
止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に上下位置が固定された電気部品箱を収納
   し、室内の上部壁面に取り付けられる壁掛形空気
   調和機の室内ユニツトにおいて、室内ユニツトの
   背面を覆うユニツト本体に前記電気部品箱の下部
   を固定する固定部を設けるとともに前記ユニツト
   本体の上面に手指が挿入可能な係合孔を設け、前
   記電気部品箱の上面に前記ユニツト本体の係合孔
   に弾性係合する係止爪および前記電気部品箱の下
   部に前記ユニツト本体の前記固定部に対応する被
   固定部を設け、前記電気部品箱を前記ユニツト本
   体の前面から挿入して前記電気部品箱の前記係止
   爪を前記ユニツト本体の前記係合孔に係合固定す
   るとともに前記ユニツト本体の前記固定部と前記
   電気部品箱の前記被固定部とを固定し、前記ユニ
   ツト本体上面の前記係合孔および前記ユニツト本
   体を覆うように前記ユニツト本体に前面パネルを
   取り付けたことを特徴とする壁掛形空気調和機の
   室内ユニツト。