JP2650581B2 - 室内空気調和機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ケーシング内を仕切板
で熱交換器室と電装品箱室に分離した室内空気調和機に
関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、この種の室内空気調和機として、
未公開ではあるが、本出願人により図３に示すようなも
のが提案された。この室内空気調和機は、壁Ｗの開口に
ぴったり嵌め込まれた据付枠２１に、ケーシング２２を
嵌合,固定してなる。ケーシング２２内は、仕切板２３
(図３(Ａ)参照)で熱交換器室２４と電装品箱室２５に分
離され、熱交換器室２４に、前面上部に電気集塵器２７
を取り付けた熱交換器２６(図３(Ｂ)参照),ドレンパン
２８およびファン２９を収容し、ドレンパンのホース接
続口２８aを仕切板２３を貫いて電装品箱室２５の下部
に突出させる一方、電装品箱室２５に(図３(Ａ)参照)、
制御回路を内蔵するとともに下端に電線接続のための端
子台３１を突設した電装品箱３０を収容している。

【０００３】据付枠２１に固定されたケーシング２２
は、天板２２aから枠内に突出する冷媒配管３２(図３
(Ａ)参照)が、図示しない室外空気調和機から上記枠内
に伸びる冷媒配管３３の先端部に接続され、ケーシング
２２の底板２２bの下部に設けた穴２２cにドレンホース
３４を挿通して、その一端をドレンパンのホース接続口
２８aに、他端を外部のドレン配管３５に夫々接続して
いる。室外機から伸びる電線３６も、上記穴２２cに挿
通した後、電装品箱の端子台３１に接続される。なお、
ケーシングの天板２２aの前部は、図３(Ｂ)に示すよう
に、冷媒配管３３に接する後部よりも下方に折れ曲がっ
た凹部をなし、この凹部により、作業スペースを広げて
冷媒配管相互の接続を容易化するとともに、ファン２９
で吸込口２２dから吸い込まれる空気を、上縁の熱交換
器２６へバイパスさせることなく電気集塵器２７に案内
して、通過空気量の増加により集塵効率の改善を図って
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、本出願人の
提案に係る上記室内空気調和機は、仕切板２３で区切ら
れる電装品箱室２５が狭く、この電装品箱室２５の下部
にドレンパンのホース接続口２８aやホース穴２２cがあ
り、しかもこれらに近接して室の縦方向全長に、端子台
３１を下端に一体化した電装品箱３０が収容されてい
る。その為、壁Ｗの据付枠２１にケーシング２２を据え
付けた後、底板２２bの穴２２cからドレンホース３４を
差し込んで、その先端をホース接続口２８aに接続しよ
うとすると、接続作業のためのスペースが狭く、特に端
子台３１が邪魔になって、接続作業が手間のかかる難し
いものになるという欠点がある。

【０００５】そこで、本発明の目的は、端子台と電装品
箱の構造を工夫することによって、一人の作業者でもド
レンホースの接続を容易かつ迅速に行なうことができる
室内空気調和機を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の室内空気調和機は、図１,図３に例示する
ように、ケーシング２２内を仕切板２３で熱交換器室２
４と電装品箱室２５に分離し、上記熱交換器室２４に熱
交換器２６,ドレンパン２８およびファン２９を収容
し、上記ドレンパン２８のホース接続口２８aを上記仕
切板２３を貫いて電装品箱室２５の下部に突出させる一
方、ドレンホース挿通穴２２cをもつ上記電装品箱室２
５に、制御回路を内蔵するとともに下端に電線接続のた
めの端子台２を有する電装品箱１を収容してなるものに
おいて、上記端子台２は、第１係合部６を有して上記電
装品箱１の下端に着脱自在に取り付けられる一方、上記
電装品箱１の側面に、上記第１係合部６に係合して上記
端子台２を保持する第２係合部９を設けたことを特徴と
する。また、上記第１係合部を、端子台２の端子５に接
続された電線を押さえる電線固定板６とし、上記第２係
合部を、爪９とすることもできる。

【０００７】

【作用】ケーシング２２を室内の所定箇所２１に据え付
けた後、ケーシング２２内の仕切板２３で区切られた電
装品箱室２５に収容された電装品箱１の下端から、端子
台２を取り外し、この端子台２の第１係合部６を、電装
品箱１の側面に設けられた第２係合部９に係合させて、
端子台２を保持する。次いで、電装品箱室２５の挿通穴
２２cに外部からドレンホース３４を通し、端子台２が
除去されて広くなった室２５の下部に前方から手を入れ
て、ドレンホース３４の先端をドレンパン２８のホース
接続口２８aに接続する。端子台２の除去で作業空間が
広がるので、ドレンパン２８へのドレンホース３４の接
続を容易かつ迅速に行なうことができる。尚、上記第１
係合部を電線固定板６とし、第２係合部を爪９とすれ
ば、電線押さえのために従来から端子台２にある電線固
定板６を、端子台２の電装品箱１への保持に利用でき、
別途部材を要さないから経済的である。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。図１は、本発明による室内空気調和機の電装品
箱の一例を示す概略斜視図であり、この電装品箱は、図
３で述べた室内空気調和機の電装品箱３０に代えて、ケ
ーシング２２の電装品箱室２５に同様に収容される。つ
まり、本発明の室内空気調和機は、電装品箱を除いて図
３で述べたものと同じ構造であるので、同じ部材の説明
は省略する。上記電装品箱１は、図１に示すように、上
記ケーシングの前面に臨む前面が開口部１aとなってお
り、制御回路を構成する複数のプリント配線基板(図示
せず)を内部に収容するとともに、下面に突設した１対
の突起１bを位置決めと補強のために用いて、室外機か
らの電線３４(図３(Ｂ)参照)を接続するための端子台２
を、ねじ３により電装品箱１の下端に着脱自在に取り付
けている。

【０００９】上記端子台２は、前面上部に複数の端子
５,５…をもつ端子盤４と、これらの端子５に接続され
る電線３４（図３(Ｂ)参照)を押さえるべく一端がねじ
７で台枠に固定される第１係合部としての電線固定板６
とを有し、端子盤４からは上記プリント配線基板への接
続のための寸法に余裕をもった多数の信号線８が出てい
る。一方、上記電装品箱の側面,つまり開口部１aの右側
縁の略中央には、取り外された端子台２の電線固定板６
に係合して(図２(Ｃ)参照)、この端子台２を保持する第
２係合部としての爪９を設けている。

【００１０】上記構成の室内空気調和機の電装品箱は、
次のように作用する。図３で述べたように、ケーシング
２２を壁Ｗの据付枠２１に据え付けた後、ケーシング２
２の仕切板２３で区切られた電装品箱室２５に収容され
た図２(Ａ)の如き電装品箱１の下端から、ねじ３を外し
て端子台２を取り外す。次に、図２(Ｂ)に示すように、
寸法に余裕のある信号線８と共に端子台２を引き出し、
その前面上辺を中心軸として上方へ略半回転させる。さ
らに、図２(Ｃ)の如く、端子台２の電線固定板６を、電
装品箱１の前面右側縁の爪９に係合させて、端子台２を
保持する。これによって、端子台２は、電装品箱１の下
端から取り外されて上方側面の爪９に引っ掛けられ、図
３(Ａ)の電装品箱室２５の下部,つまりホース接続口２
８aや穴２２cの側方には端子台(３１)分の空間ができ
る。そこで、上記穴２２cに壁Ｗの裏側からドレンホー
ス３４(図３(Ｂ)参照)を通し、空間ができて広くなった
電装品箱室の下部に壁Ｗの前側から手を入れて、ドレン
ホース３４の先端をドレンパン２８のホース接続口２８
aに接続する。ドレンホースの接続が終わると、図２
(Ａ)の如く端子台２を電装品箱１の下端のもとの位置に
取り付けた後、この端子台２に室外機からの電線３６
(図３(Ｂ)参照)を接続する。

【００１１】このように、端子台２の除去でドレンホー
スの接続作業スペースが広がるので、ドレンホース３４
をドレンパン８に容易かつ迅速に接続することができ、
室内空気調和機の据付作業の能率化に寄与する。上記実
施例では、電線押さえのために従来から端子台２にある
電線固定板６を、第１係合部に兼用し、これを電装品箱
１の第２係合部としての爪９に係合して端子台２を保持
しているので、第１係合部に別途部材を要さないから経
済的である。なお、本発明の第１,第２係合部が、実施
例の電線固定板６や爪９に限らないのはいうまでもな
い。

【００１２】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
室内空気調和機は、熱交換器,ドレンパン,ファンを収容
する熱交換器室と仕切板で分離されるケーシング内のド
レンホース挿通穴をもつ電装品箱室に、制御回路を内蔵
する電装品箱を収容し、この電装品箱の下端に、第１係
合部を有する電線接続用の端子台を着脱自在に取り付け
る一方、上記電装品箱の側面に、第１係合部に係合して
上記端子台を保持する第２係合部を設けているので、ド
レンパンへのドレンホースの接続を、作業スペースの拡
大により容易かつ迅速に行なうことができ、室内空気調
和機の据付作業の能率化に寄与する。また、従来から端
子台にある電線押さえのための電線固定板を、第１係合
部に兼用すれば、第１係合部に別途部材を要さないので
経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による室内空気調和機の電装品箱の一
例を示す概略斜視図である。

【図２】 上記電装品箱から端子台を取り外す手順を示
す側面図である。

【図３】 本出願人の提案に係る室内空気調和機を示す
正面図,断面図である。

【符号の説明】

１…電装品箱、１b…突起、２…端子台、３…ねじ、５
…端子、６…電線固定板、９…爪、２１…据付枠、２２
…ケーシング、２２c…穴、２３…仕切板、２４…熱交
換器室、２５…電装品箱室、２６…熱交換器、２８…ド
レンパン、２８a…ホース接続口、２９…ファン。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシング(２２)内を仕切板(２３)で熱
   交換器室(２４)と電装品箱室(２５)に分離し、上記熱交
   換器室(２４)に熱交換器(２６),ドレンパン(２８)およ
   びファン(２９)を収容し、上記ドレンパン(２８)のホー
   ス接続口(２８a)を上記仕切板(２３)を貫いて電装品箱
   室(２５)の下部に突出させる一方、ドレンホース挿通穴
   (２２c)をもつ上記電装品箱室(２５)に、制御回路を内
   蔵するとともに下端に電線接続のための端子台(２)を有
   する電装品箱(１)を収容してなる室内空気調和機におい
   て、 上記端子台(２)は、第１係合部(６)を有して上記電装品
   箱(１)の下端に着脱自在に取り付けられる一方、上記電
   装品箱(１)の側面に、上記第１係合部(６)に係合して上
   記端子台(２)を保持する第２係合部(９)を設けたことを
   特徴とする室内空気調和機。
2. 【請求項２】 上記第１係合部は、端子台(２)の端子
   (５)に接続された電線を押さえる電線固定板(６)であ
   り、上記第２係合部は、爪(９)である請求項１に記載の
   室内空気調和機。