JPH0474344B2 - - Google Patents

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JPH0474344B2
JPH0474344B2 JP59046529A JP4652984A JPH0474344B2 JP H0474344 B2 JPH0474344 B2 JP H0474344B2 JP 59046529 A JP59046529 A JP 59046529A JP 4652984 A JP4652984 A JP 4652984A JP H0474344 B2 JPH0474344 B2 JP H0474344B2
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phenylserine
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、β−フエニルセリン類の改良された
製法に関する。 β−フエニルセリン類は、それ自身α−アミノ
酸の一種であり、生理活性物質として有用である
ばかりでなく、β−フエニルアラニン誘導体製造
時の中間体としても有用な化合物である。 従来、β−フエニルセリン類の製造法として
は、 1 グリシンの銅錯体とベンズアルデヒド類とを
反応させて製造する方法(例えば、西ドイツ特
許960722号) 2 グリシンとベンズアルデヒド類とをアルカリ
存在下に反応させた後、酸処理してβ−フエニ
ルセリン類を製造する方法(例えば、Kenneth
N.F.Shaw and Sidney W.Fox,Journal of
American Chemical Society,75,3419
(1953)) 3 グリシン誘導体のアルカリ金属塩とカルボニ
ル化合物とを、水−有機二相系で、濃アルカリ
金属水酸化物と第4級アンモニウム塩の存在下
で反応させ、得られる中間体を強鉱酸で加水分
解するセリン誘導体の製造法(例えば、特開昭
56−12321号公報) 等が知られている。 しかしながら、1)の方法は銅塩を使用すると
いうことで、産業上公害面で問題であり、廃水処
理が面倒になるだけでなく、一般に収率も低い等
の欠点を有する製造法である。また、2)の方法
では、グリシンとベンズアルデヒドとを水酸化ナ
トリウムの存在下に水中で反応させた後、塩酸処
理して、β−フエニルセリンを70%の収率で得て
いるが、この方法は前記文献中にも記載されてい
るようにグリシンとベンズアルデヒドとの反応生
成物であるN−ベンジリデン−β−フエニルセリ
ンのナトリウム塩の析出が一時に生じ、反応混合
物が全体的に固化してしまい、その結果、機械的
攪拌ができなくなるという大きな問題がある。 また、この反応は反応機構的には反応式(1)に示
すように、先ず1モルのグリシンに1モルのベン
ズアルデヒドが縮合し、N−ベンジリデングリシ
ンが生成しこのものにさらに1モルのベンズアル
デヒドが付加してN−ベンジリデン−β−フエニ
ルセリンが生成するものである。したがつて、反
応にはグリシン1モルに対して少なくとも2モル
のベンズアルデヒドが必要であり、このうち1モ
ルは中間体生成物のN−ベンジリデン−β−フエ
ニルセリン を酸処理する過程で再びベンズアルデヒドとして
再生される。従来の方法では、この再生されたベ
ンズアルデヒドを生成物のβ−フエニルセリンと
分離するため、β−フエニルセリンの結晶をアル
コールで洗浄して付着ベンズアルデヒドを除いて
いる。従つて、β−フエニルセリンを分離した濾
液からのベンズアルデヒドの回収が必要になるな
どの欠点もある。 一方、3)の方法はカルボニル化合物の回収を
容易にし、再循環できる点で優れた方法である
が、本発明者らの検討では、N−ベンジリデン−
β−フエニルセリンのナトリウム塩の析出した固
−液の反応混合物の攪拌については改善されてお
らず、しかも触媒として使用した第4級アンモニ
ウム塩の回収が困難であるという欠点がある。ま
た、収率が高く、平均80から90%又は夫以上であ
ると記載されているものの、実施例で判断する限
り、この収率はカルボニル化合物ベースであり、
グリシン誘導体ベースではかなり低い値となる。
実際、実施例1の収率はp−ニトロベンズアルデ
ヒドベースでは92%であるが、グリシンベースで
は80.5%にすぎない。 このようにβ−フエニルセリン類の従来の製造
法には種々の問題があり、工業的製法としては必
ずしも満足しうる方法ではないのが現状である。 本発明者らは、上記のような従来技術の問題点
をふまえて、β−フエニルセリン類の工業的製造
法について鋭意検討し、先にグリシンとベンズア
ルデヒド類をアルカリ存在下に反応させ、ついで
酸処理してβ−フエニルセリンを製造するに際し
て該反応を水と疎水性有機溶媒との混合溶媒中で
行う方法を開発した(特開昭60−32753号)。しか
しながら、この方法でも、アルカリ反応時におけ
る攪拌についてはなお大きな問題があつた。その
後の検討の結果、この方法において、特定の非イ
オン界面活性剤を添加すると、アルカリ反応時に
N−ベンジリデン−β−フエニルセリンのナトリ
ウム塩の析出した固−液の反応混合物の流動性が
大幅に改善され、攪拌が著しく円滑になるうえ
に、β−フエニルセリン類の収率向上にもつなが
ることを見出し、本発明を完成した。 即ち、本発明はグリシンとベンズアルデヒド類
からβ−フエニルセリン類を製造するに際し、グ
リシンとベンズアルデヒド類とを、水と疎水性有
機溶媒とからなる混合溶媒中、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテル類、ソルビタンエステル
類、ソルビタンエステルエーテル類またはオキシ
エチレンオキシプロピレンブロツクコポリマー類
からなる群の中から選ばれる少なくとも一種の非
イオン界面活性剤とアルカリの存在下に反応さ
せ、ついで酸処理し、生成したβ−フエニルセリ
ン類を取得した後、非イオン界面活性剤を含有す
る有機溶媒層を、上記疎水性有機溶媒の少なくと
も一部として再使用することを特徴とするβ−フ
エニルセリン類の製造法に関するものである。 本発明の方法によれば、前記の水溶媒中での反
応の際の攪拌の問題、酸処理によつて生成したβ
−フエニルセリン類とベンズアルデヒド類との分
離の問題等を一挙に解決できる。また、本発明で
は、非イオン界面活性剤およびベンズアルデヒド
類は有機溶媒層に溶解しているため、分液操作だ
けで簡単に生成したβ−フエニルセリン類と分離
でき、改めて回収操作を行う必要がなく、この有
機溶媒層を反応に消費された分のベンズアルデヒ
ド類を補給するだけで、そのまま循環使用できる
ことも本発明の大きな特徴である。 本発明の方法で使用される原料のベンズアルデ
ヒド類は、未置換または置換基を有するベンズア
ルデヒド類であり、置換ベンズアルデヒドの置換
基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、アリールオキシ基、ベンジルオキシ基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、シアノ基またはフエニル基
を有するものであり、その置換位置ならびに置換
基の数には特に限定はない。 具体的に例えば、ベンズアルデヒド、o−トル
アルデヒド、m−トルアルデヒド、p−トルアル
デヒド、p−エチルベンズアルデヒド、o−アニ
スアルデヒド、m−アニスアルデヒド、p−アニ
スアルデヒド、3,4−メチレンオキシベンズア
ルデヒド、p−ベンジルオキシベンズアルデヒ
ド、3,4−ジベンジルオキシベンズアルデヒ
ド、o−クロルベンズアルデヒド、m−クロルベ
ンズアルデヒド、p−クロルベンズアルデヒド、
o−ブロムベンズアルデヒド、m−ブロムベンズ
アルデヒド、p−ブロムベンズアルデヒド、2,
4−ジクロルベンズアルデヒド、3,4−ジクロ
ルベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒ
ド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベ
ンズアルデヒド、p−シアノベンズアルデヒド、
p−ジフエニルアルデヒド等を挙げることができ
る。これらのベンズアルデヒド類の使用量はグリ
シンに対して2モル以上であり、上限については
特に制限はないが、通常は2.0〜4.0モル比の範囲
であれば良い。 本発明の方法で用いられる疎水性有機溶媒とは
ベンズアルデヒド類を溶解し、且つ反応に対して
不活性であり、水と多少の相互溶解度をもつても
よいが、水層と有機層の2層を形成するものであ
れば特に制限はない。具体的にはベンゼン、トル
エン、キシレンまたはエチルベンゼンなどの炭化
水素系溶媒、塩化メチレン、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジク
ロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロロエ
チレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン
またはトリクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素系溶媒、1−ブタノール、2−ブタノール、
イソブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタ
ノール、3−ペンタノール、1−ヘプタノール、
2−ヘプタノールまたは3−ヘプタノールなどの
アルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピ
ルエーテルまたはジイソプロピルエーテルなどの
エーテル系溶媒、メチルイソブチルケトンまたは
ジイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒、ある
いは酢酸エステルまたはリン酸エステルなどのエ
ステル系の溶媒などであるが勿論これに限定され
るものではない。 これらの溶媒は、通常は単独で用いられるが、
2種類以上を混合して用いても反応には何ら支障
はない。これらの有機溶媒の使用量は、反応温度
において原料のベンズアルデヒド類を溶解しうる
量以上であれば特に制限はないが、反応操作なら
びに反応の容積効率の点からベンズアルデヒドに
対して通常0.3〜20重量倍、好ましくは0.5〜10重
量倍の範囲である。 本発明の方法では、反応は上記の疎水性有機溶
媒の少なくとも1種以上と水との混合溶媒中で実
施される。この混合溶媒において水と有機溶媒と
の割合については特に制限はない。通常は水100
重量部に対して有機溶媒が20〜500重量部の範囲
である。 また本発明の反応に使用する水の量は原料のグ
リシンに対して2重量倍以上、好ましくは3〜20
重量倍である。水の量が20重量倍を超える場合に
は反応収率が低下して好ましくない。 また本発明の方法で使用されるアルカリは水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウム
などのアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の
水酸化物であり、その使用量は理論量以上用いれ
ば良いが、好ましくは原料のグリシンに対して
1.2当量以上である。アルカリの使用量の上限に
ついては特に制限はないが、アルカリをあまり多
量に使用することは後述の反応後の酸処理時に使
用する酸の量が増加するので、通常は4モル比以
内で使用される。 本発明の方法では、特定の非イオン界面活性剤
の存在下に反応を行う。使用される非イオン界面
活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテ
ル類、ソルビタンエステル類、ソルビタンエステ
ルエーテル類またはオキシエチレンオキシプロピ
レンブロツクコポリマー類からなる群の中から選
ばれる少なくとも一種の非イオン界面活性剤であ
る。これらの非イオン界面活性剤は、通常1種類
で使用されるが、2種類以上を併用しても差支え
ない。非イオン界面活性剤の使用量はあまり少な
すぎても効果がなく、また多すぎると反応時の攪
拌性は逆に悪くなることから、原料のグリシンに
対して0.2〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%
の範囲が好適である。 従来、本発明者らが知見したところによれば、
N−ベンジリデン−β−フエニルセリンのナトリ
ウム塩の析出により、反応系が固−液系のスラリ
ーとなり、該スラリー混合物の機械的攪拌が、特
に大容量の場合、極めて困難になるという問題点
があつた。しかるに本発明においては、非イオン
界面活性剤を添加することにより、N−ベンジリ
デン−β−フエニルセリンのナトリウム塩の析出
により、固−液系の反応混合物の機械的攪拌が極
めて困難になるというかかる従来の大きな問題
を、スケールアツプした場合においてさえも、根
本的に解決するものである。さらに、反応時の攪
拌がより円滑になる結果、反応収率も向上すると
いう顕著な作用効果が奏されるのである。 本発明で用いる非イオン性の界面活性剤は、一
般に、有機溶媒に可溶で、水に難溶であることか
ら、酸処理後には、回収されるベンズアルデヒド
と共に、有機溶媒層に溶解しているため、この有
機溶媒層を循環使用する際に、あらためて界面活
性剤を添加しなくても良いという利点もある。 本発明の方法において、原料、溶媒、アルカリ
や非イオン界面活性剤の装入順序には特に制限は
なく、任意の順序で加えて反応を行えばよい。グ
リシンに水およびアルカリを加えて溶解し、次い
でベンズアルデヒド類および非イオン界面活性剤
を溶解した有機溶媒の溶液を滴下装入して反応を
行つてもよく、あるいは、グリシン、水、ベンズ
アルデヒド類、有機溶媒および非イオン界面活性
剤を装入した混合物中にアルカリを固形または水
溶液の形態で装入または滴下して反応させる方法
でもよい。反応温度は0〜80℃、時間は3〜50時
間、好ましくは5〜30時間である。このようにし
てN−ベンジリデン−β−フエニルセリン類のア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を生成させ
る。 本発明の方法では、上記の反応によつて生成し
たN−ベンジリデン−β−フエニルセリン類のア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属塩は、反応系
より単離することなく、引きつづき反応混合物を
鉱酸で処理する。この酸処理によつて、N−ベン
ジリデン基が加水分解されてβ−フエニルセリン
類が生成する。即ち、N−ベンジリデン−β−フ
エニルセリン類のアルカリ反応混合物に、反応に
使用したグリシンとアルカリの合計当量以上の鉱
酸を滴下装入し、0〜80℃、好ましくは10〜60℃
で処理すると、N−ベンジリデン−β−フエニル
セリン類は、容易に加水分解され、相当するβ−
フエニルセリン類が生成し、これが過剰の鉱酸に
よつて鉱酸塩となり、水層に溶解する。使用する
酸は塩酸、硫酸、リン酸、硼酸などの鉱酸であ
り、その使用量は、β−フエニルセリン類を鉱酸
塩とするに十分な量、即ち、前述のように反応に
使用したグリシンとアルカリの合計当量以上であ
る。一方、反応に消費されない過剰のベンズアル
デヒド類および酸処理操作によつてN−ベンジリ
デン基が加水分解して再生されるベンズアルデヒ
ド類ならびに非イオン界面活性剤は、有機溶媒層
に溶解する。従つて、酸処理後、水層と有機溶媒
層とを分液操作で分離することにより、生成物と
原料類とを容易に分離できる。β−フエニルセリ
ン類の鉱酸塩を含む水層を水酸化ナトリウムなど
のアルカリによつて中和すれば、β−フエニルセ
リン類の結晶が析出する。従つて、濾過してβ−
フエニルセリン類を容易に単離することができ
る。 一方、有機溶媒層は、未反応のベンズアルデヒ
ド類および非イオン界面活性剤が溶解している
が、これらをあらためて回収する必要はなく、実
質、反応に消費された分のベンズアルデヒド類を
補給するだけで、そのまま疎水性有機溶媒として
循環使用することができる。 このように、本発明のβ−フエニルセリン類の
製造法は、従来の製造技術の問題点を解決するだ
けでなく、ベンズアルデヒド類および非イオン界
面活性剤を効率よく循環使用でき、また、反応収
率も高いなど種々の利点があり、効率の良いβ−
フエニルセリン類の製造法である。従つてその工
業的価値の高い製造法である。 以下、実施例によつて本発明を詳細に説明す
る。 実施例 1 グリシン30gに、水90gおよび45%水酸化ナト
リウム88.8gを加え溶解した。この溶液を25℃で
攪拌しながら、トルエン150g中にベンズアルデ
ヒド110.2g及び非イオン界面活性剤レオドール
AO−15(ソルビタンエステル系界面活性剤、花
王石鹸(株)製)3.0gを溶解したトルエン溶液を、
25〜30℃で約30分を要して滴下装入し、30〜35℃
で8時間反応させた。N−ベンジリデン−β−フ
エニルセリンのナトリウム塩の析出した固−液系
の反応混合物の攪拌の状態は極めて良好で、全体
的に均一なスラリー状態を保つていた。反応後、
固−液系の反応液の粘性をB型粘度計で測定した
結果、粘度は500〜800cpであつた。 その後、35%塩酸146gを40℃以下の温度でお
よそ40分間で滴下し、さらに室温下に1時間攪拌
した。静置ののち、下層の水層を分液にて分離
し、高速液体クロマトグラフイーにて分析した結
果、β−フエニルセリン生成率は、95.7mol%
(対グリシン)であつた。 水層は、室温下に45%水酸化ナトリウムでPH
5.6まで中和し、0〜5℃に冷却し、同温度で1
時間かきまぜてから濾過し、冷水で洗浄後、60〜
70℃で減圧乾燥することにより、69.8gのβ−フ
エニルセリンの白色結晶を得た。このものは、高
速液体クロマトグラフイーでの純度分析の結果、
90.6%であつた。また、このものは、示差熱分析
及びカールフイツシヤーでの水分定量の結果よ
り、結晶水を1分子保有していることがわかつ
た。 単離収率87.2%(対グリシン) 融点197〜199℃(分解) 元素分析値(%) C H N 測定値 54.10 6.78 6.81 C9H13NO4としての 計算値 54.26 6.57 7.03 比較例 1 実施例1において非イオン界面活性剤を使用せ
ず、その他は実施例1と全く同様に行つた。酸処
理後、分液して得られた水層の高速液体クロマト
グラフイーでの分析の結果、β−フエニルセリン
の生成率は、90.4%(対グリシン)であり、実施
例1に比較して約5%低かつた。アルカリ反応時
の反応混合物の流動性は実施例に比較して悪かつ
た。 反応後、固−液系の反応液の粘性をB型粘度計
で測定した結果、粘度は1500〜2000cpであつた。 比較例 2 実施例1において有機溶媒のトルエン及び非イ
オン界面活性剤を使用せず反応を水溶媒だけで行
つた。ベンズアルデヒド滴下装入後、全体が固ま
つてきて攪拌ができなくなつてしまつた。 実施例 2 実施例1において、トルエン溶液の代わりに、
実施例1で得られたベンズアルデヒドとレオドー
ルAO−15を含む回収トルエン層に、新たにベン
ズアルデヒド44.5gを追加装入したトルエン溶液
を用い、実施例1と同様の条件で反応を行つた。
新たに非イオン界面活性剤を添加しなかつたにも
かかわらず、反応時の攪拌の状態は極めて良好
で、反応混合物の流動性は実施例1とほとんど変
わらなかつた。反応後、固−液系の反応液の粘性
をB型粘度計で測定した結果、粘度は、実施例1
と同様に500〜800cpであり、なんら増加する傾
向は認められなかつた。酸処理後の水層を高速液
体クロマトグラフイーで分析した結果、β−フエ
ニルセリン生成率は、95.1%(対グリシン)であ
つた。 比較例 3 実施例1において、レオドールAO−15を第4
級アンモニウム塩たるトリオクチルメチルアンモ
ニウムクロライド(TOMAC)に代える以外は、
実施例1と同様にして反応を行つた。固−液系の
反応混合物の流動性は実施例に比較して悪く、壁
面部分では一部流動しない固体部分が認められ
た。反応後、反応液の粘度をB型粘度計で測定し
た結果、粘度は1500〜2000cpと高かつた。酸処
理後の水層を高速液体クロマトグラフイーで分析
した結果、β−フエニルセリンの生成率は89.7%
であつた。 比較例 4 比較例3において得られたベンズアルデヒドを
含む回収トルエン層に新たにベンズアルデヒドを
44.5g追加装入したトルエン溶液を用い、実施例
1と同様の条件で反応を行つた。固−液系の反応
混合物の流動性は、比較例3の場合に比較して、
さらに悪く、壁面部分では流動しない固体部分が
かなり多く認められた。反応後、反応液の粘性を
B型粘度計で測定した結果、粘度は更に高くなつ
ており、3500〜4000cpであつた。なお、この場
合には、壁面部分に流動しない固体部分があり、
上記粘度の値は、必ずしも正確な粘度を示してい
るとは思われなかつた。 酸処理後の水層を高速液体クロマトグラフイー
で分析した結果、β−フエニルセリンの生成率は
87.2%であつた。 以上のごとく、本発明で使用する非イオン界面
活性剤と第4級アンモニウム塩とでは、特に、ス
ラリー状となつた反応液の攪拌状態に及ぼす作用
効果にえいて、格段の差異があることが明らかで
ある。 実施例 3〜7 実施例1において界面活性剤の種類及び量をか
える以外は実施例1と同様に反応を行つた結果を
表−1に示す(グリシン30gスケール)。
【表】 実施例 8〜11 実施例1において溶媒の種類、量、反応温度、
時間をかえて行つた結果を表−2に示す。 (グリシン30gスケール、界面活性剤:レオド
ールAO−15 1.5g使用) 実施例 12 グリシン30gに水90g及び50%水酸化カリウム
水溶液112.2gを加え溶解する。この溶液を10℃
に冷却し10〜15℃でベンズアルデヒド127.2gお
よびレオドールAO−15(ソルビタンセスキオレ
エート、花王石鹸(株)製)1.5gをトルエン150gに
溶解した溶液をおよそ1時間要して滴下した。そ
の後さらに同温度で20時間反応させた。反応後、
35%塩酸146gを20℃以下の温度で滴下装入し、
さらに室温で1時間攪拌した。静置後、分液にて
下層の水層を分離して高速液体クロマトグラフイ
ーにて分析の結果、水層中のβ−フエニルセリン
の生成率は86.0モル%(対グリシン)であつた。 水層は45%水酸化ナトリウムにてPH5.6まで中
和したのち、5℃に冷却し、0〜5℃で1時間か
きまぜながら濾過、冷水で洗浄後70℃で減圧乾燥
することによつて58.9gの白色のβ−フエニルセ
リンを得た。純度分析の結果、β−フエニルセリ
ン・1水和物としての純度は98.4%であつた。 単離収率、72.7モル%(対グリシン)。 実施例 13〜16 実施例1の方法に準じてベンズアルデヒドのか
わりに各種の置換ベンズアルデヒドを用いて反応
を行つた。結果を表−3に示す。
【表】
【表】
【表】 実施例 17 攪拌機を有するジヤケツト付のグラスライニン
グ(GL)製の5m3の反応釜に、グリシン202.9
Kg、水608.7Kg、ベンズアルデヒド745.2Kg、トル
エン1014.5Kgおよび非イオン界面活性剤レオドー
ルAO−15〔ソルビタンエステル計界面活性剤、
花王石鹸(株)製〕10.1Kgを仕込み、45%水酸化ナト
リウム600.2Kgを30〜35℃の温度で、4時間かけ
て滴下し、同温度にて20時間反応させた。攪拌速
度は300rpmであつた。反応時の固−液系の反応
混合物の攪拌は極めて良好で、全体的に均一のス
ラリー状態を保つていた。 その後、35%塩酸985.7Kgを40℃以下の温度で
3時間かけて滴下し、さらに25℃まで冷却して、
分液槽に移した。静置したのち、下層の水層を分
液して攪拌機を有するジヤケツト付のGL製の反
応釜(5m3)に移した。水層の一部を高速液体ク
ロマトグラフイーで分析した結果、β−フエニル
セリンの生成率は95.0%(対グリシン)であつ
た。上層のトルエン層は次の反応に循環使用する
ために貯槽に回収した。 次いで、水層に、45%水酸化ナトリウム240.2
Kgを加えて中和し、5℃まで冷却した後、晶析し
た固体を遠心分離機によつて分離した。得られた
ウエツトケーキ567.4Kgを3m3のコニカルドライ
ヤーにて、ジヤケツト温度60℃、減圧度50mmHg
で乾燥し、483.5Kgのβ−フエニルセリンを得た。
このものは高速液体クロマトグラフイーでの分析
の結果、その純度は90.1%であつた。また、単離
収率は84.0%(対グリシン)であつた。 実施例 18 実施例17において得られたベンズアルデヒド、
レオドールAO−15を含む回収トルエン層に、新
たにベンズアルデヒド313.2Kgを追加装入したト
ルエン溶液を用い、実施例17と同様にして反応を
行つた。新たにレオドールAO−15を添加しなか
つたにもかかわらず、反応時の攪拌の状態は良好
で、固−液系の反応混合物の流動性は実施例17と
殆ど変わらなかつた。酸処理後の水層を、高速液
体クロマトグラフイーにて分析した結果、β−フ
エニルセリン生成率は、95.5%(対グリシン)で
あり、単離収率は83.7%(対グリシン)であつ
た。 比較例 5 攪拌機を有するジヤケツト付GL製の100の反
応釜に、グリシン4.1Kg、水12.2Kg、ベンズアル
デヒド14.9Kg、トルエン20.3Kgおよびトリオクチ
ルメチルアンモニウムクロライド(TOMAC)
0.2Kgを仕込み、45%水酸化ナトリウム12.0Kgを
30〜35℃の温度で滴下し、同温度で反応させた。
反応を始めて、約3時間後から徐々に液粘度が高
くなり、それにつれて攪拌状態が悪くなり、最後
には攪拌不能となつてしまつた。そこで、35%塩
酸19.7Kgを加えて、徐々に溶解させたのち、分液
槽に移した。静置後、下層の水層を分液し、その
一部を高速液体クロマトグラフイーにて分析した
結果、β−フエニルセリンの生成率は、80.6%
(対グリシン)であつた。 反応釜を点検した結果、攪拌羽の曲損が認めら
れた。 実施例17,18においては、5m2という工業的規
模の反応器を使用したにもかかわらず、小スケー
ル(実施例1〜16)のものとなんら変わることな
く、良好な攪拌がおこなわれ、高収率が得られ
た。しかるに、比較例5では、100というベン
チ規模の反応器を使用したにもかかわらず、β−
フエニルセリンの生成率も格段に低く、しかも、
反応中に攪拌不能になるという装置上、最悪の結
果を招来することがわかり、到底、工業的規模で
は実施出来ないことが確認された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 グリシンとベンズアルデヒド類からβ−フエ
    ニルセリン類を製造するに際し、グリシンとベン
    ズアルデヒド類とを、水を疎水性有機溶媒とから
    なる混合溶媒中、ポリオキシエチレンアルキルエ
    ーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリール
    エーテル類、ソルビタンエステル類、ソルビタン
    エステルエーテル類またはオキシエチレンオキシ
    プロピレンブロツクコポリマー類からなる群の中
    から選ばれる少なくとも一種の非イオン界面活性
    剤とアルカリの存在下に反応させ、ついで酸処理
    し、生成したβ−フエニルセリン類を取得した
    後、非イオン界面活性剤を含有する有機溶媒層
    を、上記疎水性有機溶媒の少なくとも一部として
    再使用することを特徴とするβ−フエニルセリン
    類の製法。
JP4652984A 1983-08-01 1984-03-13 β−フエニルセリン類の製法 Granted JPS60193952A (ja)

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CA000459603A CA1228075A (en) 1983-08-01 1984-07-25 PROCESS FOR PRODUCTION OF .beta.-PHENYLSERINE
AU31237/84A AU569099B2 (en) 1983-08-01 1984-07-27 Production of beta-phenylserine
MX202211A MX157830A (es) 1983-08-01 1984-07-31 Procedimiento para la produccion de beta-fenilserina
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NL8402400A NL191706C (nl) 1983-08-01 1984-07-31 Werkwijze ter bereiding van een beta-fenylserine.
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5612321A (en) * 1979-05-24 1981-02-06 Lepetit Spa Manufacture of serine derivative

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5612321A (en) * 1979-05-24 1981-02-06 Lepetit Spa Manufacture of serine derivative

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