JP2004256440A - アミノ化合物の製造方法 - Google Patents

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Takae Ono
孝衛 大野
Haruyo Sato
治代 佐藤
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Abstract

【課題】使用薬品が少ない省資源的な反応で、且つ工業生産可能な簡便な操作で、フタルイミド誘導体からアミノ化合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)
【化1】
Figure 2004256440

(式中、Rはアミン残基を意味する。)で表されるフタルイミド誘導体とヒドラジンを水溶媒中で反応させて、一般式(2)
R−NH (2)
(式中、Rは前記と同様。)で表されるアミノ化合物を製造する。反応終了後に無機酸を添加してpHを2〜5に調整してから固液分離し、母液からアミノ化合物を回収する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミノ化合物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アミノ化合物を製造する方法として、フタルイミド誘導体を酸や塩基触媒存在下で加水分解させる方法が知られているが、一般に反応速度が遅いため改良方法として、次の反応式に示すように、ヒドラジンと交換反応させる方法が開発された。
【0003】
【化4】
Figure 2004256440
【0004】
本法は穏和な反応条件で進行する方法で、優れた方法といえる。例えば、N−ターシャリーブチルフタルイミドとヒドラジン1水和物を95%含水エタノール中で2時間加熱還流させる工程、冷却してから濃塩酸を添加し、析出したフタルヒドラジドをろ別する工程、ろ液を濃縮してから水で希釈し不溶物をろ別する工程、ろ液を濃縮してから再度エタノールを添加して再結晶する工程からなるターシャリーブチルアミン塩酸塩の製造方法(例えば、非特許文献1参照。)、あるいは、6−(3−フタルイミドプロポキシ)カルボスチリルとヒドラジン1水和物をエタノール中で8時間加熱還流させたのち冷却してから析出結晶をろ別する工程、ろ液を水で希釈してから濃塩酸で酸性とし、1時間攪拌後に不溶物を再度ろ別する工程、次いでろ液を濃縮してエタノールを除去後、改めて水で希釈してからpH7に調整して結晶を析出させる工程、析出結晶を濾過し、エタノール、ジエチルエーテルの順に洗浄する工程からなる6−(3−アミノプロポキシ)カルボスチリルの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、これらの方法では分解反応は円滑に進行するものの、生成したアミノ化合物と副生するフタルヒドラジドを分離するために種々の薬品を使用して煩雑な操作が必要であるうえ、微細な結晶が析出するためにろ過作業が困難である。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−157258号公報 (第23頁の参考例2)
【0006】
【非特許文献1】
イー・シー・ホーニング(E. C. Horning)ほか,「オーガニック・シンセシス(ORGANIC SYNTHESES)」,コレクティブ第3巻(Collective Volume 3),(米国),ジョン・ウィーリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons),1955年,p.153
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は使用薬品が少ない省資源的な反応で、且つ工業生産可能な簡便な操作で、フタルイミド誘導体からアミノ化合物を製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、通常はフタルイミド誘導体が溶解する溶媒、具体的にはアルコール溶媒中で反応させるのに対し、驚くべきことにフタルイミド誘導体が殆ど溶解しない水を溶媒として用いることで、ヒドラジンと反応させた反応液から操作性良くアミノ化合物を製造できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、フタルイミド誘導体とヒドラジンを反応させてアミノ化合物を製造するに際し、水溶媒中で反応させることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で原料として使用するフタルイミド誘導体は特に限定しないが、オクチルフタルイミド、シクロヘキシルフタルイミド等のアルキル誘導体、6−(3−フタルイミドプロポキシ)カルボスチリル等の置換アルキル誘導体、フェニルフタルイミド等のアリール誘導体、ベンジルフタルイミド等のアラルキル誘導体が使用できる。本発明が特に効果を発揮するのは原料のフタルイミド誘導体がアルコール等の水溶性溶媒に溶解度が小さな場合であり、特に好ましくは6−(3−フタルイミドプロポキシ)カルボスチリルである。
【0010】
もう一方の原料であるヒドラジンは遊離状態、あるいは水和物のいずれの形態でも使用することができる。
【0011】
使用量はフタルイミド誘導体に対して1.5〜3.0モルが好ましく、更に好ましくは1.7〜2.1倍モルである。この範囲であれば穏和な反応条件で副反応を抑制し、短時間に反応を完結させることができる。
【0012】
反応溶媒は水であるが、反応を阻害しない有機溶媒が少量混入していても本発明を実施する上で問題ない。具体的には少量のメタノール、エタノール等のアルコール類やトルエン等の芳香族炭化水素類が混入していても問題なく実施できる。使用量は特に限定しないが、フタルイミド誘導体に対して1〜20重量倍であり、好ましくは2〜10重量倍、特に好ましくは2.5〜5重量倍である。この範囲であれば操作性も良好で、生産効率も高い。
【0013】
反応温度は70℃以上であり、好ましくは75〜90℃である。この範囲であれば副反応も殆ど併発せず、短時間で反応が終結する。
【0014】
反応時間は反応条件によるが、通常は3〜8時間である。
【0015】
反応方法は特に限定しないが、水溶媒中にフタルイミド誘導体とヒドラジンを仕込み、所定温度でフタルイミド誘導体の転化率がほぼ100%になるまで加熱することで、定量的にアミノ化合物を製造することができる。
【0016】
本発明は反応液からアミノ化合物を単離するに際し、有機溶媒の除去工程が無く、簡便な操作で実施できることが本発明の有利な点の一つである。
【0017】
反応終了後に無機酸を添加してpHを2〜5に調整してから固液分離する。無機酸としては、塩酸や硫酸等が使用できる。
【0018】
添加する無機酸の濃度は特に規定しないが、反応溶液を増加させないためにも希薄溶液ではなく濃塩酸や濃硫酸が好ましい。添加量はpHが2〜5に調整できる量である。添加温度は70℃以上であり、好ましくは75〜90℃である。この範囲であれば作業性も良好で、副反応も併発しない。添加時間は特に規定しないが通常は0.2〜5時間である。無機酸を添加すると生成したアミノ化合物は酸塩となり水層に移行するので反応液のスラリー濃度が低下し、作業性が向上する。引き続き析出結晶のフタルヒドラジドと水層にあるアミノ化合物酸塩と過剰のヒドラジン酸塩を固液分離する。固液分離はろ過、あるいは遠心脱液のいずれも採用できる。固液分離温度は特に規定しないが、生成するアミノ化合物酸塩の溶解度が低い場合には、反応液濃度を低下させないために加温状態で固液分離する方法が好ましい。
【0019】
固液分離でフタルヒドラジドを除去したのち、母液から目的物のアミノ化合物を回収する。例えば水酸化ナトリウム等のアルカリでアミノ化合物を遊離状態にしてから溶媒抽出する方法、母液を濃縮して酸塩を晶析させる方法、濃縮後に有機溶媒を添加して酸塩を再結晶させる方法等があり、目的のアミノ化合物の性質により適した方法を採用すればよい。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定するものではない。
【0021】
実施例1
攪拌機、ジムロート、温度計を装着した100mlの3口フラスコに、6−(3−フタルイミドプロポキシ)カルボスチリル3.7g(化学純度95%,0.01モル)、ヒドラジン1水和物1.12g(0.022モル)、および水25gを仕込み、攪拌しながら5時間加熱還流した。分解反応はほぼ定量的であり、反応液のスラリー性状は良好であった。
【0022】
比較例1
ヒドラジン1水和物の使用量を0.56g(0.011モル)に半減する以外は実施例1と同様にして反応させたが、5時間加熱還流させても転化率は60%程度と低く、不純物生成量も多かった。
【0023】
比較例2
反応溶媒をメタノールに変えた以外は実施例1と同様にして反応させたが、反応液のスラリー性状は悪く、流動性が殆どなかった。
【0024】
実施例2
攪拌機、ジムロート、滴下ロート、温度計を装着した100mlの4口フラスコに、6−(3−フタルイミドプロポキシ)カルボスチリル7.3g(化学純度95%,0.02モル)、ヒドラジン1水和物2.24g(0.044モル)、および水50gを仕込み、攪拌しながら85〜90℃で5時間攪拌した。次いで、濃塩酸を添加してpH3〜4に調整した。分解反応はほぼ定量的であり、反応液のスラリー性状は良好であった。反応液を65〜70℃で熱時減圧ろ過してフェニルヒドラジドを除去したが、ろ過性は良好であった。
【0025】
比較例3
濃塩酸を添加して反応液のpHを1〜1.5に調整する以外は実施例2と同様にしてろ過したが、反応液のスラリー性状は悪く、ろ過性も悪かった。
【0026】
比較例4
比較例2と同様に反応させたのち、7%塩酸水溶液を12.5g添加してから固液分離を試みたが、同様にろ過抵抗が大きく、ろ過作業できなかった。
【0027】
実施例3
攪拌機、ジムロート、滴下ロート、温度計を装着した2,000mlの4口フラスコに、6−(3−フタルイミドプロポキシ)カルボスチリル183.3g(化学純度95%,0.5モル)、ヒドラジン1水和物51.1g(純度98%,1.0モル)、および水800gを仕込み、85〜90℃で7時間攪拌した。次いで、攪拌しながら濃塩酸131gを約1時間で滴下した。pHは3.4であった。
【0028】
保温したロートで素早く熱時ろ過し、80℃の温水50gでリンスした。
【0029】
攪拌機、ジムロート、滴下ロート、温度計を装着した1,000mlの4口フラスコに約500gの母液を仕込み、60〜70℃、17〜18kPaで減圧濃縮した。約100g留出した段階で、残りの母液を滴下ロートから供給しながら液量が約700gになるまで濃縮した。次いで、濃縮液を80〜85℃まで加熱し、再度熱時ろ過で析出結晶をろ別し、80℃の温水10gでリンスした。
【0030】
攪拌機、ジムロート、滴下ロート、温度計を装着した1,000mlの4口フラスコに母液を仕込み、60〜70℃、17〜18kPaで液量が約500gになるまで濃縮した。ここにメタノール500gを滴下して溶解させたのち、攪拌しながら60℃前後まで冷却した。種晶を添加して結晶が成長するのを確認したのち、攪拌しながら室温まで冷却した。析出結晶を減圧ろ過し、メタノール25gでリンスしたのち真空乾燥して6−(3−アミノプロポキシ)カルボスチリル塩酸塩113.2g得た。化学純度は98.1%であり、収率は88.0%であった。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、フタルイミド誘導体からアミノ化合物を省資源的な反応で、且つ工業生産可能な簡便な操作で製造することができる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 2004256440
    (式中、Rはアミン残基を意味する。)で表されるフタルイミド誘導体とヒドラジンを反応させて一般式(2)
    R−NH (2)
    (式中、Rは前記と同様。)で表されるアミノ化合物を製造する方法において、水溶媒中で反応させることを特徴とするアミノ化合物の製造方法。
  2. ヒドラジンをフタルイミド誘導体に対して1.5〜3.0倍モル使用することを特徴とする請求項1記載のアミノ化合物の製造方法。
  3. フタルイミド誘導体とヒドラジンを水溶媒中で反応させる工程、反応終了後に無機酸を添加してpHを2〜5に調整してから固液分離する工程、および母液からアミノ化合物を回収する工程からなることを特徴とする請求項1または2記載のアミノ化合物の製造方法。
  4. フタルイミド誘導体が一般式(3)
    Figure 2004256440
    で表される6−(3−フタルイミドプロポキシ)カルボスチリルであり、アミノ化合物が一般式(4)
    Figure 2004256440
    で表される6−(3−アミノプロポキシ)カルボスチリルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のアミノ化合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014169243A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Toray Fine Chemicals Co Ltd アミノアルコキシカルボスチリル誘導体の製造方法

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