JPH0473126A - 高透明性・防湿性包装用シート状物及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は薬剤、食品などの包装用に主に用いられるＰＴ
Ｐ用シートやブリスター用シートに関し、さらに詳しく
は防湿性、ガスバリヤ−性及び透明性の改良された結晶
性ポリエチレン系樹脂透明シート状物に関する。

［従来の技術］ 近年、医薬品及びある種の食品の包装形態はＳＰ包装（
ストリップパッケージ）から、ＰＴＰ包装（プレス・ス
ルー・パック）へと移行し、現在ではＦＴＰ包装全盛時
代ともい久る。ＰＴＰ包装に用いられているプラスチッ
クシートとしては、一般に塩化ビニール樹脂（ＰＶＣ）
、ポリオレフィン樹脂等である。

最も一般的に用いられているのはＰＶＣであるが、防湿
性不十分なことから、収容薬剤の安定性が悪いこと、あ
る種の収容薬剤とは相互作用を生ずる恐れのあること及
び燃焼時の塩素ガス発生による廃棄物処理の問題がある
ことから、ポリオレフィン樹脂がＰＶＣに替わる包装材
として使用されて始めている。

［発明が解決しようとする課題］ 医薬品及び食品は生命関連物質であることから、その安
定性や内容物の安全性確保などは特に重要であり、この
中でも薬剤及び食品の安定性の関係から湿度及び／又は
酸素の透過防止に対してＦＴＰ包装単位で保証する必要
性がメーカーをはじめとして、ユーザーからも高まって
いる。

この要求充足の為にＰＴＰ包装に従来のポリオレフィン
樹脂以上の防湿性を備えた樹脂を使用することが望まれ
ている。しかし、ポリオレフィン樹脂はＰＶＣとは異な
り、結晶性樹脂であることが障害となって、透明性に欠
ける。

樹脂層の透明性を維持しながらその防湿性を併せ高める
方策として、ＰＶＣにポリ塩化ビニリデン樹脂をコーテ
ィングしたものも使用されている。処が、成形後に樹脂
が黄変することから、内容物が古いのではないかとの誤
解を招く恐れがあり、廃棄物処理及び樹脂の価格面等に
問題があるとされている。

本発明者らは高い防湿性、酸素遮断性及び透明性を備え
ていると共に、収容物の保存性にも優れる廃棄物処理の
問題も少なく、妥当な価格で提供され得るシート状物を
得る方策について鋭意研究を行った。

［課題を解決するための手段］ 本発明者等はポリエチレン系樹脂からなるシート状物に
一対以上のロールで圧延加工を施した場合に、シート状
物内の分子鎖軸の結晶配向度が０．６５以上であると、
該シート状物の防湿性が格段に改善され、しかも非常に
優れた透明性が発現することを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成した。

以上の記述から明らかなように、本発明の結晶性ポリエ
チレン系樹脂シート状物は良好な防湿性、酸素遮断性及
び非常に優れた透明性を有していることから、優れた防
湿包装シート状物の素材となることができる。

すなわち本発明の目的は全光線透過率８５％以上、曇り
価５％以下で、かつｘｕ１回折法で求められた分子鎖軸
の結晶配向度が０．６５以上である結晶性ポリプロピレ
ン系樹脂よりなるシートであることを特徴とする防湿性
包装用シート状物を提供することにある。

本発明において用いられる結晶性ポリエチレン系樹脂と
しては、次のものを例示できる：・結晶性単独重合ポリ
エチレン樹脂または・結晶性共重合ポリエチレン系樹脂
の他に、・エチレンを主成分とし、これと他のα−オレ
フィンもしくは極性上ツマ−との共重合体である結晶性
ポリエチレン系樹脂並びに ・これらの樹脂の２種以上の混合物、 の何れでもよい。

上記樹脂としては、ＭＩ　（１９０℃；２．１６ｋｇｆ
）通常０．０１〜５０ｇ／１０ｍ１ｎ、好ましくは０．
０５〜３０ｇ／１０ｍ１ｎで、密度０．９２〜０．９７
ｇ／ｃｃ　、好ましくは０．９３〜０．１６ｇ／ｃｃの
ものを選ぶ。

また、上記樹脂にマレイン酸、アクリル酸、フマル酸な
どの不飽和カルボン酸、その酸無水物またはエステルな
どの誘導体を共重合もしくはグラフトさせた改質樹脂、
上記樹脂を電離性放射線などで処理した改質樹脂、架橋
剤によって架橋した改質樹脂なども用途に応じて用いる
ことができる。

本発明において、上記ポリエチレン系樹脂にその透明性
を実質的に低下させない程度の各種のフィラー（または
補強材）を添加することができる。用いられるフィラー
としては、ガラス繊維、炭素繊維、ビニロン繊維などの
繊維状フィラーマイカ、タルクなどのフレーク状フィラ
ー、ガラスピーズなどの球状のフィラー、炭酸カルシウ
ム、木片などの不定形フィラーがあげられる。

これらのフィラー（または補強材）の表面には、配合さ
れる樹脂に対する親和性を付与する処理が施されている
ことが好ましい。このような処理としては、例えば不飽
和カルボン酸もしくはその酸無水物等付加、不飽和アミ
ン付加またはゴム質被覆等を挙げることができる。

またこれらのフィラーの他に、増量剤、着色剤、難燃剤
、劣化防止剤、帯電防止剤、潤滑剤を必要に応じて添加
することができる。

本発明では、該ポリオレフィン樹脂を溶融混練し、例え
ばＴダイ法やインフレーション法などの公知の成形方法
により製膜し、得られた圧延用シートに対して圧延処理
を行う。

本発明での圧延とは、前記のポリオレフィン樹脂の融点
よりも１５℃低い温度以下で一対のロール間で行うこと
が必要である。ポリオレフィン樹脂の融点よりも１５℃
低い温度を超える高い側の温度で該シートに圧延処理を
施した場合には、シートがロールに密着することに起因
するシワや厚みムラ発生などの問題が伴う上に、十分な
分子鎖の配向が得られない。また、必要に応じて圧延操
作を繰り返したり、圧延前にシートを予熱したり、圧延
後に熱処理を施しても差し支えない。

本発明で圧下率（ｒ：％）とは、圧延前の材料樹脂の厚
さ（ｈ、）と圧延後のシートの厚さ（ｈ２）とを用いて
次式で表すことができる。

ｒ＝１００　・　（ｈ、−ｈ−）／ｈ 本発明の包装用フィルムを作成する為に使用する圧下率
は通常６０〜９５％、好ましくは７０〜９０％である。

本発明の包装用フィルムを作成する為に使用する圧延ロ
ールの表面粗度は圧延フィルムの表面における可視光線
の散乱を低（するために、通常ＩＳ以下、好ましくは０
．５Ｓ以下、さらに好ましくは０．２Ｓ以下に設定する
。

本発明で使用する粗度とは、ＪＩＳ　ＢＯ６０１で定義
されている最大高さ（Ｒｍａｘ）である。

本発明の防湿性包装用シートとしては、その全光線透過
率が８５％以上で曇り価が５％以下、好ましぐは全光線
透過率が９０％以上で曇り価が３％以下であるものが好
ましい。全光線透過率が８０％以下又は曇り価が１０％
以上では、可視光線の散乱が大き過ぎて透明性不足を生
ずる。

本発明の高透明性・防湿性包装用シートにおいては、そ
の分子鎖軸の結晶配向度が０．６５以上、好ましくは０
．７０以上である。結晶配向度が０．６０以下では、防
湿度の改善が不足する。

［実施例］ 以下、実施例および比較例をもって本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるも
のではない。

なお、実施例及び比較例中におけるポリエチレンシート
の物性の評価は下記の方法による。

１）融点：　ＪＩＳ　Ｋ７１２１に準拠して測定された
ＤＳＣ曲線におけるピークの頂点が位置する温度とする
。ピークが複数個存在する場合には、そ　最大面積のピ
ークが位置する温度とする。

２）全光線透過率：　ＪＩＳ　Ｋ７ＬＱ５に準拠して測
定した。

３）曇り価：　ＡＳＴＭ　Ｄ１００３に準拠して測定し
た。

４）透湿度：　ＪＩＳ　２０２０８に準拠して測定した
。

５）分子鎖軸の結晶配向度： Ｘ線回折装置［商品名：　ＪＤＸ　８２００Ｔ（日本電
子■製ｊを用い、Ｎｉフィルターを通したＣｕ−Ｋａ線
（５０ｋＶ、　　ｌ　５０＠Ａ）をシートのロール面に
照射し、各面の方位角方向のＸ線回折線の強度を測定し
た。

次に、Ｈｅｒｍａｎｓ　”　の配向関数を用いて（００
２）面のＸ線回折強度の方位角依存性から、分子鎖軸の
結晶配向度を求めた。

１）Ｐ、Ｈ，Ｈｅｒｍａｎｓ、　−Ｐｈｙｓｉｃｓ　ａ
ｎｄ　Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ　ｏｆＣｅｌｌｕｌｏｓｅ　
Ｆｉｂｒｅｓ、　＋Ｅｌｓｅｖｉｅｒ、　Ａｍ５ｔｅｒ
ｄａＵａ。

実施例１及び比較例１〜３ 高密度エチレンホモポリマー（ｒＨＤＰＥＪと略す。メ
ルトインデックス（ＭＩ）０．８　ｇ／１０ｍ１ｎ　、
密度０．９５ｇ／ｃｃ、融点１３２℃）を押出機で溶融
混練して、Ｔダイ法で原反シート（厚さ１．５０＋ａｍ
ｘ幅２５０　ａｍ）に製膜した。上記原反シートを圧延
ロール（ロール径３００ｍｍＸ幅４００ｍｍ、表面粗度
０．２５）に供給し、ロール温度９０”Ｃ１圧下率８３
％で圧延して、圧延シート（厚さ０．２５ｍｍ）を得た
。

該シートの全光線透過率、曇り価、透湿度および分子鎖
軸の結晶配向度を表１に示す。

比較例１として、Ｔダイ法で作成した高密度工チレンホ
モボリマーシート（厚さ（１，２５ｍｍ）自体、比較例
２として、圧延温度だけを１２０℃に変えて圧延を施し
た圧延シート、及び 比較例３として、原反シートの厚さを０．７５ｍｍに変
えて圧下率６７％で圧延した圧延シート、の各結果をそ
れぞれ表１に示す。

実施例２及び比較例４〜６ 高密度エチレン・プロピレンコポリマー（ｒＰＥＰＪと
略す。メルトインデックス（ＭＩ）　０．８ｇ／１０ｗ
１ｎ　、密度０．９５ｇ／ｃｃ、プロピレン成分含有量
１．８重量％、融点１３１℃）を押出機で溶融混練し、
Ｔダイ法で原反シート（厚さ１．５０ｍｍＸ幅２５０ｍ
ｍ）を製膜した。上記原反シートを一対の圧延ロール（
ロール径３００ｍｍＸ幅４００ｍｍ、表面粗度０．２Ｓ
）に供給し、圧延温度９０’Ｃ１圧下刃３０　ｔｏｎｆ
及び圧下率８３％で圧延して、圧延シート（厚さ０．２
５ｍａ＋）を得た。

該シートの全光線透過率、曇り価、透湿度右よび分子鎖
軸の結晶配向度を表１に示す。

比較例４として、Ｔダイ法で作成した上記エチレン・プ
ロピレンコポリマーシート（厚さ０．２５ｆｆ１ｍ）自
体、 比較例５として、圧延温度だけを１２０℃に変えて原反
を圧延したシート、及び 比較例６として、原反シートの厚さを０．５０ｍｍに変
えて圧下率５０％及び圧下刃１９　ｔｏｎｆで圧延した
圧延シート、 の各結果をそれぞれ表１に示す。

［発明の効果］ 本発明の高透明性・防湿性包装用シートは結晶性ポリエ
チレン系樹脂でありながら優れた透明性を有していると
同時に従来の結晶性ポリエチレン樹脂よりも高い防湿性
を備えている。

本発明方法による包装用シートは高透明性と高い防ｌ♀
性とを兼ね備えているという長所を生かして、医療関係
又は食品関係例えば、ジャム、マーマレード、バク−そ
の他のペースト類などで用いられているＰＴＰ３装の材
料として好適である。

また、接着剤、グリース等の粘稠なものを収容する器と
しても好適である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）全光線透過率８５％以上、曇り価５％以下で、か
   つＸ線回折法で求められた分子鎖軸の結晶配向度が０．
   ６５以上である結晶性ポリエチレン系樹脂よりなるシー
   トであることを特徴とする高透明性・防湿性包装用シー
   ト。
2. （２）結晶性ポリエチレン系樹脂からなるをシート状物
   をその結晶融点よりも１５℃低い温度以下において、圧
   下率６０％以上に圧延することによって、全光線透過率
   ８５％以上、曇り価５％以下で、かつＸ線回折法で求め
   られるその分子鎖軸の結晶配向度を０．６５以上とする
   ことを特徴とする高透明性・防湿性包装用シート状物の
   製造方法。