JPH0472019A - ステンレス鋼帯の連続焼鈍方法及びその装置 - Google Patents

ステンレス鋼帯の連続焼鈍方法及びその装置

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JPH0472019A
JPH0472019A JP18453190A JP18453190A JPH0472019A JP H0472019 A JPH0472019 A JP H0472019A JP 18453190 A JP18453190 A JP 18453190A JP 18453190 A JP18453190 A JP 18453190A JP H0472019 A JPH0472019 A JP H0472019A
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stainless steel
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annealing
film
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JP18453190A
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Kuniaki Sato
邦昭 佐藤
Genichi Ishibashi
源一 石橋
Yasuhiro Katsuki
泰弘 香月
Hiroyuki Kakiuchi
垣内 博之
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はステンレス鋼帯の連続焼鈍方法及びその装置に
関し、特に、ステンレス鋼帯の熱処理効率を向上させる
と共に、焼鈍炉内での酸化を防止することのできるもの
である。
〔従来の技術] 冷間圧延後のステンレス鋼帯の焼鈍方法には、光輝焼鈍
法と連続焼鈍酸洗法の2種類がある。前者は、冷間圧延
により得られた鏡面状光沢をそのまま製品化する場合に
用いられるもので、BA仕上げと呼ばれる。後者は、表
面光沢がそれ程要求されない場合に適用され、2D仕上
げと呼ばれる。
この2D仕上げ品を更にスキンバス圧延して光沢を高め
たものは、2B仕上げと呼ばれている。
第6図に、従来、一般に行われている連続焼鈍酸洗ライ
ン(以下、APLと称する)の概略を示す。図において
、1はペイオフリール、2は入側シャー、3はjエルグ
、4は脱脂装置、5は入側ルーパである。6は焼鈍炉で
あって、加熱部7と冷却部8とからなり、加熱部7は予
熱帯、加熱帯。
均熱帯などから構成されている。9,10.11は、ソ
ルトバス、中性塩電解槽、硝酸槽、硝フッ酸槽などを適
宜組み合わせた複数の酸洗槽である。
12は洗浄装置、13はドライア、14は出側ルーパ、
15は分割シャー 16はテンションリールである。
このAPLにおいて、先ずペイオフリール1により巻戻
された冷間圧延後のステンレス鋼帯Sは、入側シャー2
で先端部または後端部を切断され、ウエルダ3により先
行コイル又は後行コイルと接続される。次にステンレス
鋼帯Sは、表面に付着した冷間圧延油が脱脂装置4で除
去された後、入側ルーパ5を経て焼鈍炉6において所定
の熱処理を施される。このとき、ステンレス鋼帯Sは、
加熱部7内においてアスベストロール71でカテナリー
をなして支持され、直火バーナーで熱処理される。その
後、冷却部8においてエアジェツトによる冷却が行われ
る。このように直火バーナーを用いるので(すなわち、
燃焼ガス雰囲気下で焼鈍されるので)、ステンレス鋼帯
Sの表面には厚さ500〜4000人程度の緻密なスケ
ール層が形成される。そこで、次に、ステンレス鋼帯S
は複数の酸洗槽9〜11において脱スケールされると共
に、不働態化処理が施される。次いで、ブラッシング、
スプレーなどを行う洗浄装置12により表面が清浄にさ
れ、ドライア13で乾燥されてから、出側ルーパ14を
経て分割シャー15により所定長さに切断された後、テ
ンションリール16に巻き取られる。
ところで、冷間圧延後のステンレス鋼帯Sの表面は、鏡
面に近いため熱吸収率が低い。したがって、APLの焼
鈍炉6の加熱部7において焼鈍温度まで昇温するには、
長大な炉を必要とするか、もしくは通板速度を低下しな
ければならないという問題がある。
従来、この問題を解決する方法として、例えば特公昭5
6−8092号公報に開示された発明がある。このもの
は、鋼帯の表面に、炭素、黒色染料、黒色顔料の単独又
はこれらの混合物を塗布して連続焼鈍するものであり、
これにより冷間圧延後のステンレス鋼帯Sの熱吸収を増
加せしめている。
[発明が解決しようとする課題〕 上記特公昭56−8092号公報の発明によれば、鋼帯
の熱吸収率は大きくなり焼鈍効果を大きく高めることが
できる。
しかしながら、同公報第2欄32行目にrl布膜は炉内
で分解する」と記載されているように、焼鈍中に塗布膜
は消失するから、鋼帯表面は燃焼ガス雰囲気と直接に接
触することになる。したがって、この従来発明によって
は、炉内における酸化スケールの発生を抑制することは
できない。
かくして、冷間圧延後のステンレス鋼の鋼帯の焼鈍中に
形成される酸化スケール層に起因して、従来、以下のよ
うな種々の問題点が生じていた。
(1)焼鈍中に調帯に生成される酸化スケール層が、炉
内のハースロールに付着し、これが成長する結果、鋼帯
にピックアップ疵を発生させる。したがって、ハースロ
ールの頻繁な交換を余儀無くされ、生産性低下、メイン
テナンスの手間の増大などを来す。
(2)ステンレス鋼帯の場合は、炭素鋼に比べて生成す
る酸化スケールがより緻密であり、これを除去するには
長大な酸洗設備が必要となる。また使用すべき薬液の種
類も多いから、廃酸処理も非常に厄介になる。
(3)冷間圧延後のステンレス鋼帯の表面には圧延油が
付着しているが、この状態で連続焼鈍すると、圧延油の
不均一付着により、炉内で生成する酸化スケールも不均
一となる。このステンレス調帯をそのまま酸洗すると、
調帯表面にムラが残る。したがって、焼鈍前にステンレ
ス鋼帯の脱脂を行う必要があるが、脱脂装置は必ずしも
焼鈍設備やAPLのライン中に設けられているとは限ら
ない。
外部にある場合には、焼鈍後のステンレス調帯を別途に
設けられた脱脂設備に通さなければならず、工程が煩雑
になる。
(4)連続焼鈍後は必ず酸洗を行う必要があるが、その
際、酸化スケール層のみならず母材も浸食される。その
ため、被処理ステンレス鋼帯は、表面光沢の鈍い2D仕
上げとなる。しかして、酸洗を軽度に施すことができれ
ば、表面光沢も高められると考えられるが、現在までの
ところ実現を見るに至っていない。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、ステンレス鋼
帯の熱処理効率を向上させ、且つ酸化スケールの生成を
抑制できるステンレス鋼帯の連続焼鈍方法及びその装置
を提供して上記従来の問題点を解決することにある。
〔課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明のステンレス鋼帯の連
続焼鈍方法は、ステンレス鋼帯の表面に、コロイド状無
機物質と1300℃以下の融点を有するケイ酸塩物質、
ホウ酸塩物質、リン酸塩物質から選ばれた化合物と有機
系高分子分散剤とからなる酸化防止剤を塗布し、次いで
燃焼ガス雰囲気内において所定の熱処理条件で焼鈍し、
しかる後、ステンレス鋼帯の表面に形成された酸化防止
剤の焼成被膜を除去するものである。
前記酸化防止剤をステンレス鋼帯の表面に塗布する前に
、当該ステンレス鋼帯の表面の圧延油等を除去して、鋼
帯表面を清浄にするのがよい。
本発明のステンレス鋼帯の連続焼鈍装置は、ステンレス
鋼帯の表面に前記酸化防止剤を塗布する塗布装置と、前
記酸化防止剤が塗布されたステンレス鋼帯を燃焼ガス雰
囲気内で焼鈍する焼鈍炉と、該焼鈍炉でステンレス鋼帯
上に形成された酸化防止剤の焼成被膜を除去する除去装
置とを備えたものである。
以下、更に本発明の詳細な説明する。
本発明のステンレス鋼帯の連続焼鈍方法にあっては、焼
鈍炉の入り側において、被処理ステンレス鋼帯に特定の
酸化防止剤を塗布する。この酸化防止剤には、コロイド
状無機物質が含まれている。
コロイド成分としては、特に限定するものではないが、
シリカ、アルミナ等が好ましい。熱的に安定し、かつス
テンレス鋼帯の焼鈍温度以下で結晶化するからである。
上記コロイド状無機物質の機能は、次の通りである。
(イ)コロイド状無機物質は、粒子径(分子集合体とし
ての粒子径)が5〜100XIO−’μmと非常に小さ
い。そのため、ステンレス鋼帯表面に塗布すると、鋼帯
の表面を緻密に覆うと共に、微細な凹凸を形成すること
ができる。これにより、表面が鏡面に近くて熱吸収率が
低かった冷間圧延後のステンレス鋼帯の熱吸収率が向上
し、かつ鋼帯の見掛は上の受熱面積が拡大される。した
がって、焼鈍温度まで容易に昇温可能となり、従来のよ
うに長大な炉を必要とせず、また炉内の通板速度を下げ
ることもないから、生産性低下の問題も解決できる。
(ロ)焼鈍炉内の昇温過程において、コロイド状無機物
質の粒子は、温度約300〜600℃の間で粒子中の水
分が脱水される。そして600℃以上で粒子間が縮合し
て、強固な無定形被膜が形成されるという特性を有する
。この無定形被膜が綱帯表面を覆うため、焼鈍雰囲気中
の酸化性成分(02,Co□、H,O)とステンレス鋼
帯とが遮断される。これにより、炉内での酸化スケール
の生成を防止できる。
(ハ)更に昇温を続けると、この無定形被膜は規則正し
い定形被膜に変化する(結晶化)。この定形被膜は、鋼
帯に比べて非常に線膨張係数が小さい。そのため、次の
冷却過程において、鋼帯との収縮量の差に起因する熱応
力が被膜内に生じて、定形被膜には亀裂が発生する。
かくして、冷却後のコロイド状無機物質の定形被膜には
亀裂が生じているから、水洗及びナイロンブラシング程
度で、苦もなく鋼帯表面から除去することができる。
上記のように、本発明のコロイド状無機物質は、焼鈍過
程で無定形被膜となり、次いで結晶化する。
その結晶化温度は、連続焼鈍におけるステンレス鋼帯の
焼鈍温度の上限以下でなければならない。
一般に、連続焼鈍されるステンレス鋼帯製品は多種あり
、その焼鈍温度も750〜1200℃と広範囲である。
これら多種のステンレス調帯製品の焼鈍温度に応じて、
上記のコロイド状無機物質の熱的性質である「縮合し無
定形被膜を形成する温度」と、[定形被膜に変化する結
晶化温度」とを変化させることが必要である。
そこで、本発明者らは、その点に関して鋭意実験を重ね
、その結果、次の事実が解明された。
すなわち、rコロイド状無機物質に、ケイ酸塩物質、ホ
ウ酸塩物質、リン酸塩物質(いずれも、アルカリ金属又
はアルカリ土類金属塩)といった1300℃以下の融点
を持つ(コロイド状無機物質より低融点の)化合物を添
加し、配合比を変えると、上記コロイド状無機物質の熱
的性質である二つの温度を、容易に変化させることがで
きる。1第3図は、−例として、コロイド状無機物質に
コロイドシリカを選定し、そのコロイドシリカに低融点
化合物を添加し、配合比を変化させたときの熱的特性の
変化を示したものである。図から、低融点化合物の含有
量が増加するに従い、「縮合し無定形被膜を形成する温
度」と「定形被膜に変化する結晶化温度」とが、いずれ
も次第に低下することが明らかである。
また、上記の1300℃以下の融点をもつ化合物は、コ
ロイド状無機物質に添加することにより、加熱中の鋼帯
に対する密着強度を向上させると共に、無定形被膜を緻
密にして、酸化スケールの生成防止機能を一層高めると
いう機能をも有している。
かくして、本発明にあっては、これらの低融点化合物を
添加して、配合比を変えることにより、コロイド状無機
物質の熱的性質を鋼帯製品の種類に応じて調整する。
本発明の鋼帯の酸化防止剤は、ステンレス鋼帯表面に均
一に塗布されることにより、均一で且つマクロ的に平滑
な(ミクロ的には、極めて微細な凹凸を有している)乾
燥塗膜を得ることができる。
そのためには、コロイド状無機物質と、ケイ酸塩物質、
ホウ酸塩物質、リン酸塩物質といった1300℃以下の
融点を持つ化合物の粒子とが、分散媒に均一に分散して
いなければならない。そこで、適量の分散剤が配合され
ている。本発明者らの実験によれば、かかる分散剤とし
ては、以下の如き有機系高分子の群から選定したものが
、良い結果が得られた。
コーンスターチ、タピオカデンプン、アルギン酸ソーダ
、グアーガム、ザンサンガム、カゼイン。
ゼラチン、αデンプン、デキストリン、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピ
ルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニールブ
チラール及びプルラン。
分散剤は、また、酸化防止剤被膜とステンレス網帯表面
との密着性を高め、無定形被膜が形成されるまでに剥離
してしまうことをも防止する。
本発明のステンレス鋼帯の連続焼鈍方法にあっては、上
記の組成を有する酸化防止剤をステンレス鋼帯の表面に
塗布した後、燃焼ガス雰囲気内において所定の熱処理条
件で焼鈍する。600℃以上で、酸化防止剤の無定形被
膜が焼成される。これにより、焼鈍炉内での酸化スケー
ルの生成が抑制されるから、従来の技術の問題点であっ
た長大な酸洗設備は不要になる。かつまた、ハースロー
ルによるピックアップ疵の問題も解決される。
更に、高い温度(結晶化温度)に達すると、酸化防止剤
の無定形被膜は定形被膜に変化する。
次の冷却過程において、調帯との収縮量の差による熱応
力で、この定形被膜には亀裂が発生する。
かくして、その後の酸化防止剤被膜の除去工程において
、定形被膜は容易に調帯表面から除去することができる
なお、本発明の酸化防止剤の成分は、酸化物が用いられ
ているから、熱的に安定であり、ロール母材と反応して
成長することはない。したがって、本発明の酸化防止剤
の一部が炉内ロールに付着して成長し、調帯表面を疵つ
けるに至るおそれは全くない。
また、冷間圧延後のステンレス鋼帯の表面に圧延油が不
均一に付着したままで焼鈍すると、酸化スケールも不均
一に生成され、酸洗後にムラが残ることから、従来は焼
鈍前に脱脂して鋼帯表面を清浄にする。しかしながら、
本発明の方法にあっては、酸化防止剤をステンレス綱帯
面に塗布する。
このため、圧延油の不均一付着による酸化スケールの不
均一生成がなく、酸洗ムラは生じない。したがって、こ
の酸洗ムラ防止の観点からは、圧延油の除去して鋼帯表
面を清浄にする必要はない。
ただし、圧延油が付着したままでは、焼鈍炉の入側にあ
るルーパにおいて、鋼帯が蛇行し易い。
それゆえ、本発明のステンレス鋼帯の連続焼鈍方法にあ
っても、この鋼帯の蛇行を防止する意味で、酸化防止剤
をステンレス鋼帯表面に塗布する前に、予め被処理ステ
ンレス鋼帯の表面から圧延油を除去して、調帯表面を清
浄にしておくことが望ましい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を、図と表を参照して説明する。
第1図は、本発明のステンレス鋼帯の連続焼鈍方法を実
施するための連続焼鈍酸洗装置の一実施例の要部を示し
たものである。但し、酸洗槽以降は図示を省略しである
。なお、第6図に示す従来のラインにおけると同一の部
分には同一の符号を付して、重複する説明は省く。
図中、21は焼鈍炉6の入側に設けられた酸化防止剤の
塗布装置、31は焼鈍炉6で焼成された酸化防止被膜の
除去装置である。酸化防止剤の塗布装置21の詳細を、
第2図(a)に示す。フード22の内部に、ステンレス
鋼帯Sの表裏面を挟んで、スプレーノズル23.24が
配設されている。各ノズル23.24からは酸化防止剤
25が噴射されて、ステンレス鋼帯Sの面に自動的に塗
布される。鋼帯面に付着しなかった酸化防止剤25は、
フード22の底部に落下して、戻り配管26により、図
外の貯蔵タンクに戻される。
焼成された酸化防止被膜の除去装置31の詳細を、第2
図(b)に示す。フード32の内部に、ステンレス鋼帯
Sの表裏面を挟む上下一対のナイロンブラシロール33
が2基配設されている。各ナイロンブラシロール33は
、ステンレス鋼帯Sの進行方向とは反対方向に回転して
、酸化防止剤の結晶化した焼成被膜を除去する。その焼
成被膜には、冷却部8で熱応力による亀裂ができており
、容易にステンレス綱帯Sの面から剥離する。各ナイロ
ンブラシロール33の前には、水スプレーノズル34が
配置されている。その噴射水で、剥離した酸化防止剤の
被膜をステンレス鋼帯Sの表面から洗い流し、フード3
2の下部に設けられた排出管35から排出する。
なお、酸化防止剤の塗布装置21は、上記のスプレ一方
式に限られず、その他例えばロールコータ方式や浸漬方
式などでも良い。
また、酸化防止被膜の除去装置31は、上記のブラシロ
ールに限られず、ベンゾングロールやビンチロールで加
圧して除去するもの等を用いることもできる。
第1図中の41は、酸化防止被膜を除去した後のステン
レス鋼帯Sの表面に、不働態被膜を形成させるための、
硝酸槽である。この硝酸槽41に浸漬することにより耐
食性を付与されたステンレス綱帯Sは、図示しないルー
バを経て、テンションリールに巻き取られる。
次に、第1図の装置を使用して実施した、ステンレス鋼
帯の連続焼鈍比較試験について述べる。
この比較試験は、2種類の酸化防止剤を用いた場合と、
酸化防止剤無しの場合とについて実施したものである。
用いた2種類の酸化防止剤(A剤及びB剤)の組成を、
第1表に示す。
第1表 上記2種類の酸化防剤は、それぞれ被試験鋼板である板
厚1.0mの5US304冷間圧延鋼板に、乾燥厚さで
1μmとなるように、スプレ一方式の酸化防止剤塗布装
置21で塗布した。
次いで、炉温1130℃の焼鈍炉6に通して、板温を1
120℃まで加熱した。
第4図は、上記酸化防止剤塗布のものと、無塗布のもの
についての、昇温カーブを示す。図中、○印が酸化防止
剤Aを塗布したもの、◎印が酸化防止剤Bを塗布したも
の、・印が比較のための酸化防止剤無塗布のものである
。この図から明らかなように、無塗布のものに比べて、
酸化防止剤を塗布したものの方は、温度1120℃まで
の昇温時間が約45%も短縮される。換言すれば、焼鈍
炉の炉長を45%短くできる。または、炉内の通板速度
を約1.8倍に上げることができる。
第5図は、上記焼鈍後のステンレス鋼帯Sの表面に生成
した酸化スケール層の厚みを測定した結果を示している
。同図(a)が無塗布の場合、同図(ト))が酸化防止
剤を塗布した場合である。酸化防止剤A、Bの両者とも
、はぼ同様の結果が得られた。
なお、厚み測定は、GDS(Glow  Discha
rge  atomic  emissionSpec
troscopy)で、鋼帯表面のFe(鉄)と0(酸
素)とを測定して求めた。第5図から、酸化スケール層
の厚みは、酸化防止剤無塗布で約4000人であるのに
対して、酸化防止剤塗布では約20人に過ぎない。すな
わち、本発明の酸化防止剤を用いることで、酸化スケー
ルの厚さが約1/200まで低減できることが明らかで
ある。
以上は、冷間圧延後のステンレス鋼帯に適用した場合で
あるが、熱間圧延後のステンレス鋼帯を連続焼鈍酸洗す
るAPLにも適用できることはいうまでもない。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、連続焼鈍される
ステンレス鋼帯の熱吸収率を高め且つ炉内での鋼帯の表
面を酸化雰囲気から遮断することができる酸化防止剤を
、焼鈍炉の入側で塗布し、焼鈍炉の出側で除去すること
により、以下のような種々の効果が得られる。
1)焼鈍時間の短縮、もしくは炉長の短縮を図ることが
できる。
2)炉内での酸化を抑制できる。
3)ハースロールによるピックアップ疵の発生を防止で
きる。
4)脱スケールのための酸洗が軽度で済み(酸は硝酸の
みでよい)、シたがって酸洗速度の上昇、酸洗槽長さの
短縮、酸原単位の低減、廃酸処理設備のランニングコス
トの低減などが達成できる。
5)軽酸洗で済むため、調帯地肌の荒れも抑制でき、そ
の結果、2D品の2B品化、更にはBA品並みの光沢を
得る可能性も期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のステンレス調帯の連続焼鈍方法を実施
するための装置の概要図、第2図(a)は第1図の酸化
防止剤塗布装置の拡大縦断面図、第2図[有])は第1
図の焼成被膜除去装置の拡大縦断面図、第3図は本発明
の酸化防止剤の熱特性を示すグラフ、第4図は本発明の
酸化防止剤を塗布した場合と、塗布しない場合との、焼
鈍炉における加熱時間と鋼帯温度との関係を示すグラフ
、第5図は焼鈍後の調帯表面のFeと0とを、GDSで
測定した結果を示すグラフで、同図(a)は酸化防止剤
無塗布の場合、同図ら)は酸化防止剤塗布の場合のスケ
ール層の厚みを表している。第6図は従来のステンレス
鋼帯焼鈍設備の概要図である。 図中、Sはステンレス鋼帯、6は焼鈍炉、21は酸化防
止剤の塗布装置、 装置である。 ■は焼成被膜の除去

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ステンレス鋼帯の表面に、コロイド状無機物質と
    1300℃以下の融点を有するケイ酸塩物質、ホウ酸塩
    物質、リン酸塩物質から選ばれた化合物と有機系高分子
    分散剤とからなる酸化防止剤を塗布し、 次いで燃焼ガス雰囲気内において所定の熱処理条件で焼
    鈍し、 しかる後、ステンレス鋼帯の表面に形成された酸化防止
    剤の焼成被膜を除去することを特徴とするステンレス鋼
    帯の連続焼鈍方法。
  2. (2)前記酸化防止剤をステンレス鋼帯の表面に塗布す
    る前に、当該ステンレス鋼帯の表面の圧延油等を除去し
    て鋼帯表面を清浄にすることを特徴とする請求項(1)
    記載のステンレス鋼帯の連続焼鈍方法。
  3. (3)ステンレス鋼帯の表面に請求項(1)記載の酸化
    防止剤を塗布する塗布装置と、前記酸化防止剤が塗布さ
    れたステンレス鋼帯を燃焼ガス雰囲気内で焼、鈍する焼
    鈍炉と、該焼鈍炉でステンレス鋼帯上に形成された酸化
    防止剤の焼成被膜を除去する除去装置とを備えたことを
    特徴とするステンレス鋼帯の連続焼鈍装置。
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