JPH02277726A - ステンレス鋼帯の連続焼鈍方法及びその設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、特にステンレス鋼帯の熱処理効率を向上さ
せるとともに、焼鈍炉内での酸化を防止することのでき
るステンレス鋼帯の連続焼鈍方法及びその設備に関する
。

〔従来の技術〕

冷間圧延後のステンレス鋼帯の焼鈍方法には、光輝焼鈍
法と連続焼鈍酸洗法の２種類がある。前者は冷間圧延に
より得られた鏡面状光沢をそのまま製品化する場合に用
いられるもので、ＢＡ仕上げと呼ばれる。後者は表面光
沢がそれ程要求されない場合に適用され、２Ｄ仕上げと
呼ばれる。この２Ｄ仕上げ品を更にスキンパス圧延して
光沢を高めたものは２Ｂ仕上げと呼ばれている。

・第５図は前記連続焼鈍酸洗ライン（以下、ＡＰＬと称
す）の概略を示したものであって、図においてｌはペイ
オフリール、２は入側シャー、３はウエルダ、４は脱脂
装置、そして５は入側ルーバである。６は焼鈍炉であっ
て、加熱部７と冷却部８とからなり、前記加熱部７は予
熱帯、加熱帯。

均熱帯などから構成されている。９，１０．１１はソル
トバス、中性塩電解槽、硝酸槽、硝弗酸槽などを適宜組
み合わせた複数の酸洗槽であり、１２は洗浄装置、１３
はドライア、１４は出側ルーバ、１５は分割シャー、そ
して１６はテンションリールである。

このＡ　Ｐ　Ｌ、において、先ずペイオフリール１によ
り巻戻された冷間圧延後のステンレス鋼帯Ｓは、入側シ
ャー２で先端部または後端部を切断され、先行コイル又
は後行コイルとウエルダ３により接続される。次に鋼帯
Ｓは表面に付着した冷間圧延油が脱脂装置４で除去され
た後、入側ルーバ５を経て焼鈍炉６において所定の熱処
理を施される。

このとき、加熱部７内では鋼帯Ｓはアスベストロール７
１でカテナリーをなして支持されていて直火バーナーに
より熱処理を施された後、冷却部８においてエアジェツ
トによる冷却が行われる。このように直火バーナーを用
いるので（即ち、燃焼ガス雰囲気下で焼鈍されるので）
、鋼帯Ｓの表面には厚さ５００〜４０００人程度の緻密
なスケール層が形成される。そこで次に鋼帯Ｓは複数の
前記酸洗槽が９〜１１において脱スケールされるととも
に不働態化処理が施される。次いで、ブラッシング、ス
プレーなどを行う洗浄装置１２により表面が清浄にされ
、ドライア１３で乾燥されてから出側ルーバ１４を経て
分割シャー１５により所定長さに切断された後、テンシ
ョンリール１６に巻取られる。

ところで、前述したように冷間圧延後のステンレス鋼帯
の表面は鏡面に近いため、熱吸収率が低い。従って焼鈍
温度にまで昇温するには長大な炉を必要とするか、もし
くは通板速度を低下しなければならないといった問題が
ある。この問題を解決する方法として例えば特公昭５６
−８０９２号公報に開示された発明がある。これは銅帯
の表面に炭素、黒色染料、黒色顔料の単独物またはこれ
らの混合物を塗布して連続焼鈍するもので、この方法に
より鋼帯の熱吸収を増加させている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、冷間圧延後のステンレス鋼帯の連続焼鈍に際
しては、以下に列記するような解決すべき問題がある。

すなわち、 （１）前述の特公昭５６−８０９２号公報の発明によれ
ば、銅帯の熱吸収率が大きくなり、焼鈍効果を大きく高
めることができる。しかしながら、同公報第２欄３２行
目にｒ塗布膜は炉内で分解する１と記載されているよう
に、焼鈍中に塗布膜は消失するので鋼帯表面は燃焼ガス
雰囲気と直接に接触することになる。従って、この発明
によっても炉内における酸化スケールの発生を抑制する
ことはできない。

（２）　　このように、焼鈍中には厚い酸化スケール層
が生成するから、この酸化スケールがハースロールに付
着し、さらに成長してステンレス鋼帯にピックアップ疵
を発生させる。従ってハースロールの頻繁な交換を余儀
なくされ、生産性。

メンテナンスなどの点で問題である。

（３）更に、ステンレス網帯に生成する酸化スケールは
普通鋼と比べ、緻密であることから長大な酸洗設備が必
要となり、また薬液も数種類使用しなければならないこ
とがら廃酸処理も非常に厄介な問題となる。

（４）冷間圧延後のステンレス鋼帯の表面には圧延油が
付着しているから、この状態で連続焼鈍すると、圧延油
の不均一付着により炉内で生成する酸化スケールも不均
一となる。従って、これは酸洗後のムラとして残ること
から、焼鈍前に脱脂を行う必要があるが、脱脂装置が必
ずしも焼鈍設備やＡＰＬのライン中に設けられていると
は限らないので、この場合は別途に脱脂設備を通さなけ
ればならず、工程が繁雑となる。

（５）　　また、焼鈍後には酸洗が必ず必要となるが、
この際、スケール層のみならず母材も侵食されるので、
〔従来の技術〕の項の冒頭で述べたような表面光沢の鈍
い２Ｄ仕上げとなる。従って酸洗を軽度に施すことがで
きれば、表面光沢も高められると考えられるが、現在の
ところ、実現を見るに至っていない。

本発明は、以上のような従来技術の問題点にかんがみて
なされたものであって、熱処理効率を向上させ、且つ酸
化スケールの生成を抑制できるステンレス鋼帯の連続焼
鈍方法およびその設備を提供することにより、上記課題
を解決することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は、ステンレス鋼帯の表面に酸化物系セラミッ
クス粉末を含有するスラリーを塗布し、次いで燃焼ガス
雰囲気内において所定の熱処理条件で焼鈍し、しかる後
、前記ステンレス鋼帯の表面に形成されたセラミックス
粉末の焼成被膜を除去するステンレス鋼帯の連続焼鈍方
法であって、さらにこの方法において、酸化物系セラミ
ックス粉末を含有するスラリーを前記ステンレス網帯の
表面に塗布する前に、該ステンレス鋼帯の表面を清浄に
して圧延油等を除去することが望ましい。

また、この発明による方法を実施するために、冷間圧延
後のステンレス鋼帯を連続焼鈍する設備において、前記
鋼帯の表面に酸化物系セラミックス粉末を含有するスラ
リーを塗布するための塗布装置と、該スラリーを塗布さ
れたステンレス鋼帯を燃焼ガス雰囲気内で焼鈍するため
の焼鈍炉と、該焼鈍炉にて形成されたセラミックス粉末
の焼成被膜を除去するための除去装置を具えたステンレ
ス鋼帯の連続焼鈍設備としたものである。

〔作用〕

本発明では、酸化物系セラミックス粉末を含有するスラ
リーを塗布してから焼鈍するので、熱吸収率を高めるこ
とができる。また、焼鈍中にはこのスラリーが焼成され
て耐酸化性に優れたセラミックス被膜ができるので、炉
内でのステンレス鋼帯表面の酸化を防止することができ
る。

また、このように鋼帯表面の酸化スケールの生成が抑制
されるので、ピックアップ疵の問題も解決される。この
場合、セラミックス粉末の一部がハースロールに付着し
て成長することが懸念されるが、セラミックスは熱的に
安定しているので、ロールに付着したとしてもロール母
材と反応して成長することはないので、上記のおそれは
全くない。

なお、セラミックス粉末を酸化物系に限定したのは燃焼
ガス雰囲気、すなわち高温酸化雰囲気中であっても熱的
に安定しているためである。そして鋼帯母材とも反応し
ないのでセラミックス粉末の焼成被膜除去が非常に容易
となる。さらに酸化スケールの生成を抑制できるので、
軽度の酸洗で充分な脱スケールができる。

次に、前記スラリーを鋼帯表面に塗布するに際しては、
上記の作用のみを期待する意味では、必ずしも冷間圧延
油を除去して鋼帯表面を清浄にする必要はない、これは
、スラリーを塗布することによって、圧延油の不均一付
着による酸化スケールの不均一生成もなくなり、従って
酸洗ムラも生じないからである。但し、第５図にも示し
たように、焼鈍炉の入側にはルーパ５があり、圧延油が
付着した状態では鋼帯が蛇行しやす（、そのために予め
圧延油を除去して銅帯表面を清浄にすることが望ましい
。

〔実施例〕

以下、本発明を図面を参照して説明する。第１図〜第４
図は本発明に係る実施例を説明する図である。但し、従
来例の第５図と同じ装置については同一符号を付し、重
複する説明を省（。

図において、２１は酸化物系セラミックス粉末を含有す
るスラリーをステンレス鋼帯Ｓの表面に塗布するための
塗布装置、３１は焼鈍後に焼成されたスラリー被膜の除
去装置である。

スラリーの塗布装置２１の詳細は、第２図（ａ）に示す
ように、上下ノズル２２．２３から前記スラリー２４を
鋼帯Ｓの表裏両面にスプレーするようになっていて、２
５．２６はこの装置２１のフード、２７はフード２６内
へ落下したスラリー２４の戻り配管である。

焼成被膜の除去装置３１の詳細は、第２図（ｂ）に示す
ように、３本のブラシロール３２を図のごとく配置した
ステンレス鋼帯Ｓの曲げ装置であって、鋼帯Ｓをブラシ
ロール３２により曲げ加工することにより表面に付着し
ている焼成被膜を鋼帯から剥離させるとともに、ブラシ
にて完全に除去するようになっている。また、鋼帯の表
裏両面に臨んで配設された水スプレーノズル３３によっ
て剥離除去された被膜を洗い流し、３４．３５からなる
除去装置のフードの下端に設けた排出配管３６から洗い
流した被膜を排出する。

なお、前記スラリーの塗布装置は本実施例のようなスプ
レ一方式に限るものではなく、ロールコータ方式や浸漬
方式など、いずれの態様でも良く、また前記被膜除去装
置は、ベンディングロールとブラシロールを本実施例の
ごと（兼用とせずに別々に設けるようにしてもよく、あ
るいはピンチロールにより被膜を破壊するようにしても
よい。又化学的処理により除去してもよい。

次に、スラリーをステンレス鋼帯に塗布した結果につい
て述べる。

第１表 スラリーとしては、第１表に示す２種類（人材。

Ｂ材）のものを用い、スプレ一方式により板厚ｌ。

Ｏｍの５ＵＳ３０４に厚さ１５μｍに塗布した。

次いで炉温１１３０℃の焼鈍炉に通して、板温を１１２
０℃まで加熱した。第３図はこのときの昇温カーブを示
す。図中、Ｏｍが人材を塗布したもの、［株］印がＢ材
を塗布したもので、これらと比較のため無塗布のものを
・印で示した。この表から明らかなように、無塗布材に
比べて、塗布材の方が、加熱温度１１２０°Ｃまでの時
間は約４５％短縮されることが判る。すなわち、炉長を
４５％短くできるか、もしくは炉内での通板速度を約１
．８倍に上げることができることを意味する。

第４図は、同じく焼鈍後のステンレス鋼帯表面のＦｅと
０を、Ｇ　ＣＳ　（Ｇｌｏｗ　Ｄｉｓｃｈａｒｇｅ　ａ
ｔｏｍｉｃｅｍｉｓｓｉｏｎ　５ｐｅｃｔｒｏｓｃｏｐ
ｙ　）で測定した結果である。

同図（ａ）が無塗布材、同図（′ｂ）が塗布材である。

塗布材では、スラリーＡ、Ｂともほぼ同じ結果が得られ
た。これよりスケール層の厚みは無塗布材では約４００
０人、塗布材では約２０人であり、本発明によれば、ス
ケール層の厚みが約１／２００に低減できることがわか
る。

以上は、冷間圧延後のステンレス鋼帯について説明した
が、熱間圧延後のステンレス鋼帯を連続焼鈍酸洗するＡ
ＰＬにも適用できるのはいうまでもない。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、熱吸収率が高く
、また炉内での鋼帯の酸化を抑制することのできる酸化
物系セラミックス粉末を含有するスラリーを焼鈍炉の入
側で塗布し、出側で除去することにより、以下に示すよ
うな種々の効果が得られる。

１、）焼鈍時間の短縮、もしくは炉長の短縮を図ること
ができる。

２、）炉内での酸化を抑制できる。

３、）ハースロールによるピックアップ疵の防止。

４、）冷間圧延油の除去により炉の入側ルーパにおける
鋼帯蛇行の防止。

５、）脱スケールのための酸洗が軽度で済み、従って酸
洗速度の上昇、酸洗槽長さの短縮、酸原単位の低減、廃
酸処理設備のランニングコストの低減などが達成できる
。

６、）軽酸洗ですむため、鋼帯地肌の荒れの抑制も期待
され、その結果、２Ｂ品の２Ｂ品化、さらにはＢＡ品並
みの光沢を得ることの可能性への方途も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る実施例の概要図、第２図（ａ）は
第１図における塗布装置の拡大断面図、第２図（ハ）は
第１図における除去装置の拡大断面図、第３図は銅帯に
スラリーを塗布した場合と塗布しない場合との加熱時間
と板温度との関係を示すグラフ、第４図は焼鈍後の銅帯
表面のＦｅとＯをＣＤ５（本文参照）で測定した結果を
示したもので、同図（ａ）はスラリー無塗布材の、同図
（ｂ）はスラリー塗布材におけるスケール槽の厚みを比
較した図、第５図は従来例における焼鈍設備の概要図で
ある。 Ｓ・・・・・・ステンレス鋼帯、６・・・・・・焼鈍炉
、２１・・・・・・塗布装置、２４・・・・・・スラリ
ー　３１・・・・・・除去装置。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）ステンレス鋼帯の表面に酸化物系セラミックス粉
   末を含有するスラリーを塗布し、次いで燃焼ガス雰囲気
   内において所定の熱処理条件で焼鈍し、しかる後、前記
   ステンレス鋼帯の表面に形成されたセラミックス粉末の
   焼成被膜を除去することを特徴とするステンレス鋼帯の
   連続焼鈍方法。
2. （２）第１請求項記載のステンレス鋼帯の連続焼鈍方法
   において、酸化物系セラミックス粉末を含有するスラリ
   ーを前記ステンレス鋼帯の表面に塗布する前に、該ステ
   ンレス鋼帯の表面を清浄にして圧延油等を除去すること
   を特徴とするステンレス鋼帯の連続焼鈍方法。
3. （３）冷間圧延後のステンレス鋼帯を連続焼鈍する設備
   において、前記鋼帯の表面に酸化物系セラミックス粉末
   を含有するスラリーを塗布するための塗布装置と、該ス
   ラリーを塗布されたステンレス鋼帯を燃焼ガス雰囲気内
   で焼鈍するための焼鈍炉と、該焼鈍炉にて形成されたセ
   ラミックス粉末の焼成被膜を除去するための除去装置を
   有することを特徴とするステンレス鋼帯の連続焼鈍設備
   。