JPH047192Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、複数の粗糸ボビンを搬送用マガジン
に保持した状態で精紡機のクリールまで搬送する
ように構成した粗糸搬送装置であつて、粗糸ボビ
ンを搬送用マガジンに簡単に装着する装置に関す
る。

《従来技術》 従来、精紡機への粗糸を供給する場合、手押し
車に数十個の満管粗糸ボビンを搭載し、この手押
し車を数台編成で移動させて、満管粗糸ボビンを
精紡機の周辺まで移送し、空ボビンを精紡機から
取り外すと同時に満管粗糸ボビンを精紡機に装着
して粗糸替えするようにしていた。

《解決しようとする課題》 近年、粗紡機のラージパツケージ化に伴い、１
個の満管粗糸ボビンの重量が約２Kgにもう達して
いる。ところが従来の粗糸替え作業は全て手仕事
で行われていたのであるが、精紡機のクリールは
例えば床面から約2.2mという高い位置にセツト
されていることから重い満管粗糸ボビンを短時間
のうちに粗糸替えすることはかなりの重労働で作
業者の疲労が激しいという問題があつた。

本考案はこのような点に着目してなされたもの
で、粗糸替え作業の省力化を図ることを目的とす
る。

《課題を解決するための手段》 上記目的を達成するために本考案は、精紡機列
の上側に粗糸ボビン搬送用メインレールを精紡機
列に沿わせて配置し、この粗糸ボビン搬送用メイ
ンレールに粗糸搬送用マガジンを走行可能に支持
させ、粗糸搬送用マガジンにボビンハンガーを複
数個配置し、満管粗糸ボビン供給位置における搬
送用メインレールの下側に、自在輪により任意移
設可能な台車部分で移送される粗糸ボビン送込装
置を制動固定可能に配置し、上面に粗糸ボビンを
垂直姿勢に支持するボビン支持部を所定の間隔で
配置してなるテーブルを前記粗糸ボビン送込装置
の台車部分の上側に配置し、このテーブルを昇降
駆動装置で台車部分に対して昇降可能に構成する
とともに、テーブルを搬送用メインレールに移動
可能な状態で支持されている搬送用マガジンに対
して昇降可能に案内する昇降ガイドを台車部分に
固定し、テーブルの両側端部から上向きに位置決
めストツパーを突設するとともに、その上端をボ
ビン支持部に載置した粗糸ボビンの上端部よりも
高く位置させたことを特徴としている。

《作用》 粗糸ボビン送込装置は、自在輪で移動される台
車部分により任意の位置へ移設可能となるので、
満管粗糸ボビンはメインレール下の所望の場所で
装着できるようになる。

このとき、位置決めストツパーは、テーブルが
上昇する際に粗糸ボビンの装着に先立つて粗糸搬
送用マガジンの移動方向側端部を挟持するので、
粗糸搬送用マガジンに固定されているボビンホル
ダーとテーブルのボビン支持部とが同一垂直軸芯
上に位置するように位置決めされる。

そして、搬送用マガジンに装着された後は、重
い満管粗糸ボビンを搬送用マガジンに吊持させて
た状態で精紡機のクリール周辺まで移送し、粗糸
替え作業を高い位置同士で行うことが出来るよう
になる。また、搬送用マガジンへの粗糸ボビンの
装着は、満管粗糸ボビンをテーブル上に整列させ
て載せるだけで良く、重い満管粗糸ボビンを高い
位置まで棒げ持つものに比べてその仕事量を大幅
に減少させることになる。

《実施例》 図面は本考案の実施例を示し、第１図は要部の
縦断正面図、第２図は縦断側面図、第３図は搬送
マガジンの位置決め装置の側面図、第４図は第３
図の−線断面図である。

この粗糸ボビン装置装置は、精紡機列の上側で
精紡機列に沿わせて配置した粗糸ボビン搬送用メ
インレール１と、このメインレール１に案内され
て左右方向に走行可能な粗糸搬送用マガジン２
と、粗糸ボビン供給位置における搬送用メインレ
ール１の下側に配置した粗糸ボビン送込装置３と
で構成してある。

粗糸ボビン送込装置３は、制動固定可能に構成
した台車部分４とこの台車部分４の上側に配置し
たテーブル５で構成してあり、テーブル５の上面
に粗糸ボビン６を垂直姿勢で支持する緩衝機能付
きのボビン支持部７が所定の間隔で配置してあ
る。上記の台車部分６は底部の車輪に自在輪が構
成されており、この台車部分６を任意に移動させ
ることができる。従つて、上記粗糸ボビン送込装
置３は、必要に応じて、精紡機群の満管粗糸編成
ステーシヨンなど、搬送用メインレールの下側で
あれば所望の位置へ自由に移設することができ、
搬送用ボビンホルダーへの満管粗糸ボビンの装置
作業が極めて機動的に行われる。このテーブル５
はブレーキモータ８とボールネジ９とからなる昇
降駆動装置１０で台車部分４に対して昇降可能に
構成してある。また、台車部分４の左右側端面か
ら昇降用直線ガイド棒１１が上向きに突設してあ
り、この昇降用直線ガイド棒１１に外嵌するボー
ルブツシユ１２がテーブル５の左右側面に固定し
てある。従つて、昇降駆動装置１０の作動でテー
ブル５は水平姿勢を保つたまま平行移動すること
になる。さらに、粗糸搬送用マガジン２の移動方
向（左右方向）に対応しているテーブル５の左右
側端部から位置決めストツパー１３が上向きに突
設してあり、この位置決めストツパー１３の上端
部はボビン支持部７に載置した粗糸ボビン６の上
端部よりも高く位置しており、その上端部はそれ
ぞれ上広がりに形成されている。そして、この位
置決めストツパー１３は、テーブル５が上昇した
際に粗糸搬送用マガジン２の移動方向側端部を挟
持して粗糸搬送用マガジン２に固定されているボ
ビンホルダー１４とテーブル５のボビン支持部７
が同一垂直軸芯上に位置するように位置決めする
ようにしてなつている。なお、この位置決めスト
ツパー１３は粗糸搬送用マガジン２の移動時に粗
糸搬送用マガジン２に吊持支持されている粗糸ボ
ビン６と干渉しない位置に設けられている。

粗糸搬送用マガジン２は、搬送用メインレール
１に走行自在に懸垂支持されている左右一対のボ
ビンキヤリア１５と、各ボビンキヤリア１５から
前後に連出してジヨイントバー１６と、左右ジヨ
イントバー１６間に架着した前後のボビンホルダ
ーバー１７と、各ボビンホルダーバー１７に吊持
固定した複数のボビンホルダー１４とで構成して
あり、搬送用メインレール１には複数の粗糸搬送
用マガジン２が配置してある。

また、粗糸ボビン給排位置における搬送用メイ
ンレール１にボビンホルダー１４の姿勢を矯正す
る姿勢規制装置１８が配置してある。この姿勢規
制装置１８は、対称に配置した２基のリニアドモ
ータ１９と、各リニアドモータ１９の作動で出退
移動する一対のストロークロツド２０と、各スト
ロークロツド２０に固定された出退アーム２１及
び出退アーム２１に固定された複数のフオークス
プリング２２とで構成してあり、リニアドモータ
１９の作動で出退アーム２１を粗糸搬送用マガジ
ン２の移動領域に対して進退移動させ、両出退ア
ーム２１が接近移動した際に出退アーム２１に固
定したフオークスプリング２２でボビンホルダー
１４の外筒胴体部２３に外嵌して、ボビンホルダ
ー１４を垂直姿勢に規制し、出退アーム２１が離
隔した際にフオークスプリング２２がボビンホル
ダー１４の移動領域から退避するようにしてあ
る。そして、このリニアドモータ１９の作動は、
前記粗糸ボビン送込装置３でのテーブル５の昇降
作動に同期して行われるようになつていて、テー
ブル５の上昇作動に同期して出退アーム２１が接
近移動させ、テーブル５の下降移動に同期して出
退アーム２１が離隔移動するようになつている。

以上の構成からなる粗糸ボビン装着装着では、
粗糸ボビン給排位置で下降しているテーブル５の
ボビン支持部７に満管粗糸ボビン６を載置し、粗
糸搬送用マガジン２をおおよそ位置決めして、テ
ーブル５を昇降駆動装置１０で上昇作動させる。
このときテーブル５には位置決めストツパー１３
が突設してあるから、位置決めストツパー１３の
先端が粗糸搬送用マガジン２の左右端部と接触し
て粗糸搬送用マガジン２とテーブル５の相対位置
を各ボビンホルダー１４の垂直軸芯と各ボビン支
持部７の垂直軸芯とを一致させる。しかも、この
ときテーブル５の上昇移動に同期して姿勢規制装
置１８が作動してボビンホルダー１４を垂直姿勢
に保持している。このため、テーブル５が上昇す
ると、テーブル５に支持されている満管粗糸ボビ
ン６が一斉に粗糸搬送用マガジン２のボビンホル
ダー１４に受け渡されることになる。そして、テ
ーブル５のボビン支持部７は緩衝機能を有してい
ることから、テーブル５の上昇により、満管粗糸
ボビン６がボビンホルダー１４に押し付けられて
も、ボビンホルダー１４に無理な力が作用するこ
とはない。

《効果》 本考案は、上記のように構成され作用すること
から、次に効果を奏する。

イ 粗糸ボビン送込装置は、搬送用メインレール
の下側であれば必要に応じて任意の位置へ移設
可能となるので、搬送用ボビンホルダーへの満
管粗糸ボビンの装置作業を極めて機動的に行う
ことができる。

ロ 位置決めストツパーがテーブル上昇時に粗糸
搬送用マガジンを挟持することから、自在輪の
台車部分で自由に移設されるボビン送込装置で
ありながら、搬送用マガジンに固定されている
ボビンホルダーとテーブルのボビン支持部とを
確実に同一垂直軸芯上に位置合わせすることが
できる。

ハ そして、搬送用マガジンに装着された後は、
重い満管粗糸ボビンを搬送用マガジンに吊持さ
せた状態で精紡機のクリール周辺まで移送し、
粗糸替え作業を高い位置同士で行うことができ
る。

ニ また、搬送用マガジンへの粗糸ボビンの装着
は、満管粗糸ボビンをテーブル上に整列させて
載せるだけで良く、重い満管粗糸ボビンを高い
位置まで棒げ持つものに比べてその仕事量が大
幅に少なくでき、精紡工程での粗糸替え作業を
楽に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は要部の
縦断正面図、第２図は縦断側面図、第３図は搬送
マガジンの位置決め装置の側面図、第４図は第３
図の−線断面図である。 １……粗糸ボビン搬送用メインレール、２……
粗糸搬送用マガジン、３……粗糸ボビン送込装
置、４……３の台車部分、５……テーブル、６…
…粗糸ボビン、７……ボビン支持部、１０……昇
降駆動装置、１１……昇降ガイド、１３……位置
決めストツパー、１４……ボビンホルダー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 精紡機列の上側に粗糸ボビン搬送用メインレー
   ル１を精紡機列に沿わせて配置し、この粗糸ボビ
   ン搬送用メインレール１に粗糸搬送用マガジン２
   を走行可能に支持させ、粗糸搬送用マガジン２に
   複数個のボビンホルダー１４を吊持固定し、 満管粗糸ボビン供給位置における搬送用メイン
   レール１の下側に、自在輪により任意移設可能な
   台車部分４で移送される粗糸ボビン送込装置３を
   制動固定可能に配置し、 上面に粗糸ボビン６を垂直姿勢に支持するボビ
   ン支持部７を所定の間隔で配置してなるテーブル
   ５を粗糸ボビン送込装置３の台車部分４の上側に
   配置し、 このテーブル５の昇降駆動装置１０で台車部分
   ４に対して昇降可能に構成するとともに、テーブ
   ル５を搬送用メインレール１に移動可能な状態で
   支持されている搬送用マガジン２に対して昇降可
   能に案内する昇降ガイド１１を台車部分４に固定
   し、 テーブル５の両側端部から上向きに位置決めス
   トツパー１３を突設するとともに、その上端をボ
   ビン支持部７に載置した粗糸ボビン６の上端部よ
   りも高く位置させたことを特徴とする搬送用マガ
   ジンへの満管粗糸ボビン装置装置。