JPH0470259B2 - - Google Patents

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JPH0470259B2
JPH0470259B2 JP59108294A JP10829484A JPH0470259B2 JP H0470259 B2 JPH0470259 B2 JP H0470259B2 JP 59108294 A JP59108294 A JP 59108294A JP 10829484 A JP10829484 A JP 10829484A JP H0470259 B2 JPH0470259 B2 JP H0470259B2
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zirconium
aqueous solution
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zirconia
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Mitsuhisa Sakamoto
Naotake Katayama
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Tosoh Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は焼結性に優れたジルコニア系微粉末の
製造方法に関するものである。 ジルコニア系微粉末は耐火物、研摩材、コーテ
イング材、窯業、顔料をはじめ、光学ガラス、強
誘電体、圧電体、触媒担体、固体電解質等の幅広
い用途に使用されている。又、近年、ジルコニア
に対してマグネシア、カルシアあるいはイツトリ
アなどの安定化剤を少量添加した部分安定化ジル
コニアが、これまでにない高強度、高靱性を有す
る事が見出されたことから、この分野に於ける開
発が急速に活発化し、各種高強度構造材料として
の用途が拡大している。この為、その原料となる
ジルコニア系微粉末の需要も増加する傾向にあ
る。 本発明の方法はこの様な用途に適したジルコニ
ア系微粉末の製造を目的とするものである。 従来、ジルコニア系微粉末の製造方法として
は、オキシ塩化ジルコニウム等の水溶性ジルコニ
ウム塩の水溶液と塩化マグネシウム、塩化カルシ
ウムあるいは塩化イツトリウム等の安定化剤とな
る金属元素の塩の水溶液の混合溶液に、アンモニ
ア水等のアルカリを添加して中和共沈させ、水酸
化物のゾルを生成させ、これを過、洗浄、乾燥
し、更に仮焼する方法が最も一般的であつた。 しかし、この方法で得られる粉末は嵩密度が低
く、1次粒子が比較的に微細でしかも多孔性であ
る為に、焼結体とした場合に一般に密度が低く十
分な強度及び硬度等が得られにくいという欠点が
あつた。 ジルコニア系微粉末を製造する他の代表的な方
法として加水分解法がある。この方法はオキシ塩
化ジルコニウム等の水溶性ジルコニウム塩と塩化
マグネシウム、塩化カルシウムあるいは塩化イツ
トリウム等の安定化剤となる金属元素の塩の混合
水溶液をそのまゝ加熱して反応させ、固溶体型ジ
ルコニアの前駆体となるゾルを生成させ、これを
乾燥、仮焼するものである。この方法で得られる
ジルコニア系微粉体は嵩密度が比較的高く、1次
粒子径がやゝ大で、かつ微細で均一な2次粒子が
得られ易い。この為、焼結性に優れ、緻密な焼結
体が得られる特徴がある。 前記した中和法によるジルコニア系微粉末は生
成した水酸化物を乾燥、仮焼して製造される為に
多くの場合水酸基の脱離等によりミクロポアが生
じ易く、これが焼結した場合に気孔として焼結体
中に残留して高密度の焼結体が得られにくいもの
と考えられる。これに対して加水分解法は塩酸等
の酸性水溶液から直接ジルコニアの微結晶あるい
はその前駆体をコロイド状粒子として生成させる
為に緻密な焼結体が得られ易いものと考えられ
る。 しかしながら、この加水分解法は反応速度が非
常に遅く、水溶液中のジルコニウムの濃度が約
0.6モル/より高い場合には反応は実質的な意
味で進行しない。したがつて、通常約0.5モル/
あるいはそれ以下の低濃度のジルコニウム塩水
溶液を長時間、たとえば数日間加熱して反応させ
る必要がある。この為、生産量に比して大容量の
反応槽を必要とし反応効率が低いためにコスト高
となる欠点を有している。 ジルコニア系微粉末の製造方法としては、この
他、ジルコニウムイソプロポキシド等のアルコキ
シドを原料とし、これを有機溶媒中で加水分解す
る方法があるが、この場合には原料価格が高く、
しかも反応が複雑である為にコスト高となり工業
的には不利である。 この様な事から本発明者らは優れた焼結特性を
有し、かつ低コストで工業的に有利なジルコニア
系微粉末の製造方法の開発をめざし鋭意検討を重
ねた。 その結果、水溶性ジルコニウム塩の水溶液に少
量の多価カルボン酸及び/又はその塩を添加して
加熱する事によりコロイド状粒子を生成させ、こ
れを乾燥、仮焼する事により焼結性に優れたジル
コニア系微粉末が得られる事を見出し、本発明に
到達した。 本発明の方法は高濃度のジルコニウム塩水溶液
を使用する事ができ、しかも短時間に反応を進行
させる事ができることから反応効率が高く、工業
的に非常に有利である。 水溶性ジルコニウム塩は水溶液中では通常いく
つかのジルコニウムイオンから構成される多核錯
イオンの状態で存在するものと考えられている。
そして、これを加熱するとこの多核錯イオンが脱
水重合して高分子重合体を形成し、コロイド状微
粒子として析出して加水分解反応が進行するもの
と考えられる。本発明の方法に於て使用する多価
カルボン酸の添加効果は十分明らかではないが、
酢酸やプロピオン酸等のモノカルボン酸では効果
が認められない事、又、ジルコニウムに対し非常
に少量の添加で効果が認められる事等から、上記
の多核錯イオン間の反応を触媒的に促進し、加水
分解反応を進行させるものと考えられる。 以下、本発明の方法について更に詳細に説明す
る。 本発明の方法に於て原料として使用する水溶性
ジルコニウム塩としては、硫酸ジルコニウム、硝
酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、酢酸ジルコ
ニウム、オキシ塩化ジルコニウム等が挙げられる
が、硝酸ジルコニウム又はオキシ塩化ジルコニウ
ムが好適である。水溶液中のジルコニウム塩の濃
度は広い範囲から選択する事ができるが、本発明
の方法を効果的に実施する為には0.1モル/以
上の濃度である事が必要であり、約0.2モル/
〜約2モル/の範囲がより好適である。又、マ
グネシウム、カルシウム、アルミニウム、イツト
リウム、ランタン系希土類、珪素、チタン、ハフ
ニウム、遷移金属等の3価以上の原子価を有する
元素の1種以上を水溶液中に共存させる事もでき
る。 本発明の方法に於て、有効な多価カルボン酸は
1分子中に2以上4以下のカルボン酸基を有する
多価カルボン酸である。したがつて、ジルコニウ
ム塩水溶液中に添加する多価カルボン酸としては
具体的には、シユウ酸、マロン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、
リンゴ酸、酒石酸、フタル酸、テレフタル酸等の
2価カルボン酸、クエン酸、イタコン酸、トリメ
リツト酸等の3価カルボン酸、ピロメリツト酸等
の4価カルボン酸等が挙げられる。又、その塩と
しては、アンモニウム塩あるいはナトリウム塩等
のアルカリ塩等が挙げられる。 これらの多価カルボン酸又はその塩を水溶性ジ
ルコニウム塩の水溶液に添加するにはそのまゝの
形で加えてもさしつかえないが、より好ましくは
水等に溶解させて添加するのが良い。 添加する多価カルボン酸又はその塩の量は合計
してジルコニウム1モルに対して0.5モル以下で
ある事が必要であり、これより多い場合にはジル
コニウムの多価カルボン酸塩が生成してしまい本
発明の効果が得られない。本発明の主旨は水溶性
ジルコニウム塩の水溶液に少量の多価カルボン酸
イオンを共存させ加水分解反応を触媒的に促進す
る事にある。本発明の目的とする焼結性に優れた
ジルコニア系微粉末を製造する為には、均一でか
つ重合度の高い高分子重合体であるジルコニアの
コロイド状微粒子を生成させる事が重要である。
この為に、添加する多価カルボン酸又はその塩の
量は、水溶液中のジルコニウムの濃度、反応温
度、反応時間等によつて大きく異なるが、ジルコ
ニウム1モルに対して0.005〜0.3モルである事が
好ましく0.01〜0.3モルである事が特に好ましい。 コロイド状粒子の生成は、これらの多価カルボ
ン酸又はその塩の少なくとも一種を添加した水溶
性ジルコニウム塩の水溶液を加熱する事によつて
著しく促進される。好ましい反応温度は他の条件
等により変化するが、通常約50℃以上であり、よ
り好ましくは約60℃〜約120℃の範囲とするのが
良い。 反応時間はジルコニウム塩の濃度、添加する多
価カルボン酸又はその塩の種類及び濃度、あるい
は反応温度等により変化するが、通常数時間以上
より好ましくは約10時間〜数十時間の範囲が適当
である。 コロイド状粒子の生成前あるいは生成後に、プ
ロパノール、ブタノール、アルミアルコール、ヘ
キサノールあるいはオクタノール等の沸点が常圧
で80℃以上のアルコールを添加し、加熱あるいは
加熱脱水する事により、乾燥を容易にし、得られ
る粉末粒子の分散性等を向上させたりする事もで
きる。 乾燥は生成したコロイド状粒子を含有する該反
応液をそのまゝ加熱して脱水濃縮するか冷凍乾燥
あるいは噴霧乾燥等の任意の方法により実施する
事ができる。加熱して乾燥する場合の温度は約60
℃以上、より好ましくは約70℃〜約200℃の範囲
が適当である。そして更にこれを通常約200℃〜
約1000℃の温度で仮焼することにより本発明のジ
ルコニア系微粉末を得ることができる。 この様にして得られるジルコニア系微粉末は嵩
密度が高く、かつ分散性の良い粉末である。又、
結晶子径は通常の乾燥を終了した段階では約80Å
以下であり、900℃で仮焼した場合でも約300Åあ
るいはそれ以下の非常に微細な粒子である。 上記の様な方法で得られるジルコニア系微粉末
はそのまゝ使用しても良好な粉末特性が得られる
が、焼結体とした場合に更に優れた性能を得る為
には二次粒子径が約2μm以下より好ましくは約
1μm以下に粉砕して使用する事が望ましい。粉
砕方法は乾式法あるいは湿式法のいずれでも良
く、これまでに公知の任意の方法により実施する
事ができる。 以下、実施例を示して本発明について更に具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお、実施例中に示す曲げ強度と
は、幅4mm、厚さ3mm、長さ40mmの試験体をスパ
ン長さ30mm、クロスヘツドスピード0.5mm/min
の条件で3点曲げ破壊したとき得られる強度の5
体以上の平均値を意味する。又、焼結体の密度は
通常実施される水中アルキメデス法により求めた
ものである。 実施例 1 オキシ塩化ジルコニウム〔ZrOCl2・8H2O〕を
水に溶解させ、ジルコニウムの濃度がZrO2とし
て304.6g/であるジルコニウム塩の水溶液を
調製した。この水溶液6.07に水7.3及びシユ
ウ酸〔HOOC−COOH−2H2O〕94.6gを溶解さ
せた水溶液1.6を添加した。この混合水溶液中
のジルコニウムの濃度は1.0モル/であり、添
加したシユウ酸のモル数はジルコニウム1モルに
対して0.05モルである。 この混合水溶液をガラス容器中に入れ攪拌しな
がら約100℃で20時間加熱した。反応終了後、生
成したゾルを減圧下加熱脱水し、ついで空気流通
下約120℃で20時間乾燥した。得られた乾燥粉末
の見掛嵩密度は1.52g/cm3、タツプ密度は1.75
g/cm3であつた。次いでこれを850℃で2時間仮
焼した。 得られた粉末は単斜晶系のジルコニアであり、
X線回折から求めた結晶子径は約250Å、BET比
表面積は約15m2/gであり、見掛嵩密度は1.72
g/cm3、タツプ密度は2.06g/cm3であつた。 この様にして得られたジルコニア微粉末にイツ
トリアが3モル%となる様に、平均粒子径が約
0.5μmのイツトリアの微粒子を添加しボールミル
を使用してエタノール中で約72時間粉砕混合し
た。次いで80℃で約20時間乾燥してイツトリアを
含有するジルコニア系微粉末を得た。 この粉末を金型プレス及びラバープレスにより
圧縮成形し、空気中1500℃で2時間焼成した。得
られた焼結体は主として正方晶系から成り、密度
は6.05g/cm3、曲げ強度は108Kg/mm2であつた。 実施例 2 硝酸ジルコニウム〔ZrO(NO22・2H2O〕
427.6gを水1に溶解させた。この水溶液にコ
ハク酸〔HOOCCH2CH2COOH〕18.7gを溶解さ
せた水溶液400mlを添加した。この混合水溶液中
のジルコニウムの濃度は1.0モル/であり、添
加したコハク酸のモル数はジルコニウム1モルに
対して0.10モルである。 この混合水溶液を攪拌しながら加熱したとこ
ろ、約70℃付近から乳白色のコロイド粒子が生成
し始めた。更に加熱を続け98℃で48時間保持して
反応させた。反応終了後生成したゾルを減圧下加
熱脱水し次いで約120℃で24時間乾燥した。 得られた乾燥粉末の見掛嵩密度は1.36g/cm3
タツプ密度は1.70g/cm3であつた。次いでこれを
900℃で2時間仮焼した。得られたジルコニア微
粉末は単斜晶系であり、X線結晶子径は約270Å、
BTE比表面積は約12m2/gであり、見掛嵩密度
は1.48g/cm3、タツプ密度は1.90g/cm3であつ
た。 この様にして得られたジルコニア微粉末に実施
例1と同様にイツトリアが3モル%となる様に、
イツトリアの微粉末を添加し、ボールミルにより
エタノール中48時間粉砕した。次いでこれを乾燥
し、実施例1と同様の方法で成形して空気中1500
℃で2時間焼成した。得られた焼結体の密度は
6.05g/cm3、曲げ強度は106Kg/mm2であつた。 実施例 3 オキシ塩化ジルコニウムを水に溶解させ、ジル
コニウムの濃度がZrO2として301.8g/である
ジルコニウム塩の水溶液を調製した。この水溶液
7.35にイツトリア(Y2O3純度99.9%)125.6g
を塩酸で溶解させた水溶液800mlを添加した。次
いで水5.65及びシユウ酸〔HOOC−COOH・
2H2O〕45.4gを溶解させた水溶液1.2を添加し
た。 この混合水溶液中のジルコニウムの濃度は1.20
モル/であり、添加したシユウ酸のモル数はジ
ルコニウム1モルに対して0.02モルである。この
混合水溶液をガラス容器中に入れ攪拌しながら約
100℃に加熱して24時間反応させた。反応終了後、
生成したゾルを減圧下加熱脱水し、次いで約120
℃で20時間乾燥した。 得られた乾燥粉末の見掛嵩密度は1.28g/cm3
タツプ密度は1.75g/cm3であつた。次いで、この
乾燥粉末を850℃で2時間仮焼した。この様にし
てイツトリウムをY2O3として3モル%含有する
ジルコニア系微粉末を調製した。X線結晶子径は
約268Å、BET比表面積は約15m2/gであり、粉
末の見掛嵩密度は1.76g/cm3、タツプ密度は2.07
g/cm3であつた。 この粉末をエタノール溶媒中72時間ボールミル
により粉砕した。乾燥して得られた微粉末の平均
二次粒子径は約0.5μmであつた。次いでこの粉末
を金型プレス及びラバープレスにより圧縮成形
し、空気中1500℃で2時間焼成した。 得られた焼結体は主として正方晶系から成り、
第1表に示すとおり焼結体密度及び曲げ強度はそ
れぞれ6.07g/cm3及び112Kg/mm2であつた。 比較例 1 シユウ酸を添加しない外は実施例3と同様の方
法でイツトリウムをY2O3として3モル%含有す
るジルコニア系微粉末を調製した。この場合には
約100℃で加熱攪拌を継続したが、72時間経過し
てもコロイド状粒子の生成は認められず溶液は透
明のまゝであつた。この為、該水溶液はそのまま
加熱脱水濃縮して乾燥した。 得られた乾燥粉末のX線回折測定を実施した結
果、原料であるオキシ塩化ジルコニウム
〔ZrOCl2・8H2O〕がかなり混在している事が認
められた。 実施例3と同様の方法で粉末を調製し焼結体を
作製した。その結果は第1表に示すとおり、焼結
体密度は5.98g/cm3、曲げ強度は67Kg/mm2であつ
た。 実施例4〜8、比較例2〜4 実施例3と同様の方法でシユウ酸の添加量を変
化させてイツトリウムをY2O3として3モル%含
有するジルコニア系微粉末を調製した。又、その
粉末を用いて焼結体を作製し、密度及び曲げ強度
等を測定した。その結果を第1表に示す。 シユウ酸の添加量がジルコニウム1モルに対し
て0.5モル以下である実施例4〜8の場合には乾
燥粉末のX線回折測定に於いて特定のX線回折ピ
ークの存在は認められなかつた。一方、シユウ酸
の添加量がジルコニウム1モルに対して0.5モル
を越える比較例2〜4の場合には、シユウ酸の添
加と同時に嵩高い白色の沈殿が生成した。又、得
られた乾燥粉末のX線回折測定の結果から、ジル
コニウムのシユウ酸塩が生成している事が認めら
れた。 第1表に示す結果から明らかな様に、焼結性に
優れたジルコニア系微粉末を得る為には、添加す
るシユウ酸等の多価カルボン酸のモル数がジルコ
ニウム1モルに対して0.5モル以下である事が必
要である。又、添加する多価カルボン酸の量とし
てはジルコニウムの濃度その他の条件等により変
化するがジルコニウム1モルに対して約0.01モル
以上であれば十分その効果が得られる。 実施例 9〜23 実施例3と同様の方法でジルコニウム塩の水溶
液中に添加する多価カルボン酸の種類を変えてイ
ツトリウムをY2O3として3モル%含有するジル
コニア系微粉末を調製した。又、その粉末を用い
て焼結体を作製し、焼結体の密度、曲げ強度等を
測定した。その結果を第2表に示す。
【表】
【表】
【表】 実施例 24 実施例3と同様の方法でフマル酸イオンをジル
コニウム1モルに対して0.02モル共存させたジル
コニウムの濃度が0.8モル/及び1.2モル/で
あるオキシ塩化ジルコニウムの水溶液を調製し
た。 この混合水溶液をガラス容器中に入れ攪拌しな
がら100℃に加熱して反応させた。一定時間経過
ごとに該反応液の一部を採取し、キレート滴定法
により反応液中に溶存するジルコニウムイオンの
濃度を分析した。そしてその値から水溶液中に溶
解したジルコニウムイオンの不溶性コロイド状粒
子への転化率(以下、加水分解率と呼ぶ。)を求
めた。その結果を第1図に示す。 実施例 25 オキシ塩化ジルコニウムを水に溶解させ、ジル
コニウムの濃度がZrO2として293.4g/である
ジルコニウム塩の水溶液を調製した。この水溶液
5.04にイツトリア(Y2O3純度99.9%)83.7gを
加熱して溶解させた。この溶液に水80,及びフ
マル酸(HOOCCH2CH2COOH)69.6gを溶解さ
せた水溶液2を添加した。 この混合水溶液中のジルコニウムの濃度は0.8
モル/であり、添加したフマル酸のモル数はジ
ルコニウム1モルに対して0.05モルである。 この混合水溶液をガラス容器中に入れ攪拌しな
がら90℃で約40時間反応させた。反応終了後生成
したゾルを100℃で加熱脱水し液量が約5とな
るまで濃縮した。次いで、これにn−ブタノール
(沸点約118℃)2を添加し、更に加熱を継続し
て共沸脱水した。その後熱風乾燥器中、120℃で
約24時間乾燥した。 得られた乾燥粉末を850℃で2時間仮焼し、イ
ツトリウムをY2O3として3モル%含有するジル
コニア系微粉末を調製した。その後、ボールミル
により粉砕し、得られた微粉末を圧縮成形して
1500℃で2時間焼成した。この様にして得られた
焼結体の密度は6.07g/cm3、曲げ強度は116Kg/
mm2であつた。 実施例 26 オキシ塩化ジルコニウム〔ZrOCl2・8H2O〕
1224.6g及び塩化マグネシウム(MgCl2・6H2O)
40.7gを溶解させた水溶液2に水1.2及びシ
ユウ酸アンモニウム〔(NH4)C2O4・H2O〕27.0
gを溶解させた水溶液600mlを添加した。この混
合水溶液中のジルコニウムの濃度は1.0モル/
であり、添加したシユウ酸アンモニウムのモル数
はジルコニウム1モルに対して0.05モルである。 この混合水溶液を約98℃で20時間加熱してコロ
イド状粒子を生成させた。次いでこのゾルにn−
オクタノール(沸点195℃)500mlを添加して、加
熱して共沸脱水した。更にこれを熱風乾燥器中
100℃で約40時間乾燥した。 得られた乾燥粉末を920℃で2時間仮焼した。
次いでこれをボールミルにより粉砕し、マグネシ
ウムをMgOとして5モル%含有するジルコニア
系微粉末を得た。この様にして得られた微粉末を
金型プレスにより圧縮成形し、1540℃で2時間焼
成した。得られた焼結体の密度は5.76g/cm3、曲
げ強度は80Kg/mm2であつた。 実施例 27 オキシ塩化ジルコニウム1134g及び三塩化セリ
ウム(CeCl3・7H2O)178.8gを溶解させた水溶
液2に水1及び酒石酸〔HOOCCH(OH)
CH(OH)COOH〕26.4gを溶解させた水溶液
520mlを添加した。この混合水溶液中のジルコニ
ウムの濃度は1.0モル/であり、添加した酒石
酸のモル数はジルコニウム1モルに対して0.05モ
ルである。 この混合水溶液を98℃で約40時間攪拌しながら
加熱してコロイド状粒子を生成させた。反応終了
後、生成したゾルを更に加熱脱水し、空気流通下
120℃で約24時間乾燥した。 得られた乾燥粉末を850℃で2時間仮焼した。
次いでこれをボールミルにより粉砕し、セリウム
をCeO2として12モル%含有するジルコニア系微
粉末を得た。 この様にして得られた微粉末を金型プレスによ
り圧縮成形し、1500℃で2時間焼成した。得られ
た焼結体は主として正方晶系から成り、密度は
6.15g/cm3、曲げ強度は87Kg/mm2であつた。 実施例 28 オキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl2・8H2O)
605.8g、三塩化イツトリウム(YCl3・6H2O)
24.3g及び三塩化アルミニウム(AlCl3・6H2O)
64.5gを溶解させた水溶液3にシユウ酸
(HOOC・COOH・2H2O)23.7gを溶解させた
水溶液760mlを添加した。この混合水溶液中のジ
ルコニウムの濃度は0.5モル/であり、添加し
たシユウ酸のモル数はジルコニウム1モルに対し
て0.10モルである。 この混合水溶液を約100℃で24時間加熱してコ
ロイド状粒子を生成させた。次いでこれを熱風乾
燥器中100℃で約24時間乾燥した。 得られた乾燥粉末を900℃で2時間仮焼した。
次いでこれをボールミルにより粉砕してイツトリ
ウムをY2O3として4モル%含有し、かつアルミ
ニウムをAl2O3として5重量%含有するジルコニ
ア系微粉末を調製した。 この様にして得られたジルコニア系微粉末を金
型プレス及びラバープレスにより圧縮成形し、
1400℃で3時間焼成した。得られた焼結体は主と
して正方晶系及び立方晶系から成り、密度は5.90
g/cm3、曲げ強度は107Kg/mm2であつた。 比較例 5 実施例25と同様にしてジルコニウムの濃度が
0.8モル/であり、フマル酸の代わりに酢酸を
ジルコニウム1モルに対して0.20モル添加した混
合水溶液を調製した。 この混合水溶液を攪拌しながら約100℃で72時
間加熱した。しかしながら、コロイド状粒子の生
成は全く認められず溶液は透明のまゝであつた。 比較例 6 酢酸の代わりにプロピオン酸をジルコニウム1
モルに対して0.1モル添加する外は比較例5と同
様にしてジルコニウム塩の水溶液を加熱した。し
かしながら、コロイド状粒子の生成は認められず
72時間経過後も溶液は透明のまゝであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法による加熱加水分解反応
の際の、反応時間と加水分解率の関係を示す図で
ある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水溶性ジルコニウム塩単独又は水溶性ジルコ
    ニウム塩とマグネシウム、カルシウムあるいは3
    価以上の原子価を有する元素を含む水溶液に、1
    分子中に2以上で4以下のカルボン酸基を有する
    多価カルボン酸又はその塩を、ジルコニウム1モ
    ルに対して0.5モル以下添加、加熱し、加水分解
    することによりコロイド状粒子を生成させること
    を特徴とするジルコニア系微粉末の製造方法。 2 水溶性ジルコニウム塩水溶液のジルコニウム
    濃度が、0.1モル/以上である特許請求の範囲
    第1項記載のジルコニア系微粉末の製造方法。
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