JPH0470231B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は油圧エレベータの据付工事法に関す
る。

〔従来の技術〕

従来の油圧エレベータの据付工事法は、昇降路
内に井桁状に組上げた作業足場に、作業位置に応
じて作業板を設け、この作業板上でガイドレー
ル、乗場部品の取付け、油圧ジヤツキの接続固定
および配線等の作業を行ない、その後、作業足場
を取外してかご枠の取付けを行なうという固定足
場工法であつた。

また、一般のロープ式エレベータでは、ガイド
レールを建屋出入口部分に取付けられた移動足場
を用いて固定し、その後、機械室に取付けられた
巻上機によりかご枠を上下動し、乗場部品の取付
け、昇降路内配管および配線を行ない、更にその
後、かご枠への天井と側板の組込みおよびかご廻
りの配線を行なうようにしたものが、特開昭54−
40449号公報で紹介されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上述した従来の前者の固定足場工法は、対象と
なる建築物が高層になるに従い、昇降路の全長に
わたつて足場材を組上げて作業足場を構成しなけ
ればならず、多量の足場材を必要とし、このため
組上げおよび解体に多大な労力を必要とすると共
に、作業者の作業足場上での上下移動によつて作
業効率が低下していた。また、この工法は作業者
の安全の点で問題があつた。

一方、後者のロープ式エレベータにおける工事
法は、前者の井桁状に組上げた足場上での作業の
ように大きな危険を伴うことはないが、機械室が
昇降路上部にない油圧エレベータには適用できな
い。

本発明の目的は、安全で能率的に作業を行なう
ことができる油圧エレベータの据付工事法を提供
することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記目的を達成するために、かご枠用
最下部ガイドレールを立設固定し、その最下部ガ
イドレールに作業台を有する本設用のかご枠を組
込み、次いで昇降路中間部に仮設作業枠を組立て
て油圧ジヤツキを固設し、この油圧ジヤツキを機
械室内に据付けられたパワーユニツトと配管接続
し、かつ昇降路内に油圧ジヤツキ用ガイドレール
とかご枠用ガイドレールを立設仮固定し、その後
パワーユニツトにより油圧ジヤツキおよびかご枠
を上下動しながら所定の作業を行なうようにした
ことを特徴とする。

〔作用〕

本発明は上述の如く作業台を有する本設のかご
枠を昇降路内に固設された油圧ジヤツキによつて
上下動するようにし、作業者が作業台に乗りなが
ら昇降路機器の取付け作業、配線作業および出入
口部品の芯出し固定等の所定の作業を行なえるの
で、その作業は安全かつ能率的に行なうことがで
きる。

〔実施例〕

以下本発明の実施例を図面によつて説明する。

第１図は工程図を示し、先ず工程１から工程５
によつてかご枠用最下部ガイドレールを立設す
る。この作業を第２図で説明すると、先ず昇降路
最上部に作業床１を組立て、上部テンプレート２
を設置し、また昇降路下部において下部テンプレ
ート３を設置し、これら両テンプレート２，３間
に基準線４、例えばピアノ線を張設している。こ
の基準線４を基準としてかご枠用最下部ガイドレ
ール５ａを配置し、レールブラケツト６によつて
昇降路壁に芯出ししてこれを固定している。尚、
昇降路下部の機械室にはパワーユニツト７が配置
されている。

第１図の工程図によれば次の作業は、工程６か
ら工程１２に示すように、油圧ジヤツキとパワー
ユニツトの接続作業であり、これを第３図によつ
て説明する。

この接続作業に先立つて油圧ジヤツキの設置の
ために作業台を得る必要がある。そこで、かご枠
用最下部ガイドレール５ａに本設用のかご枠８を
組立て、このかご枠８の上部に作業台９を構成
し、また仮設用作業手摺１０ａ，１０ｂを取付け
ている。更に昇降路の中間部に中間作業床１１を
構成している。更に、昇降路の上部に吊り部１４
とスチールブロツク１５を設置し、スチールブロ
ツク１５に掛けたウインチロープ１３により油圧
ジヤツキ１２ａ，１２ｂを吊り上げ、先に構成し
たかご枠上部作業台９および中間部作業床１１を
用いて、それぞれ昇降路壁へ固定したり両油圧ジ
ヤツキ間の接続を行なう。続いて第４図に示すよ
うに、油圧ジヤツキ１２ａの上端にジヤツキ上プ
ーリ１９を取付け、このジヤツキ上プーリ１９に
掛けたロープ２０の一端をかご枠８へ接続し、そ
の他端をジヤツキ台１６へ接続すると共に、油圧
ジヤツキ１２ａ，１２ｂとパワーユニツト７間を
油圧配管１７で接続してパワーユニツト７を固定
する。

次いで、第１図の工程１３および工程１４に示
すようにかご枠８を上下動作できるように作業を
進める。つまり、昇降路内にかご側ガイドレール
５ｂ，５ｃ，５ｄと、油圧ジヤツキ側ガイドレー
ル２１ａ，２１ｂを立設し、かご側ガイドレール
５ｄのガイドレール固定ブラケツト６ｂを昇降路
壁に仮固定し、また油圧ジヤツキ側ガイドレール
２１ａ，２１ｂのブラケツト２３ａ，２３ｂを昇
降路壁に仮固定する。更にかご枠上部作業台９に
仮設の運転盤２４を配置し、この運転盤２４とパ
ワーユニツト１８間を工事用運転ケーブル１８で
接続している。従つて、かご枠上部作業台９に乗
つた作業員が、運転盤２４を操作することにより
パワーユニツト１８を制御して油圧ジヤツキ１２
ａ，１２ｂを作動し、ロープ２０を介してかご枠
８およびかご枠上部作業台９を上下駆動すること
ができる。

この状態で第１図の工程１５の如く、第３図の
中間部作業床１１を解体する。また、この時に工
程１７の最上部作業床１の解体を行なうこともで
き、この解体作業に前後して工程１６のガイドレ
ール芯出し固定作業を行なう。つまり、かご枠上
部作業台９から運転盤２４を操作してかご枠上部
作業台９を上昇させながら、下方から順次ガイド
レールの芯出しと共に固定作業を行なう。更に第
１図の二重囲みの工程１９〜２１の乗場部品取付
け作業、昇降路内配管および配線作業、昇降路内
各器具取付け作業を行なう。これら作業の完了
後、第１図の工程２２〜２５の如く、かご枠上部
作業台の解体、かご枠８への天井および側板の組
込み、かご枠廻りの配線を行ない、試運転調整作
業を行なつてエレベータの据付工業が終了する。

尚、第１図に示した作業工程は、細部において
順序を入替えることができる。例えば、工程１８
は工程１から工程７までの間で行なつても良く、
工程１０と工程１１を入替えたり、工程１２〜１
４を工程９〜１５の間で順序を入替えても良い。
また工程１６と工程１７の順序を逆にしたり、工
程１９〜２１内でその順序を入替えたり、更には
工程１９〜２１を工程１６と同時に下方から順次
行なつても良い。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、据付工事の初期
にかご枠の組立てと、かご枠上の作業台の組立て
を行ない、この作業台からガイドレール芯出し固
定作業、乗場部品取付け作業、昇降路内の配管、
配線および各器具取付け作業等の所定の作業を行
なうようにしたため、従来のような固定立場の取
付け取外し作業が不要となり、また従来のように
横桁の位置が限られることから不安全な姿勢での
作業が求められることもなく、安全に能率的に作
業を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による油圧エレベータの据付工
事法の一実施例を示す作業工程図、第２図、第３
図および第４図はそれぞれ異なる作業状態を示す
油圧エレベータの側面図である。 １……最上部作業床、上部テンプレート、３…
…下部テンプレート、５……かご側ガイドレー
ル、７……パワーユニツト、８……本設かご枠、
９……かご枠上部作業台、１１……中間部作業
床、１２ａ，１２ｂ……油圧ジヤツキ、１７……
油圧配管、１９……ジヤツキ上プーリ、２０……
ロープ、２１ａ，２１ｂ……ジヤツキ側ガイドレ
ール、２４……仮設運転盤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 芯出しを行ないつつ最下部かご側ガイドレー
   ルを立設固定し、次いで昇降路下部にかご枠上部
   作業台を有する本設かご枠を組立てると共に昇降
   路中間部に中間部作業枠を仮設し、上記かご枠上
   部作業台および上記中間部作業枠を用いて油圧ジ
   ヤツキを昇降路内に設置し、この油圧ジヤツキと
   機械室内のパワーユニツトとを配管接続すると共
   に上記油圧ジヤツキと上記かご枠とにロープ掛け
   を行ない、昇降路内に油圧ジヤツキ側ガイドレー
   ルとかご側ガイドレールを立設仮固定し、その
   後、上記かご枠上部作業台に設けた上記パワーユ
   ニツトの運転盤を操作して上記かご枠を駆動させ
   ながら、所定の作業を行なうようにしたことを特
   徴とする油圧エレベータの据付工事法。