JPH0469072B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、印字用リボンと消去用テープとを備
えて誤印字文字等の消去を行な得る電子タイプラ
イターやプリンタ等の印字装置に関するものであ
る。

〈従来の技術〉 斯るこの種の印字装置においては、一般に１個
のカム板により印字用リボンと消去用テープのリ
フトアツプおよびリフトダウンを行なう構成にな
つている。このカム板には、環状の変位曲線をも
つ印字用および消去用のカム溝が形成され、印字
および消去動作の別によりカム板が正、逆回転す
るようになつている。又、リボンフイード機構
は、一方向クラツチを内蔵して消去動作時のカム
板の逆方向回転で印字用リボンが巻き取られない
ようになつている。

〈発明が解決しようとする問題点〉 しかしながら、カム板の印字用および消去用の
各カム溝が環状の変位曲線に形成されているため
に、両カム溝の交差部が数箇所にでき、この交差
部には、カムフオロワピンを規定のカム溝に倣わ
せるための段差が形成されている。この段差が異
常音や騒音の発生の原因となつており、延いては
耐久性の低下を招いている。また、所定半径をも
つ円形の連続印字用カム溝と消去用カム溝との四
差路においては段差を設けられない交差部があ
り、そのために、カムフオロワピンを規定ルート
に倣わせるためのカム補助板を必要とし、このカ
ム補助板は、極めて高い寸法精度を要するもの
で、コストアツプの要因となつている。

そこで、カム板に、基準点に対し一方向に印字
用カム溝を形成し、且つ基準点に対し他方向に消
去用カム溝を形成し、カム溝の交差部を無くして
前述の問題を解消した装置が案出されている。し
かし、連続印字動作時、印字用カム溝における所
定半径の印字用変位曲線の範囲においてカムフオ
ロワピンが往復動すべくカム板を正、逆回転させ
るので、前述のように消去動作時のカム板の逆回
転でのリボン送りを防止するこためのリボンフイ
ード機構の一方向クラツチにより、二文字の印字
に対し１回のリボン送りしか行なわれない欠点が
ある。

本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたも
ので、カム板に、基準点に対し両方向に印字用と
消去用の非環状のカム溝をそれぞれ形成して両カ
ム溝の交差部を無くし、連続印字動作時のカム板
の正、逆回転による一文字の印字毎にリボン送り
することのできる印字装置を提供することを目的
とするものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明は、前記目的を達成するために、印字用
リボンと消去用テープとを印字および消去動作の
別により選択的に印字位置にリフトアツプすると
ともに、前記リボンを規定量巻き取るようになつ
た印字装置において、カムフオロワピンが連結さ
れて前記リボンおよびテープをリフトアツプおよ
びリフトダウンするカム板が、基準点に対し一方
向に形成された非環状の印字用カム溝と、基準点
に対し反対方向に形成された非環状の消去用カム
溝とを備え、このカム板に連動する間欠ギヤー
と、この間欠ギヤーにそれぞれの一端部分が噛合
され印字動作時に間欠ギヤーの回転により直線移
動される２本のリボンフイード用ラツクと、この
両ラツクの他端部分にそれぞれ形成された互いに
歯先方向の異なるラチエツト部が両側から当接噛
合されリボン送り駆動体に連結されたリボンフイ
ード用ラチエツトギヤーとによりリボンフイード
機構が構成され、連続印字動作時に前記カム板
が、前記カムフオロワピンが印字用カム溝の所定
半径のカム曲線間を倣うよう正、逆回転され、こ
の正、逆回転によりそれぞれ往復動される前記２
本のラツクで前記ラチエツトギヤーをリボン巻き
取り方向に連続回転させる構成としたことを要旨
とするものである。

〈作用〉 前記構成としたことにより、連続印字動作時、
カム板の正、逆回転により間欠ギヤーも正、逆回
転され、この間欠ギヤーに噛合されている２本の
ラツクが往復動される。この両ラツクの他端部分
にそれぞれ形成されているラチエツト部は、互い
に歯先方向が逆であるから、この両ラチエツト部
が移動方向が変わる毎に交互にラチエツトギヤー
に噛合され、ラチエツトギヤーは同一方向つまり
リボン巻き取り方向に断続的に連続回転され、こ
のラチエツトギヤーが連結されているリボン送り
駆動体により、正、逆回転による一文字の印字動
作毎にリボンが規定量巻き取られる。

また、消去動作時は、カム板および間欠ギヤー
が逆方向に回転され、２本のラツクは間欠ギヤー
の無歯切り部分に対向するために移動されず、リ
ボン送りされることがない。

〈実施例〉 以下、本発明の一実施例を詳説する。

第１図は一部切断した右側面を、第２図は第１
図の平面をそれぞれ示す。これらの図において、
後述のカム板の回転駆動並びにリボンフイード機
構の駆動源である駆動モータ１が、このモータシ
ヤフト１′を貫通させてフレーム２に固定されて
おり、モータシヤフト１′には、カム板３および
リボンフイード用の原動側笠歯車４がそれぞれ固
定されている。

カム板３は、第１図に示すように、基準点Ｐ０
に対しカム板３の正回転方向に相当する一方向に
形成された印字用カム溝３ａと、基準点Ｐ０に対
しカム板３の逆回転方向に相当する反対方向に形
成された消去用カム溝３ｂとを備えている。この
カム板３にカムフオロワ５のピン６を介してリボ
ンカートリツジホルダ７が連結され、リボンカー
トリツジホルダ７はリフト支軸８を支点に回動自
在となつている。前記カム板３の印字用カム溝３
ａは、第１図に示すＰ２点からＰ３点間の角度範
囲において所定半径Ｒ１の印字レベル用変位曲線
が形成され、この変位曲線部分にカムフオロワピ
ン６が位置した時に、リボンカートリツジホルダ
７が第１図に示すＨ１だけ回動されてカートリツ
ジホルダ７に内装されているリボンカートリツジ
（図示せず）の印字用リボン９が印字位置Ｈ３ま
でリフトアツプされる。また、カム板３の消去用
カム溝３ｂは、第１図に示すＰ４点からＰ３点間
の角度範囲において前記半径Ｒ１より小さい所定
半径Ｒ２の消去レベル用変位曲線が形成され、こ
の変位曲線にカムフオロワピン６が位置した時
に、リボンカートリツジホルダ７の下方に設けら
れたコレクシヨンテープカートリツジ１０が第１
図に示すＨ２だけ回動されてテープカートリツジ
１０に内装されている消去用テープ１１がプラテ
ン１２の印字位置Ｈ３までリフトアツプされる。

次に、リボンフイード機構について説明する
と、このリボンフイード機構の支持フレーム１３
に回転自在に保持された回転軸１４の下端部に、
原動側笠歯車４に噛合する受動側笠歯車１５が設
けられ、回転軸１４の上部は、第２図から明らか
なようにＤ型加工が施され、このＤ型部分に間欠
ギヤー１６が嵌め込まれ且つ止め輪１７で抜け止
めされて一体に回転するように設けられている。
この間欠ギヤー１６は、第３図に示すように、Ｐ
５点からＰ３点までの180゜より僅かに大きな角度
範囲に歯切り部１６ａが形成され、他の部分は無
歯切り部１６ｂとなつている。

前記間欠ギヤー１６には、それぞれの一端部分
に歯部が形成された２種のリボンフイード用ラツ
ク１８，１９が上下に位置して噛合されている。
この両ラツクの他端部分にはそれぞれ互いに歯先
方向の異なるラチエツト部１８ａ，１９ａが形成
されていて、この両ラチエツト部１８ａ，１９ａ
が、フレーム１３に回転自在に支持され且つ止め
輪２０により抜け止めされたリボンフイード用ラ
チエツトギヤー２１に両側から当接噛合されてい
る。

前記両ラツク１８，１９を安定に往復直線運動
させる手段として、両ラツク１８，１９に穿孔さ
れた長孔状のガイド孔１８ｂ，１９ｂにそれぞれ
ガイドピン２２，２３が摺接自在に挿通されてい
るとともに、両ラツク１８，１９間にスプリング
２４が懸架されている。このスプリング２４は、
両ラチエツト部１８ａ，１９ａがラチエツトギヤ
ー２１に安定に当接噛合してラチエツトギヤー２
１を回転させることができるとともに、両ラチエ
ツト部１８ａ，１９ａがラチエツトギヤー２１に
対し非噛合状態時には逃げとなつて安定にスリツ
プするように適当な引張り力に設定してある。

そして、ラチエツトギヤー２１にはリボン送り
駆動体２５が連結されており、このリボン送り駆
動体２５は、リボンカートリツジの駆動軸に係合
される。

次に、前記構成とした実施例装置の作用につい
て説明する。印字操作が行なわれて印字指令信号
が出力されると、駆動モータ１が回転駆動されて
カム板３が第１図のＡ矢印で示す正方向に回転さ
れ、カムフオロワピン６がカム板３の印字用カム
溝３ａに倣つて徐々に下方に引き下げられ、この
ピン３がカム溝３ａのＰ２点に位置した時に、リ
ボンカートリツジホルダ７がＨ１だけ回動されて
リボン９が印字位置Ｈ３に対向する。

一方、リボンフイード機構において、カム板３
と一体回転する原動側笠歯車４の回転が、受動側
笠歯車１５を介して間欠ギヤー１６に伝達され、
間欠ギヤー１６が、両ラツク１８，１９との噛合
点が第３図のＰ０点からＰ２点になるまで正回転
され、この間欠ギヤー１６に噛合されている両ラ
ツク１８，１９が、ガイドピン２２，２３が第１
図のＰ０点からP2点に位置するまで間欠ギヤー
１６の方向に引張られて直接移動する。この時、
第１のラツク１８のラチエツト部１８ａとラチエ
ツトギヤー２１とが噛合状態となつており、ラチ
エツトギヤー２１が第２図の矢印方向に所定角度
回転され、リボン送り駆動体２５を介してリボン
カートリツジの駆動軸が回転駆動され、印字用リ
ボン９が規定量巻き取られる。この時、第２のラ
ツク１９のラチエツト部１９ａはラチエツトギヤ
ー２１に噛合してなく、スリツプ動作を行なう。
その後、プリントホイール（図示せず）の活字が
ハンマー（図示せず）により叩打され、リボン９
によりプラテン１２に巻装された印字用紙（図示
せず）に活字の文字が押圧転写され、印字され
る。

次に、連続して印字指令信号が出力されない場
合、即ち単一文字の印字操作の場合には、カム板
３が基準点Ｐ０まで逆回転され、元の状態に復帰
するが、連続印字操作により連続して印字指令信
号が出力されると、カム板３が更に正回転されて
カムフオロワピン６が印字用カム溝３ａのＰ３点
に位置する。このＰ２点からＰ３点までは半径Ｒ
１の印字レベル変位曲線であるから、印字用リボ
ン９が印字位置Ｈ３に保持される。又、リボンフ
イード機構において、両ラツク１８，１９がそれ
ぞれガイドピン２２，２３が第２図のＰ３点に位
置するまで間欠ギヤー１６の方向に引張られて移
動し、両ラチエツト部１８ａ，１９ａとラチエツ
トギヤー２１との噛合点がＰ２点からＰ３点に変
位し、前述の動作と同様に、ラチエツトギヤー２
１が第１のラツク１８のラチエツト部１８ａによ
り更に矢印方向に回転され、リボン９が規定量巻
き取られた後に、印字される。

次の印字指令信号が出力されると、カム板３が
Ｂ矢印方向に逆回転されてカムフオロワピン６が
印字用カム溝３ａのP2点に位置し、間欠ギヤー
１６もＰ３点からＰ２点まで逆回転され、両ラツ
ク１８，１９が、間欠ギヤー１６との噛合点がＰ
３点からＰ２点に変位するまでラチエツトギヤー
２１の方向に押出されて直線移動する。この時、
第２のラツク１９のラチエツト部１９ａがラチエ
ツトギヤー２１と噛合状態となつてラチエツトギ
ヤー２１が矢印方向に回転され、リボン９が巻き
取られる。以後同様の動作を繰り返し、カム板３
が、カムフオロワピン６が印字用カム溝３ａのＰ
３点とＰ２点との変位曲線間を往復して倣うよう
正、逆回転され、リボン９が印字位置Ｈ３に保持
され続けるとともに、間欠ギヤー１６の正、逆回
転により両ラツク１８，１９が往復動され、この
ラツク１８，１９の各ラチエツト部１８ａ，１９
ａが交互にチラエツトギヤー２１に噛合してラチ
エツトギヤー２１が矢印で示すリボン巻き取り方
向に断続的に連続回転される。そして、印字指令
信号が出力されなくなつた時点で板３がカムフオ
ロワピン６を基準点Ｐ０に位置させるべく元の状
態に復帰し、間欠ギヤー１６および両ラツク１
８，１９の噛合点もＰ０点となり、待機状態とな
る。

次に、消去操作が行なわれて消去指令信号が出
力されると、カム板３がＢ矢印で示す逆方向に回
転され、カムフオロワピン６が消去用カム溝３ｂ
に倣つて徐々に引き下げられ、このピン６がカム
溝３ｂのＰ４点に位置した時に、テープカートリ
ツジ１０がＨ２だけ回転されて消去用テープ１１
が印字位置Ｈ３にリフトアツプされるとともに、
Ｐ４点からＰ３点間において印字位置に保持され
る。このテープカートリツジ１０のリフトアツプ
動作の変位を駆動源としてレバー（図示せず）を
介してラチエツト付きリール（図示せず）が回転
され、消去用テープ１１が規定量巻き取られる。
そして、ピン６が消去用カム溝３ｂのＰ４点から
Ｐ３点に倣う過程において、プリントホイールの
消去用活字が消去用テープ１１を介在してハンマ
ーにより印字用紙に叩打され、誤印字文字が消去
される。

前述の消去動作時において、間欠ギヤー１６が
第３図にＢ矢印で示す逆方向に回転され、Ｐ０点
からＰ５点までの歯切り部１６ａにより両ラツク
１８，１９をラチエツトギヤー２１の方向に押出
し、第２のラツク１９のラチエツト部１９ａによ
りラチエツトギヤー２１が微小回転され、印字用
リボン９が微小量巻き取られる。その後、Ｐ５点
からＰ３点までの無歯切り部１６により両ラツク
１８，１９に間欠ギヤー１６の回転が伝達されな
い。又、消去動作が終了してカム板３が元の状態
に復帰する過程において、間欠ギヤー１６がＡ矢
印で示す正方向に回転してＰ５点からＰ０点まで
の歯切り部１６ａで両ラツク１８，１９を引張つ
て直線移動されるから、第１のラツク１８のラチ
エツト部１８ａによりラチエツトギヤー２１が巻
き取り方向に微小回転され、印字用リボン９が微
小量巻き取られる。このリフトアツプ時とリフト
ダウン時のリボン９の微小量巻き取りにより、消
去動作時のリフトアツプおよびリフトダウン動作
によりリボン９の張力の緩みを防止し、リボン９
の張力を常に一定に保持している。従来におい
て、この消去動作時のリボン９の張力の緩みが次
の印字動作時に問題となていたのであるが、実施
例装置では、間欠ギヤー１６の歯切り部１６ａの
一部を利用して前述の問題点を解消している。

又、カム板３の正、逆回転によりリボンフイー
ド用の２種のラツク１８，１９を往復動させる構
成としているので、カム板３の正、逆回転の駆動
量を印字レベル変位曲線のＰ２点からＰ３点の範
囲内で制御することにより、リボン送り量を任意
に可変することができる。

〈発明の効果〉 以上のように本発明の印字装置によると、カム
板に、基準点に対し両方向にそれぞれ非環状の印
字用カム溝と消去用カム溝とを形成したので、カ
ム溝の交差部がなく、カム補助板も不要となり、
異常音や騒音の発生が格段に軽減され、耐久性が
向上し、コストダウンできる種々の利点がある。
しかも、カム板に間欠ギヤーを連動させ、この間
欠ギヤーにより２種のラツクを往復動させ、この
両ラツクを移動方向の別により交互にラチエツト
ギヤーに噛合させてラチエツトギヤーを断続的に
リボン巻き取り方向に連続回転させる構成とした
ので、連続印字動作時において、正回転時のみな
らず逆回転時にもリボンを巻き取ることができ、
一文字の印字毎にリボンの巻き取りが行なわれて
リボンを有効に活用することができ、ランニング
コストの低減を図れる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の印字装置の一実施例を示し、第
１図は一部切断右側面図、第２図は第１図の平面
図、第３図は間欠ギヤーの説明図である。 ３…カム板、３ａ…印字用カム溝、３ｂ…消去
用カム溝、５…カムフオロワ、６…カワフオロワ
ピン、９…印字用リボン、１１…消去用テープ、
１６…間欠ギヤー、１８，１９…ラツク、１８
ａ，１９ａ…ラチエツト部、２１…ラチエツトギ
ヤー、２５…リボン送り駆動体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印字用リボンと消去用テープとを印字および
   消去動作の別により選択的に印字位置にリフトア
   ツプするとともに、前記リボンを規定量巻き取る
   ようになつた印字装置において、カムフオロワピ
   ンが連結されて前記リボンおよびテープをリフト
   アツプおよびリフトダウンするカム板が、基準点
   に対し一方向に形成された非環状の印字用カム溝
   と、基準点に対し反対方向に形成された非環状の
   消去用カム溝とを備え、このカム板に連動する間
   欠ギヤーと、この間欠ギヤーにそれぞれの一端部
   分が噛合され印字動作時に間欠ギヤーの回転によ
   り直線移動される２本のリボンフイード用ラツク
   と、この両ラツクの他端部分にそれぞれ形成され
   た互いに歯先方向の異なるラチエツト部が両側か
   ら当接噛合されリボン送り駆動体に連結されたリ
   ボンフイード用ラチエツトギヤーとによりリボン
   フイード機構が構成され、連続印字動作時に前記
   カム板が、前記カムフオロワピンが印字用カム溝
   の所定半径のカム曲線間を倣うよう正、逆回転さ
   れ、この正、逆回転によりそれぞれ往復動される
   前記２本のラツクで前記ラチエツトギヤーをリボ
   ン巻き取り方向に連続回転させる構成としたこと
   を特徴とする印字装置。 ２ 前記間欠ギヤーに、消去動作時に前記両ラツ
   クを僅かに移動させる歯部が形成され、消去動作
   時に前記リボンを微量送りするようにしたことを
   特徴とする前記特許請求の範囲第１項記載の印字
   装置。