JPH0465280B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、建物壁に形成の貫通孔を通る配管部
分と壁面に沿う配管部分、並びに、前記貫通孔を
覆う配管カバーに関する。

〔従来の技術〕

この種の配管カバーは、その軸線が、建物壁を
貫く方向と、建物壁に沿う方向と、その建物壁に
沿う軸線に交差して建物壁に沿う方向との、立体
的な屈曲形状を有して配設されるものであるた
め、全体を一体構造とすることは製作加工上の困
難さを伴う不利があり、従つて、従来では配管曲
り部分を蛇腹状で屈曲性に勝れた円筒部材と、貫
通孔を覆うために貫通孔の周囲の壁面に当付ける
環状フランジ部を備えたウオールキヤツプと、前
記蛇腹状の円筒部材に接続される長尺パイプとの
別々の部材から成つていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来の構成においては、蛇
腹状の円筒部材とウオールキヤツプとの二つの部
材を、壁の貫通孔に夫々挿通させて組付けなけれ
ばならないために、手数を多く要し、また、蛇腹
状円筒部材とウオールルキヤツプとの間における
シールも面倒なものであつた。そしてまた、配管
直線部分の長さに応じて長尺パイプを切断加工し
て、長尺パイプ内に配管を挿通する作業も、長尺
パイプの端から配管を挿通させなければならない
ために、きわめて非能率的なものであつた。

本発明は、壁外に設けられる配管カバーを、製
作加工が簡単なものでありながら、建物壁貫通孔
の閉塞や、各カバーならびに配管の配設作業が容
易に、かつ、能率良く行なえるところの配管カバ
ーを提供することに、その目的がある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本発明の技術手段
は、建物壁に形成された配管挿通用の貫通孔、な
らびに、その貫通孔に挿通された配管の曲がり部
分を前記建物壁の外側で覆うように形成した第一
カバーと、前記第一カバーに嵌合接続する二つ割
型式の直管状の第二カバーとから構成し、前記第
一カバーの一端側に、前記貫通孔周りへの取付用
のフランジ部を設けると共に、他端側に、前記第
二カバーに対する接続部を設け、前記第一カバー
を、前記フランジ部と前記接続部とに亘つて屈曲
姿勢の配管軸線方向に沿つて分断して一対の分割
部材に形成し、前記両分割部材のうち、前記建物
壁の壁面に近い側の分割部材に、前記配管の軸線
方向に沿つた側壁部を、前記配管配置部の両側に
一対設けてあることであり、かかる技術手段を講
じた結果、次の作用ならびに効果がある。

〔作 用〕

(i) 配管カバーは、貫通孔周りを覆う第一カバー
と、その第一カバーに嵌合接続する直管状の第
二カバーとの組合せによつて構成されているの
で、全体が一体構造で形成されているものに比
べて、複雑な形状の第一カバーと簡単な形状の
第二カバーとを別々に製作できて、全体的に製
作加工作業及び施工が容易になつて経済性が向
上する。

(ii) 建物壁の貫通孔、およびその貫通孔に挿通さ
れた配管の曲がり部分を覆う第一カバーの一端
側には、貫通孔周りへの取付用フランジ部を設
けてあり、蛇腹状部材とウオールキヤツプとの
組合せの場合のように２つの部品を貫通孔に取
付けなくてもよいから手数を要することなく、
簡単に壁に固定できる。

(iii) 配管カバーが、配管の曲がり部分を覆う第一
カバーとは別に、直管状の第二カバーを備えて
いるので、配管長さや配管の配設形態に応じ
て、直管部分の長さを自在に設定して、つま
り、寸法の異なるものを製作し難い曲がり部分
となる第一カバーは、一定寸法の規格化された
ものとし、切断などで長さ調節し易い直管部と
なる第二カバーの有効利用で、各種の配設状態
を簡単に得られ、施工性がよくなる。

(iv) また、直管状の第二カバーは、二つ割型式の
ものであり、しかも、配管の曲がり部分を覆う
第一カバーは、前記フランジ部と、第二カバー
に対する接続部とに亘つて屈曲姿勢の配管軸線
方向に沿つて分断してあるから、第二カバーの
みならず、第一カバーにおいても、カバーの端
から配管を挿通するような面倒な作業を全く要
さずず夫々のカバーを配設することができ、さ
らに、同様の理由から、配管の際の管の捩れな
どの配管状態の確認や配管後の保守点検を、配
管の直管部分及び曲がり部分の両方について行
なうことができる。

(v) 前記第一カバーの両分割部材のうち、前記建
物壁の壁面に近い側の分割部材には、前記配管
の軸線方向に沿つた側壁部を、前記配管配置部
の両側に一対設けてあるから、前記壁面に近い
側の分割部材を建物壁に取り付けてから配管を
配置すれば、前記側壁部によつて配管の方向づ
けができ、第一カバーに対する配管の配置を安
定的に行うことができる。

(vi) 第一カバーと、第二カバーとは嵌合接続する
ようになつているから互いの接続が簡単とな
り、その上第一カバーの一端側には、上記のよ
うに配管挿通用の貫通孔、ならびに配管の曲が
り部分を建物壁の外側で覆うように貫通孔周り
への取付用のフランジ部を設けてあるから壁に
確実に固定でき、その結果、第一カバーに対し
て嵌合接続した後の第二カバーの姿勢が安定
し、その位置決めも容易である。

〔発明の効果〕

従つて、配管カバーを製作加工容易に構成でき
ながら、カバーの端から配管を挿通するような面
倒な作業を全く要さず第一、第二カバーを配設で
きるうえに、第一、第二カバーの互いの接続や、
第二カバーの位置決めが容易であり、しかも、第
一カバーに対する配管の配置を安定的に行うこと
ができるから、配管カバーの組付作業が容易で、
配管作業そのものも容易に行い易く施工性が向上
する。

そして、配管後の保守点検を、配管の直管部分
及び曲がり部分の両方について行なうことができ
るから、配管作業及び配管後の管理が確実に行な
える。

〔実施例〕 以下、本発明の実施例を、図面に基いて説明す
る。

第４図で示すように、屋内に配置されたフアン
コンベクターなどの室内器Ａと屋外に配置された
ボイラなど熱源器Ｂとに亘つて、温水や冷媒など
空調（暖冷）用熱媒液を循環流動させるための往
復二本の可撓性空調用配管Ｐを套嵌してそれの断
熱保温及び保護を行なう配管カバーを設けてあ
る。この配管カバーは、前記室内器Ａに近い空調
用配管Ｐ部分を挿通保持する状態で建物壁Ｗに内
外方向に貫通する貫通孔４に内装されたスリーブ
Ｓの壁外面側の開口部Sa周りを覆う第一カバー
１と、建物壁Ｗの壁面W′に沿う配管Ｐの曲がり
部分を覆う第三カバー５と、前記壁面W′に沿つ
て水平又はほぼ水平姿勢に配設固定される二つ割
型式の直管状の第二カバーＤとから構成されてい
る。

前記第一カバーは、前記直管状の第二カバーＤ
の一端部と前記スリーブＳが内装された貫通孔４
の外側開口部Saとを連通接続すると共に、前記
スリーブＳを通る配管部分Pbと直管状の第二カ
バーＤ内を挿通して壁面W′に沿う配管部分Pcの
間彎曲した配管曲り部分Paを覆い、かつ、前記
壁面W′に固定されるものであり、より具体的に
は次のように構成する。

即ち、第１図乃至第３図で明示したように、前
記スリーブＳの壁外面側開口部Saに対応位置し
て、そこから引き出される前記空調用配管Ｐを導
入するための開口部１Ａと、その開口部１Ａ周り
の壁面W′部分に密着接当して貫通孔４を覆う、
貫通孔４周りへの取付用フランジ部１Ｂとを有
し、かつ、前記配管曲り部分Paを彎曲姿勢に保
持案内すべく、前記直管状の第二カバーＤの一端
部に外嵌状態で固定される接続部１Ｃを備え、接
続部１Ｃよりも外方に突出する彎曲湾内膨出部１
Ｄを有する状態に、全体を前記直管状の第二カバ
ーＤと同様にポリエチレンなどの硬質樹脂材料か
ら一体成形して第一カバー１を構成してある。

そして、前記第一カバー１を、壁面W′に対す
る遠近方向で、かつ、前記フランジ部と前記接続
部１Ｃとに亘つて屈曲姿勢の配管軸線方向に沿つ
て分断するように、前記彎曲曲案内膨出部１Ｄを
斜行する線に沿つて二つの部材１′，１″に分割し
て成形すると共に、建物壁Ｗの壁面W′に近い側
の分割部材１′に配管Ｐの軸線方向に沿つた側壁
部６を、配管配置部の両側に一対設け、壁面
W′に近い側の分割部材１′を、それの底板部を前
記貫通孔４周りへの取付部１BAとして、この取
付部１BAにビス２′挿入用の孔１′ａを穿設して
壁面W′に固定可能に、かつ、他方の分割部材
１″を、これに連なる側の分断フランジ部を前記
貫通孔４周りへの取付部１Baとして、この取付
部１Baにビス２″挿入用の孔１″ａを穿設して、
前記ビス２″ならびにタツプネジ孔１″ｂ及びタツ
プネジ３を介して壁面W′と前者分割部材１′とに
固定連結可能に構成したものである。

〔別実施例〕

尚、本発明部材は、実施例で示したような空調
配管カバーの付随品として特に有効であるが、そ
の他の配管カバーに適用するも良い。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る配管カバーの実施例を示
し、第１図は第一カバーの拡大分解斜視図、第２
図は第一カバーの拡大組立斜視図、第３図は使用
状態の要部拡大横断面図、第４図は使用状態の全
体概略斜視図である。 １……第一カバー、１Ｂ……フランジ部、１Ｃ
……接続部、４……貫通孔、Ｄ……第二カバー、
Ｐ……配管、Ｗ……建物壁、W′……壁面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 建物壁Ｗに形成された配管挿通用の貫通孔
   ４、ならびに、その貫通孔４に挿通された配管Ｐ
   の曲がり部分を前記建物壁Ｗの外側で覆うように
   形成した第一カバー１と、前記第一カバー１に嵌
   合接続する二つ割型式の直管状の第二カバーＤと
   から構成し、前記第一カバー１の一端側に、前記
   貫通孔４まわりへの取付用のフランジ部１Ｂを設
   けると共に、他端側に、前記第二カバーＤに対す
   る接続部１Ｃを設け、前記第一カバー１を、前記
   フランジ部１Ｂと前記接続部１Ｃとに亘つて屈曲
   姿勢の配管軸線方向に沿つて分断して一対の分割
   部材１′，１″に形成し、前記両分割部材１′，
   １″のうち、前記建物壁Ｗの壁面W′に近い側の分
   割部材１′に、前記配管Ｐの軸線方向に沿つた側
   壁部６を、前記配管Ｐ配置部の両側に一対設けて
   ある配管カバー。