JPH0464819B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、少くとも１個の被加工物支持体と、
回転切削工具を駆動する少くとも１つの加工ユニ
ツトと、該被加工物支持体と加工ユニツトとを２
つの方向に従つて相対的に移動させる手段とを有
する工作機械に関する。

本発明は、より詳細には、被加工物支持体がシ
ート材を受けいれるようにしたテーブルである工
作機械に、特に印刷回路板について穿孔、形削
り、フライス削りその他の加工を行うための工作
機械ないしは加工装置に向けられている。

特開昭56−95560号には、被加工物を支持する
テーブル、穴明け用ドリル、該ドリルを装着して
穴明けするスピンドル、ドリルを収容したマガジ
ン、および該テーブルに取付けられた、ドリルを
該マガジンから受取りそして該スピンドルに供給
するまで中間保管する中間ドリル格納装置を備え
た穴明機の自動ドリル交換装置が記載されてい
る。この装置においては、テーブルが該テーブル
面と平行な２方向（Ｘ，Ｙ方向）のうちの一方向
（Ｘ方向）にのみ動き、そしてスピンドルが他の
一方向（Ｙ方向）に動いて、ドリルの受渡しおよ
び被加工物の穴明けの位置決めを行う。従つて、
テーブルに取付けられた中間ドリル格納装置はテ
ーブルと共に一方向にのみ動き、そして複数個の
ドリルを一列（直列）に収容したマガジンは、そ
の上方のドリル押出装置により順次に該ドリルが
押出されて、該マガジンの真下に移動された中間
ドリル格納装置のドリルポストにドリルを渡す。
ドリルを受取つた該格納装置はＸ方向に動き、そ
してスピンドルがＹ方向に動いて該ドリルがスピ
ンドルに装着される。使用後のドリルは、該格納
装置の排出ポストを経て、捨てられる。

かかる穴明機においては、次のような欠点があ
つた。即ち、該穴明機では、ドリル収容マガジン
にドリルが一列に配列されているため、多数のド
リルを収容できない。また、かかるマガジンの構
造から、使用したドリルをマガジンに戻すことは
できないので、能率的な加工サイクルに従つてド
リルを交換するには、一旦使用したドリルは摩耗
していなくとも、捨てなければならない。一つの
ドリルを摩耗するまで十分使い果たそうとする
と、該ドリルで行い得る加工（例えば、被加工物
の隣接していない多数個の位置に同じ径の穴を明
ける）を全て行つた後、ドリルを交換しなければ
ならないので、加工効率が低下する。

本発明の目的は、加工能力が高く、工作機械の
可動部分の重量を小さくでき、構造及び作用が簡
単で廉価な工具交換装置を備えた、上記工作機械
ないし加工装置を提供することにある。

上記の本発明の目的は、被加工物支持体（テー
ブル）を、スピンドルおよび工具収容マガジンの
両者に対して、互いに直交する２方向に相対的に
移動可能にし、且つ該マガジンとして、工具保持
位置がテーブル面に平行な平面上に複数列で配列
された、例えばマトリツクス型（格子状）のもの
を採択することにより、達成される。

即ち、本発明によつて、 (イ) 被加工物を支持するテーブル２であつて、該
テーブルの面に平行な、互いに直交するＸおよ
びＹ方向に移動自在に、機枠１に取付けられた
該テーブル２と； (ロ) 機械の台５に取付けられ、各々が係合した回
転切削工具１２を駆動するのに適合する主軸６
ａを有する、少なくとも一つの加工ユニツト６
と； (ハ) 前記テーブルを前記の２方向に移動させる駆
動手段と； (ニ) 前記の機械の台５に取付けられた支持体１
０と、該支持体に着脱自在に装着された、複
数の前記回転切削工具１２を受容するための、
該テーブル面に実質的な平行な平面上に複数列
で配列された多数個の工具保持位置を有する少
なくとも一つのカセツト１１とを有する、少な
くとも一つの工具保持マガジンと(ホ)前記テーブ
ル２に取付けられ、且つ前記工具保持マガジン
又は加工ユニツト６の主軸６ａに支持された前
記工具１２を把持できる掴み手段８を有する、
少なくとも一つの工具搬送装置７とを含み： これにより前記のテーブルが前記駆動手段によつ
て前記の２方向の少なくとも一方向に動かされた
ときに、工具搬送装置７が該工具を前記マガジン
から前記主軸６ａに又はその逆に搬送することが
できる構成を特徴とする、工作機械が提供され
る。

次に本発明の好ましい実施例を示す添付図面を
参照して説明する。

図示した工作機械は、機枠１を有し、機枠１上
にはテーブル２が矢印３，４により示すように互
に直角の２方向（Ｘ軸及びＹ軸方向）に可動に取
付けられている。テーブル２は、印刷回路板の素
材であるシート材を受入れるようになつている。

工作機械は垂直固定台（機械の台）５を有し、
この固定台上には３個の加工ユニツト６が位置調
節自在に取付けてあり、工作機械は同時に３枚の
印刷回路板又は３組の印刷回路板の積層体の加工
を行う。加工ユニツトの数はこれ以外の任意の数
例えば１ないし８個としてよい。各々の加工ユニ
ツト６は回転切削工具を受入れるようにした主軸
６ａを駆動するための電動機を備えている。

テーブル２はその前方縁に沿つて、１個の加工
ユニツト６につき２個の割合で、クランプ（掴み
手段）８の受け器（工具搬送装置）７を備えてい
る（第２図参照）。クランプ８は、第２図の矢印
９に従つて、即ちＺ軸方向に、長手方向に運動す
ることにより、受け器７の内部に完全に後退した
り、その外部に突出したりする。クランプ８の開
閉及びその長手方向の運動は空圧制御する。第２
図に示した加工ユニツト６の２個の受け器７のク
ランプ８のうち一方のものは、伸長位置にあり、
他のものは収縮位置にある。なお受け器７は、テ
ーブル２の前方縁に沿つて設ける代りに、その後
部縁に沿い設けてもよい。

固定台５は、各々の加工ユニツト６に１個宛組
合せた３個の支持体１０を有し、各々の支持体１
０中には、工具１２（第２図参照）のマガジンを
形成するカセツト１１が係合している。カセツト
１１は、板体１３と、その上に重ねたカバー１４
とによつて形成され、カバー１４は板体１３より
も薄い板体から成つている。板体１３とカバー１
４とは互に固定されており、どちらにもマトリツ
クス状の整列された通し孔１５（第３図参照）が
穿設されている。板体１３は波形の溝の形状の盲
孔１６（第３図参照）も有し、この盲孔は通し孔
１５と接している。盲孔１６中には線状ばね１７
が係合しており、これらのばね１７も通し孔１５
に接している。ばね１７は、下方から係合してい
る工具１２の落下を防止する摩擦力を、通し孔１
５中に係合した工具１２の部分上に発生させる。
第３図には、通し孔１５、盲孔１６及び線状ばね
１７の一部分のみが図示されている。

工具１２の自動交換は次のようにして行われ
る。テーブル２は、矢印３，４の方向（Ｘ軸及び
Ｙ軸方向）の運動によつて、どちらかの受け器７
を、カセツト１１上にある使用しようとする工具
１２と向い合う位置にもつて来る。この受け器７
中に収納されたクランプ８は、受け器７から伸長
するように上向きに移動し、工具１２を掴む。ク
ランプ８は次に再び下行し、その際に工具１２を
同伴する。テーブル２は、工具１２が対応の加工
ユニツト６の主軸６ａと向い合うまで移動させ
る。クランプ８は次に再び上行し、加工ユニツト
６の主軸６ａ中に工具１２を係合させた後、再び
下行し、受け器７中に後退し、加工ユニツト６の
主軸６ａ上の所定位置に工具１２を残留させる。
機械加工が終了した後は、上記と逆の操作によつ
て工具１２をカセツト１１上にもつて来る。

１個の加工ユニツト６について２個のクランプ
８を備えた２個の受け器７をテーブル２が担持し
ているため、部分的に同時に、例えば加工ユニツ
トの制動期間及び加速時間のあいだに２個のクラ
ンプ８を作動させることができ、加工時間を短縮
できる。

本発明は、加工用工具がテーブルにより担持さ
れテーブルの移動により加工ユニツトの主軸に向
い合う位置に次々にもつて来られる従来の印刷回
路板の工作機械の場合のように、加工用工具の付
加によつて工作機械の可動要素の重量を大きくし
ないという利点を備えている。また、本発明の機
械は、前述の従来の穴明機を応用して各種工作加
工を行う場合に比べて、次のような効果を奏す
る。工具保持マガジンが格子状のマトリツクス
（行列）型のような複数列に配列された工具保持
位置を有するものであるため、より多くの工具を
保持できる。使用済の工具をマガジンに戻すこ
とが可能な構造であるので、常に多種類の工具を
供給できる。上記，で述べたマガジンの形
状および工具の再使用可能性により、工具の選択
の自由度が大きくなり、該穴明機の場合のように
マガジンに収容されたドリル（又は工具）の順番
に従う必要がなく、能率良く加工を行うことがで
きるので、全体の加工サイクルに要する時間が短
縮される。工具交換が比較的多い工作機械にお
いて、加工ユニツトおよびマガジンが負荷されな
いテーブルのみを動かすことにより工具交換でき
るので、可動部分の重量負担が軽減され、慣性力
が大きく低減される。操作者は複数のカセツト１
１を用意しておくことができ、工作機械の作動中
にその外部においてカセツト１１に工具１２を装
填できる。カセツト１１はそのため脚部１８を有
し、工具１２を装填したカセツト１１を保管でき
るようになつている。操作者は、加工の形態を変
える場合には、装填を終えたカセツト１１を支持
体１０上に配するだけでよく、時間の無駄が省か
れる。また、工具交換装置のサイズを過大とせず
に、工具交換能力を非常に大きくできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は印刷回路板加工装置の斜視図、第２図
は印刷回路板加工装置の一部の拡大尺による詳細
な斜視図、第３図は印刷回路板加工装置の別の一
部の拡大尺による詳細な斜視図である。 符号の説明、２……テーブル（被加工物支持
体）、６……加工ユニツト、６ａ……主軸、７…
…受け器（工具搬送装置）、８……クランプ（掴
み手段）１１……カセツト（工具保持マガジン）、
１２……工具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (イ) 被加工物を支持するテーブル２であつ
   て、該テーブルの面に平行な、互いに直交する
   ＸおよびＹ方向に移動自在に、機枠１に取付け
   られた該テーブル２と； (ロ) 機械の台５に取付けられ、夫々が係合した回
   転切削工具１２を駆動するのに適合する主軸６
   ａを有する、少なくとも一つの加工ユニツト６
   と； (ハ) 前記テーブルを前記の２方向に移動させる駆
   動手段と； (ニ) 前記の機械の台５に取付けられた支持体１
   ０と、該支持体に着脱自在に装着された、複
   数の前記回転切削工具１２を受容するための、
   該テーブル面に実質的な平行な平面上に複数列
   で配列された多数個の工具保持位置を有する少
   なくとも一つのカセツト１１とを有する、少な
   くとも一つの工具保持マガジンと； (ホ) 前記テーブル２に取付けられ、且つ前記工具
   保持マガジン又は加工ユニツト６の主軸６ａに
   支持された前記工具１２を把持できる掴み手段
   ８を有する、少なくとも一つの工具搬送装置７
   とを含み： これにより前記のテーブルが前記駆動手段によつ
   て前記の２方向の少なくとも一方向に動かされた
   ときに、工具搬送装置７が該工具を前記マガジン
   から前記主軸６ａに又はその逆に搬送することが
   できる構成を特徴とする、工作機械。 ２ 前記の掴み手段８が、前記の２の方向に垂直
   な方向に動くことができるように配置されて、該
   掴み手段が前記工具保持マガジンから工具１２を
   取りそして該工具を該工具保持マガジンに戻し、
   そして該工具を主軸６ａに装着しそして引続き該
   工具を該主軸から取除くことを可能にする、特許
   請求の範囲第１項の工作機械。 ３ 前記のカセツト１１が、穿孔板を含み、該板
   の下から工具１２が該板に係合される、特許請求
   の範囲第１又は第２項の工作機械。 ４ 前記の穿孔板が、互いにしつかり留められた
   二つの、重ねられ、穿孔された要素１３，１４を
   有し、一方の要素の孔は他の要素の孔と位置合わ
   せして整列されており、該要素の一方は、該板の
   孔にかみ合う波形の溝１６を有し、線状ばね１７
   が該溝に係合しそして該孔にかみ合つて、該カセ
   ツトに係合している工具１２に該工具を所定の位
   置に維持する摩擦把持力を与える、特許請求の範
   囲第３項の工作機械。 ５ 各加工ユニツト６に対してテーブル２上に二
   つの工具搬送装置７が設けられている、特許請求
   の範囲第１項の工作機械。