JPH0463981B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、空調装置等から吹き出す流れを吹き
出し口の長手方向へ偏向可能な流れ方向制御装置
に関する。

従来例の構成とその問題点 従来より、空調装置の設置位置や条件によつて
空調流の到達しない領域が多く存在するため、空
調装置の吹き出し流量を低下させず広角に流れを
偏向できる流れ方向制御装置が必要とされてき
た。

以下、第１図、第２図および第３図を参照しな
がら本発明に先立つて考えられた流れ方向制御装
置について説明する。

第１図、第２図および第３図において、１は流
れの通路、２は入口部、３は出口部である。複数
の軸４は前記流れの通路１に沿つて流れる流れを
横断するように設けられ、前記入口部２から前記
出口部３へ向つて漸次拡大形状になるように一対
配列されている。前記複数の軸４のそれぞれに設
けられた羽根５は軸を中心に回転可能である。漸
次拡大形状になるように配された複数の軸４の列
の一方に設けられた羽根を各々所定の角度回転さ
せれば、隣り合つた羽根が連なり、漸次拡大形状
をした案内壁６を形成可能である。また羽根の幅
は、案内壁６を形成する場合、羽根間の間隙が生
じないように軸間距離以上に設定すればよいが、
案内壁６を滑らかにするために軸間距離と羽根の
幅を等しくしている。

以上の構成において、第３図に示すような羽根
の状態では、羽根５群によつて流れが流れの進行
方向に対し右側に偏向させられ、さらにこの右向
きに偏向させられた流れは案内壁６と干渉し、コ
アンダ効果によつて付着して流れる。もちろん羽
根５は軸４を中心に回転可能なので、上述の状態
の左右が入れ代わつたように羽根群の状態を変え
ることも可能であり、流れの進行方向に対し左向
きに偏向させることもできる。この結果、流れは
形成させた案内壁の延長方向に向い広角に偏向さ
せることができ、第３図のように案内壁６によつ
て流れの通路のほぼ半分塞がれてしまつても、流
量は多少低下するだけで実際には支障ない程度で
あり、またコアンダ効果が得られる案内壁を形成
するために流れの通路の奥行きスペースがある程
度必要となる。よつて今後の課題としては、流量
の低下をさらに抑えることができ、しかも奥行き
スペースを狭めることができるようにしていくこ
とである。

発明の目的 本発明は上記課題に鑑みなされたもので、風量
の低下をさらに抑えることができ、流れの通路の
出口部の長手方向に流れを広角に偏向し、しかも
流れの通路の奥行きスペースをさらに狭めること
ができる流れ方向制御装置を提供するものであ
る。

発明の構成 この目的を達成するために、本発明の流れ方向
制御装置は、流れの通路に沿つて流れる流れを横
断して複数の軸を設け、前記複数の軸のそれぞれ
に軸を中心として回転可能な羽根を設け、しかも
前記複数の軸は流れの通路の入口部から出口部へ
向つて複数列互いに間隔をあけて漸次拡大形状に
なるように複数対配され、前記複数対の羽根のう
ちのどちらか一方を所定角度回転させて流れを偏
向させる案内壁を形成可能としている。

この構成によれば、間隔を有した複数対の羽根
のうちの一方を所定角度回転させることにより、
間隔を有した漸次拡大形状をした案内壁が複数形
成可能である。流れはこれら複数の案内壁の間を
案内壁面に沿つて偏向させられるとともに、コア
ンダ効果によつてさらに広角に偏向できる。

実施例の説明 以下、本発明の実施例の流れ方向制御装置を図
面を参照しながら説明する。

第４図、第５図および第６図において、７は出
口部１２と入口部１３とを有した流れの通路であ
る。８は前記流れの通路７を横断するように設け
られた複数の軸であり、前記複数の軸８は前記流
れの通路１の入口部１３から出口部１２に向つて
２列互いに間隔を有して漸次拡大形状になるよう
に２対配されている。また、複数の軸８のそれぞ
れに軸を中心に回転可能な羽根９を設けており、
前記２対の羽根のうち一方を所定角度回転させ、
隣り合つた羽根をそれぞれ連なるようにし、案内
壁１０，１０ａ，１１，１１ａを形成させてい
る。

以上の構成において、流れの方向に対し右に流
れを偏向させる場合は、流れの方向に対し左側の
漸次拡大形状に２列配された複数の軸８に回転可
能に設けられた羽根９群を流れの方向に対し右向
きにするとともに、流れの方向に対し右側の漸次
拡大形状に２列配された複数の軸に設けられた羽
根を所定角度回転させて、隣り合つた羽根が互い
に接するようにさせて案内壁１０，１０ａを形成
する。一方、流れの方向に対し左側に案内壁を形
成し、流れの方向に対し右側の羽根を流れの方向
に対し右側に偏向できる角度に回転させ、流れの
方向に対し左側に偏向できる。また、羽根９を流
れの方向に対し平行にすれば、流れを直進させる
ことも可能である。

流れの通路７に沿つて流れる流れは案内壁１
０，１０ａによつて案内壁１０，１０ａの延長上
に偏向されるとともに、流れの方向に対し左側の
羽根９群は案内壁１０，１０ａによつて偏向され
た流れに寄与するように流れの方向に対し右側に
流れを偏向する。この羽根９群によつて偏向され
た流れは、案内壁１０，１０ａによつて偏向され
た流れに誘引されるとともに案内壁１０，１０ａ
によるコアンダ効果と相俟て、前記案内壁１０，
１０ａによつて偏向された流れに付着して流れ
る。この結果、流れは案内壁１０，１０ａの延長
方向に向い広角に偏向させられることになる。

以上のように本実施例によれば、２列の案内壁
を形成可能な構成としているため、従来の１つの
案内壁と同等の流れ偏向角度を、長さのより短い
案内壁で可能であり、したがつて流れの通路の奥
行きスペースを狭めることができる。しかも、従
来のように案内壁によつて流れの通路の半分程度
を塞ぐことがないため流量の低下を抑えることが
できる。

次に本発明の他の実施例の流れ方向制御装置に
ついて第７図、第８図および第９図を参照しなが
ら説明する。

第７図、第８図および第９図は、第４図、第５
図および第６図に示した本発明の一実施例の流れ
方向制御装置の流れの通路の相対する側壁内側に
それぞれ左案内壁１４、右案内壁１５をさらに追
加して設けられている。これら左案内壁１４、右
案内壁１５によるコアンダ効果によつて、流れの
通路の相対する側壁附近から吹き出される流れ
は、案内壁１０，１１によつて偏向された流れと
ほぼ同方向に偏向され、各々の流れが衝突し合う
ことはないので、本発明の他の実施例の流れ方向
制御装置は、流れを広角に偏向でき、しかも流量
を低下させることはないものである。

いま、第７図、第８図および第９図に示した本
発明の他の実施例の流れ方向制御装置を壁掛け型
エアコンに利用した例を第１０図および第１１図
に示す。

第１０図および第１１図において、１６はクロ
スフローフアンであり、前記クロスフローフアン
１６により熱交換器１７を通過した風を流れの通
路１８の入口部１９へ送り込み、この風を横断す
るように設けられた軸２０を中心に回転可能な羽
根２１によつて案内壁２５，２６を形成し、風を
左右に偏向させる。また上下案内壁２２と上下偏
向板２３とによるコアンダ効果を利用して、風の
流れを上下方向に広角に偏向できる。

以上のように、本発明の他の実施例の流れ方向
制御装置を利用した壁掛け型エアコンは、上下左
右に吹き出し風を広角に偏向でき、しかもこの流
れ方向制御装置は奥行きスペースが少なくて済み
薄型の壁掛けエアコンも十分に利用できる。

発明の効果 以上のように本発明は、案内壁を流れの通路の
入口部から出口部に向つて複数列形成可能とし、
しかも本発明に先立つて考えられたもののように
案内壁で流れの通路の半分程度を塞ぐことがない
ため、案内壁の長さを短縮でき、奥行きスペース
をさらに狭めることができ、しかも流量を低下さ
せず、さらに流れを吹き出し口の長手方向に広角
に偏向できるものであり、その効果は大なるもの
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に先立つて考えられた流れ方向
制御装置の斜視図、第２図は第１図の正面図、第
３図は第２図のＡ−A′線における断面図、第４
図は本発明の一実施例における流れ方向制御装置
の斜視図、第５図は第４図の正面図、第６図は第
５図のＢ−B′線における断面図、第７図は本発
明の他の実施例における流れ方向制御装置の斜視
図、第８図は第７図の正面図、第９図は第８図の
Ｃ−C′線における断面図、第１０図は本発明の流
れ方向制御装置を用いた壁掛け型エアコンの側面
断面図、第１１図は第１０図のＤ−D′線におけ
る断面図である。 ７……流れの通路、８……軸、９……羽根、１
０，１０ａ……案内壁、１１，１１ａ……案内
壁、１２……出口部、１３……入口部、１４……
左案内壁、１５……右案内壁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 入口部と出口部とを有する流れの通路と、前
   記通路に沿つて流れる流れを横断して設けられた
   複数の軸と、前記複数の軸にそれぞれ設けられ軸
   を中心に回転可能な羽根とを備え、前記複数の軸
   は前記流れの通路の前記入口部から前記出口部に
   向つて複数列互いに間隔を有して漸次拡大形状に
   なるように複数対配され、前記複数対の羽根のう
   ち必要に応じて任意の一方を所定角度回転させて
   コアンダ効果によつて流れを付着させる案内壁を
   形成可能とした流れ方向制御装置。 ２ 流れの通路の出口部の一対の相対向する側壁
   の内側に外方に向つて漸次拡大形状をした案内壁
   を設けた特許請求の範囲第１項記載の流れ方向制
   御装置。