JPH0461676B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はビニル製人形の製造方法に関する。

（従来技術とその問題点） 従来、人形玩具に着装する衣服は布地によつて
形成されているものがそのほとんどを占めてお
り、このような衣服では大量生産が難しく、コス
ト高となる等の難点があり、この点の解決が望ま
れていた。

（発明の技術的課題） 本発明は上記の観点に鑑みてなされたものであ
つて、特に、製造工程が簡単であるとともに、デ
ザイン的にも優れたビニル製人形服の製造方法を
提案することを目的とする。

（課題を解決するための技術的手段） 上記課題を解決するための技術的手段として、
本発明に係るビニル製人形服の製造方法は、下記
工程により製造されることを特徴とする。

(イ) 表面に所定手段をもつて図柄等が印刷された
人形服をデザインした二枚のビニルシート材を
裏面合せに重合すること。

(ロ) 上記一方のビニルシート材の表面に適宜のデ
ザインの人形服の表側の輪郭部を形成し、他方
のビニルシート材の表面には上記輪郭部に即す
る人形の裏側の輪郭部を形成すること。

(ハ) 電極金型をもちいて上記重合された二枚のビ
ニルシート材にデザインされた人形服における
頭部、腕部及び脚部等を通す部分を裁断すると
同時に、その他の輪郭を高周波溶着によつて溶
着すること。

(ニ) 上記その他の輪郭部にミシン目を形成するこ
と。

（発明の作用、効果） 前記構成によれば、ビニルシートのミシン目か
ら切り離しすることより、容易に且つ安価に人形
服を製作することができる。人形服の表裏面に設
けた図柄も印刷によるものであるから、その模
様、色彩を自由に選択することができる。

また、溶着部は２枚のビニルシートが結合して
いるので、溶着部の外側の輪郭部分はミシン目か
ら切り離しやすい。しかし、ビニルシートは紙と
は異なり、引つ張ると伸びるので、溶着されてい
ない部分はミシン目からは切り離しにくい。無理
に引つ張ると、ミシン目以外の部分まで切れ込ん
でゆくおそれがある。ところが、本願発明では溶
着されていない輪郭は裁断されているので、切り
離しの必要がない。したがつて、本願発明によれ
ば、ビニルシートから人形服を容易且つ正確に切
り離すことができる。

（実施例） 以下、図面によつて本発明の製造方法の一例に
ついて説明する。

第１図において、符号Ａは本発明のビニル製人
形服の製造方法によつて製造された人形服本体を
示す。この人形服Ａは第２図ａ，ｂ及び第３図
ａ，ｂに示す製造方法によつて製造される。

まず、軟質で肉薄の二枚のビニルシート材１，
２の一方のビニルシート材１の表面に適宜なデザ
インの人形服の表側の輪郭部３，３…を形成する
とともに、他方のビニルシート材２の表面には上
記輪郭部３，３…に即する人形服の裏側の輪郭部
４，４…を形成する。そして、上記表側の輪郭部
３，３…と裏側の輪郭部４，４…内の表面にはオ
フセツト、シルクスクリーン等の印刷手段によつ
て対応する図柄等の印刷を施した印刷面３ａ，３
ａ…及び４ａ，４ａ…を形成する。次に、上記ビ
ニルシート材１，２に形成した人形服の輪郭部
３，３…及び４，４…を対応させるようにしてビ
ニルシート材１，２を裏面合せに重合し、第３図
に示すように電極金型５等を用いて上記人形服の
輪郭部３，３…及び４，４…に沿つてミシン目１
０を形成するとともに、頭部、腕部及び脚部が突
出する部分６，７，８以外の部分を高周波溶着に
よつて溶着し溶着部９，９…を形成する。これに
よつて、ビニルシート材１，２は一体に溶着され
る。そして、上記溶着部９，９…の外側輪郭のミ
シン目１０に沿つてビニルシート材１，２より切
離すことによつて人形Ａを得ることができる。そ
して、第４図ａ，ｂに示すようにこの人形服Ａを
人形服ｂに着装するときにはその裏面中央部を適
宜手段を用いて縦方向にカツトすればよい。これ
によつて、簡単に上記人形ｂに着せ替えをするこ
とができる。

上述のように、ビニル製人形服の製造方法は表
面に図柄等が印刷された印刷面３ａ，３ａ…及び
４ａ，４ａ…が形成された人形服の輪郭部３，３
…及び４，４…をデザインした二枚の軟質で肉薄
のビニルシート材１，２を裏面合せに重合すると
ともに、電極金型５等を用いて上記人形服の輪郭
部３，３…及び４，４…に沿つてミシン目１０を
形成するとともに、頭部、腕部及び脚部が突出す
る部分６，７，８以外の部分を高周波溶着によつ
て溶着し溶着部９，９…を形成する。このように
しておき、必要に応じて好みのものをミシ目１０
に沿つてビニルシート材１，２より切離す。これ
によつて、人形服Ａ製造するものであるから、工
程が簡単で製作が容易となり、安価なものが得ら
れるほか、大量生産も可能となる。また、上記人
形Ａはビニル製であるから、汚れたときには簡単
に水洗いすることができる。

なお、上記製造工程において人形服の表側の輪
郭部３，３…と裏側の輪郭部４，４…は異なるビ
ニルシート材１，２の表面にそれぞれ形成したも
のであるが、これに限定されず、例えば一枚のビ
ニルシート材の中央より折曲した片方の表面に人
形服の表側の輪郭部をもう片方の表面にこの表側
の輪郭部に対応する裏側の輪郭部を形成してもよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の製造方法により製造されたビ
ニル製人形服の斜視図、第２図ａ，ｂ乃至第３図
ａ，ｂはビニル製人形服の製造工程を示す工程
図、第４図ａ，ｂはビニル製人形服を人形に着装
した状態の正面及び裏面から見た状態の斜視図で
ある。 符号Ａ……人形服、１，２……ビニルシート
材、３，４……輪郭部、１０……ミシン目。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下記工程より製造されることを特徴とするビ
   ニル製人形服の製造方法。 (イ) 表面に所定手段をもつて図柄等が印刷された
   人形服をデザインした二枚のビニルシート材を
   裏面合せに重合すること。 (ロ) 上記一方のビニルシート材の表面に適宜のデ
   ザインの人形服の表側の輪郭部を形成し、他方
   のビニルシート材の表面には上記輪郭部に即す
   る人形服の裏側の輪郭部を形成すること。 (ハ) 電極金型をもちいて上記重合された二枚のビ
   ニルシート材にデザインされた人形服における
   頭部、腕部及び足部等を通す部分を裁断すると
   同時に、その他の輪郭を高周波溶着によつて溶
   着すること。 (ニ) 上記その他の輪郭部にミシン目を形成するこ
   と。