JPH0461656B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は鉗子チヤンネルを備えた内視鏡に関す
る。

〔従来の技術〕

一般に、鉗子チヤンネルを備えた内視鏡はその
操作部にチヤンネル口金を設け、このチヤンネル
口金には挿入部内に挿入されたチヤンネル管を接
続してある。そして、チヤンネル口金からチヤン
ネル管にわたるその内部により処置具を挿通する
鉗子チヤンネルの少なくともその一部を形成して
いる。

ところで、チヤンネル口金とチヤンネル管との
固定手段としては特開昭59−68180号や実願昭59
−133813号の出願に係る発明や考案がある。そし
て、このいずれのものも、分岐部カバーをずらし
てチヤンネル管の端部をその分岐部カバーに設け
た開口部から外部に引き出し、この引き出した状
態でチヤンネル管とチヤンネル口金との接続作業
を行なうものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記接続方法ではその分岐部の
構造上および小形化の要請からすれば、分岐部カ
バーの移動量には多大な制限が伴う。しかも、口
金取付け作業に充分な長さにチヤンネル管を外部
に引き出すことが困難であつてこのため取付け作
業を面倒にしていた。

さらに、特願昭51−68180号の出願に係る発明
ではチヤンネル管の接続嵌合部外周を糸で巻き、
また、実願昭133813号の出願に係る考案ではチヤ
ンネル管の接続嵌合端を熱によりテーパ状に変形
するといつた煩雑な作業を必要とする。このた
め、この作業時にチヤンネル管がどうしても引つ
張られてこれによりイメージガイドやライトガイ
ドなどの比較的弱い内蔵物を損傷させやすい。ま
た、分岐部カバーの移動によつてチヤンネル管を
座屈させる危険があつた。

また、上記チヤンネル管はあらかじめ決められ
た長さで切断されているため、チヤンネル口金と
の取付け作業に失敗は許されず高度の技能が要求
されていた。

そこで、チヤンネル管に固着された口金受けを
内視鏡の操作部本体に固定した支持部材の係止部
に係止し、カバー部材を装着したのち、チヤンネ
ル口金をカバー部材の開口部に取り付けてチヤン
ネル管の口金受けにチヤンネル口金を接続するよ
うにした内視鏡が提案された（未公開）。

これによればチヤンネル管とチヤンネル口金と
を接続する分岐部の組立てが簡単な作業で容易に
できるとともに、他の内蔵物等を損傷させる危険
がなく組み立てることができ、また、分解、再組
立ても容易である。

しかしながら、近年の内視鏡は著しく軽量小形
化が進んでおり、この種の内視鏡においては接続
部材等を丈夫な固着手段等をもつて固定すること
が難かしくなつている。それだけに落下事故等に
よる衝撃、チヤンネル口金に対する注射器等の着
脱時に加わる力にも充分耐え得るより強度のある
接続構造のものが要求されることになる。

本発明は上記問題点に着目してなされたもの
で、その目的とするところは落下時等において加
わる外力を受けてもこれに耐え得る強固な支持構
造を採用した内視鏡を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段および作用〕

内視鏡の操作部本体に固定される支持部材を設
け、上記操作部本体にはチヤンネル口金の軸線方
向に対向して上記支持部材を衝止するストツパを
設け、チヤンネル口金にその軸線方向に加わる力
を受け止めるようにした。

〔実施例〕

第１図ないし第５図は本発明の第１の実施例を
示すものである。

第１図中１は操作部の本体の一部を構成する円
筒状の支柱であり、この支柱１の外周には円筒状
のカバー２が被嵌されている。このカバー２は図
示しない部分において支柱１に螺合されている。
また、このカバー２に連設して上記支柱１の外周
面にはカバー部材３が被嵌されている。このカバ
ー部材３は支柱１の外周面をその軸方向挿入部側
にスライド自在であるが、通常は第１図で示すよ
うに支柱１に対し止めねじ４により固定されてい
る。また、上記支柱１の先端部内側には挿入部５
の固定用口金６を嵌め込み、止めねじ７により接
続固定されている。さらに、挿入部５の基端部外
周にはその基端に折止め用固定ナツト８を連結し
たゴム製の折止めチユーブ９がスライド自在に外
装されている。そして、折止め用固定ナツト８は
支柱１の先端外周に螺合してその折止めチユーブ
９を固定するようになつている。なお、カバー２
とカバー部材３との間、カバー部材３と折止め用
固定ナツト８との間、折止め固定用口金６と折止
め用固定ナツト８の間にはそれぞれＯリング１
１，１２，１３が介挿されていて、これにより内
視鏡内部を水密に保つようになつている。

さらに、カバー部材３は支柱１の側壁に形成し
た切欠き孔１４に対向して開口し、側方へ拡がり
ながら左右均等に分岐する一対のチヤンネル口金
装着用の開口部１５，１６が設けられている。こ
の各開口部１５，１６は第２図で示すように２つ
に分岐する２つの分岐部分にそれぞれ形成されて
いる。また、この各開口部１５，１６にはそれぞ
れチヤンネル口金１９，２０が装着されている。
このチヤンネル口金１９，２０は第３図で示すよ
うにそれぞれ各開口部１５，１６に挿入される。
そして、このチヤンネル口金１９，２０の中間部
外周に設けたつば２２が開口部１５，１６内の小
径段部端面２３に当り仮止めされるが、組立て状
態においてはわずかに離れて第３図で示すように
位置決めされる。さらに、チヤンネル口金１９，
２０の外周には固定リング２４が被嵌されてい
る。この固定リング２４は開口部１５，１６の外
端部内面に螺合することによりチヤンネル口金１
９，２０のつば２２を押し込み、上記段部端面２
３側へ押し込んで保持するようになつている。ま
た、チヤンネル口金１９，２０の外周には開口部
１５，１６の内面に当るＯリング２５が被嵌さ
れ、その内視鏡内部と外部を水密的に遮蔽してい
る。なお、上記つば２２の周面とこれが接合する
開口部１５，１６の内面との両者に対向して形成
した溝２６には回転止め用ピン２７が嵌め込まれ
ていて、これによりチヤンネル口金１９，２０の
回転が阻止されている。

一方、上記チヤンネル口金１９，２０の内端部
は第３図で示すように口金受け２８，２９を介し
てチヤンネル管３０，３１に接続される。口金受
け２８，２９はそれぞれチヤンネル管３０，３１
の操作部側端に取着固定されている。この各口金
受け２８，２９は上記チヤンネル口金１９，２０
の内端部を嵌め込んで接続するようになつてい
る。さらに、チヤンネル口金１９，２０の内端部
にはＯリング３２が被嵌されており、このＯリン
グ３２によりその口金受け２８，２９との嵌合部
間をシールしている。

また、上記口金受け２８，２９は支持部材３３
により支持される。この支持部材３３は第４図で
示すように各チヤンネル管３０，３１を挿通する
孔部３４，３５とその口金受け２８，２９を嵌め
込んで係止する凹部３６，３７とからなる一対の
係止部３８，３９が形成されている。また、支持
部材３３の上端部には各孔部３４，３５にそれぞ
れ連通するスリツト４１，４２が切り欠き形成さ
れている。そして、このスリツト４１，４２を通
じて各チヤンネル管３０，３１を上記孔部３４，
３５に導びき入れることができるようになつてい
る。

上記支持部材３３は支柱１に形成した切欠き孔
１４の左右の上端面４３，４４に当接され、さら
に、支持部材３３の下部に突設した突部４５を支
柱１内に嵌め込むことにより位置決めされる。そ
して、第１図で示すようにねじ４６によりその支
柱１に固定されている。

また、上記各チヤンネル管３０，３１は第３図
で示すように挿入部５のチヤンネル孔４７に接続
され、チヤンネル４８を形成している。

なお、挿入部５には第１図で示すようにチヤン
ネル管３０，３１とは別にイメージガイド４９、
ライトガイド５０が挿通され、これらは第２図で
示すように挿入部５の基端部側壁から側方へ導び
き出されるとともに上記支持部材３３の突部４５
を避けて支柱１内を通じて操作部側に導びかれて
いる。

一方、上記切欠き孔１４の上端面４３，４４に
は第４図で示すようにそれぞれ挿入部５側に位置
してストツパ用段差部５３，５３が立上り形成さ
れている。そして、この段差部５３，５３の立上
り端面５４，５４には第５図で示すように支持部
材３３の立上り壁面５５が当接して掛止し、その
支持部材３３の先端側への移動を阻止するように
なつている。さらに、第５図のように側面から見
て上端面４３，４４と立上り壁面５５との交点Ｐ
はチヤンネル口金１９，２０の中心軸線ｌ方向に
一致している。

次に、上記構成の分岐部における組立て手順を
説明する。

まず、挿入部５のチヤンネル孔４７にはあらか
じめチヤンネル管３０，３１を挿入接着して固着
する。また、チヤンネル管３０，３１の他端には
口金受け２８，２９を取着固定する。さらに、挿
入部５には固定用口金６、折止め用固定ナツト８
および折止めチユーブ９をそれぞれ取り付ける。
このとき折止め用固定ナツト８を螺合させずに折
止めチユーブ９をスライド自在な状態にしてお
く。

一方、操作部側においては支柱１の外周にカバ
ー２を外装するとともに、カバー部材３を被嵌す
るが、カバー部材３は止めねじ７が露呈する位置
まで下方へスライドさせておく。この状態で口金
受け２８，２９の付いたチヤンネル管３０，３１
および挿入部５を支柱１の内部に引き込み、口金
受け２８，２９を支柱１の切欠き孔１４から取り
出す。そして、第４図で示すように支持部材３３
の各スリツト４１，４２にチヤンネル管３０，３
１を通してからその係止部３８，３９の凹部３
６，３７に対してそれぞれ口金受け２８，２９を
係止する。

この後で支持部材３３を第５図で示すように上
端面４３，４４と立上り壁面５４に当接して位置
決めした上で第１図で示すようにねじ４６により
支柱１に固定する。また、支持部材３３はねじ４
６だけでなく支柱１の切欠き孔１４における上端
面４３，４４と段差部５３，５３の立上り端面５
４，５４に押し当り位置決め固定される。

ついで、カバー部材３を上方へスライドさせて
切欠き孔１４の周囲を覆う第１図で示す状態と
し、止めねじ４で支柱１に固定する。

さらに、挿入部５に外装されていた折止めチユ
ーブ９を折止め用固定ナツト８とともに上方にス
ライドさせ、支柱１に螺合して固定する。

そこで、カバー部材３に形成してある各開口部
１５，１６に、あらかじめＯリング３２および２
５を装着したチヤンネル口金３０，３１を、溝２
６が回転止め用ピン２７に合うようにして差し込
む。そして、上記口金受け２８，２９を介して支
持部材３３に突き当るまで押し込む。最後に固定
リング２４を螺挿することによりつば２２を介し
てそのチヤンネル口金１９，２０を押圧して固定
する。

ところで、上記支持部材３３は第５図で示すよ
うに切欠き孔１４の上端面４３，４４と段差部５
３，５３の立上り壁面５４，５４の両方に当接し
て位置決めされるため、その位置出し作業が容易
であるとともに、その取付け精度が高まる。ま
た、支持部材３３はねじ４６だけでなく、上記両
面４３，４４，５４，５４によつても支えられる
ため、強固に支持される。しかも、その上端面４
３，４４と立上り壁面５５との交点Ｐはチヤンネ
ル口金１９，２０の中心軸線ｌ方向に一致してい
るので、特に、チヤンネル口金１９，２０を通じ
て伝わる外力を受けてもそれは２方向に分散さ
れ、また、ストツパ用段差部５３，５３の支え作
用により支持部材３３を回転するモーメントが生
じない。したがつて、支持部材３３を固定してい
るねじ４６には過大な力がかからない。

なお、チヤンネル口金１９，２０のつば２２は
小径段部端面２３に当らないので、チヤンネル口
金１９，２０の先端は口金受け２８，２９に対し
て常に密に突き当り外れない。また、このため、
支持部材３３にはそれだけ余計に負荷がかかる
が、上述したように段差部５３，５３の作用によ
りこれに充分耐え得る。

第６図および第７図は本発明の第２の実施例を
示すものである。この実施例は支持部材３３を固
定する切欠き孔１４の上端面４３，４４に、スト
ツパ用突部５６を一体に突設し、一方、この突部
５６に対応して支持部材３３の下面には嵌合用凹
部５７を刻設した。そして、第７図で示すように
その突部５６と凹部５７を密に嵌合して係着する
ようになつている。さらに、上記突記５６の位置
は第７図で示すように側方から見てチヤンネル口
金１９，２０の中心軸線ｌ方向に一致している。

しかして、支持部材３３はその凹部５７に突部
５６を嵌合させて仮固定した上でねじ４６で固定
する。その他の点は前記実施例と同様である。

第８図は本発明の第３の実施例を示すものであ
る。この実施例は支柱１の切欠き孔１４にチヤン
ネル口金１９，２０の中心軸線ｌ方向に直交する
ストツパ用斜面５８を形成し、支持部材３３には
その斜面５８に当接する突当て面部５９を形成し
た。そして、支持部材３３の突当て面部５９を上
記ストツパ用斜面５８に突き当てて位置決めする
とともに、その位置でねじ４６で固定する。ま
た、ストツパ用斜面５８と突当て面部５９との接
触面は上記中心軸線ｌの延長上にある。

しかして、この実施例ではチヤンネル口金１
９，２０に加わる外力をストツパ斜面５８で垂直
に受けることができ、ねじ４６側へは伝わらな
い。その他の構成等は第１の実施例と同様であ
る。

なお、上記各実施例においてチヤンネル口金は
２本であつたが、本発明はこれに限らず、１本ま
たは３本以上でもよい。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明はチヤンネル口金に
外力を加わつてもストツパでこれを受け、耐え得
る構造としたから、誤つて落したときの衝撃また
はチヤンネル口金に注射器等を着脱したりしたと
きでもその外力により接続部が変形したりゆるん
だりすることがないとともに耐久性が向上する。
また、支持部材を固定するねじを小さく、または
少なくすることが可能で、それだけ充分な強度を
確保しながら小形化が可能である。

さらに本発明によれば、チヤンネル口金とチヤ
ンネル管とを接続する部分の組立てが簡単で容易
かつ迅速に行なうことができる。また、分解、再
組立てが容易であるとともに部品の交換が簡単で
ある。さらに、その作業時において他の内蔵物等
に影響を与え損傷させるといつたことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例における要部の
側断面図、第２図は同じくその実施例におけるカ
バー部材の斜視断面図、第３図は同じくその実施
例におけるチヤンネル口金とチヤンネル管の接続
部の側断面図、第４図は同じくその実施例におけ
る支持部材付近の斜視図、第５図は同じくその実
施例における支持部材付近の側面図、第６図は本
発明の第２の実施例における支持部材付近の斜視
図、第７図は同じくその実施例における支持部材
付近の側面図、第８図は本発明の第３の実施例に
おける支持部材付近の側面図である。 １……支柱、３……カバー部材、５……挿入
部、１５……開口部、１６……開口部、１９……
チヤンネル口金、２０……チヤンネル口金、２８
……口金受け、２９……口金受け、３０……チヤ
ンネル管、３１……チヤンネル管、５３……段差
部、５６……ストツパ用突部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 操作部に設けたチヤンネル口金とこれに接続
   されるとともに挿入部側のチヤンネル管とを有す
   る内視鏡において、操作部本体に外装され上記チ
   ヤンネル口金を装着する開口部を形成したカバー
   部材と、上記操作部本体に固定され、上記チヤン
   ネル口金と上記チヤンネル管の操作部側端部とを
   連通するように接続支持する支持部材と、上記操
   作部本体に設けられ、上記チヤンネル口金の軸線
   方向に対向した上記支持部材を当接する面部を有
   し上記軸線方向に沿う力を衝止するストツパとを
   具備してなることを特徴とする内視鏡。