JPH0461411B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0461411B2 JPH0461411B2 JP26378185A JP26378185A JPH0461411B2 JP H0461411 B2 JPH0461411 B2 JP H0461411B2 JP 26378185 A JP26378185 A JP 26378185A JP 26378185 A JP26378185 A JP 26378185A JP H0461411 B2 JPH0461411 B2 JP H0461411B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aging
- web
- roll
- magnetic
- coated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- 230000032683 aging Effects 0.000 claims description 32
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 10
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 9
- 239000003973 paint Substances 0.000 claims description 7
- 239000000696 magnetic material Substances 0.000 claims description 6
- 229920003002 synthetic resin Polymers 0.000 claims description 5
- 239000000057 synthetic resin Substances 0.000 claims description 5
- 238000003490 calendering Methods 0.000 claims description 4
- 238000004080 punching Methods 0.000 claims description 4
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 6
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 6
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 6
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 5
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 5
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 5
- 238000000034 method Methods 0.000 description 5
- ZWEHNKRNPOVVGH-UHFFFAOYSA-N 2-Butanone Chemical compound CCC(C)=O ZWEHNKRNPOVVGH-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 238000004132 cross linking Methods 0.000 description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 3
- -1 polyethylene terephthalate Polymers 0.000 description 3
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 2
- 238000001035 drying Methods 0.000 description 2
- 229920000728 polyester Polymers 0.000 description 2
- 229920000139 polyethylene terephthalate Polymers 0.000 description 2
- 239000005020 polyethylene terephthalate Substances 0.000 description 2
- DKPFZGUDAPQIHT-UHFFFAOYSA-N Butyl acetate Natural products CCCCOC(C)=O DKPFZGUDAPQIHT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910000531 Co alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000004962 Polyamide-imide Substances 0.000 description 1
- 239000004642 Polyimide Substances 0.000 description 1
- GWEVSGVZZGPLCZ-UHFFFAOYSA-N Titan oxide Chemical compound O=[Ti]=O GWEVSGVZZGPLCZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- XTXRWKRVRITETP-UHFFFAOYSA-N Vinyl acetate Chemical compound CC(=O)OC=C XTXRWKRVRITETP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- BZHJMEDXRYGGRV-UHFFFAOYSA-N Vinyl chloride Chemical compound ClC=C BZHJMEDXRYGGRV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- QVYYOKWPCQYKEY-UHFFFAOYSA-N [Fe].[Co] Chemical compound [Fe].[Co] QVYYOKWPCQYKEY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000004760 aramid Substances 0.000 description 1
- 229920003235 aromatic polyamide Polymers 0.000 description 1
- 239000003795 chemical substances by application Substances 0.000 description 1
- 229920006026 co-polymeric resin Polymers 0.000 description 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 1
- 230000008602 contraction Effects 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 239000003431 cross linking reagent Substances 0.000 description 1
- 125000004956 cyclohexylene group Chemical group 0.000 description 1
- 238000004090 dissolution Methods 0.000 description 1
- FUZZWVXGSFPDMH-UHFFFAOYSA-N hexanoic acid Chemical compound CCCCCC(O)=O FUZZWVXGSFPDMH-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000005415 magnetization Effects 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 239000003960 organic solvent Substances 0.000 description 1
- AJCDFVKYMIUXCR-UHFFFAOYSA-N oxobarium;oxo(oxoferriooxy)iron Chemical compound [Ba]=O.O=[Fe]O[Fe]=O.O=[Fe]O[Fe]=O.O=[Fe]O[Fe]=O.O=[Fe]O[Fe]=O.O=[Fe]O[Fe]=O.O=[Fe]O[Fe]=O AJCDFVKYMIUXCR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 1
- 230000000704 physical effect Effects 0.000 description 1
- 229920003055 poly(ester-imide) Polymers 0.000 description 1
- 229920002312 polyamide-imide Polymers 0.000 description 1
- 229920001230 polyarylate Polymers 0.000 description 1
- 229920006267 polyester film Polymers 0.000 description 1
- 229920001721 polyimide Polymers 0.000 description 1
- 229920005596 polymer binder Polymers 0.000 description 1
- 239000002491 polymer binding agent Substances 0.000 description 1
- 238000010791 quenching Methods 0.000 description 1
- 230000000171 quenching effect Effects 0.000 description 1
- 229920006395 saturated elastomer Polymers 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 239000002904 solvent Substances 0.000 description 1
- 230000035882 stress Effects 0.000 description 1
- 239000002344 surface layer Substances 0.000 description 1
- 230000003746 surface roughness Effects 0.000 description 1
- 229920002803 thermoplastic polyurethane Polymers 0.000 description 1
- OGIDPMRJRNCKJF-UHFFFAOYSA-N titanium oxide Inorganic materials [Ti]=O OGIDPMRJRNCKJF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000037303 wrinkles Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は合成樹脂フイルムを基材とし、この上
に磁性層を塗設し円形(ドーナツ状)に打抜いた
フレキシブルデイスクの製造技術に係わり、殊に
磁気記録及び再生においてトラツキングずれや記
録歪の殆どない高品位のデイスクを製造する方法
に係わる。 従来技術とその問題点 合成樹脂フイルムを基材とした磁気記録媒体は
適度なフレキシビリテイを備え、表面粗さを所定
レベルに設定できることから有利な材料であるも
のの、不測の熱発生のある場所や高温・高湿の雰
囲気に保存されたり使用されたりすると、熱収縮
や変形を起す問題点がある。 この寸法変化が記録と再生との間で生ずると、
所謂トラツキングずれを生じ、再生出力の低下や
再生不能の支障をもたらす。 ところで、最近、フレキシブルデイスクの使用
環境を更に拡げようとの要求がある。従来51℃程
度までの使用条件において電磁変換特性が保証で
きればよかつたものであるが、これを60℃程度ま
で耐えられることが要請の条件である。この条件
を満足するためには耐熱寸法安定性が一層高度で
なければならない。従来技術において、フレキシ
ブルデイスクの耐熱性を改良するには、例えば特
開昭59−127233号公報に開示されているように、
磁気材料が塗設されたコーテツドウエブを長尺の
ままでなくシート状に截断して、複数枚を重ね合
せて加熱処理を施すことによつて、実質的に無緊
張状態で熱弛緩させシートの寸法安定性を高める
ことによつてデイスク状に加工された場合での耐
熱寸法安定性を保証することとなろう。しかしな
がら、この方法は長尺のコーテツドウエブを連続
的に処理して耐熱寸法安定性を高める技術と比較
すると生産効率が著しく低い。そこで、コーテツ
ドウエブを長尺のままで処理することによつて耐
熱性を改良する技術を鋭意研究した結果、巻き上
げた状態のウエブロールのままで2段階のエージ
ングを施すことによつて、実用可能なレベルの耐
熱寸法安定性を賦与できることを見い出し本発明
に到達したものである。 発明の目的 本発明は、60℃(80%RH)程度の高温(高
湿)雰囲気下で寸法変化が少なく、トラツキング
ずれや出力変動(モジユレーシヨン)の少ないフ
ロツピーデイスクを製造する技術を提供すること
を目的とする。特に本発明は、磁性層が基材に塗
設された状態のコーテツドウエブをコアにロール
状に巻上げたままの状態でエージング処理するこ
とによつて、生産効率よく耐熱性の優れたコーテ
ツドウエブ乃至フレキシブルデイスクを生産する
技術を提供することを他の目的とするものであ
る。 発明の構成 本発明は、合成樹脂フイルムよりなる基材に磁
性材料を含む塗料を塗布し、乾燥し、その表面を
カレンダー処理してコーテツドウエブとなし、該
コーテツドウエブを10〜50Kg/cm2の張力下でロー
ル状に巻取つてウエブロールとなし、該ウエブロ
ールを40〜60℃の雰囲気下に10〜170時間置いた
後、更に65〜75℃の雰囲気下に少なくとも1時間
エージングし、次いで該ウエブロールを引き出し
てデイスク状に打抜くことからなるフレキシブル
デイスクの製造方法である。 本発明を説明する。 フレキシブルデイスクに供し得る基材は、全芳
香族ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステ
ル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステ
ルイミド等の機械的強度が高く、耐熱性に優れた
合成樹脂であつて、厚さ40〜150μm程度のフラ
ツトなシート状物(フイルム)が得られるものが
対象となる。そしてポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレー
ト、ポリジエチレンシクロヘキシレンジカルボキ
シレート等のポリエステルは熱膨張率、湿度膨張
率が低く抑えることができ、平面性の良好な二軸
延伸フイルムが得られる点で好ましい素材であ
る。 本発明において磁性材料を含む塗料は公知のも
のをそのまま使用できる。鉄コバルト合金やバリ
ウムフエライトの如き磁性材料と高分子バインダ
ーとを有機溶媒に分散溶解せしめて通常の方法で
コーテイング(塗布)し、基材が変形しない限度
の温度(通常60〜130℃)で乾燥して溶媒を除去
し塗膜表面が平滑になるようにカレンダー処理を
施すものである。塗膜が未固化の状態でランダマ
イザーによつて、磁性材料の磁化容易軸を等方化
する工程を設けてよい。磁性塗料が乾燥した状態
のコーテツドウエブは、巻芯を用いてロール状に
巻上げる。この巻取の際にコーテツドウエブに不
測の張力が加わつて伸び変形を呈したり塗膜にキ
ズや亀裂が生じないように巻取張力を約10〜約50
Kg/cm2の範囲に調整する必要がある。巻取張力が
50Kg/cm2を超えると、コーテツドウエブの熱変形
が大きくなり、フレキシブルデイスクとしてモジ
ユレーシヨンが悪化することとなる。また巻取張
力を著しく低くすると、ウエブロールが軟かく巻
かれてしまい、巻崩れ等によつて磁性膜に不測の
損傷をもたらすこととなり易い。 エージングは巻上げられたウエブロールのまま
で施すことができる。本発明では2段階のエージ
ング処理を行うが、第1段エージングは40〜60℃
の雰囲気(湿度は40〜80%PH程度)に少くとも10
時間置く。この第1段エージングは、磁性膜の架
橋剤がウエブを製造した過程で架橋反応が未完成
であつたものを完全にさせる作用もある。第1エ
ージングの加熱温度が高過ぎたり昇温が著しく急
であると、ウエブロールの表面層と内層とに温度
差が生じ、この温度差に伴う熱膨張の差異がウエ
ブ層間の滑りとなり、磁性間が擦れることとなり
損傷され易い。また温度差は架橋反応の不均一化
を招くことから磁性膜の構造均一性を欠き耐久性
低下をもたらす不利益がある。第1段エージング
は40℃の場合170時間で架橋反応が完了すること
から、170時間を超えるエージングは170時間以内
の処理と差がなくなる。 第2段のエージングは65〜75℃の温度に昇温
し、少なくとも1時間その温度に保持する必要が
ある。第2段のエージングの加熱温度が65℃未満
であつたり、所定の温度であつても1時間未満の
エージングの場合は寸法安定性を所望のレベルに
改善できない。本発明のエージング条件を満足す
るものは、第1段エージングと第2段エージング
とを施したウエブロールを解舒してウエブの寸法
安定性を測定すると、室温から60℃、80%RHの
雰囲気下に72時間置いたとき、収縮率が0.02%以
内であつて、同条件に曝された後のフレキシブル
デイスクとしてのモジユレーシヨンは10%以内で
ある。加熱温度が75℃を超えると基材と磁性膜と
の界面に膨張率差、内部歪等に基づくストレスが
生じ、これが緩和される際に塗膜面のシワ、剥離
などが現われるとがある。磁性膜剥離がなくて
も、剥離強度が低下して耐久性(耐摩耗性)が減
少することとなる。第2段エージングは65℃の場
合約20時間で効果が飽和することから、1〜20時
間処理すれば充分である。 エージングの処理は、第1段エージングを経た
後直ちに第2段エージングを施すことが効率的で
あるが、一旦室温まで冷却して、デイスクに打抜
く前に第2段エージングを施すことが効率的であ
るが、一旦室温まで冷却して、デイスクに打抜く
前に第2段エージングを施す手順をとつても差支
えない。 エージング、特に第2段エージングを経たウエ
ブロールは通常の方法でデイスクに打抜くことが
できる。 発明の効果 本発明は磁性層を設けたコーテツドウエブをロ
ール状でエージングすることによつて寸法安定性
の優れたフレキシブルデイスクを得ることができ
る。長尺状態でロールのまま耐熱寸法安定性を改
良できるため、作業が簡便で、製品歩留が高く、
低コストとなる利点がある。 本発明で得られるフレキシブルデイスクは60
℃、80%RHという苛酷な条件を経てもモジユレ
ーシヨンの低下がなく、熱(湿度)変化に伴う膨
張・収縮等も少ない。この結果良質、高品位のフ
レキシブルデイクスが得られる。 実施例 1 固有粘度0.58(OCP溶解)であつて、平均粒径
0.3μmの酸化チタン0.4重量を含有するポリエチ
レンテレフタレートを押出機にて溶融し、Tダイ
から吐出せしめて急冷ドラムにより冷却固化して
フイルム状に成形し、縦方向に3.5倍に延伸した
のち、フイルム両端を把持する幅出し機で横方向
に、3.6倍延伸し、220℃で緊張固定した。このと
きフイルム両端を把持するクリツプと連結したレ
ール幅の微調整(トーイン・トーアウト)は無
く、定幅熱固定であつた。得られた75μm厚さの
フイルムは次の物性を有していた。 単位 タテ ヨコ 強 度 Kg/mm2 26 27 伸 度 % 160 140 F−5値 Kg/mm2 11 11 熱収縮率 % 0.10 0.11 (60℃、80%RHで72hrs) このフイルムに次の磁性塗料を塗布(固形分換
率3g/m2)し、120℃で乾燥し、80℃、300Kg/
cmの条件でカレンダー処理を施し、15Kg/cm2の張
力下でロール状に巻取つた。 磁性塗料の組成 C0−含有 γ−F2O 100重量部 塩化ビニル、酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオン
カーバイド社製)VAGH 10 ウレタン樹脂 17 硬化剤 10 酢酸ブチル 140重量部 メチルエチルケトン 200 次に、得られたロール状のコーテツドウエブを
57℃において3昼夜(72時間)エージング処理
し、更に第2エージング処理を69℃にて3時間施
した。しかる後、常法により5.25インチのデイス
クに打抜いてモジユレーシヨンを測定したところ
2%であつた。更にこのデイスクを60℃、80%
RHの雰囲気下に72時間曝した後に再度モジユレ
ーシヨンを測定したところ3%であつた。本発明
のエージング処理を経たコーテツドウエブは等方
性であり、寸法変化の少ないものであり磁気デイ
スクに適していることが判つた。 実施例 2 実施例1と同一の条件のポリエステルフイルム
に磁気塗料を塗布してカレンダー処理を施した後
30Kg/cm2の張力でコーテツドウエブをロール状に
巻上げた。しかる後このウエブロールを62℃の雰
囲気下に2昼夜(48時間)第1エージング処理を
行い、更に74℃において5時間第2エージング処
理を施した。実施例1と同様に5.25インチデイス
クを造り、モジユレーシヨンを測定した結果、初
期値も、60℃、80%雰囲気下に放置した場合も、
良好な値を呈した。結果を第1表に示した。 比較例 1〜4 実施例1と同様な条件でコーテツドウエブを造
り、巻取張力を20Kg/cm2及び60Kg/cm2の水準にお
いてロール状に巻取つた。次にウエブロールを40
〜80℃の4水準で第1エージングを施し、そのう
ちの一部を第2エージング処理を施した。これら
のウエブからフロツピーデイスク(5.25インチ)
を造りモジユレーシヨンを測定した結果やデイス
クの状態を第1表に示した。 【表】
に磁性層を塗設し円形(ドーナツ状)に打抜いた
フレキシブルデイスクの製造技術に係わり、殊に
磁気記録及び再生においてトラツキングずれや記
録歪の殆どない高品位のデイスクを製造する方法
に係わる。 従来技術とその問題点 合成樹脂フイルムを基材とした磁気記録媒体は
適度なフレキシビリテイを備え、表面粗さを所定
レベルに設定できることから有利な材料であるも
のの、不測の熱発生のある場所や高温・高湿の雰
囲気に保存されたり使用されたりすると、熱収縮
や変形を起す問題点がある。 この寸法変化が記録と再生との間で生ずると、
所謂トラツキングずれを生じ、再生出力の低下や
再生不能の支障をもたらす。 ところで、最近、フレキシブルデイスクの使用
環境を更に拡げようとの要求がある。従来51℃程
度までの使用条件において電磁変換特性が保証で
きればよかつたものであるが、これを60℃程度ま
で耐えられることが要請の条件である。この条件
を満足するためには耐熱寸法安定性が一層高度で
なければならない。従来技術において、フレキシ
ブルデイスクの耐熱性を改良するには、例えば特
開昭59−127233号公報に開示されているように、
磁気材料が塗設されたコーテツドウエブを長尺の
ままでなくシート状に截断して、複数枚を重ね合
せて加熱処理を施すことによつて、実質的に無緊
張状態で熱弛緩させシートの寸法安定性を高める
ことによつてデイスク状に加工された場合での耐
熱寸法安定性を保証することとなろう。しかしな
がら、この方法は長尺のコーテツドウエブを連続
的に処理して耐熱寸法安定性を高める技術と比較
すると生産効率が著しく低い。そこで、コーテツ
ドウエブを長尺のままで処理することによつて耐
熱性を改良する技術を鋭意研究した結果、巻き上
げた状態のウエブロールのままで2段階のエージ
ングを施すことによつて、実用可能なレベルの耐
熱寸法安定性を賦与できることを見い出し本発明
に到達したものである。 発明の目的 本発明は、60℃(80%RH)程度の高温(高
湿)雰囲気下で寸法変化が少なく、トラツキング
ずれや出力変動(モジユレーシヨン)の少ないフ
ロツピーデイスクを製造する技術を提供すること
を目的とする。特に本発明は、磁性層が基材に塗
設された状態のコーテツドウエブをコアにロール
状に巻上げたままの状態でエージング処理するこ
とによつて、生産効率よく耐熱性の優れたコーテ
ツドウエブ乃至フレキシブルデイスクを生産する
技術を提供することを他の目的とするものであ
る。 発明の構成 本発明は、合成樹脂フイルムよりなる基材に磁
性材料を含む塗料を塗布し、乾燥し、その表面を
カレンダー処理してコーテツドウエブとなし、該
コーテツドウエブを10〜50Kg/cm2の張力下でロー
ル状に巻取つてウエブロールとなし、該ウエブロ
ールを40〜60℃の雰囲気下に10〜170時間置いた
後、更に65〜75℃の雰囲気下に少なくとも1時間
エージングし、次いで該ウエブロールを引き出し
てデイスク状に打抜くことからなるフレキシブル
デイスクの製造方法である。 本発明を説明する。 フレキシブルデイスクに供し得る基材は、全芳
香族ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステ
ル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステ
ルイミド等の機械的強度が高く、耐熱性に優れた
合成樹脂であつて、厚さ40〜150μm程度のフラ
ツトなシート状物(フイルム)が得られるものが
対象となる。そしてポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレー
ト、ポリジエチレンシクロヘキシレンジカルボキ
シレート等のポリエステルは熱膨張率、湿度膨張
率が低く抑えることができ、平面性の良好な二軸
延伸フイルムが得られる点で好ましい素材であ
る。 本発明において磁性材料を含む塗料は公知のも
のをそのまま使用できる。鉄コバルト合金やバリ
ウムフエライトの如き磁性材料と高分子バインダ
ーとを有機溶媒に分散溶解せしめて通常の方法で
コーテイング(塗布)し、基材が変形しない限度
の温度(通常60〜130℃)で乾燥して溶媒を除去
し塗膜表面が平滑になるようにカレンダー処理を
施すものである。塗膜が未固化の状態でランダマ
イザーによつて、磁性材料の磁化容易軸を等方化
する工程を設けてよい。磁性塗料が乾燥した状態
のコーテツドウエブは、巻芯を用いてロール状に
巻上げる。この巻取の際にコーテツドウエブに不
測の張力が加わつて伸び変形を呈したり塗膜にキ
ズや亀裂が生じないように巻取張力を約10〜約50
Kg/cm2の範囲に調整する必要がある。巻取張力が
50Kg/cm2を超えると、コーテツドウエブの熱変形
が大きくなり、フレキシブルデイスクとしてモジ
ユレーシヨンが悪化することとなる。また巻取張
力を著しく低くすると、ウエブロールが軟かく巻
かれてしまい、巻崩れ等によつて磁性膜に不測の
損傷をもたらすこととなり易い。 エージングは巻上げられたウエブロールのまま
で施すことができる。本発明では2段階のエージ
ング処理を行うが、第1段エージングは40〜60℃
の雰囲気(湿度は40〜80%PH程度)に少くとも10
時間置く。この第1段エージングは、磁性膜の架
橋剤がウエブを製造した過程で架橋反応が未完成
であつたものを完全にさせる作用もある。第1エ
ージングの加熱温度が高過ぎたり昇温が著しく急
であると、ウエブロールの表面層と内層とに温度
差が生じ、この温度差に伴う熱膨張の差異がウエ
ブ層間の滑りとなり、磁性間が擦れることとなり
損傷され易い。また温度差は架橋反応の不均一化
を招くことから磁性膜の構造均一性を欠き耐久性
低下をもたらす不利益がある。第1段エージング
は40℃の場合170時間で架橋反応が完了すること
から、170時間を超えるエージングは170時間以内
の処理と差がなくなる。 第2段のエージングは65〜75℃の温度に昇温
し、少なくとも1時間その温度に保持する必要が
ある。第2段のエージングの加熱温度が65℃未満
であつたり、所定の温度であつても1時間未満の
エージングの場合は寸法安定性を所望のレベルに
改善できない。本発明のエージング条件を満足す
るものは、第1段エージングと第2段エージング
とを施したウエブロールを解舒してウエブの寸法
安定性を測定すると、室温から60℃、80%RHの
雰囲気下に72時間置いたとき、収縮率が0.02%以
内であつて、同条件に曝された後のフレキシブル
デイスクとしてのモジユレーシヨンは10%以内で
ある。加熱温度が75℃を超えると基材と磁性膜と
の界面に膨張率差、内部歪等に基づくストレスが
生じ、これが緩和される際に塗膜面のシワ、剥離
などが現われるとがある。磁性膜剥離がなくて
も、剥離強度が低下して耐久性(耐摩耗性)が減
少することとなる。第2段エージングは65℃の場
合約20時間で効果が飽和することから、1〜20時
間処理すれば充分である。 エージングの処理は、第1段エージングを経た
後直ちに第2段エージングを施すことが効率的で
あるが、一旦室温まで冷却して、デイスクに打抜
く前に第2段エージングを施すことが効率的であ
るが、一旦室温まで冷却して、デイスクに打抜く
前に第2段エージングを施す手順をとつても差支
えない。 エージング、特に第2段エージングを経たウエ
ブロールは通常の方法でデイスクに打抜くことが
できる。 発明の効果 本発明は磁性層を設けたコーテツドウエブをロ
ール状でエージングすることによつて寸法安定性
の優れたフレキシブルデイスクを得ることができ
る。長尺状態でロールのまま耐熱寸法安定性を改
良できるため、作業が簡便で、製品歩留が高く、
低コストとなる利点がある。 本発明で得られるフレキシブルデイスクは60
℃、80%RHという苛酷な条件を経てもモジユレ
ーシヨンの低下がなく、熱(湿度)変化に伴う膨
張・収縮等も少ない。この結果良質、高品位のフ
レキシブルデイクスが得られる。 実施例 1 固有粘度0.58(OCP溶解)であつて、平均粒径
0.3μmの酸化チタン0.4重量を含有するポリエチ
レンテレフタレートを押出機にて溶融し、Tダイ
から吐出せしめて急冷ドラムにより冷却固化して
フイルム状に成形し、縦方向に3.5倍に延伸した
のち、フイルム両端を把持する幅出し機で横方向
に、3.6倍延伸し、220℃で緊張固定した。このと
きフイルム両端を把持するクリツプと連結したレ
ール幅の微調整(トーイン・トーアウト)は無
く、定幅熱固定であつた。得られた75μm厚さの
フイルムは次の物性を有していた。 単位 タテ ヨコ 強 度 Kg/mm2 26 27 伸 度 % 160 140 F−5値 Kg/mm2 11 11 熱収縮率 % 0.10 0.11 (60℃、80%RHで72hrs) このフイルムに次の磁性塗料を塗布(固形分換
率3g/m2)し、120℃で乾燥し、80℃、300Kg/
cmの条件でカレンダー処理を施し、15Kg/cm2の張
力下でロール状に巻取つた。 磁性塗料の組成 C0−含有 γ−F2O 100重量部 塩化ビニル、酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオン
カーバイド社製)VAGH 10 ウレタン樹脂 17 硬化剤 10 酢酸ブチル 140重量部 メチルエチルケトン 200 次に、得られたロール状のコーテツドウエブを
57℃において3昼夜(72時間)エージング処理
し、更に第2エージング処理を69℃にて3時間施
した。しかる後、常法により5.25インチのデイス
クに打抜いてモジユレーシヨンを測定したところ
2%であつた。更にこのデイスクを60℃、80%
RHの雰囲気下に72時間曝した後に再度モジユレ
ーシヨンを測定したところ3%であつた。本発明
のエージング処理を経たコーテツドウエブは等方
性であり、寸法変化の少ないものであり磁気デイ
スクに適していることが判つた。 実施例 2 実施例1と同一の条件のポリエステルフイルム
に磁気塗料を塗布してカレンダー処理を施した後
30Kg/cm2の張力でコーテツドウエブをロール状に
巻上げた。しかる後このウエブロールを62℃の雰
囲気下に2昼夜(48時間)第1エージング処理を
行い、更に74℃において5時間第2エージング処
理を施した。実施例1と同様に5.25インチデイス
クを造り、モジユレーシヨンを測定した結果、初
期値も、60℃、80%雰囲気下に放置した場合も、
良好な値を呈した。結果を第1表に示した。 比較例 1〜4 実施例1と同様な条件でコーテツドウエブを造
り、巻取張力を20Kg/cm2及び60Kg/cm2の水準にお
いてロール状に巻取つた。次にウエブロールを40
〜80℃の4水準で第1エージングを施し、そのう
ちの一部を第2エージング処理を施した。これら
のウエブからフロツピーデイスク(5.25インチ)
を造りモジユレーシヨンを測定した結果やデイス
クの状態を第1表に示した。 【表】
Claims (1)
- 1 合成樹脂フイルムよりなる基材に磁性材料を
含む塗料を塗布し、乾燥し、その表面をカレンダ
ー処理してコーテツドウエブとなし、該コーテツ
ドウエブを10〜50Kg/cm2の張力下でロール状に巻
取つてウエブロールとなし、該ウエブロールを40
〜60℃の雰囲気下に10〜170時間置いた後、更に
65〜75℃の雰囲気下に少なくとも1時間エージン
グし、次いで該ウエブロールを引出してデイスク
状に打抜くことからなるフレキシブルデイスクの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26378185A JPS62124630A (ja) | 1985-11-26 | 1985-11-26 | フレキシブルディスクの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26378185A JPS62124630A (ja) | 1985-11-26 | 1985-11-26 | フレキシブルディスクの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62124630A JPS62124630A (ja) | 1987-06-05 |
JPH0461411B2 true JPH0461411B2 (ja) | 1992-09-30 |
Family
ID=17394184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26378185A Granted JPS62124630A (ja) | 1985-11-26 | 1985-11-26 | フレキシブルディスクの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62124630A (ja) |
-
1985
- 1985-11-26 JP JP26378185A patent/JPS62124630A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62124630A (ja) | 1987-06-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004030809A (ja) | 磁気記録媒体用支持体及び磁気記録媒体 | |
JPH0646455B2 (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JP2000202904A (ja) | ポリエステルフィルムおよびその製造法 | |
JPH04308726A (ja) | 磁気記録媒体用2軸配向ポリエステルフィルム | |
JPH0461411B2 (ja) | ||
KR100297271B1 (ko) | 디지탈오디오테이프레코더카세트용자기테이프및그에사용되는이축배향폴리에스테르기재필름 | |
JP2002205332A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2002307550A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルムとその製造方法 | |
JP4590693B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JPH0461412B2 (ja) | ||
JP3068942B2 (ja) | 二軸配向ポリエチレン―2,6―ナフタレートフィルム及びその製造方法 | |
JP4441944B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JPS60195727A (ja) | 磁気テ−プ用ポリエステルフイルム | |
JPH0442728B2 (ja) | ||
JPS6212921A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JPH0648534B2 (ja) | 磁気記録フレキシブルディスク用ポリエステルフイルムの製造法 | |
JP3048737B2 (ja) | 二軸配向ポリエチレン―2,6―ナフタレートフィルムの製造法 | |
JPS63288735A (ja) | ポリエステルフイルム | |
JPH0667601B2 (ja) | 磁気記録フレキシブルディスク用ポリエステルフイルムの製造法 | |
JP2937693B2 (ja) | 二軸配向積層ポリエステルフィルム | |
JPH04252424A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JPH06262678A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2738636B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JPH0362134B2 (ja) | ||
JPH05212786A (ja) | 磁気記録テープ用ベースフィルム |