JPH0461412B2 - - Google Patents
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- JPH0461412B2 JPH0461412B2 JP26509185A JP26509185A JPH0461412B2 JP H0461412 B2 JPH0461412 B2 JP H0461412B2 JP 26509185 A JP26509185 A JP 26509185A JP 26509185 A JP26509185 A JP 26509185A JP H0461412 B2 JPH0461412 B2 JP H0461412B2
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- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
産業分野
本発明はフロツピーデイスクに供する磁気記録
媒体の製造方法に係り、殊に基盤となる合成樹脂
シートが等方性であつて磁気記録媒体としてもモ
ジユレーシヨンが少ないフロツピーデイスクに適
するものを製造する技術に関する。 従来技術とその問題点 フロツピーデイスクはフレキシブルな合成樹脂
シートを基盤とし、これに磁性材料とバインダー
とからなる磁性層を設けたものである。フロツピ
ーデイスクは記録情報の入力及び出力の正確さを
要求されるため、トラツク1周における出力電圧
の変動の少ないもの、換言すればモジユレーシヨ
ンの良いもの、等方性のものが好ましい。 このモジユレーシヨンは磁気記録媒体を製造す
る過程で磁性層の磁気材料の磁化容易軸をランダ
マイザーを用いて等方化することによつて達成さ
れる(特開昭60−193137号公報)。しかしながら、
モジユレーシヨンは基盤の歪等に起因するものも
あり、この場合には未固化状態の磁性層をランダ
マイザーにより無配向化しても効果は薄い。基盤
に起因するモジユレーシヨンは、フロツピーデイ
スクを温湿度の変化を伴う雰囲気や高温度又は低
温の雰囲気下で使用する場合に問題となる。この
理由は合成樹脂シートは一般に温度や湿度の変化
に伴う寸法変化(伸縮)があり、しかもこの寸法
変化率は等方的に送るものではない。従つて基盤
自体にも湿度・湿度の膨張率の異方性があつても
モジユレーシヨンを悪化させる原因となつてい
る。 ところで、上記の原因に加えて、フレキシブル
デイスクの使用条件を拡げようとする要請があ
る。従来では上限使用温度は51.5℃であつたが、
これを60℃程度にも耐えられるような寸法安定
性、電磁変換特性を備えたものを開発することが
要望されている。このような使用条件の拡大は高
度の寸法安定性が要求されるが、更に、磁気記録
材料として情報密度を高めるために単位当りのト
ラツク数や情報量を増加させることも要求され、
基盤や記録媒体の寸法変化の許容できる範囲が著
しく小さくなり精密化されつつある。 そこで、熱収縮率や寸法変化の少ない磁気記録
媒体を得るために基盤又は磁気記録媒体を裁断し
て複数枚を重ね合せた状態で加熱処理する方法
(特開昭59−127233号公報)が提案されている。
この磁気記録媒体の加熱処理は全く無緊張下で施
される点で処理で理想的であるものの、連続的に
磁性層を形成したウエブを処理できない作業性や
生産効率が低いという別な問題がある。 本発明者は、長尺のウエブを連続的に加熱処理
して寸法安定性を高める場合に、基盤となる合成
樹脂シートとして特定の物性のものを選択し、か
つ加熱処理の際加熱温度、加熱時間を適切な条件
とすれば、長尺のウエブの処理において無緊張条
件を選択することなく目的を達成できることを知
見し、本発明を達成したものである。 技術上の解決課題 本発明はフレキシブルデイスクに供し得る磁気
記録媒体であつて、殊に平面性とモジユレーシヨ
ンの良好なものを得ることを技術課題とするもの
である。また、磁気記録媒体の基盤が熱安定性
(特に60℃程度の高湿度雰囲気下における寸法安
定性)に優れているものを製造することを技術課
題とするものである。 発明の構成 本発明は、150℃、30分間の放置条件の乾熱収
縮率が3%以下である合成樹脂シートを基盤と
し、この基盤に磁性材料を含む磁性塗料を塗布
し、次いで、磁性塗料を乾燥し、形成された磁性
層の表面を平滑にすべくカレンダーにより表面平
滑化処理を施して、基盤上に平滑な表面をもつ磁
性層の形成された磁気記録媒体となし、この磁気
記録媒体をロール状に巻上げるまでの工程で張力
下での加熱エージング処理を施す製造・加工方法
である。本発明における張力下でのエージング処
理は、上述の磁性塗料の塗布工程、磁性塗料の乾
燥工程の後、磁性層表面のカレンダー仕上工程か
らシート状の磁気記録体を芯管等にロール状に巻
取るまでの間に、設けるものである。そして本発
明における張力下での加熱エージング処理条件
は、基盤又は磁性塗料(磁気層)が形成された磁
気記録媒体を4〜10Kg/cm2の張力下において、A
℃乃至140℃の温度に少くとも0.5秒間にわたり施
すものである。(ここに、下限温度A℃は基盤の
150℃、30分間の乾燥収縮率がS%であるときA
=20×S+65で求められるものである。) 本発明を説明する150℃の乾燥空気下において
30分間放置したときの収縮率がS%である合成樹
脂シートであつて、S≦3(3%以下)のものが
フレキシブルデイスクの基盤として適する。乾熱
収縮率が3%を超えると、磁性塗料の乾燥工程で
塗膜表面に皺が発生するため好ましくない。従つ
て乾熱収縮率が3%以下の合成樹脂シートが選ば
れる必要がある。 本発明の基盤に供する合成樹脂シートは30〜
250μm(好ましくは45〜150μm)の厚さであつ
て平坦かつ表面歪みがないものであれば、合成樹
脂素材が何であるかを問わない。もつとも、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリアリレート、芳香
族ポリアミド、ポリフエニレンスルフイド等の耐
熱性の優れたものが基盤用素材として好適である
ことは云うまでもない。 本発明に供する基盤は、上記の素材の公知の方
法により二軸延伸してシートしたものが使用でき
る。基盤は延伸された方向(長手方向及び幅方
向)においても延伸方向と異る方向においても、
熱収縮率がほゞ等しいものであることが好まし
い。このような状態のシートは、広い幅のものの
ほゞ中央部分の位置に相当する部分をスリツトし
て採取したものが、或は比較的高い温度において
弛緩熱処理を施したものが乾熱収縮率が小さくか
つ等方性の点でも優れている。基盤に塗布する磁
気材料を含む塗料は公知のものが使用できる。例
えば、γ−Fe2O3の粉末、セルロースアセテート
ブチレート、エポキシ樹脂、レシチン、シリコー
ン油等をメチルイソブチルケトン、トルエン等の
溶媒で溶解・分散せしめたものが適用できる。磁
性塗料の乾燥も公知の手段、条件が適用できる。
また磁性層が平滑化するように施すカレンダー処
理も公知の手段、公知の処理条件を適用すること
ができる。磁性層が形成された磁気記録媒体の巻
取も公知の巻取設備がそのまゝ使用できる。 本発明における張力下での加熱エージングは、
磁性塗料を塗布する前の基盤に施すことも可能で
あるが乾燥工程を経て磁性層が形成された後の状
態の磁気記録媒体、又はカレンダー仕上を経た後
において実施することが望ましい。張力下での加
熱エージングは長尺のまゝ、しかも4〜10Kg/cm2
の張力を長手方向に加えた状態で施すことができ
る。張力が過大となり10Kg/cm2を超えると、磁気
記録媒体に寸法安定性を付与できなくなり、また
張力が低過ぎると操業中に磁気記録媒体ウエブが
蛇行して生産性が低下するばかりでなく、ウエブ
としての平面性が低下して歪をもたらすこととな
る。張力下での加熱エージングにおいては加熱温
度がA〜140℃でなければならない。140℃を超え
る温度でエージング処理すると、ウエブに「波う
ち」(平面性の低下、操業中の上下動に起因)や
スクラツチ(操業中のゴミ等の付着に伴う塗膜の
キズ)が発生することから過加熱を避ける必要が
ある。また、加熱温度の下限が低過ぎると、モジ
ユレーシヨンを10%以内とし、60℃、80%RHに
おける寸法変化を低く(0.02%以下)抑えること
ができなくなる。(実験符号45〜47参照)本発明
では基盤となる合成樹脂シートの収縮率(150℃
乾熱)に応じて熱処理温度の下限を調整(収縮率
の高いものほど下限温度が高くなる)する必要が
ある。本発明における張力下での加熱エージング
では幅方向は拘束しなくてよいが(このため60
℃、180%RHにおける寸法変化は略0%とな
る)、長手方向の寸法変化を抑えるには少くとも
0.5秒間の熱処理を要する。勿論加熱エージング
炉を長くし、(ウエブ走行区間を長くすること)、
熱処理時間を10〜200秒程度とすれば、寸法変化
は一層改良できる。 発明の効果 本発明の張力下での加熱エージング処理によつ
て、磁気記録媒体はJIS C 6291で定義されるモ
ジユレーシヨンが最外周トラツクにおいて10%以
下となり、出力斑の少ない電磁変換特性の良好な
フロツピーデイスクが得られる。 更に、室温(20℃、65%RH)から急激に60
℃、80%RHの雰囲気に移したとき、又はこの条
件(60℃、80%RH)に72時間放置したときの寸
法変化が0.02%以下であり、フロツピーデイスク
としてトラツクずれのないものが得られる。従つ
て、本発明の磁気記録媒体は、高品位であり高密
度記録が可能であると共に高温・高湿の雰囲気下
で使用可能なものである。 実施例 1 固有粘度(製膜後O−クロロフエノールにて測
定)が0.59である未延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフイルムを90℃にて長手方向に3.6倍延伸し、
引続いて幅方向に105℃において3.7倍延伸し、更
に220℃において熱固定を施して、厚さ75μm、
150℃における乾熱収縮率(30分間放置して測定)
が長手方向2.0%、幅方向0.0%である二軸延伸フ
イルムを得た。この二軸延伸フイルムを基盤と
し、次の組成の磁性塗料を固形分で3g/m2とな
るように塗布し、120℃にて乾燥後、引続いて80
℃、300Kg/cm(線圧)にてカレンダー処理を施
し、巻取り前に張力下での加熱エージング処理を
その条件を変えて実施した。 磁性塗料の組成 Fe−Coメタル磁性粉 100重量部 塩ビ・酢ビ共重合体樹脂 10 〃 (ユニオンカーバイト社製VAGHウレタン樹
脂(グツドリツチ社製エスチン5701) 17 〃 硬化剤(バイエル社製デスモジユールL−75)
10重量部 酢酸ブチル 140 〃 メチルエチルケトン 200 〃 エージングの処理時間はいずれも1秒間とし長
手方向におけるウエブ張力、加熱温度は第1表に
示した通りであつた。得られたコーテツドウエブ
(磁気記録媒体)をデイスク(5.25インチ)状に
打抜き、そのとき及び60℃、80%RHの雰囲気に
3日間放置した後のフロツピーデイスクのモジユ
レーシヨンを同表に併記した。同表から明らかな
ように打抜き直後のフロツピーデイスクは、高
温・高湿下に放置されてもモジユレーシヨンは2
%と不変であつて、寸法変化がなく、良質のもの
が得られた。 実施例 2 二軸延伸条件を実施例1と同一とし、140℃で
弛緩熱処理を施した厚さ75μmのポリエチレンテ
レフタレートフイルムは150℃における乾熱収縮
率が長手方向1.0%、幅方向−0.3%(0.3%伸長)
であつた。このフイルムを基盤として実施例1の
磁性塗料を同一条件で塗布し、90℃において乾燥
せしめ、引続いて加熱エージングを張力6.0Kg/
cm2、温度90℃にて実施した。得られたコーテツド
ウエブを5.25インチのフロツピーデイスクに打抜
き成型し、モジユレーシヨンを測定したところ2
%であつた。このフロツピーデイスクは60℃、80
%RHの雰囲気下に72時間放置した後もモジユレ
ーシヨンは変化しなかつた。 比較例 1 実施例1における加熱エージング条件を張力
20.0Kg/cm2として80℃で2秒間施したところ、外
観に格別差異のないコーテツドウエブが得られ
た。このウエブを打抜いて5.25インチのデイスク
としてモジユレーシヨンを測定したところ出力は
2%変動に過ぎなかつた。ところが、60℃、80%
RHの雰囲気下に72時間放置したものではモジユ
レーシヨンが11%と増加していることが判明し
た。これは加熱エージング時に歪が除去できなか
つたか或は歪が増幅されたためで、高温高湿の雰
囲気によつて基盤又は磁性層が変形乃至電磁的な
変形を生じたものと思われる。 比較例 2 実施例2に供した基盤を用いてコーテツドウエ
ブを造り、これを150℃において張力6.5Kg/cm2の
条件でエージングしたところ、ウエブの平面性が
悪化してフラツトなデイスクを得る歩留が著しく
低下した。従つて、150℃でエージング処理する
ことは好ましくないことが判る。 比較例 3 固有粘度0.58のポリエチレンテレフタレートフ
イルムを長手方向に3.8倍、幅方向に3.9倍延伸
し、160℃で熱固定した75μm厚さの二軸延伸フ
イルムは150℃における乾熱収縮率が長手方向4.0
%、幅方向2.6%であつた。このフイルムを基盤
とし実施例1と同様にコーテツドウエブとなし
130℃において張力6.5Kg/cm2の条件でエージング
を施したところ、塗膜面に微細なシワが発生して
いる部分があり製品歩留が低下した。
媒体の製造方法に係り、殊に基盤となる合成樹脂
シートが等方性であつて磁気記録媒体としてもモ
ジユレーシヨンが少ないフロツピーデイスクに適
するものを製造する技術に関する。 従来技術とその問題点 フロツピーデイスクはフレキシブルな合成樹脂
シートを基盤とし、これに磁性材料とバインダー
とからなる磁性層を設けたものである。フロツピ
ーデイスクは記録情報の入力及び出力の正確さを
要求されるため、トラツク1周における出力電圧
の変動の少ないもの、換言すればモジユレーシヨ
ンの良いもの、等方性のものが好ましい。 このモジユレーシヨンは磁気記録媒体を製造す
る過程で磁性層の磁気材料の磁化容易軸をランダ
マイザーを用いて等方化することによつて達成さ
れる(特開昭60−193137号公報)。しかしながら、
モジユレーシヨンは基盤の歪等に起因するものも
あり、この場合には未固化状態の磁性層をランダ
マイザーにより無配向化しても効果は薄い。基盤
に起因するモジユレーシヨンは、フロツピーデイ
スクを温湿度の変化を伴う雰囲気や高温度又は低
温の雰囲気下で使用する場合に問題となる。この
理由は合成樹脂シートは一般に温度や湿度の変化
に伴う寸法変化(伸縮)があり、しかもこの寸法
変化率は等方的に送るものではない。従つて基盤
自体にも湿度・湿度の膨張率の異方性があつても
モジユレーシヨンを悪化させる原因となつてい
る。 ところで、上記の原因に加えて、フレキシブル
デイスクの使用条件を拡げようとする要請があ
る。従来では上限使用温度は51.5℃であつたが、
これを60℃程度にも耐えられるような寸法安定
性、電磁変換特性を備えたものを開発することが
要望されている。このような使用条件の拡大は高
度の寸法安定性が要求されるが、更に、磁気記録
材料として情報密度を高めるために単位当りのト
ラツク数や情報量を増加させることも要求され、
基盤や記録媒体の寸法変化の許容できる範囲が著
しく小さくなり精密化されつつある。 そこで、熱収縮率や寸法変化の少ない磁気記録
媒体を得るために基盤又は磁気記録媒体を裁断し
て複数枚を重ね合せた状態で加熱処理する方法
(特開昭59−127233号公報)が提案されている。
この磁気記録媒体の加熱処理は全く無緊張下で施
される点で処理で理想的であるものの、連続的に
磁性層を形成したウエブを処理できない作業性や
生産効率が低いという別な問題がある。 本発明者は、長尺のウエブを連続的に加熱処理
して寸法安定性を高める場合に、基盤となる合成
樹脂シートとして特定の物性のものを選択し、か
つ加熱処理の際加熱温度、加熱時間を適切な条件
とすれば、長尺のウエブの処理において無緊張条
件を選択することなく目的を達成できることを知
見し、本発明を達成したものである。 技術上の解決課題 本発明はフレキシブルデイスクに供し得る磁気
記録媒体であつて、殊に平面性とモジユレーシヨ
ンの良好なものを得ることを技術課題とするもの
である。また、磁気記録媒体の基盤が熱安定性
(特に60℃程度の高湿度雰囲気下における寸法安
定性)に優れているものを製造することを技術課
題とするものである。 発明の構成 本発明は、150℃、30分間の放置条件の乾熱収
縮率が3%以下である合成樹脂シートを基盤と
し、この基盤に磁性材料を含む磁性塗料を塗布
し、次いで、磁性塗料を乾燥し、形成された磁性
層の表面を平滑にすべくカレンダーにより表面平
滑化処理を施して、基盤上に平滑な表面をもつ磁
性層の形成された磁気記録媒体となし、この磁気
記録媒体をロール状に巻上げるまでの工程で張力
下での加熱エージング処理を施す製造・加工方法
である。本発明における張力下でのエージング処
理は、上述の磁性塗料の塗布工程、磁性塗料の乾
燥工程の後、磁性層表面のカレンダー仕上工程か
らシート状の磁気記録体を芯管等にロール状に巻
取るまでの間に、設けるものである。そして本発
明における張力下での加熱エージング処理条件
は、基盤又は磁性塗料(磁気層)が形成された磁
気記録媒体を4〜10Kg/cm2の張力下において、A
℃乃至140℃の温度に少くとも0.5秒間にわたり施
すものである。(ここに、下限温度A℃は基盤の
150℃、30分間の乾燥収縮率がS%であるときA
=20×S+65で求められるものである。) 本発明を説明する150℃の乾燥空気下において
30分間放置したときの収縮率がS%である合成樹
脂シートであつて、S≦3(3%以下)のものが
フレキシブルデイスクの基盤として適する。乾熱
収縮率が3%を超えると、磁性塗料の乾燥工程で
塗膜表面に皺が発生するため好ましくない。従つ
て乾熱収縮率が3%以下の合成樹脂シートが選ば
れる必要がある。 本発明の基盤に供する合成樹脂シートは30〜
250μm(好ましくは45〜150μm)の厚さであつ
て平坦かつ表面歪みがないものであれば、合成樹
脂素材が何であるかを問わない。もつとも、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリアリレート、芳香
族ポリアミド、ポリフエニレンスルフイド等の耐
熱性の優れたものが基盤用素材として好適である
ことは云うまでもない。 本発明に供する基盤は、上記の素材の公知の方
法により二軸延伸してシートしたものが使用でき
る。基盤は延伸された方向(長手方向及び幅方
向)においても延伸方向と異る方向においても、
熱収縮率がほゞ等しいものであることが好まし
い。このような状態のシートは、広い幅のものの
ほゞ中央部分の位置に相当する部分をスリツトし
て採取したものが、或は比較的高い温度において
弛緩熱処理を施したものが乾熱収縮率が小さくか
つ等方性の点でも優れている。基盤に塗布する磁
気材料を含む塗料は公知のものが使用できる。例
えば、γ−Fe2O3の粉末、セルロースアセテート
ブチレート、エポキシ樹脂、レシチン、シリコー
ン油等をメチルイソブチルケトン、トルエン等の
溶媒で溶解・分散せしめたものが適用できる。磁
性塗料の乾燥も公知の手段、条件が適用できる。
また磁性層が平滑化するように施すカレンダー処
理も公知の手段、公知の処理条件を適用すること
ができる。磁性層が形成された磁気記録媒体の巻
取も公知の巻取設備がそのまゝ使用できる。 本発明における張力下での加熱エージングは、
磁性塗料を塗布する前の基盤に施すことも可能で
あるが乾燥工程を経て磁性層が形成された後の状
態の磁気記録媒体、又はカレンダー仕上を経た後
において実施することが望ましい。張力下での加
熱エージングは長尺のまゝ、しかも4〜10Kg/cm2
の張力を長手方向に加えた状態で施すことができ
る。張力が過大となり10Kg/cm2を超えると、磁気
記録媒体に寸法安定性を付与できなくなり、また
張力が低過ぎると操業中に磁気記録媒体ウエブが
蛇行して生産性が低下するばかりでなく、ウエブ
としての平面性が低下して歪をもたらすこととな
る。張力下での加熱エージングにおいては加熱温
度がA〜140℃でなければならない。140℃を超え
る温度でエージング処理すると、ウエブに「波う
ち」(平面性の低下、操業中の上下動に起因)や
スクラツチ(操業中のゴミ等の付着に伴う塗膜の
キズ)が発生することから過加熱を避ける必要が
ある。また、加熱温度の下限が低過ぎると、モジ
ユレーシヨンを10%以内とし、60℃、80%RHに
おける寸法変化を低く(0.02%以下)抑えること
ができなくなる。(実験符号45〜47参照)本発明
では基盤となる合成樹脂シートの収縮率(150℃
乾熱)に応じて熱処理温度の下限を調整(収縮率
の高いものほど下限温度が高くなる)する必要が
ある。本発明における張力下での加熱エージング
では幅方向は拘束しなくてよいが(このため60
℃、180%RHにおける寸法変化は略0%とな
る)、長手方向の寸法変化を抑えるには少くとも
0.5秒間の熱処理を要する。勿論加熱エージング
炉を長くし、(ウエブ走行区間を長くすること)、
熱処理時間を10〜200秒程度とすれば、寸法変化
は一層改良できる。 発明の効果 本発明の張力下での加熱エージング処理によつ
て、磁気記録媒体はJIS C 6291で定義されるモ
ジユレーシヨンが最外周トラツクにおいて10%以
下となり、出力斑の少ない電磁変換特性の良好な
フロツピーデイスクが得られる。 更に、室温(20℃、65%RH)から急激に60
℃、80%RHの雰囲気に移したとき、又はこの条
件(60℃、80%RH)に72時間放置したときの寸
法変化が0.02%以下であり、フロツピーデイスク
としてトラツクずれのないものが得られる。従つ
て、本発明の磁気記録媒体は、高品位であり高密
度記録が可能であると共に高温・高湿の雰囲気下
で使用可能なものである。 実施例 1 固有粘度(製膜後O−クロロフエノールにて測
定)が0.59である未延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフイルムを90℃にて長手方向に3.6倍延伸し、
引続いて幅方向に105℃において3.7倍延伸し、更
に220℃において熱固定を施して、厚さ75μm、
150℃における乾熱収縮率(30分間放置して測定)
が長手方向2.0%、幅方向0.0%である二軸延伸フ
イルムを得た。この二軸延伸フイルムを基盤と
し、次の組成の磁性塗料を固形分で3g/m2とな
るように塗布し、120℃にて乾燥後、引続いて80
℃、300Kg/cm(線圧)にてカレンダー処理を施
し、巻取り前に張力下での加熱エージング処理を
その条件を変えて実施した。 磁性塗料の組成 Fe−Coメタル磁性粉 100重量部 塩ビ・酢ビ共重合体樹脂 10 〃 (ユニオンカーバイト社製VAGHウレタン樹
脂(グツドリツチ社製エスチン5701) 17 〃 硬化剤(バイエル社製デスモジユールL−75)
10重量部 酢酸ブチル 140 〃 メチルエチルケトン 200 〃 エージングの処理時間はいずれも1秒間とし長
手方向におけるウエブ張力、加熱温度は第1表に
示した通りであつた。得られたコーテツドウエブ
(磁気記録媒体)をデイスク(5.25インチ)状に
打抜き、そのとき及び60℃、80%RHの雰囲気に
3日間放置した後のフロツピーデイスクのモジユ
レーシヨンを同表に併記した。同表から明らかな
ように打抜き直後のフロツピーデイスクは、高
温・高湿下に放置されてもモジユレーシヨンは2
%と不変であつて、寸法変化がなく、良質のもの
が得られた。 実施例 2 二軸延伸条件を実施例1と同一とし、140℃で
弛緩熱処理を施した厚さ75μmのポリエチレンテ
レフタレートフイルムは150℃における乾熱収縮
率が長手方向1.0%、幅方向−0.3%(0.3%伸長)
であつた。このフイルムを基盤として実施例1の
磁性塗料を同一条件で塗布し、90℃において乾燥
せしめ、引続いて加熱エージングを張力6.0Kg/
cm2、温度90℃にて実施した。得られたコーテツド
ウエブを5.25インチのフロツピーデイスクに打抜
き成型し、モジユレーシヨンを測定したところ2
%であつた。このフロツピーデイスクは60℃、80
%RHの雰囲気下に72時間放置した後もモジユレ
ーシヨンは変化しなかつた。 比較例 1 実施例1における加熱エージング条件を張力
20.0Kg/cm2として80℃で2秒間施したところ、外
観に格別差異のないコーテツドウエブが得られ
た。このウエブを打抜いて5.25インチのデイスク
としてモジユレーシヨンを測定したところ出力は
2%変動に過ぎなかつた。ところが、60℃、80%
RHの雰囲気下に72時間放置したものではモジユ
レーシヨンが11%と増加していることが判明し
た。これは加熱エージング時に歪が除去できなか
つたか或は歪が増幅されたためで、高温高湿の雰
囲気によつて基盤又は磁性層が変形乃至電磁的な
変形を生じたものと思われる。 比較例 2 実施例2に供した基盤を用いてコーテツドウエ
ブを造り、これを150℃において張力6.5Kg/cm2の
条件でエージングしたところ、ウエブの平面性が
悪化してフラツトなデイスクを得る歩留が著しく
低下した。従つて、150℃でエージング処理する
ことは好ましくないことが判る。 比較例 3 固有粘度0.58のポリエチレンテレフタレートフ
イルムを長手方向に3.8倍、幅方向に3.9倍延伸
し、160℃で熱固定した75μm厚さの二軸延伸フ
イルムは150℃における乾熱収縮率が長手方向4.0
%、幅方向2.6%であつた。このフイルムを基盤
とし実施例1と同様にコーテツドウエブとなし
130℃において張力6.5Kg/cm2の条件でエージング
を施したところ、塗膜面に微細なシワが発生して
いる部分があり製品歩留が低下した。
【表】
実験符号41〜47
基盤となるポリエチレンテレフタレートフイル
ムとして実施例1のもの(実験符号42及び46)
と、このフイルムを150℃においてあらかじめ収
縮熱処理を施して収縮率を1%としたもの(実験
符号43及び47)、更に完全に収縮処理して150℃で
無収縮率となるように調整したもの(実験符号
44)、比較例3のポリエチレンテレフタレートフ
イルムを190℃で熱処理して収縮率を3%に調整
したもの(実験符号41及び45)をそれぞれ準備
し、実施例1と同様にコーテツトウエブを作成し
た。 実験符号41〜47のいずれも150℃における乾熱
収縮率は3%以下であり(第2表参照)、本発明
の実施例に該当するものである。これらのフイル
ムに先ず磁性材料を塗布し、次いで乾燥し、更に
カレンダー仕上より表面を平滑化してコーテツド
ウエブを作成したものである。 引続いて、実験符号41〜44では上述の工程を経
たコーテツドウエブを第2表に記載した下限温度
で張力を付与した加熱エージング処理(張力7
Kg/cm2)しロール状に捲取つたところ、この処理
を済ませたコーテツドウエブについて60℃、相対
湿度80%72時間放置後の寸法変化は第2表上段右
側に示したとおり最大変化0.02%、最小変化−
0.01%(伸長0.01%)となつた。 更に、このコーテツドウエブをフレキシブルデ
イスク(5.25インチ)に打抜き、フレキシブルデ
イスクとしてのモジユレーシヨンを測定したとこ
ろ、いずれも2%と安定した状態を示した。この
フレキシブルデイスクを再度60℃、相対湿度80%
の雰囲気下に72時間放置したが、この処理によつ
てもモジユレーシヨンの変化は2〜4%と少な
く、良好な品質を示した。 これに対し、実験符号45〜47では、加熱エージ
ング処理温度を120℃〜80℃とし、下限温度(本
明細書第6頁第11行〜第14行参照)未満で処理し
たところ、コーテツドウエブの3昼夜後の寸法安
定性は第3表に示したようにやや不良となり、最
大歪0.08〜0.06%、最小歪−0.03〜−0.02%(0.03
〜0.02%伸長)を呈した。またフレキシブルデイ
スク状に打抜いて、同様に60℃、相対湿度80%で
3昼夜経過したときのモジユレーシヨンは15〜11
%に増大し、フレキシブルデイスクとしては不良
品となることが判明した。 従つて第2表の下限温度以上で張力を付与した
加熱エージング処理を施すと、寸法安定性の良好
なデイスクが得られることとなる。 また、第3表の例は第2表に示した下限温度に
達していない処理温度(夫々5℃低温条件)にお
いて張力を付与した加熱エージング処理したとこ
ろ、コーテツドウエブの寸法変化率は0.02%程度
にまでには減少せず、ウエブから打抜いたデイス
クは放置後のモジユレーシヨンが著しく大きくな
り(10%超)、良品のデイスクが得られないこと
が判つた。 なお実験符号41及び45のベースフイルムは、長
手方向の延伸倍率3.8倍、幅方向延伸倍率3.9倍、
熱固定160℃の条件で製膜し、更に190℃において
再熱処理を施したものである。また実験符号42〜
44及び46〜47のベースフイルムは、長手方向延伸
倍率3.6倍、幅方向延伸倍率3.7倍、熱固定220℃
の条件で製膜したものである。実験符号42及び46
のものは再熱処理を施していないが、実験符号
43、44及び47のものは150℃で再熱処理したもの
である。
ムとして実施例1のもの(実験符号42及び46)
と、このフイルムを150℃においてあらかじめ収
縮熱処理を施して収縮率を1%としたもの(実験
符号43及び47)、更に完全に収縮処理して150℃で
無収縮率となるように調整したもの(実験符号
44)、比較例3のポリエチレンテレフタレートフ
イルムを190℃で熱処理して収縮率を3%に調整
したもの(実験符号41及び45)をそれぞれ準備
し、実施例1と同様にコーテツトウエブを作成し
た。 実験符号41〜47のいずれも150℃における乾熱
収縮率は3%以下であり(第2表参照)、本発明
の実施例に該当するものである。これらのフイル
ムに先ず磁性材料を塗布し、次いで乾燥し、更に
カレンダー仕上より表面を平滑化してコーテツド
ウエブを作成したものである。 引続いて、実験符号41〜44では上述の工程を経
たコーテツドウエブを第2表に記載した下限温度
で張力を付与した加熱エージング処理(張力7
Kg/cm2)しロール状に捲取つたところ、この処理
を済ませたコーテツドウエブについて60℃、相対
湿度80%72時間放置後の寸法変化は第2表上段右
側に示したとおり最大変化0.02%、最小変化−
0.01%(伸長0.01%)となつた。 更に、このコーテツドウエブをフレキシブルデ
イスク(5.25インチ)に打抜き、フレキシブルデ
イスクとしてのモジユレーシヨンを測定したとこ
ろ、いずれも2%と安定した状態を示した。この
フレキシブルデイスクを再度60℃、相対湿度80%
の雰囲気下に72時間放置したが、この処理によつ
てもモジユレーシヨンの変化は2〜4%と少な
く、良好な品質を示した。 これに対し、実験符号45〜47では、加熱エージ
ング処理温度を120℃〜80℃とし、下限温度(本
明細書第6頁第11行〜第14行参照)未満で処理し
たところ、コーテツドウエブの3昼夜後の寸法安
定性は第3表に示したようにやや不良となり、最
大歪0.08〜0.06%、最小歪−0.03〜−0.02%(0.03
〜0.02%伸長)を呈した。またフレキシブルデイ
スク状に打抜いて、同様に60℃、相対湿度80%で
3昼夜経過したときのモジユレーシヨンは15〜11
%に増大し、フレキシブルデイスクとしては不良
品となることが判明した。 従つて第2表の下限温度以上で張力を付与した
加熱エージング処理を施すと、寸法安定性の良好
なデイスクが得られることとなる。 また、第3表の例は第2表に示した下限温度に
達していない処理温度(夫々5℃低温条件)にお
いて張力を付与した加熱エージング処理したとこ
ろ、コーテツドウエブの寸法変化率は0.02%程度
にまでには減少せず、ウエブから打抜いたデイス
クは放置後のモジユレーシヨンが著しく大きくな
り(10%超)、良品のデイスクが得られないこと
が判つた。 なお実験符号41及び45のベースフイルムは、長
手方向の延伸倍率3.8倍、幅方向延伸倍率3.9倍、
熱固定160℃の条件で製膜し、更に190℃において
再熱処理を施したものである。また実験符号42〜
44及び46〜47のベースフイルムは、長手方向延伸
倍率3.6倍、幅方向延伸倍率3.7倍、熱固定220℃
の条件で製膜したものである。実験符号42及び46
のものは再熱処理を施していないが、実験符号
43、44及び47のものは150℃で再熱処理したもの
である。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 150℃における乾熱収縮率が3%以下である
合成樹脂シートよりなる基盤に磁性材料を塗布す
る工程、乾燥する工程を経たものを、カレンダー
により表面を平滑化する工程から基盤上に磁性層
が形成されてなる磁気記録媒体をロール状に巻取
る工程の前までの間に、該基盤を4〜10Kg/cm2の
張力下において65℃以上140℃以下の温度に少く
とも0.5秒間にわたり加熱エージングを施すこと
からなるフレキシブルデイスクに供し得る磁気記
録媒体の製造方法。 2 乾燥収縮率がS%である合成樹脂シートを基
盤とした磁気記録媒体の加熱エージングを施すに
際し、下限温度として下記式に示されるA℃を選
択することを特徴とする特許請求の範囲第1項記
載の磁気記録媒体の製造方法。 A=20×S+65
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26509185A JPS62125539A (ja) | 1985-11-27 | 1985-11-27 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26509185A JPS62125539A (ja) | 1985-11-27 | 1985-11-27 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62125539A JPS62125539A (ja) | 1987-06-06 |
JPH0461412B2 true JPH0461412B2 (ja) | 1992-09-30 |
Family
ID=17412471
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26509185A Granted JPS62125539A (ja) | 1985-11-27 | 1985-11-27 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62125539A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2764278B2 (ja) * | 1988-09-09 | 1998-06-11 | コニカ株式会社 | 磁気記録媒体の製造装置 |
-
1985
- 1985-11-27 JP JP26509185A patent/JPS62125539A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62125539A (ja) | 1987-06-06 |
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