JPH046082Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はプロジエクタ型の車輌用前照灯に関す
るものである。

〔従来技術〕

第３図は従来のプロジエクタ型前照灯の１例を
示す側面図、第４図は同じく平面図、第５図は同
じく正面図である。

１は凹面鏡、Ｚ−Ｚは上記凹面鏡の光軸であ
り、この光軸Ｚ−Ｚは前照灯の光軸に一致してい
る。Ｆは上記凹面鏡の焦点である。該焦点付近に
光源バルブ２が設置される。

前記の凹面鏡１と光軸を一致せしめて凸レンズ
３が設けられる。第４図に示したｉ−ｊは凸レン
ズ３のメリジオナル像面を示しており、光源バル
ブ２から出射して凹面鏡１で反射された光は上記
メリジオナル像面に入射する。

上記の入射光は凸レンズ３で調光されて、前方
（第３図、第４図において右方）に投射される。

前記メリジオナル像面の付近にスクリーンを設
けて等照度曲線を描くと第６図のようになる。Ｈ
−Ｈはスクリーン上の水平線、Ｖ−Ｖは同じく垂
直線である。

第３図〜第５図に示すように、メリジオナル像
面に沿つてシエード４を設ける。第５図に示した
ようにメリジオナル像面ｉ−ｊから退くようにカ
ツトライン４ａが形成されている。

このようにして、シエード４によつて部分的に
覆われた光束は、メリジオナル像面近傍に集光し
て交差するので、前照灯の前方にスクリーンを置
いて等照度曲線を描くと、第７図に示すように、
第６図を反転させた形の配光パターンが得られ
る。

この従来例の左側通行用に構成されたものであ
り、右側通行用の場合は第５図乃至第７図が左右
勝手違いとなるように構成される。

前記のシエード４は、第４図に表わされている
ようにメリジオナル像面ｉ−ｊに沿つた円筒状、
乃至は仮想線で示した４′のような平板状に構成
される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述の従来例のプロジエクタ型前照灯を設置し
た車輌において、積荷が増加したり乗車人員が増
えたりすると、車輌の懸架スプリングが撓んで前
照灯の照射方向が上向きに偏り、第８図に例示す
る如く対向車線側のＨ−Ｈライン上方に投光し、
対向車に眩惑を与えるという問題がある。

本考案は上述の事情に鑑みて為されたもので、
前照灯のランプハウジングを車体に対して固定し
たまま運転席において照射方向を上下に調整し得
るプロジエクタ型の車輌用前照灯を提供しようと
するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成する為、本考案に係る前照灯
は、凹面鏡の焦点の近傍に光源バルブを設置し、
上記の光源バルブから出射した光が凹面鏡で反射
されてカツトラインを有するシエード近傍で焦点
を結び、上記の反射光を凸レンズによつて投射す
るプロジエクタ型の車輌用前照灯において、前記
の凸レンズを上下方向に平行移動せしめる案内手
段、および該凸レンズを上下に駆動する手段を設
けて、 上記凸レンズの中心軸を前記凹面鏡の光軸に対
して平行に保ちつつ、該凸レンズの位置を上下に
調節し得るように構成したことを特徴とする。

〔作用〕

上記のように構成したプロジエクタ型前照灯に
おいては、凸レンズを下げた状態にすると該凸レ
ンズの中心軸が前照灯の光軸に対して平行に保ち
つつ下方に偏り、対向車に眩惑を与えることがな
くなる。

〔実施例〕

次に、本考案の１実施例を第１図について説明
する。

１はリフレクタ、２は光源バルブ、２ａはフイ
ラメント、５はシエードである。

本例の凸レンズ３は鏡胴７に取り付けてあり、
該鏡胴７をランプハウジング６に対して上下摺動
自在に支承してある。これにより凸レンズ３は上
下に平行移動するように案内される。

一方、ランプハウジング６に対して駆動モータ
８を設置する。本例の駆動モータ８は車輌の運転
席から正、逆転自在、かつ回転、停止自在にリモ
ートコントロールされる。

上記駆動モータ８は減速歯車群９を介してウオ
ーム歯車１０を回転させる。

前記の上下摺動可能な鏡胴７にラツク歯車７ａ
を形成して前記のウオーム歯車１０に噛合させ
る。これにより、駆動モータ８を操作して鏡胴７
及び凸レンズ３を上下に駆動することが出来る。

鏡胴７を下降させて凸レンズ３を３′位置（鎖
線で示す）に下降させると、該凸レンズ３の中心
軸３ｚが、当該前照灯の光軸Ｚ−Ｚに比して寸法
ｈだけ低くなる。

凸レンズを実線位置３に上昇させると、該凸レ
ンズ３の中心軸は前照灯光軸Ｚ−Ｚに一致する。

凸レンズ３が実線位置にあるとき光の経路は次
記の如くである。矢印a₁は、フイラメント２ａか
ら出射して、リタフレクタ１の下端部の点P₁で
反射した光束の中心線を示している。フイラメン
ト２ａが若干の大きさを有しているため、点P₁
で反射した光束は、矢印b₁〜c₁の範囲に角φ₁の拡
がりを有している。

同様に、リフレクタ１の上端部の点P₃で反射
した光束は、矢印a₃を中心として矢印b₃〜c₃の範
囲に角φ₃の拡がりを有している。

リフレクタ１の中央付近の点P₂で反射した光
束は、矢印a₂を中心として矢印b₂〜c₂の範囲に角
φ₂の拡がりを有している。

第１図に破線矢印で示した光路c₁，c₂，c₃はシ
エード５で遮られる光路を表わしている。実線矢
印で示した光路a₁，b₁，a₂，b₂，a₃，b₃はシエー
ド５で遮られない。このため、第６図について説
明したように調光されてカツトラインが形成され
る。

第８図のように投光方向が上方に偏つている状
態において、凸レンズを寸法ｈだけ下げて３′位
置にすると、第１図に示した如く凸レンズに入射
する光a₁，b₁，c₁〜a₃，b₃，c₃は該凸レンズ３′
の下降により、凸レンズ３′通過の後は図示の方
向よりも下方に偏る。このため、前照灯前方のス
クリーンを照射した場合の配光パターンは第８図
の状態から第７図の状態に接近する。そして、凸
レンズ３の上下方向位置を適宜に調節すると、実
用上必要な精度範囲内で完全に第７図の配光パタ
ーンに一致させることが出来る。

第２図は前記と異なる実施例を示す。前例（第
１図）に比して異なるところは次の如くである。

鏡胴７の下方に雄ネジ部材７ｂを一体に連設し
て雌ネジ付受歯車１１に螺合するとともに、モー
タ８により減速歯車群９を介して前記の受歯車１
１を正、逆転自在に駆動し得るように構成する。
これにより凸レンズを上昇位置３と下降位置３′
との間に自在に調節することが出来、第１図に示
した実施例と同様の作用、効果が得られる。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案のプロジエクタ型
の車輌用前照灯によれば、ランプハウジングを動
かすことなく運転席において照射方向を任意に調
節することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用して改良したプロジエク
タ型の車輌用前照灯の１実施例の縦断面図であ
る。第２図は上記と異なる実施例の縦断面図であ
る。第３図は従来例のプロジエクタ型の車輌用前
照灯の側面図、第４図は同じく平面図、第５図は
同じく正面図、第６図及び第７図は同じく光学的
機能を説明する為の図表である。第８図は本考案
のプロジエクタ型の前照灯の目的及び作用効果説
明の為の図表である。 １……凹面鏡、２……光源バルブ、２ａ……フ
イラメント、３……凸レンズ、４……シエード、
４ａ……カツトライン、５……シエード、８，
８′……駆動モータ、９……減速歯車群、１０…
…ウオーム歯車、１１……ラツク歯車。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 凹面鏡の焦点の近傍に光源バルブを設置し、上
   記の光源バルブから出射した光が凹面鏡で反射さ
   れてカツトラインを有するシエード近傍で焦点を
   結び、上記凹面鏡で反射されシエード近傍で焦点
   を結んだ光を凸レンズによつて投射するプロジエ
   クタ型の車輌用前照灯において、 前記の凸レンズを上下方向に平行移動せしめる
   案内手段、および該凸レンズを上下に駆動する手
   段を設けて、 上記凸レンズの中心軸を前記凹面鏡の光軸に対
   して平行に保ちつつ、該凸レンズの位置を上下に
   調節し得るように構成したことを特徴とするプロ
   ジエクタ型の車輌用前照灯。