JPH0456665B2 - - Google Patents

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JPH0456665B2
JPH0456665B2 JP59065085A JP6508584A JPH0456665B2 JP H0456665 B2 JPH0456665 B2 JP H0456665B2 JP 59065085 A JP59065085 A JP 59065085A JP 6508584 A JP6508584 A JP 6508584A JP H0456665 B2 JPH0456665 B2 JP H0456665B2
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acid
quinoline
water
reaction
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Hideaki Tsuneki
Rikuo Uejima
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は酸化用触媒およびその調製法に関す
る。詳しく述べると本発明はメタクロレイン、イ
ソブチルアルデヒドおよびイソ酪酸などの炭素数
4の脂肪族アルデヒドあるいは脂肪酸をそれぞれ
接触気相酸化し、メタクリル酸を製造するための
ヘテロポリ酸化合物触媒およびその調製法に関す
る。 ヘテロポリ酸は強い酸性を示し、また酸化剤と
なり他の物質を容易に酸化し、それ自体還元され
るが適当な酸素源の存在下で容易に再酸化される
ことから気相酸化用触媒としての能力が高く評価
され、近年とくにヘテロポリ酸化合物の中でもモ
リブドバナドリン酸において研究開発が活発にな
されている。 具体的に述べると、メタクロレイン、イソブチ
ルアルデヒドおよびイソ酪酸のいずれかを原料に
用い気相酸化せしめてメタクリル酸を製造する一
般的な工程において触媒としてヘテロポリ酸化合
物の一種であるモリブドバナドリン酸の使用が数
多く提案されている。モリブドバナドリン酸は気
相酸化において強い酸化活性を有することを特徴
とはしているが、反面その強い酸化力の故に、目
的生成物が更に酸化される逐次反応がおこりやす
く目的生成物を選択性よくかつ収率よくえること
が困難であるという欠点を有している。そしてま
たモリブドバナドリン酸は実用触媒の製造という
点から見れば触媒の成型性および機械的強度が非
常に悪く、強度を増す種々の製法をとつた場合、
触媒の物性の変化により収率が低下するのが一般
的であり、工業的使用に十分耐えうる強度を持ち
かつ収率も十分満足できる触媒をえるということ
が困難であつた。 モリブドバナドリン酸あるいはリン−モリブデ
ンを生成分としてこれに他の元素を加えた組成物
を触媒として使用し、メタクロレイン、イソブチ
ルアルデヒドおよびイソ酪酸のなかからえらばれ
た一種を原料とし気相酸化せしめメタクリル酸を
製造する例としては、特開昭48−15817号、特開
昭49−126616号、特開昭52−105113号、特開昭53
−82715号、特開昭55−100324号、特開昭56−
15238号、特公昭50−23013号各公報などに報告さ
れている。しかしながらこれらは目的物であるメ
タクリル酸の収率は低く工業的使用に際して満足
できるものではない。 また、特開昭57−12830号公報にモリブドバナ
ドリン酸を5員環および/または6員環の含窒素
ヘテロ環化合物の存在下に触媒組成物を調製する
方法が開示されているが、これらの方法による触
媒を用いた場合メタクリル酸の収率はかなり高い
ものの、反応時における原料ガスの空間速度が低
く、そのためメタクリル酸空時収率が低く工業的
触媒性能としては不満の残るところである。 本発明者らは、モリブドバナドリン酸の構造、
メタクリル酸生成のための活性、選択性および触
媒強度について鋭意研究を重ねた結果、キノリン
類および/またはキノリン類誘導体の存在下に調
製された、立方晶系の結晶構造をもつリン−モリ
ブデン−バナジウムおよび酸素からなるモリブド
バナドリン酸を触媒とし、たとえばメタクロレイ
ンの触媒気相酸化をおこなつたところメタクリル
酸への選択率、収率および活性とも非常にすぐれ
たものとなり、しかも触媒強度が非常に改善され
ることを見い出し、ここに気相酸化に有利な触媒
およびその調製法を完成するに至つた。 すなわち、本発明は以下の如く特定されるもの
である。 (1) 格子定数が約11.85Åの立方晶系の結晶構造
を有してなることを特徴とする遊離のモリブド
バナドリン酸よりなる酸化触媒。 (2) キノリン酸および/またはキノリン類誘導体
の存在下に調製されてなることを特徴とする格
子定数が約11.85Åの立方晶系の結晶構造を有
してなる遊離のモリブドバナドリン酸よりなる
酸化触媒の調製法。 以下さらに詳しく本発明を説明する。本発明に
おいて使用されるキノリン類およびその誘導体
は、モリブドバナドリン酸と水不溶性の塩を形成
し、しかも容易に脱離可能な化合物があげられ
る。とくに好ましいキノリン類化合物としてはキ
ノリン、イソキノリンあるいはメチルキノリンで
あり、それらの誘導体化合物としてとくにこれら
化合物を硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩といつた水溶性
の無機塩類として使用することが好ましい。 上記以外の含窒素化合物、たとえばメチルアミ
ン、エチルアミンなどの如き脂肪族アミンは触媒
調製時ヘテロポリ酸による分解反応が起つたりし
て、目的とする塩はえられず、またピリジン、ピ
ペラジン、ピロリンなどの含窒素ヘテロ環化合物
を用いた場合には、同様の不溶性のモリブドバナ
ドリン酸塩を生成するものの、えられる触媒の細
孔容積および比表面積が不十分なため、空間速度
の高い場合には十分な活性をえることが困難であ
つた。 本発明触媒の調製に際し、原料物質としては、
種々のものが使用できる。 モリブデン化合物としては、たとえば三酸化モ
リブデン、モリブデン酸、モリブデン酸ナトリウ
ム、パラモリブデン酸アンモニウム、モリブドリ
ン酸など。 バナジウム化合物としては、たとえば五酸化バ
ナジウム、メタバナジン酸アンモニウム、メタバ
ナジン酸ナトリウム、シユウ酸バナジル、硫酸バ
ナジルなど。 リン化合物としては、たとえばオルトリン酸、
リン酸水素=ナトリウム、リン酸−アンモニウ
ム、リン酸=アンモニウムなどがそれぞれ例示さ
れる。 本発明におけるモリブドバナドリン酸の調製に
おけるキノリン酸の作用をたとえばキノリンを用
いた場合について述べると次の通りである。公知
の方法で調製した原子比でP:Mo:V=1:
11:1で表わされる組成のモリブドバナドリン酸
はきわめて水溶性の化合物でその結晶構造は、含
有する結晶水により大きく変化する。すなわち高
含水量(モリブドバナドリン酸1分子に対し水29
〜30分子)のときは、格子定数約23.5Åのダイヤ
モンド型の構造をとり、また中含水量(モリブド
バナドリン酸1分子に対し水13〜14分子)のとき
は三斜晶系の構造をとり、X線回折(対陰極Cu
−Kα)による測定では、回折線は2θが7.9°、
8.9゜、9.2゜、26.8゜および27.1゜等に数多く見られる
ことが知られている。 モリブドバナドリン酸を水に溶解すると、赤褐
色の溶液となるがこれにキノリンの硝酸塩水溶液
を添加していくと橙黄色の沈澱が生成し、上澄液
は無色透明になる。この沈澱の赤外線吸収スペク
トルからキノリニウムイオンの存在が確認され、
またキノリンに帰属される吸収はないことからモ
リブドバナドリン酸キノリニウム塩を生成する反
応は量論的であり、余分なキノリンの吸着等はな
いと考えられる。この沈澱は1価の塩基との塩で
あるにもかかわらずX線回折の測定によると、こ
の階段での構造はアルカリ金属塩、アンモニウム
塩、ピリジニウム塩のごとき立方晶系構造をとら
ず、きわめて非晶質であり、この結晶状態の違い
がえられた触媒の高活性に寄与していると考えら
れる。 えられたこの沈澱をさらに窒素気流中300〜600
℃の高温で処理すると濃紺の還元色に変化し、こ
れを空気中再び200〜400℃の範囲で処理すると黄
緑色の物質がえられる。この物質の赤外線吸収ス
ペクトルの測定結果では、キノリンおよびキノリ
ニウムイオンに帰属される吸収はなく、モリブド
バナドリン酸の特性吸収のみが認められた。 X線回折の測定結果では、格子定数約11.85Å
の立方晶系の結晶構造をもつことが認められ、出
発物質である遊離のモリブドバナドリン酸あるい
はキノリンとの反応で生成したモリブドバナドリ
ン酸キノリニウム塩などの結晶構造とは異なり、
モリブドバナドリン酸のアルカリ金属塩と類似の
結晶構造であつた。 またX線回折線図の線幅が大きく、この物質は
きわめて微細な結晶からなることが認められた。 そしてまた、えられた物質は水溶性であり、水
に溶解したのち、該水溶液を蒸発乾燥後、X線回
折の測定をおこなつたところ2θが約8.9゜約26.8゜の
ときに回折線が現われ、その結晶構造は遊離のモ
リブドバナドリン酸の三斜晶系の構造に近いもの
であつた。このことから、キノリンはモリブドバ
ナドリン酸の結晶構造をそれのアルカリ金属塩な
どに見られる立方晶系の構造に変えると共に結晶
を微細にする作用を有することが分つた。またキ
ノリン以外のキノリン類化合物やその誘導体を用
いた場合にもいずれも同様の作用が認められた。 次に本発明による触媒調製法をたとえば、キノ
リンを用いて調製した場合を例として述べる。 公知の方法でえられたモリブドバナドリン酸を
水に溶解し、そこへキノリンの無機塩(たとえば
硫酸キノリンなど)水溶液を加え、水に不溶性の
沈澱をえる。もしくはモリブデン、バナジウムお
よびリンそれぞれの水溶性化合物を水に溶解しキ
ノリンの無機塩水溶液を加え、溶液を酸性に調製
して水に不溶性の沈澱をえる。これらの沈澱はX
線回折および赤外線吸収スペクトルの測定結果か
らモリブドバナドリン酸のキノリニウム塩と認め
られ、またこの沈澱は公知の方法でえられるモリ
ブドバナドリン酸のアルカリ金属塩かアンモニウ
ム塩が過困難であるのにくらべ粒子が大きいた
め容易に過でき触媒調製上きわめて大きな有利
性を有する。かくしてえられた不溶性物質を出発
原料とし、成型をおこない触媒先駆体をえる。つ
ぎにこの先駆体に含まれる揮発成分を除去するた
め高温て乾燥する。温度については揮発成分の種
類および物性により異なるが100〜300℃の範囲で
ある。また乾燥に際し雰囲気中の酸素濃度は揮発
性分の分解抑制からも5%(容量濃度)以下にす
ることが好ましい。つぎにこの乾燥品をさらに不
活性ガス(たとえば窒素、ヘリウム、アルゴン、
炭素ガスなど)あるいは還元性ガス(たとえば一
酸化炭素、メタン、エタン、プロパンなど)の雰
囲気中、300〜600℃の範囲で常圧もしくは減圧下
に加熱して、キノリンを完全に脱離せしめ、さら
に空気気流中200〜400℃の範囲で活性化をおこな
い触媒とする。 あるいはまたは、上記乾燥品を、空気を不活性
ガスで希釈し、酸素濃度を5%(容量濃度)以下
とした雰囲気下で室温より350〜400℃の範囲まで
昇温しキノリンの脱離と活性化を同時におこない
触媒としてもよい。 これら本発明の触媒を気相酸化によるメタクリ
ル酸の製造に用いた場合、その選択性および触媒
の活性ともキノリン処理をほどこさない触媒にく
らべ非常にすぐれており、しかもこの触媒は性能
が良いばかりでなく、キノリン類および/または
キノリン類誘導体を用いることにより比表面積が
10〜14m3/gとキノリン類を用いない場合にくら
べて2〜6倍と大きくなり、細孔容積も0.35〜
0.45ml/gとキノリン類を用いない場合にくらべ
て1.5〜3倍に増加し、その結果より多孔質とな
つて出来上り触媒の嵩比重が小さくなると共に、
触媒の成型性、機械的強度さらには調製時の再現
性も非常に良くなることが確認された。 本発明に従つて触媒の調製時にキノリンまたは
その誘導体を用いない場合は調製時の沈澱過お
よび成型が困難であり、たとえば成型助剤を添加
し成型した場合でも触媒強度、粉化度とも若干は
改良されるものの、反面性能低下がいちじるしく
実用触媒として使用できないものである。またキ
ノリン類またはその誘導体の代りにピリジンなど
を使用した場合、触媒性能および強度とも改善さ
れるものの、空時収率がいまだ低く経済性からす
れば不満の残るところである。 この事実からも本発明におけるキノリン類およ
びその誘導体の使用効果がいかに大きいかがわか
るものである。 本発明によるこれらの効果は、キノリン類およ
びその誘導体によるモリブドバナドリン酸の結晶
構造さらに触媒の表面および細孔構造に変化をお
よぼす効果と考えられる。その結果活性が高くな
り、それ故空時収率が飛躍的に大きくなるという
利点が導びかれた。 これらの触媒は性能が良いばかりでなく、それ
自体成型性もよく、また機械的強度も強く、した
がつて無担体でも使用できるが酸化反応に使用し
た場合の触媒層での除熱効果を考えれば担体の使
用も可能である。担体としては一般的には不活性
な担体たとえばシリカ、アルミナ、セライト、シ
リコンカーバイドなどが好ましいが、これらに限
定されるものではない。 本発明の調製に際して、キノリン類およびその
誘導体の添加時期は先に述べた時期のほか、触媒
原料物質すべてを水溶液中で混合する階段でもよ
い。キノリン類およびその誘導体の使用量はモリ
ブドバナドリン酸の10倍モルまでの量で用いるこ
とができるが、好ましくは0.5〜6倍モルの範囲
である。またキノリン類およびその誘導体と他の
含窒素ヘテロ環化合物たとえばピリジンなどと併
用することも可能である。 本発明の触媒は、メタクロレインおよび/また
はイソブチルアルデヒドおよび/またはイソ酪酸
などを含有する反応ガスの気相酸化反応に使用さ
れる。酸素源としては工業的には空気が有利であ
る。希釈剤としては、たとえば窒素、炭酸ガス、
ヘリウム、アルゴンの如き不活性ガス、一酸化炭
素、水蒸気などを用いることができるが水蒸気の
使用は収率向上に好ましい。 酸化反応において対象とされる原料濃度は0.5
〜10容量%の範囲が好ましい。また原料に対する
酸素の容量比は0.5〜10の範囲で、好ましくは1
〜5の範囲である。原料ガスの空間速度は500〜
10000hr-1(STP)の範囲で、好ましくは1000〜
5000hr-1(STP)の範囲が適当である。また反応
温度は用いる原料の種類にもよるが220〜350℃の
範囲である。 本発明による触媒を用いるに際し、反応装置は
一般に固定床の形式のものを用いるが、流動床、
移動床のいずれの形式のものを用いることができ
る。 以下本発明による触媒の調製法およびそれを用
いての反応例を具体的に説明するが、実施例およ
び比較例中の転化率、選択率および単流収率はつ
ぎの定義に従うものとする。 転化率(%)=消費したアルデヒドまたは酸のモル数/
供給したアルデヒドまたは酸のモル数×100 選択率(%)=生成したメタクリル酸のモル数/消費し
たアルデヒドまたは酸のモル数×100 単流収率(%)=生成したメタクリル酸またはメタクロ
レインのモル数/供給したアルデヒドまたは酸のモル数
×100 実施例 1 三酸化モリブデン144.0g、五酸化バナジウム
8.27gおよびリン酸(85重量%)10.5gを水1
に加え5時間加熱還流した。えられた暗赤色の溶
液を過し、微量の不溶性固体を別した後濃縮
乾固し、赤褐色の結晶をえた。X線回折、螢光X
線分析および赤外吸収スペクトルによる測定結果
から、この結晶は酸素を除く原子比でP:Mo:
V=1.09:12:1.09なる組成の三斜晶系の構造の
モリブドバナドリン酸であることを確認した。え
られた結晶を乾燥しそのうちの81.7gを温水100
mlに溶解し、これに、キノリン21.5gを濃度2規
定の硝酸水溶液83.3mlに溶解した溶液を添加する
と、不溶性の沈澱が生じた。この沈澱を過し、
水洗後、直径5mm、高さ5mmの円柱状に成型し、
150℃で乾燥し、窒素気流中430℃で4時間焼成
し、つづいて空気気流中350℃で3時間焼成する
ことによつて、酸素を除く原子比でP:Mo:V
=1:11:1なる組成の触媒酸化物をえた。この
触媒は成型性がよく、また圧縮破壊強度が3.0
Kg/ペレツト以上であり、十分な機械的強度をも
つたものであつた。またこの触媒のBET比表面
積、細孔容積および充填密度は、それぞれ12.8
m3/g、0.39ml/gおよび0.78g/cm2であつた。
この触媒の赤外吸収スペクトルではキノリンおよ
びキノリニウムイオンの特性吸収はまつたく認め
られず、モリブドバナドリン酸に特有の吸収のみ
が見られた。この触媒は水溶性であり、遊離のモ
リブドバナドリン酸に特有の性質を示した。しか
しX線回折の測定では主な回折線(Cu−Kα)
は、2θが26.0°、10.5°、18.3°、21.2°、35.5°等
のと
きに現われ、格子定数が約11.85Åの立方晶系の
構造であることがわかり、遊離のモリブドバナド
リン酸で通常みられる三斜晶系の構造とはまつた
く異なつており、モリブドバナドリン酸アルカリ
金属塩のそれに近いものであつた。この触媒50ml
を内径25mmのステンレス製U字管に充填し310℃
の溶融塩浴中に浸漬し、該管内に容量比でメタク
ロレイン:酸素:窒素:水蒸気=1:3:36:10
の原料混合ガスを空間速度2000hr-1で通じ表1に
示す結果をえた。 比較例 1 実施例1において、キノリンを添加する前にえ
た乾燥したモリブドバナドリン酸を粉砕し、直径
5mm、高さ5mmの円柱形に成型し、空気気流中
350℃で3時間焼成して触媒とした。なおこの触
媒は成型性も悪く圧縮破壊強度も1Kg/ペレツト
以下と弱く、そして比表面積、細孔容量とも実施
例1の触媒にくらべかなり小さく、しかも嵩比重
は極端に大きいものであつた。X線回折の測定で
は2θが8.9゜および26.8゜のとき主な回折線が現わ
れ、その結晶構造は三斜晶系のモリブドバナドリ
ン酸に近いものであつた。この触媒を用い実施例
1と同じ条件で反応をおこなつて表2に示す結果
をえた。 比較例 2 実施例1において使用するキノリンをピリジン
にかえ、またその量を13.6gとした以外は実施例
1と同様の調製法で触媒をえた。この触媒のX線
回折の測定結果からその結晶構造は実施例1と同
様の立方晶系ではあつたが、比表面積および細孔
容積は実施例1の触媒にくらべかなり小さいもの
であつた。この触媒を用い実施例1と同じ条件で
反応をおこない表2の結果をえた。 実施例 2 実施例1において用いたキノリンをイソキノリ
ンにかえた以外は、同様に調製し触媒をえた。こ
の触媒はX線回折の測定結果から実施例1の触媒
と同様、立方晶系の構造をもつことがわかつた。
この触媒を用い反応温度を315℃とした以外は実
施例1と同じ条件で反応をおこない表1の結果を
えた。 実施例 3 実施例1において用いるキノリンをメチルキノ
リンにかえまたその使用量を23.9gとした以外は
同様に調製し触媒をえた。この触媒を用い反応温
度を300℃とした以外は実施例1と同じ条件で反
応をおこない表1の結果をえた。 実施例 4 加熱した水200mlにパラモリブデン酸アンモニ
ウム88.3gとメタバナジン酸アンモニウム5.3g
を溶解し撹拌した。この溶液にリン酸(85重量
%)5.24gを加えつづいてキノリン21.5gを10規
定の硝酸水溶液90mlに溶解した溶液を加えると橙
黄色の沈澱が生じた。これを過しえられた粘土
状物質を直径5mm、高さ5mmの円柱形に成型し
200℃で15時間乾燥後窒素気流中430℃で3時間焼
成し、つづいて空気気流中350℃で3時間焼成し
酸素を除く原子比でP:Mo:V=1:11:1な
る組成の触媒をえた。この触媒は実施例1と同
様、遊離のモリブドバナドリン酸でありながら、
立方晶系の結晶構造をもつことがX線回折および
赤外吸収スペクトルの測定結果から明らかとなつ
た。なおこの触媒は成型性もよく圧縮破壊強度も
3.0Kg/ペレツト以上であつた。この触媒を用い
反応温度を320℃とした以外は実施例1と同じ条
件で反応をおこない表1の結果をえた。 比較例 3 実施例4において、キノリンを加えない以外
は、同様の調製法で触媒をえた。この触媒を用
い、実施例4と同じ条件で反応をおこない表2の
結果をえた。 比較例 4 実施例4において、キノリンを使用する代りに
ピリジン13.6gを用いる以外は、同様の調製法で
触媒をえた。この触媒を用い実施例4と同じ条件
で反応をおこない表2の結果をえた。 実施例 5 実施例1の触媒を用い原料のメタクロレインを
イソブチルアルデヒドにかえた以外は実施例1と
同じ条件で反応をおこない表3に示す結果をえ
た。 比較例 5 比較例1の触媒を用い実施例5の反応と同じ条
件でイソブチルアルデヒドの酸化をおこなつたと
ころ表3に示す結果となつた。 実施例 6 実施例1の触媒50mlを内径25mmのステンレス管
U字管に充填し310℃の溶融塩浴中に浸漬し、該
管内に容量比でイソ酪酸:酸素:窒素:水蒸気=
1:1:22:1の原料ガスを空間速度3000hr-1
通じイソ酪酸の酸化をおこない表3に示す結果を
えた。 比較例 6 比較例1の触媒を用い、実施例6の反応と同じ
条件でイソ酪酸の酸化をおこなつたところ表3に
示す結果となつた。
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 格子定数が約11.85Åの立方晶系の結晶構造
    を有してなることを特徴とする遊離のモリブドバ
    ナドリン酸よりなる酸化触媒。 2 キノリン類および/またはキノリン類誘導体
    の存在下に調製されてなることを特徴とする格子
    定数が約11.85Åの立方晶系の結晶構造を有して
    なる遊離のモリブドバナドリン酸よりなる酸化触
    媒の調製法。
JP59065085A 1984-04-03 1984-04-03 酸化用触媒およびその調製法 Granted JPS60209259A (ja)

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JP59065085A JPS60209259A (ja) 1984-04-03 1984-04-03 酸化用触媒およびその調製法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4895303B2 (ja) * 2007-08-24 2012-03-14 三菱レイヨン株式会社 メタクリル酸製造用触媒の製造方法、メタクリル酸製造用触媒およびメタクリル酸の製造方法

Citations (2)

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JPS5712830A (en) * 1980-06-26 1982-01-22 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd Oxidation catalyst and its preparation
JPS57171443A (en) * 1981-04-16 1982-10-22 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd Oxidizing catalyst and preparation thereof

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JPS60209259A (ja) 1985-10-21

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