JPH0455378B2 - - Google Patents

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JPH0455378B2
JPH0455378B2 JP61075519A JP7551986A JPH0455378B2 JP H0455378 B2 JPH0455378 B2 JP H0455378B2 JP 61075519 A JP61075519 A JP 61075519A JP 7551986 A JP7551986 A JP 7551986A JP H0455378 B2 JPH0455378 B2 JP H0455378B2
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biaxially oriented
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less
polyester film
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Tomio Katayama
Hideo Kato
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Teijin Ltd
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Publication of JPH0455378B2 publication Critical patent/JPH0455378B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は二軸配向ポリエステルフイルムに関
し、更に詳しくは走行性、耐久性、寸法安定性、
更には転写性に優れた二軸配向ポリエステルフイ
ルム、殊にプリンター転写機のベースフイルムと
して有用な二軸配向ポリエステルフイルムに関す
る。 従来技術 プリンター用転写リボンの基体には、ポリエス
テルフイルムが耐薬品性、強度、弾性率、耐熱
性、結晶性、高融点等の優れた性質を有する点か
ら広く用いられている。 しかし、従来の二軸配向ポリエステルフイルム
を用いたインク転写リボンでは、例えばドツトイ
ンパクト方式による転写時における印字部の打た
れ残りによるフイルムの変形や伸びが生じたり、
更にはインク層塗工工程中又はその後のエージン
グ期間中に、いわゆる加工原反(ロール状)が巻
きじまりを生じるため、二軸配向ポリエステル基
体に塗布したインク層がリボンの反対面(走行
面)に転写してリボンの走行面を汚し、これが走
行系のガイドポスト等の接触部に徐々にインクを
蓄積させ、リボンの走行を阻害し、極端な場合に
はリボンが動かなくなる等のトラブルが生じ、こ
の改善が必要であつた。 発明の目的 本発明の目的は、寸法安定性、走行性、耐久
性、更には転写性に優れた二軸配向ポリエステル
フイルムを提供することにある。また本発明の他
の目的は、プリンター用転写材、殊にリボンのベ
ースとして有用な二軸配向ポリエステルフイルム
を提供することにある。 発明の構成・効果 本発明のかかる目的は、本発明によれば、厚さ
1〜25μmの二軸配向ポリエステルフイルムであ
つて、該フイルムの縦方向のヤング率が450〜800
Kg/mm2であり、70℃で1時間無荷重下で熱処理し
たときの縦方向の熱収縮率が0.10%以下であり、
更に150℃で30分間熱処理したときの横方向の熱
収縮率が7%以下であり、かつ該フイルムの表面
が、三次元粗さ計で測定した突起数(Y:ケ/
mm2)と突起高さ(X:μm)との関係が表わす突
起分布曲線がlog10Y>1.3の領域において下記式
(1) log10Y=−1.8×+3.9 ……(1) で表わされる線と交差せず、更に該突起分布の最
大値及び該最大値を越えた部分の曲線が下記式(2) log10Y≧−3.6×+2.8 ……(2) を満足する範囲にある表面特性を有することを特
徴とする二軸配向ポリエステルフイルムによつて
達成される。 本発明におけるポリエステルとは芳香族ジカル
ボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルであ
る。かかるポリエステルは実質的に線状であり、
そしてフイルム形成性特に溶融成形によるフイル
ム形成性を有する。芳香族ジカルボン酸とは、例
えばテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イ
ソフタル酸、ジフエノキシエタンジカルボン酸、
ジフエニルジカルボン酸、ジフエニルエーテルジ
カルボン酸、ジフエニルスルホンジカルボン酸、
ジフエニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジ
カルボン酸等である。脂肪族グリコールとは、例
えばエチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレン
グリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメ
チレングリコールの如き炭素数2〜10のポリメチ
レングリコールあるいはシクロヘキサンジメタノ
ールの如き脂環族ジオール等である。 本発明において、ポリエステルとしては例えば
アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレン
ナフタレートを主たる構成成分とするものが好ま
しく用いられる。かかるポリエステルのうちでも
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートはもちろんのこと、例
えば全ジカリボン酸成分の80モル%以上がテレフ
タル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン
酸であり、全グリコール成分の80モル%以上がエ
チレングリコールである共重合体が特に好まし
い。その際全酸成分の20モル%以下のジカルボン
酸は上記芳香族ジカルボン酸であることができ、
また例えばアジピン酸、セバチン酸の如き脂肪族
ジカルボン酸;シクロヘキサン−1,4−ジカル
ボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等であることが
できる。また、全グリコール成分の20モル%以下
は、エチレングリコール以外の上記グリコールで
あることができ、あるいは例えばハイドロキノ
ン、レゾルシノール、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフエニル)プロパンの如き芳香族ジオール;
1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンの如き芳香
族を含む脂肪族ジオールオー;ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールの如きポリアルキレングリコ
ール(ポリオキシアルキレングリコール)等であ
ることもできる。 また、本発明で用いられるポリエステルには、
例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ
酸;ω−ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキ
シ酸等のオキシカルボン酸に由来する成分を、ジ
カルボン酸成分およびオキシカルボン酸成分の総
量ち対し20モル%以下で含有するものも包含され
る。さらに本発明におけるポリエステルには実質
的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し
2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン
酸又はポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリツ
ト酸、ペンタエリスリトールを共重合したものを
包含される。 上記ポリエステルは、それ自体公知であり、且
つそれ自体公知の方法で製造することができる。 上記ポリエステルとしては、o−クロロフエノ
ール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘
度が約0.4〜約0.9のものが好ましい。 また、上述のポリエステルは必要に応じて、安
定剤、着色剤、酸化防止剤等の添加剤を含有する
ものであつてもよい。 本発明における二軸配向ポリエステルフイルム
は、上述のポリエステルから製造される二軸配向
フイルムであり、かつ該フイルムは縦方向のヤン
グ率450〜800Kg/mm2、好ましくは500〜750Kg/
mm2、更に好ましくは520〜700Kg/mm2の特性を有す
るものである。なお、フイルムの縦方向はフイル
ムの長尺方向例えばインキ転写リボンの長手方向
と一致する。この縦方向のヤング率が450Kg/mm2
未満であると、フイルムが伸びやすく、弾性回復
しにくいため、例えば転写リボンのベースとして
用いて印字すると、印字部は印字圧力による塑性
変形が生じ、必要以上に太く印字される等印字の
鮮明性が悪く、又該変形のため転写リボンの巻取
りの取扱い性が劣る等で好ましくない。また、縦
方向のヤング率が800Kg/mm2を越えると、剛性が
強いため、例えば印字の圧力のためにフイルムが
裂けやすくなり、好ましくない。 更に、上記二軸配向ポリエステルフイルムは無
荷重の状態で70℃の熱風中に1時間曝した時の熱
収縮率が縦方向で0.10%以下である必要があり、
好ましくは0.08%以下である。このようなフイル
ムを基体として加工したプリンター転写材は加工
工程、特に乾燥、エージング等での巻きじまりが
生じにくく、インクの反対面(走行面)への転写
を抑えるためにより好ましい。 本発明においては横方向の熱収と後述する加熱
ロール走行時のしわの状態及びロール形状での巻
姿の点から、150℃で30分熱処理したときの二軸
配向ポリエステルフイルムの横方向の熱収縮率が
7%如何である必要があり、好ましくは4%以
下、更に好ましくは2%以下である。この熱収縮
率が7%より大きい場合は後述する弛緩処理時の
巾収縮が大きくなるだけでなく、プリンター用転
写リボンに加工する段階即ち、塗布、乾燥後の工
程で収縮を起すことによる厚斑の悪化、歩留の低
下等をもたらすので好ましくない。 更に使用時の問題点として、熱収縮率が7%よ
り大きいと特に感熱プリンター用の転写リボンに
用いたときにリボンの変形が激しく、印字の鮮明
性が劣るとともに該変形のため転写リボンの巻取
り取扱い性が劣るようになり、またドツトインパ
クト方式においても熱処理率が7%を越える程の
ものは、印字部の変形が生じやすくなるので好ま
しくない。 又、本発明におけるポリエステルフイルムの厚
さは1〜25μmが汎用的であり、好ましくは2〜
10μm、更に好ましくは3〜8μmである。フイル
ムの厚さが上述の範囲よりも薄いと強度が不足し
て、転写リボンとしたときの適性に欠け、更には
加工適性の面からも劣つたものとなり、一方上述
の範囲よりも厚いと、特に感熱転写方式では熱伝
達に時間がかかり記録速度を速めてしかも鮮明な
転写画質を得るには適さなくなるので好ましくな
い。 本発明における二軸配向ポリエステルフイルム
は、上述の縦方向ヤング率、熱収縮率及び厚さを
満足すると同時に、表面が三次元粗さ計で測定し
た突起数(Y:ケ/mm2)と突起高さ(X:μm)
との関係を表わす突起分布曲線がlog10Y>1.3の
領域において上記式(1)で表わされる線と交差せ
ず、更に該突起分布の最大値及び酸最大値を越え
た部分の曲線が上記式(2)を満足する範囲にある表
面特性を有する必要がある。フイルム表面粗さが
式log10=−3.6×+2.8で表わされる直線を下まわ
るか或は最大値を越えた部分で交差すると(特に
突起高さが大きい部分が交差して下側に下る如
き)突起分布を呈する場合には、インク層を塗工
した後にロールに巻いたときフイルムの反対面
(走行面)に該インクが転写しやすくなり、リボ
ンの走行面を汚し、これがリボンの走行系のガイ
ドポスト等の接触部に徐々にインクを蓄積させ、
リボンの走行を阻害し、極端な場合にはリボンが
動かなくなる等のトラブルを生じ、その他、フイ
ルムの滑り性が悪くなる結果、加工時にフイルム
にしわが入つたりするので、好ましくない。ま
た、フイルムの表面粗さが上記式(1)と交差する突
起分布を呈する程粗れている場合には、印字の鮮
明さが悪くなり、又サーマルヘツドの摩耗の原因
となり、実用上問題となるので好ましくない。 上述のフイルム表面は、更に、多重干渉反射式
顕微鏡(Tl単色光)で測定した突起数(ケ/mm2
と突起高さ(h;μm)が 1.5≧h>1.0……10ケ/mm2以下 1.0≧h>0.75……1〜30ケ/mm2 0.75≧h>0.5……15〜120ケ/mm2 0.5≧h>0.25……80ケ/mm2以上 を満足することが好ましい。この表面特性を満足
することは、インク層のフイルム反対面への転写
を防止する点から、また印字の鮮明性の面から、
特に好ましい。 又、フイルム表面の最大突起高さは3μm以下、
更に1.5μm以下であることが好ましい。 本発明における二軸配向ポリエステルフイルム
は、更に、表面の摩擦係数が0.5以下、更には
0.45以下、特に0.35〜0.45であり、かつ該摩擦係
数の連続50回往復走行テスト後の値が初期値に比
して150%未満、更には120%未満であることが好
ましい。この表面は走行面を形成するときに有効
に作用し、このため摩擦係数が大きすぎるとフイ
ルム特に転写リボンの走行性が低下し、はなはだ
しいときにはリボン切れを起し、またインクの転
写を引き起すようになり、好ましくない。 本発明における二軸配向ポリエステルフイルム
の上述の表面粗さは、フイルム中に不活性無機、
有機微粒子等を添加することによつて形成するの
が好ましい。この不活性微粒子を用いる場合は、
平均粒径が0.01〜10μmの粒子を0.01〜5重量%、
更には平均粒径が0.03〜4μmの粒子を0.01〜1.5重
量%添加させるのが好ましい。この際、添加する
不活性無機、有機の微粒子は単成分でもよく、二
成分ないしはそれ以上を同時に用いてもよい。 上述の不活性微粒子としては、本発明におい
て、好ましくは二酸化ケイ素(水和物、ケイ藻
土、ケイ砂、石英等を含む);アルミナ;
SiO2分を3重量%以上含有するケイ酸塩(例え
ば非晶質或は結晶質の粘土鉱物、アルミノシリケ
ート((焼成物や水和物を含む))、温石綿、ジルコ
ン、フライアツシユ等)、Mg、Zn、Zr及びTi
の酸化物;Ca及びBaの硫酸塩;Li、Na及び
Caのリン酸塩(1水素塩や2水素点を含む);
L;Na及びKの安息香酸;Ca、Ba、Zn及び
Mnのテレフタル酸塩;Mg、Ca、Ba、Zn、
Cd、Pb、Sr、Mn、Fe、Co及びNiのチタン酸
塩;Ba及びPbのクロム酸塩;炭素(例えば
カーボンブラツク、グラフアイト等);例えば
ガラス粉、ガラスビーズ等)a及びMgの炭酸
塩;ホタル石;及びnSが例示される。更に
好ましくは、無水ケイ酸、含水ケイ酸、酸化アル
ミニウム、ケイ酸アルミニウム(焼成物、水和物
等を含む)、燐酸1リチウム、燐酸3リチウム、
燐酸ナトリウム、燐酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、安息香酸リチウム、これらの化
合物の複塩(水和物を含む)ガラス粉、粘土(カ
オリン、ベントナイト、白土等を含む)、タルク、
ケイ藻土、炭酸カルシウム等が例示される。 これらの不活性微粒子を含有するポリエステル
は、通常ポリエステルを形成するための反応時、
例えばエステル交換法による場合のエステル交換
反応中あるいは重縮合反応中の任意の時期又は直
接重合法による場合の任意を時期に、不活性微粒
子(好ましくはグリコール中のスラリーとして)
を反応系中に添加することにより製造することが
できる。好ましくは、重縮合反応の初期例えば固
有粘度が約0.3に至るまでの間に、不活性微粒子
を反応系中に添加するのが好ましい。 本発明で用いる二軸配向ポリエステルフイルム
は、の製造法によつて特に制限を受けないが、通
常所定割合の微粒子を含有するポリエステルを溶
融し、スリツト状のダイからシート状に押出し、
キヤステイングドラムで冷却固化して未延伸シー
トとなし、続いて該未延伸シートを二軸方向に延
伸して製品(フイルム)となし、更に加熱処理
(ヒートセツト)、横方向の熱収縮率の調節処理、
次いで縦弛緩処理することによつて製造される。 その際、本発明の要件を好適に満足するには、
例えば一段目延伸は温度(例えば縦方向延伸温度
T1)を(Tg−10)〜(Tg+45)℃の範囲(但
し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)とし、
延伸倍率を2.5〜6.0倍、更には3.5〜5.5倍とする
のが好ましく、また二段目延伸は温度(例えば横
方向延伸温度:T2)を(T1+15)〜(T1+40)
℃範囲とし、延伸倍率を2.5〜4.0倍、更には2.8〜
3.7倍とするのが好ましい。更に得られる二軸延
伸フイルムは好ましくは150〜245℃、更には好ま
しくは170〜240℃の範囲の温度で1〜200秒程度
熱固定する。 更に又、通常テンターにおける熱処理条件を調
節して横方向の熱収縮率を調整し、その後ひき続
いて縦弛緩処理を行う。 横方向の熱収縮率の調節は、通常縦弛緩処理前
に行う。通常テンターに於ける熱処理時に調節さ
れる。例えば横方向の熱収縮率が不足している場
合には上記熱処理時にフイルムを幅方向に延き伸
ばすと良く、また熱収縮率が大きすぎる場合には
上記熱処理時にフイルムを幅方向に弛緩させると
良い。更に具体的には熱処理温度160℃のときに
は全幅に対し9〜13%弛緩させるとよく、170℃
のときには5〜11%弛緩させるとよく、180℃の
ときには1〜8%弛緩させるとよく、200℃のと
きには0〜5%緊張もしくは弛緩させるとよく、
205℃のときに3〜−2%延き伸ばし乃至弛緩さ
せるとよく、また220℃のときには1〜−6%延
き伸ばし乃至弛緩させるとよい。 縦方向に弛緩する方法としては、例えば空気力
による浮遊処理方式で加熱低張力下、非接触状態
で弛緩する方式;夫々ニツプロールを有する加熱
ロールと冷却ロール間で速度差を与えることによ
つて弛緩する方式又は、テンター内でフイルムを
把持したクリツプの進行速度を逐次狭めることに
よつて縦方向に弛緩する方法等があるが、縦方向
に弛緩できる方式であればいずれの方式も用いる
ことができる。 縦方向に弛緩する時の温度は(Tg+20)℃以
上(熱処理温度−30)℃以下、好ましくは(Tg
+30)℃以上(熱処理温度−40)℃以下である。
(Tg+20)℃より低い温度では、Tg近傍に於け
る熱収縮率を充分下げることができず、また(熱
処理温度−30)℃より高い温度では縦方向の弛緩
量は多くなる横方向の収縮も大きくなり、本発明
の目的の一つである横方向の熱収縮率を満足させ
ることができなくなるだけでなく、横方向の機械
特性を低下させ、更には厚み斑を悪化させ、また
弛緩を2つのロール間の速度差で行う方式の場合
には、加熱ロール上での巾収縮によりフイルム面
上横方向にスクラツチを発生させる為好ましくな
い。縦方向の弛緩量は熱処理温度によつても異な
るが、弛緩時のフイルム張力が10Kg/cm2以上80
Kg/cm2以下、好ましくは20Kg/cm2以上60Kg/cm2
下になるように、例えば弛緩を2つのロール間の
速度差で行う方式の場合には、加熱ロールに対し
冷却ロールの速度を調節するのが好ましい。フイ
ルム張力が10Kg/cm2未満の場合はフイルムがたる
み、しわが発生するし、張力が80Kg/cm2より大き
くなる場合は熱収縮率を充分下げることができな
い。 上述の弛緩処理によつて、当該弛緩処理の温度
以上における縦方向の熱収縮率は塗工物の巻きじ
まりに影響を及ぼさなくなる。従来の縦弛緩によ
ると縦方向に弛緩だけでなく横方向にも収縮を起
し、従つて横方向の熱収縮率も小さくなる。 かくして得られる二軸配向ポリエステルフイル
ムは、通常、表裏面とも同じ表面特性を呈する。
この場合、例えば転写インク層を設ける面は表面
でも裏面でも良い。 本発明の二軸配向ポリエステルフイルムに好適
に用い得る転写インク層は、時に限定されるもの
ではなく、周知のものを用いることができる。す
なわち、バインダー成分、着色成分などを主成分
とし、必要に応じて柔軟剤、可撓剤、分散剤、平
滑化剤などを適量添加して構成される。 上述の主成分について更に具体的に説明する
と、先ず、バインダー成分としては、カルナウバ
ワツクス、パラフインワツクスなど周知のワツク
ス類や塩化ビニル系又は塩化ビニルと酢酸ビニル
共重合系等の低融点の各種高分子物質が用いら
れ、又、着色剤としてはカーボンブラツクを主体
とし、その他各種の染料、あるいは有機、無機の
顔料が用いられる。場合によつては転写インクに
は昇華型のものも含んでよい。 転写インク層の形成は、通常の方法、例えば溶
剤を添加した状態でグラビユア、リバース、スリ
ツトダイ方式などの溶液塗工方法、あるいはホツ
トメルト塗工などを用いて行うことができる。 その際、二軸配向ポリエステルフイルムは、必
要に応じてコロナ放電処理やバインダーの下びき
コートなどの前処理を行つてもよい。 かくして得られる転写リボンは、プリンターに
用いると二軸配向ポリエステルフイルムが本来有
している優れた諸特性、すなわち高い耐薬品性、
強度、弾性率、耐熱性、高融点等に加えて、走行
面にインクが転写して汚れを生じ、ガイドポスト
等の走行系にインクの汚れが蓄積してリボンが走
行しなくなる等の問題を解消し、インパクト用に
用いれば印字による打たれた残りなどの塑性変形
も小さく、かつ転写画質に優れる。 実施例 以下、実施例を揚げて本発明を更に説明する。
なお、本発明における種々の物性値および特性は
以下の如くして測定されたものであり、かつ定義
される。 (1) 突起分布測定法 小坂研究所製三次元粗さ計(SE−3CK)を
用いて、針径2μmR、針圧30mg、測定長1mm、
サンプリングピツチ2μm、カツトオフ0.25mm、
縦方向拡大倍率2万倍、横方向拡大倍率200倍、
走査本数150本の条件にて突起分布を測定し、
突起高さ(x軸)は基準レベルからの面積比率
が70%になる点の突起高さ(zレベル)を0レ
ベルとし、その高さとの差を突起高さとして、
それに対応する突起数をy軸にプロツトした。 (2) ヤング率測定 フイルムを試料巾10mm、長さ15cmに切り、チ
ヤツク間100mmにして引張速度10mm/分、チヤ
ート速度500mm/分にインストロンタイプの万
能引張試験装置に引張つた。得られた荷重一伸
び曲線の立上り部の接線よりヤング率を計算し
た。 (3) 表面突起数 フイルムの表面に400〜500Å乃至それ以下の
厚みにアルミニウムを均一に真空蒸着し、反対
の非蒸着面(フイルム面)にコロジオンを塗つ
て貼付け、乾燥した。Tl単色光多重干渉反射
式顕微鏡(例えば、Carl Zeiss JENA社製)
を用い10倍の倍率でアルミニウム蒸着面の任意
の100cm2を観察した。顕微鏡視野中の突起物の
突起高さに対応して生じる干渉縞を持つ突起数
を各々カウントした。 (4) 熱収縮率 20mm巾に切り出したフイルムサンプルに300
mm間長の位置に標点を印しておき、70℃又は
150℃に加熱された循環型熱風機に無荷重で吊
して1時間又は30分間保持し、その後取出して
放冷後標点間の長さを読みとつて、原長との差
の原長に対する割合を%で表示した。 熱収縮率(%)=(原長)−(加熱後長さ)/(原長)+1
00 (5) インキ転写性 厚さ10μmのフイルムの片面に カーボンブラツク 15重量部 カルナウバワツクス 35 〃 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(セキスイ:エ
レツクC) 35 〃 ポリテトラヒドロフラン 10 〃 シリコンオイル 5 〃 からなる転写インク組成物を層の厚さ18μmと
なるようにグラビユア方式で塗工して得られた
転写シート状物で、10mm巾×20cm長のフイルム
サンプルを覆い、直径5cmで1Kgの硬質クロム
処理ロールで20回繰返し押圧した後該サンプル
の転写インク層に接触した面を、エチルアルコ
ールで湿らせた綿棒でなぞり、その綿棒へのイ
ンクの付着程度(汚れ程度)を目視評価にて5
段階で判定した。 <5段階判定> ◎…インクの付着は全く認められない ○…インクの付着は殆んど認められない △…インクの付着はいく分認められる ×…インクの付着はかなりの程度認められる ××…インクの付着がはげしく認められる (6) 走行性 図1に示した装置を用いて下記のように測定
した。図1中、1はロードセル、2は表面粗さ
約0.5μmのプラスチツク製の固定棒(外径5mm
φ)3は荷重(100gr)、5,6はサンプル固
定具、4はサンプル(リボン)をそれぞれ示
す。 温度20℃、湿度60%RHの環境で巾8mmのサ
ンプル(前記(4)に示した組成からなる転写イン
ク層を18μmの厚さに塗工した)の転写インク
の塗工面の反対面(走行面)を、2の固定棒に
90゜で接触させて毎秒30mmの速さで1のロード
セルを水平に30cmの長さを往復移動させること
により摩擦係数を読みとつた。 走行性の良否は、測定開始直後に得られる摩
擦係数に対する連続50回往復走行時の摩擦係数
との比較で3段階で判定した。 <3段階判定> ○…初期の摩擦係数に対する、50回繰返し往復
走行時の摩擦係数が120%未満であり、摩擦
係数が繰返し走行によりあまり増大しない。 △…初期の摩擦係数に対する、50回繰返し往復
走行時の摩擦係数が120%以上150%未満であ
り、摩擦係数の増加が繰返し走行により若干
認められる。 ×…初期の摩擦係数に対する、50回繰返し往復
走行時の摩擦係数が150%以上であり摩擦係
数の増加が繰返し走行により顕著に認められ
る。 (7) 印字鮮明性 前記(4)に示した組成からなる転写インク層を
18μmの厚さに塗工した転写リボンのインク塗
工面の反対側を電動式タイプライターIBM82C
を用いて、アルフアベツトの「Q」の文字を通
常のタイプライター用紙に打ち、印字された
「Q」の鮮明性、印字の太さ、濃炎を目視にて
3段階で判定した。 <3段階判定> ○…印字は太くならず、濃炎斑もなく、鮮明で
ある △…印字はやや太目になつているが、まず鮮明
である ×…印字はかなり太目になつており、かつ部分
的に濃炎の斑が見られ、鮮明さに欠ける (8) フイルム変形度 前記(6)に示した方法で同一ケ所を連続5回打
つてフイルムの打ち跡を目視して3段階で判定
した。 <3段階判定> ○…打ち跡は殆んど認められない △…打ち跡はやや認められる ×…打ち跡ははつきり認められる 実施例 1 エチレングリコール(以下EGと略称する)90
重量部に炭酸カルシウム(平均粒径1.5μm)10重
量部を添加した後、混合撹拌を行なつてスラリー
を得た。 次に、ジメチルテレフタレート100重量部と
EG70重量部を酢酸マンガン4水和物0.035重量部
を触媒として常法通りエステル交換をせしめた後
上記で得られたカオリン(濃度0.4重量%対ポリ
マー)を撹拌下添加した。続いてリン酸トリメチ
ル0.03重量部及び三酸化アンチモン0.03重量部を
添加した後高温真空下で常法通り重縮合反応を行
い、固有粘度0.620のポリエチレンテレフタレー
トペレツトを得た。 更にこのポリエチレンテレフタレート(以下
PETと略称)ペレツトを170℃、3時間乾燥後押
出機ホツパーに供給し、溶融温度280〜300℃で溶
融し、この溶融ポリマーを1mmのスリツト状ダイ
を通して表面仕上げ0.3S程度、表面温度20℃の回
転冷却ドラム上に成形押出し、厚み約110μmの
未延伸フイルムを得た。 このようにして得られた未延伸フイルムを75℃
にて予熱し、更に低速、高速ロールの間で15mm上
方より900℃の表面温度IRヒーター1本にて加熱
し、低、高速のロール表面速度により、1.7倍延
伸し、急冷し、再度1.45倍延伸を2回繰返し(合
計3.6倍)、一段延伸した。 更に続いて1段延伸フイルムを熱風中110℃の
温度で横方向に3.9倍に延伸し、次いで230℃で15
秒間熱処理を施して7.5μmの厚さの二軸配向フイ
ルムを得た。なお、この時の延伸速度は20m/分
であつた。 次いで、この二軸配向フイルムを加熱ロールで
120℃に加熱後、冷却ロールとの間で熱処理温度
に応じた収縮に相当する張力を調整することによ
り得られたフイルムの70℃で1時間処理したとき
の縦方向の熱収縮率を約0.06%とした。 このフイルムのヤング率、熱収縮率、表面粗さ
突起分布曲線、最大突起高さ、しわの有無及びイ
ンク層を塗工して転写リボンとしたときのインク
転写性、走行性、印字鮮明性及びフイルム変形度
はいずれも良好レベルであり、総合評価も良好で
あつた。これらの結果を表−1に示す。 実施例 2 実施例1のうち延伸倍率を縦倍率4.2倍(1.75
倍、次いで1.55倍2回繰返し)、横倍率3.2倍と
し、横延伸後の熱固定温度を235℃とした他は実
施例1と同様にして厚さ7.2μmの二軸配向フイル
ムを得た。 その結果は表−1に示す如くで、いずれの項目
とも非常に良好であつた。 実施例 3 実施例1のうち添加滑剤として炭酸カルシウム
(平均粒径1.5μm)0.45重量%とシリカ(平均粒
径0.6μm)0.25重量%とを用い、縦方向に4.5倍
(1.8倍、次いで1.58倍2回繰返し)延伸し、引き
続き横方向に3.6倍延伸する他は実施例1と同様
に行つて厚さ7.2μmの二軸配向フイルムを得た。 その結果は表−1に示す如くであり、いずれの
項目も良好であつた。 実施例 4 実施例1のうち、添加滑剤としてカオリン(平
均粒径1.2μm)を対ポリマー当り0.55重量%添加
させた他は同一条件で実施し7.5μmの二軸配向フ
イルムを得た。 その結果は表−1に示す如くであり、いずれの
項目とも良好であつた。 比較例 1 実施例2において縦方向に延伸し、次いで横方
向に延伸して熱処理を施して二軸配向フイルムと
し、その後縦方向の弛緩処理は実施しなかつた。 得られた二軸配向のフイルムは、70℃1時間の
縦方向の熱収縮率が高く、インク層塗工後に巻き
じまりが生じ、フイルムの反対面(走行面)への
インク転写が多くなり、走行性も劣るものであつ
た。その結果は表−1に示す。 比較例 2 実施例3において、比較例5と同様に二軸延伸
後の縦方向の弛緩処理を実施しなかつた。 得られた二軸配向フイルムは70℃、1時間の縦
方向の熱収縮率が高く、インク層塗工後に巻きじ
まりが生じ、フイルムの反対面(走行面)へのイ
ンク転写が多くなり、走行性も劣るものであつ
た。その結果は表−1に示す。
【表】 〓※総合評価 ◎…非常に良好、○…良好、△…やや
劣る、×…劣る〓
【図面の簡単な説明】
図−1は転写リボンの走行性の測定装置の模式
図である。図−2は三次元粗さ計で求めたフイル
ム表面の突起高さ(Y:μm)と突起の数(X:
ケ/mm2)の関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 厚さ1〜25μmの二軸配向ポリエステルフイ
    ルムであつて、該フイルムの縦方向のヤング率が
    450〜800Kg/mm2であり、70℃で1時間無荷重下で
    熱処理したときの縦方向の熱収縮率が0.10%以下
    であり、更に150℃で30分間熱処理したときの横
    方向の熱収縮率が7%以下であり、かつ該フイル
    ムの表面が、三次元粗さ計で測定した突起数
    (Y:ケ/mm2)と突起高さ(X:μm)との関係
    を表わす突起分布曲線がlog10Y>1.3の領域にお
    いて下記式(1) log10Y=−1.8×+3.9 ……(1) で表わされる線と交差せず、更に該突起分布の最
    大値及び該最大値を越えた部分の曲線が下記式(2) log10Y≧−3.6×+2.8 ……(2) を満足する範囲にある表面特性を有することを特
    徴とする二軸配向ポリエステルフイルム。 2 フイルム表面が多重干渉反射式顕微鏡(Tl
    単色光)で測定した突起数(ヶ/mm2)と突起高さ
    (h:μm)が 1.5≧h>1.0……10ケ/mm2以下 1.0≧h>0.75……1〜30ケ/mm2 0.75≧h>0.5……15〜120ケ/mm2 0.5≧h>0.25……80ケ/mm2以上 を満足する特許請求の範囲第1項記載の二軸配向
    ポリエステルフイルム。 3 プリンター用転写材のベースフイルムである
    特許請求の範囲第1項又は第2項記載の二軸配向
    ポリエステルフイルム。
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JPS60217194A (ja) * 1984-04-13 1985-10-30 Toray Ind Inc プリンタ−用転写材

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