JP3009500B2 - プリンター転写材用フィルム - Google Patents

プリンター転写材用フィルム

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JP3009500B2 JP3103605A JP10360591A JP3009500B2 JP 3009500 B2 JP3009500 B2 JP 3009500B2 JP 3103605 A JP3103605 A JP 3103605A JP 10360591 A JP10360591 A JP 10360591A JP 3009500 B2 JP3009500 B2 JP 3009500B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタイプライター、ドット
インパクトプリンター等のインクリボンに有用なプリン
ター転写材用フィルムに関し、更に詳しくはマトリック
スまたはニードル方式での重ね打ち印刷が可能なマルチ
インクシート用ベースフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】プリンター転写材のベースフィルムに
は、二軸延伸ポリエステルフィルムが高い結晶性、高い
融点、耐熱性、耐薬品性、強度、弾性率等の優れた性質
を有するため、広く使用されている。
【0003】そして、タイプライターやドットインパク
トプリンターに使用される転写材では、転写リボンにか
かる張力や印字圧力に耐え、反復使用できる耐久性が要
求されている。
【0004】しかしながらベースフィルムとして、例え
ば特開昭60−217194号公報や、特開平2−63
895号公報等で提案されている通常の二軸延伸ポリエ
ステルフィルムを用いた転写材は、多数回印字時におい
てフィルムの伸びや塑性歪が起こりやすく、張力や印字
圧力の高い転写リボン用としては充分でなかった。
【0005】つまりインパクトヘッドで多数回印字した
時、インパクトによりインクシートに用いられるベース
フィルムの強度、伸度の低下がもたらされ、次第にイン
クシートが物理的変形を受け、遂にはインクシートに孔
が開き、シート破れをもたらす。とりわけ最近の高いス
トローク速度を有する50cps以上の高速印字プリン
ターや、3枚から7枚以上に及ぶ多数枚複写コピーを必
要とするプリンターにおいては、公知の二軸延伸ポリエ
ステルフィルムを用いたマルチインクシートでは僅か1
回から数回の印字でベースフィルムの傷みが大きく、使
用に耐えられないばかりか、フィルムの破れによるヘッ
ドピンへの絡みつきやピン折れというトラブルを生ずる
という欠陥があった。
【0006】また、最近では24ピン、48ピン等のヘ
ッドを有する高解像度、高品位インパクトプリンターの
開発が進み、公知の二軸延伸ポリエステルフィルムを用
いたインクシートでは、インパクトによって発生するベ
ースフィルムの変形が印字品質の低下をもたらすばかり
か、インパクトによる応力が受像紙側のみならず、印字
のドットサイズを拡げるような方向、即ちインク層の両
方向に働き、印字の解像度の低下をもたらすという問
題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解消せしめ、重ね打ち可能なインクシート用のベースフ
ィルムを提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
本発明によれば、熱可塑性樹脂からなる二軸延伸フィル
ムであって、該フィルムは、厚さが10〜40μmであ
り、縦及び横方向のヤング率が450〜700kg/mm2
であり、厚さ方向の屈折率が1.483〜1.495で
あり、縦及び横方向の150℃での熱収縮率が7〜20
%であり、かつ中心線平均粗さが0.02〜1μmであ
ることを特徴とするプリンター転写材用フィルムを用い
ることによって達成される。
【0009】本発明でいうポリエステルとは芳香族ジカ
ルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主た
るグリコール成分とするポリエステルである。かかるポ
リエステルは実質的に線状であり、そしてフィルム形成
性、特に溶融成形によるフィルム成形性を有する。芳香
族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカ
ルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールと
しては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレング
リコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコ
ール、あるいはシクロヘキサンジメタノール等の如き脂
肪族ジオール等を挙げることができる。
【0010】本発明においてはポリエステルとして、ア
ルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンナフタレ
ートを主たる構成成分とするものが好ましく用いられ
る。かかるポリエステルのうちでも例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
はもちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成分の80モ
ル%以上がテレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレン
ジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モル%以
上がエチレングリコールである共重合体が特に好まし
い。その際全酸成分の20モル%以下のジカルボン酸は
テレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸以外
の上記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例え
ばアジピン酸、セバチン酸の如き脂肪族ジカルボン酸;
シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸の如き脂肪族ジ
カルボン酸等であることができる。また、全グリコール
成分の20モル%以下は、エチレングリコール以外の上
記グリコールであることができ、また例えばハイドロキ
ノン、レゾルシン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4−ジヒ
ドロキシメチルベンゼンの如き芳香環を含む脂肪族ジオ
ール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等の如きポリアルキレングリコール(ポリオキシア
ルキレングリコール)等であることもできる。
【0011】また、本発明で用いるポリエステルには、
例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸;ω−
ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシ
カルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分及びオ
キシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で含有
するものも包含される。更に本発明におけるポリエステ
ルには実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に
対し2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸
又はポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペ
ンタエリスリトール等を共重合したものも包含される。
【0012】上記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
【0013】上記ポリエステルとしては、o−クロロフ
ェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘
度が約0.4〜約0.9のものが好ましい。
【0014】また、本発明で用いるポリエステルには、
必要に応じて安定剤、着色剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、その他添加剤等を含有してもよい。
【0015】本発明における二軸延伸ポリエステルフィ
ルムは、前記ポリエステルを例えば溶融成膜し、二軸延
伸したものであり、該フィルムの縦及び横方向のヤング
率が450〜700kg/mm2 、好ましくは500〜65
0kg/mm2 のものである。なお、フィルムの縦方向はイ
ンクリボンの長手方向と一致する。ヤング率が700kg
/mm2を超えると、剛性が強く、インパクト印字時にイ
ンパクトによる印字圧力により、フィルムが裂け易くな
るので好ましくない。一方、ヤング率が450kg/mm2
未満であると、伸び易く弾性回復しにくいので印字部の
塑性歪のためにリボンの送りがスムーズにいかなく、印
字トラブルとなるので好ましくない。
【0016】また、厚さ方向の屈折率が1.483〜
1.495であることが必要である。厚さ方向の屈折率
が1.483未満であると、フィルムに孔が開きやすく
多数回重ね打ちができない。これはヘッドピンの衝撃が
フィルムに対し垂直に圧縮力として加えられるため、厚
さ方向の強度がフィルムの孔の開きにくさに関係してい
るためである。一方、屈折率が1.495を超えると印
字圧力によりフィルムが伸び塑性歪が大きくなるため好
ましくない。
【0017】更に、縦及び横方向の150℃での熱収縮
率が7〜20%、好ましくは8〜19%、更に好ましく
は9〜18%であることが必要である。縦及び横方向の
150℃での熱収縮率が7%未満の場合は、インパクト
によるベースフィルムの強度、伸度の低下が大きく、物
理的変形を受けやすく、遂にはフィルム破れを起こしや
すくなるので好ましくない。これはフィルムに垂直に衝
撃を加えられたヘッドピンの周辺のフィルムが伸び応力
を受けるが、これによる変形に対して非晶部が弾性回復
に寄与しているためであり、結晶化度を低く、従って1
50℃での熱収縮率を7%以上にする必要がある。しか
し、20%を超えると寸法安定性、耐溶剤性が悪くな
り、インクリボン保存時ブロッキング等の問題が起こる
ため好ましくない。
【0018】また、本発明における二軸延伸ポリエステ
ルフィルムの厚さは10〜40μm、好ましくは15〜
36μmの範囲である。フィルムの厚さが10μmより
も薄いと、ピンヘッドによるインパクトに対する強度が
低く、充分な印字寿命が得られない。一方、40μmよ
り厚いと、フィルムの剛性が強すぎ、印字の際インパク
ト力が周辺に拡散され、印字の解像度の低下をもたら
し、好ましくない。
【0019】本発明における二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの表面粗さは、中心線平均粗さで0.02〜1μ
m、好ましくは0.03〜0.8μmである。表面粗さ
がこの範囲より小さいと滑りが悪くなり、フィルムにし
わが入ったり、加工時のトラブルが発生したりして好ま
しくない。一方上記範囲を超えると、画質の鮮明さに欠
け、感度の低下をもたらすため好ましくない。
【0020】本発明における二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの上記表面粗さは、フィルム中に不活性微粒子例え
ば無機微粒子、有機微粒子等の添加、粗面化フィルムの
複合、溶融押出し後の結晶化促進、薬剤や溶剤処理、サ
ンドブラスト法、マット化コーティング法等の一般に知
られている粗面化方法を適宜適用して得られる。不活性
微粒子を用いる場合は、平均粒径が0.02〜20μm
の粒子を0.05〜5重量%を添加するのが好ましい。
その際、添加する不活性無機、有機の微粒子は単成分で
もよく、2成分ないしはそれ以上を同時に用いてもよ
い。
【0021】上述の不活性微粒子としては、本発明にお
いて、好ましくは(1)二酸化ケイ素(水和物、ケイ藻
土、ケイ砂、石英等を含む);(2)アルミナ;(3)
SiO2 分を30重量%以上含有するケイ酸塩(例えば
非晶質の粘土鉱物、アルミノシリケート(焼成物や水和
物を含む)、温石綿、ジルコン、フライアッシュ等);
(4)Mg、Zn、Zr、及びTiの酸化物;(5)C
a、及びBaの硫酸塩;(6)Li、Na、及びCaの
リン酸塩(1水素塩や2水素塩を含む);(7)Li、
Na、及びKの安息香酸塩;(8)Ca、Ba、Zn、
及びMnのテレフタル酸塩;(9)Mg、Ca、Ba、
Zn、Cd、Pb、Sr、Mn、Fe、Co、及びNi
のチタン酸塩;(10)Ba、及びPbのクロム酸塩;
(11)炭素(例えばカーボンブラック、グラファイト
等);(12)ガラス(例えばガラス粉、ガラスビーズ
等);(13)Ca、及びMgの炭酸塩;(14)ホタ
ル石;及び(15)ZnS等が例示される。更に好まし
くは、無水ケイ酸、含水ケイ酸、酸化アルミニウム、ケ
イ酸アルミニウム(焼成物、水和物を含む)、燐酸1リ
チウム、燐酸3リチウム、燐酸ナトリウム、燐酸バリウ
ム、酸化チタン、安息香酸リチウム、これらの化合物の
複塩(水和物を含む)、ガラス粉、粘土(カオリン、ベ
ントナイト、白度等を含む)、タルク、ケイ藻土、炭酸
カルシウム等が例示される。
【0022】これらの不活性微粒子を含有するポリエス
テルは、通常ポリエステルを形成するための反応時、例
えばエステル交換法による場合のエステル交換反応中あ
るいは重縮合反応中の任意の時期、又は直接重合法によ
る場合の任意の時期に、不活性微粒子(好ましくはグリ
コール中のスラリーとして)を反応系中に添加すること
により製造することができる。好ましくは、重縮合反応
の初期例えば固有粘度が約0.3に至るまでの間に、不
活性微粒子を反応系中に添加するのが好ましい。
【0023】本発明における二軸延伸ポリエステルフィ
ルムは、その製造法によって特に制約を受けないが、通
常所定割合の不活性微粒子を含有するポリエステルを溶
融し、スリット状のダイからシート状に押出し、キャス
ティングドラムで冷却固化して未延伸シートとなし、続
いて該未延伸シートを二軸方向に延伸して延伸フィルム
となし、更に加熱処理(ヒートセット)し、必要に応じ
て縦方向、及び横方向に弛緩処理することによって得ら
れる。
【0024】その際、本発明の前記特性要件を好適に満
足するには、例えば一段目延伸は温度(例えば縦方向延
伸温度T1 )を(Tg−10)〜(Tg+45)℃の範
囲(但し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)と
し、延伸倍率を2.5〜6.0倍、更には3.0〜5.
5倍とするのが好ましく、また二段目延伸は温度(例え
ば横方向延伸温度T2 )を(T1 +15)〜(T1 +4
0)℃の範囲とし、延伸倍率を2.5〜5.0倍、更に
は2.8〜4.5倍とするのが好ましい。更に得られる
二軸延伸フィルムは120〜200℃の範囲の温度で1
〜200秒程度熱固定する。
【0025】更に、本発明の二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの製造過程において、配向結晶化が完了する前のフ
ィルム表面の片面又は両面にインキペースト層あるいは
インキペースト層とベースフィルムとの密着性を強化し
あるいは表面濡れ性を向上させるためのアンカー層を設
ける処理や、ピンヘッドのインパクトによるフィルム表
面変形防止処理を行ってもよい。
【0026】また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィ
ルムには、必要に応じてコロナ放電処理、UVあるいは
EB照射処理、サンドブラスト処理、アンダーコート処
理、ケミカルエッチング処理等の表面処理を行ってもよ
い。
【0027】このようにして得られた二軸延伸ポリエス
テルフィルムにインクペースト層を形成することによ
り、プリンター用転写材が得られる。インクペースト層
の形成は公知の方法を用いることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
を用いることにより、重ね打ちしても変形やダメージが
少なく、多数回印字可能なインクシートを得られるとい
う効果が得られる。
【0029】
【特性の測定方法、評価基準】以下に本発明で規定する
特性値の測定法を説明する。
【0030】(1)ヤング率 フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャック
間100mmに対して引張速度10mm/分、チャート速度
500mm/分にインストロンタイプの万能引張試験装置
にて引張る。得られた荷重−伸び曲線の立上り部の接線
よりヤング率を計算する。
【0031】(2)屈折率 アッベの屈折率計にてNa−D線を用いて、フィルムの
縦、横及び厚み方向の屈折率を測定する。
【0032】(3)熱収縮率 測定試料に約30cmの間隔で標線を入れ、加熱オーブン
中で張力フリーの状態で一定時間加熱処理(150℃×
30分間)後の試料長変化から次式により求める。
【0033】
【数1】 (4)中心線平均粗さ JIS B−6061に準じて測定する。東京精密社
(株)製の触針式表面粗さ計(SURFCOM 3B)を用いて、
針の直径2μm、荷重0.07gの条件下にチャート
(フィルム表面粗さ曲線)を書かせる。フィルム表面粗
さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き
取り、この抜き取り部分の中心線をX軸とし、縦倍率の
方向をY軸として、粗さ曲線Y=f(X)で表わしたと
き、次の式で与えられる値(Ra:μm)をフィルムの
表面の中心線平均粗さとして定義する。
【0034】
【数2】 本発明では、基準長を0.25mmとして8個測定し、値
の大きい方から3個除いた5個の平均値としてRaを表
わす。
【0035】(5)印字耐久性 インパクトプリンター(富士通(株)製 M−3361
C)を用いて印字、繰り返し印字後のベースフィルムの
穴開き、変形、及びそれに伴なうリボン走行性の良否で
判定する。
【0036】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に説明す
る。なお、例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0037】
【実施例1】平均粒径0.8μmのカオリン0.3重量
%を含有した固有粘度0.62のポリエチレンテレフタ
レートペレットを170℃、3時間乾燥後、押出機ホッ
パーに供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し、こ
の溶融ポリマーを回転冷却ドラム上に成形押出し、急冷
して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを90
℃で3.5倍縦方向に延伸し、次いで110℃で横方向
に4.0倍延伸した後、165℃で5秒間熱処理し、厚
さ23μmの二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの
特性を表1に示す。
【0038】更に、この二軸延伸フィルムの片面に、
【表1】 ポリオキシエチレンソルビタンヘプタオレート 18.1部 油溶性ブラック(カラーインデックス:26150) 9.6部 牛脂油ジアミノオレート 2.3部 カーボンブラック 7.0部 青色顔料(カラーインデックス:42765−1) 2.1部 硅藻土(平均粒径:6.5μm) 8.8部 ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 25.0部 メチルエチルケトン 35.0部 トルエン 21.6部
【0039】からなるインクペーストをリバースロール
コーターにて塗布し、90℃のオーブンで乾燥させ、イ
ンク層を形成させた。乾燥後の塗布厚みは35μmであ
った。
【0040】上記方法で得られたインクシートを16mm
幅で長さ70mのリボン状となし、インクリボンのカー
トリッジに装填し、プリンター(富士通(株)製 M−
3361C)にかけ、印字品質、及び繰り返し印字寿命
テストを行った結果、優れた印刷品質と解像度を示し、
1000万字印字後もインクリボンの破れ、印字の欠落
等は認められなかった。
【0041】
【実施例2〜3、比較例1〜3】実施例1において、
縦、及び横方向の延伸倍率、及び延伸温度を調整し、ヤ
ング率及び厚さ方向の屈折率の異なる二軸延伸フィルム
を得、そのフィルムの特性を表1に示す。
【0042】これを基材フィルムとして実施例1と同様
の方法でインクリボンを得て評価した結果、実施例2及
び3は実施例1とほぼ同じ印字耐久性、印字品質が得ら
れたが、比較例1の場合は印字中にフィルムの伸びが発
生、リボンがスムーズに送られなくなるトラブルが発生
した。一方、比較例2、3の場合は、インパクト印字部
でフィルムの裂けが起こった。
【0043】
【表2】
【0044】
【実施例4〜6、比較例4〜5】実施例1において、延
伸後の熱処理温度を調節し、熱収縮率の異なる二軸延伸
フィルムを得、そのフィルムの特性を表2に示す。
【0045】これを実施例1と同様の方法で評価した結
果、実施例4〜6は実施例1のフィルムとほぼ同じ印字
耐久性、印字品質が得られたが、比較例4の如くベース
フィルムの熱収縮率が小さいと、結晶化度が大のためか
インパクトによるフィルム破れが発生した。
【0046】一方、比較例5の如くベースフィルムの熱
収縮率が大きすぎると、インクペースト塗布時、及びそ
の後の乾燥工程での収縮が大きく、そのためしわが発
生、満足なリボンを得ることができなかった。
【0047】
【表3】
【0048】
【比較例6〜7】フィルム厚みを8μmとする以外は実
施例1と同様の二軸延伸フィルムを得、評価した結果、
インパクト印字部でフィルムに孔が開き、繰り返し印字
ができなかった(比較例6)。
【0049】また、フィルム厚みを45μmとする以外
は実施例1と同様の二軸延伸フィルムを得、評価した結
果、感度が低く不鮮明な画質しか得られなかった(比較
例7)。
【0050】
【比較例8】実施例1で得られた23μmの二軸延伸フ
ィルムの片面をサンドマット加工により粗面化し、反対
面に実施例1と同じインキ層を形成しインクリボンを得
た。
【0051】このマット面の中心線平均粗さは1.1μ
mであった。このインクリボンで印字したところ感度は
低く、画質は不鮮明であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岸 隆 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝人株式会社 相模原研究センター内 (56)参考文献 特開 平2−39998(JP,A) 特開 平2−252583(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる二軸延伸フィルム
    であって、該フィルムは、厚さが10〜40μmであ
    り、縦及び横方向のヤング率が450〜700kg/mm2
    であり、厚さ方向の屈折率が1.483〜1.495で
    あり、縦及び横方向の150℃での熱収縮率が7〜20
    %であり、かつ中心線平均粗さが0.02〜1μmであ
    ることを特徴とするプリンター転写材用フィルム。
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