JPH0455375B2 - - Google Patents

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JPH0455375B2
JPH0455375B2 JP27916585A JP27916585A JPH0455375B2 JP H0455375 B2 JPH0455375 B2 JP H0455375B2 JP 27916585 A JP27916585 A JP 27916585A JP 27916585 A JP27916585 A JP 27916585A JP H0455375 B2 JPH0455375 B2 JP H0455375B2
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polyethylene
polypropylene
stretching
gel
film
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Masaru Matsuo
Che Sawato
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Teijin Ltd
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリエチレン、ポリプロピレン混合
物から成る材料の製造方法に関し、超延伸された
ポリエチレンの優れた力学特性と、超延伸された
ポリプロピレンの優れた耐熱性とを有する材料の
製造方法に関する。
〔発明の背景〕 延伸倍率が60倍程度になるように延伸されたポ
リエチレンは、弾性率が常温で約100Gpa、150℃
に近い温度でも30Gpaを保持すると言う優れた力
学特性を有する。しかし、温度が150℃を越える
と溶融するようになる。一方、延伸倍率60倍程度
までに延伸されたポリプロピレンは、常温で弾性
率が35Gpa程度の値しか示さないが、180℃付近
でもなお15Gpa程度の弾性率を示すと言う優れた
耐熱性を有する。
そこで、ポリエチレン、プロプロピレン混合物
から成る材料に上述のような超延伸されたポリエ
チレンの優れた力学特性と超延伸されたポリプロ
ピレンの優れた耐熱性と与えることができれば従
来にない優れた材料が得られる。
従来、ポリエチレン、ポリプロピレン混合物か
ら成る材料の製造方法に関して、 () P.Robson、G.J.Sandilands and J.R
White; J.Appl.Polym.Sci、26 3515〜3521(1981) () M.Kojima and H.Satake; J.Polym.Sci.、Polym.Phys.Ed.、22 285〜294
(1984) () A.Geleski、M.Pracella and E.
Martuscelli; J.Polym.Sci.、Polym.Phys.Ed.、22 739〜747
(1984) () A.Coombers、C.G.Cannon and A.
Keller; J.Polym.Sci.、Polym.Phys.Ed.、17 1957〜
1984(1979) の研究報告が知られている。
()〜()の方法は、溶融ブレンドでポリ
エチレン、ポリプロピレンの混合成形物を作つ
て、その成形物を乾燥延伸する方法であり、この
うち、()、()においては低分子量のポリエ
チレンとポリプロピレンを用い、()において
は高分子量のポリエチレン(分子量W=1.35×
106)と高分子量のポリプロピレン(W=3.07×
106)を用いている。また、()の方法は、溶液
結晶化すなわち、溶液ブレンドにおける流動下表
面成長法によつてポリエチレン、ポリプロピレン
混合物から成る材料を得る方法であり、高分子量
のポリエチレンとポリプロピレンを用いている。
これら()〜()のいずれの報告も、得られ
た材料の力学的性質について詳しくは述べていな
い。しかし、()〜()のいずれの方法によ
つても、得られた材料は、ブレンドされたポリエ
チレンとポリプロピレンの分子配向度がポリエチ
レンやポリプロピレンに前述のような優れた力学
特性や耐熱性を与える高配向度にはならない。
〔発明の目的〕
本発明は、ポリエチレンとポリプロピレンが高
度に分子配向して、ポリエチレンの優れた力学特
性とポリプロピレンの優れた耐熱性とが合わせて
発揮されるポリエチレン、ポリプロピレン混合物
から成る材料を効率よく製造する方法を提供する
ものである。
〔発明の構成〕
本発明は、ポリエチレンとポリプロピレンの混
合溶液からゲル状物を生成させて脱溶媒と成形と
を行うことによりゲ成形物を得、さらに該ゲル成
形物に熱延伸を施すことを特徴とするポリエチレ
ン、ポリプロピレン混合物から成る材料の製造方
法にあり、この構成によつて上記目的を達成す
る。すなわち、本発明の方法は、溶液結晶化によ
つてポリエチレン、ポリプロピレンの混合ゲル状
物を生成し、脱溶媒と成形とを行つて得られたゲ
ル成形物に熱延伸を加えることによりポリエチレ
ンとポリプロピレンの分子配向度を向上させて、
超延伸されたポリエチレンの力学的性質と超延伸
されたポリプロピレンの耐熱性とを有する材料を
得る方法である。
本発明に使用されるポリエチレンとポリプロピ
レンは、得られる材料の用途に応じて適宜選択す
ることができるが、高強度、高弾性率の材料を得
る上で、分子量(粘度平均分子量W)が100万
以上、特に200万〜100万の範囲にあるものが好ま
しい。また、溶液結晶化に用いられるポリエチレ
ンとポリプロピレンに対する溶媒は、両者を溶解
するものであれば特に制限されないが、常温で液
体のものが好ましく、特に好ましいものとしてデ
イカリンが挙げられる。
ポリエチレン、ポリプロピレンの混合ゲル状物
を生成する方法としては、Paul Smith and P.J.
Lemstra;Journal of Material Science、
Vol15、P.505〜514(1980)及びPaul Smith、P.
J.Lemstra and H.C.Booij;Journal of
Polymer Science、Polymer Physics Edition、
Vol19、P.877〜888(1981)に示されたポリエチ
レンのゲル状物を生成する方法、すなわち、ポリ
エチレンのパウダーを溶媒に加熱溶解し、溶液を
急冷乃至は冷却する方法と同様の方法を用いるこ
とができる。また、混合溶媒の作成やゲル状物の
生成は、不活性ガス例えば、窒素雰囲気下で行う
ことが好ましく、さらには不活性ガスの吹き込み
等により溶液と不活性ガスの接触を大にしたり溶
液を撹拌したりして行うことが一層好ましい。
ゲル状物を生成するための混合溶液の濃度は、
例えば、前述のような高分子量のポリエチレとポ
リプロピレンおよびそれらに対して好適な溶媒の
デイカリンを用いた場合、ポリエチレンとポリプ
ロピレンの組成比を重量比で75/25、50/50、
25/75のいずれにしても、トータル濃度で0.3〜
2g/100mlとするのが好ましく、特に0.4〜1
g/100mlとするのが好ましい。溶液にはBHTの
ような酸化防止剤を添加することが好ましい。そ
して混合溶液の作成は、酸化防止剤の混入下で
135〜170℃の温度で撹拌して行うのが好ましく、
特に150℃の温度で行うのが好ましい。
混合溶液を急冷乃至は冷却して生成したゲル状
物から脱溶媒と成形によつてゲル成形物を得、そ
れに熱延伸を施すのは、以下述べるような方法に
よつて行うことができる。
(A) 過等によつて捕集したゲル状物を加熱押し
出し成形により成形物とし、次いで140〜160℃
の温度で熱延伸処理して脱溶媒とポリエチレン
およびポリプロピレンの分子配向の向上とを同
時に行う方法。
この方法における加熱押し出し成形はグリセ
リンやシリコン油のような不活性液体中で行う
のが好ましい。これは、ポリエチレンとポリプ
ロピレンの融点差が40℃近くあるため、ポリプ
ロピレンの最適延伸温度160〜170℃に近い延伸
温度で乾式延伸した場合は、ポリエチレンが融
解して超延伸できなくなるが、不活性液体で濡
れた状態での湿式延伸を行つた場合は、140〜
160℃の延伸温度でポリプロピレンは勿論のこ
とポリエチレンもスムーズに超延伸されるよう
になるからである。加熱押し出し成形されたゲ
ル成形物は、延伸処理前に一旦巻き取り、冷却
してもよいが、連続して熱延伸処理してもよ
い。
(B) 圧縮あるいは乾燥によつてほヾ脱溶媒したゲ
ル状物を得、このゲル状物をノズルから140〜
160℃の温度で押し出す加熱押し出し成形によ
つて成形物となし、次いで140〜160℃の温度で
延伸処理する方法。
この方法は、松生勝;日本レオロジー学会誌
第13巻4〜15頁(1985)に開示された方法を利
用するものである。この方法においても、ゲル
成形物が不活性液体で濡れた状態で熱延伸され
るように、加熱押し出し成形で押し出された成
形物を140〜150℃の不活性液体を通して一旦巻
取つた後に熱延伸するか、あるいは巻取らずに
熱延伸するのが好ましい。それによつて熱延伸
中の熱伝達が良好となり、ポリエチレンとポリ
プロピレンがともに超延伸されて高配向度を示
すようになる。
以上のいずれの方法も、加熱押し出し成形する
ゲル状物のデイカリン等の溶媒含量を過や圧縮
等の機械的方法によつて50%以下、好ましくは10
%以下にできるから、エネルギー消費が少なく、
溶剤の回収効率が高くて、極めて低コストで行う
ことができる。このように、加熱押し出し成形す
るゲル状物のデイカリン含量を少くすることが好
ましいが、熱延伸されるゲル成形物中に極く少量
のデイカリンが存在することは、延伸の際にデイ
カリンが可塑剤として働いて、超延伸をスムーズ
に行うのに役立つと判断される。そして、加熱押
し出し成形は、デイカリンを少量含むゲル状物
を、ポリエチレンやポリプロピレンの結晶ラメラ
がくずれない程度の、例えば140〜150℃の温度
(この温度をDSC曲線の融点ピークの立ち上りに
設定するとよい。)に加熱して、ノズルから押し
出すようにするのが好ましい。このノズル口径
は、溶融防糸のノズル口径よりも大きくする。例
えば、細い繊維状材料を製造するのに、ゲル成形
物を得る段階から細くしようと、ノズル口径を溶
融防糸のノズル口径のように小さくし過ぎると、
加熱ゲルの粘度が高いことから押し出しに極端な
高い圧力を必要として、円滑な押し出しができな
くなるだけでなく、その後の熱延伸で超延伸する
ことも困難になる。これに対し、ノズル口径を溶
融紡糸の条件より大きくして、押し出しが容易に
行われるようにした場合は、後の熱延伸で超延伸
を行うことが容易になつて、その結果、細い繊維
材料を得ることができ、得られた材料は、折り畳
み結晶が延伸過程で繊維状結晶に転移して、常温
での弾性率がポリプロピレンの理論弾性率を上回
り、180℃付近でも融解せずに弾性率が15Gpa以
上と言う優れた物性を示すようになる。
本発明は、繊維状材料に限らず、フイルム状材
料の製造にも適用できる。
〔実施例〕
次に本発明の具体的実施例について詳細に説明
する。
(1) ゲル成形物の作成 一般に、高分子量ポリエチレンやポリプロピ
レンをデイカリンに溶解し、アルミニウム枠に
流し込んでゲル化し、乾燥してゲルフイルムを
得、そのゲルフイルムを延伸する場合、最大延
伸倍率は溶液粘度と溶液濃度に関する曲線が変
曲するようになる濃度の溶液を用いた場合に得
られることが知られている。但し、この場合、
溶液には0.1%の酸化防止剤BHTが添加され、
溶解およびゲル化は窒素雰囲気下で撹拌して行
う(松生勝;日本レオロジー学会誌第13巻4〜
15頁(1985)および松生勝、沢渡千枝、中野
寿;高分子学会予稿集34巻4号P.871(1985)参
照。)。このことがポリエチレン、ポリプロピレ
ンの混合糸についても適用されるかを検討し
た。
第1図は、分子量600万のポリエチレン
(PE)と分子量440万のポリプロピレン(PP)
を重量組成比50/50でデイカリンに溶解した
150℃溶液のηsp/c−c曲線を示す。こゝで、
cはPEとPPの混合溶液濃度、ηspは比粘度と呼
ばれ、ηsp=(η−ηp)/ηp(ηは溶液粘度、ηp
溶媒粘度)で与えられる。第1図に見るよう
に、PEとPPの混合溶液の粘度−濃度曲線も低
濃度側では粘度変化率が小さい直線状となり、
高濃度側では変化率が大きい直線状となつて、
両直線状変化の交点が0.45g/100mlの濃度を
与えるような変曲部を有する曲線となる。そし
て、このような0.45g/100mlの濃度溶液から
前述のように乾燥して得たゲルフイルムは最高
の延伸性を示した。なお、混合溶液の作成は
150℃の溶解温度で行つた。また、図には示し
ていないが、PE/PPの重量組成比75/25、
25/75の混合溶液についても、上述のような変
曲点濃度がそれぞれ0.43g/100ml、0.48g/
100mlのような粘度−濃度曲線が得られ、その
ような変曲点濃度の溶液から得たゲルフイルム
はそれぞれ最高の延伸性を示した。
PE/PPの組成比について、第2図に上述の
ような溶液から乾燥して得られたゲルフイルム
の表面電子顕微鏡写真をPE100%やPP100%の
溶液から得たゲルフイルムのそれと比較して示
した。PE100%やPP100%の溶液から得たゲル
フイルムの場合は、大きなスポンジ状のフイブ
リル構造が観察されるが、重量組成比75/25や
50/50さらには25/75になると、構造が100%
のものより格段に緻密になつて、表面も平滑と
なり、PEとPPの相溶性のよいことが認められ
る。また、第3図は上述のようなゲルフイルム
の膜面に平行にX線を入射したときの小角X線
散乱強度分布を示し、PEの組成比が大きい場
合は些かに散乱強度の極大が現われるが、PP
の組成比が大になると極大は消滅する。図には
PE100%やPP100%のものについての散乱強度
分布は示していないが、それらの場合はPE/
PPが75/25のものよりもやゝ明確に散乱強度
の極大が現われることから(高分子学会予稿集
34巻4号P.871(1985)参照)、ブレンドによつ
て結晶ラメラの配向の乱れや寸法のゆらぎが大
きくなると推論される。
(2) ゲル成形物の熱延伸 上述のPE/PP組成比75/25、50/50および
25/75のゲルフイルムを140℃のグリセリン浴
中でそれぞれのほヾ最大延伸変率である延伸倍
率λ=50、60および100で延伸し、得られた延
伸フイルム広角X線回折写真を第4図に示す。
この図から、いずれの延伸フイルムもポリエチ
レンおよびポリプロピレンの微結晶が高度に配
向していることが分る。なお、延伸を実験室レ
ベルで乾熱で行うと、ポリエチレンとポリプロ
ピレンの融点差が40℃近くあるため、上述のよ
うな高倍率の延伸ができなくなるが、グリセリ
ンのような不活性液体で濡れた状態で行うと、
ゲルフイルムの温度が一様になり、また不活性
液体が可塑剤的な役割を果たして、高倍率の延
伸が容易に行われるようになる。
延伸倍率について、第5図および第6図は上述
のような湿熱延伸の延伸倍率λを20倍にした場
合、第7図および第8図は60倍にした場合、また
第9図および第10図は100倍にした場合に得ら
れた延伸フイルムの動的粘弾性挙動すなわち動的
粘弾性の温度依存性を示すグラフであり、E′およ
びE″は粘弾性スペクトロメータによつて周波数
10Hzで測定した複素弾性率の実部および虚部であ
る。図には比較してPE100%およびPP100%のも
のも示している。第5図に見るように、λ=20で
もブレンドフイルムのE′はPE100%やPP100%の
フイルムのE′より大きくなると言う興味ある結果
が得られ、ブレンドフイルム中のポリエチレンの
分子配向が極めて顕著になることが推察される。
なお、PP100%のフイルムでは0〜20℃付近で
E′の低下が著しいが、これは第6図からβ分散に
よるものであることが明らかである。また、λ=
60になると、第7図に見るように、第5図のλ=
20の場合に比較して常温付近におけるE′の値が大
きくなり、高延伸なよる力学的性質の向上が認め
られるだけでなく、ブレンドフイルムは180℃付
近まで15Gpaの値を保持するようになる。これ
は、ブレンドフイルムがPE100%フイルムよりも
力学的性質では劣るものの、耐熱性の点では優れ
ていることを示している。さらに第7図を第5図
と比較すると、λ=60ではλ=20とは逆にPEの
組成比の高いフイルムほどE′の値が大きくなつて
いる。これは、λ=60のような高延伸倍率になる
と、分子鎖の高配向性が得られ、それによつて鎖
軸方向の弾性率の高いPEの含有率が高いほど
E′の値が大きくなることによると解釈される。ブ
レンノの影響を第8図で見ると、PE100%ではα
分散の鋭いピークが75℃前後に現われ、PP100%
では140℃付近に分散が現われるが、それら分散
のブレンドフイルムにおける現われ方は組成比に
依存してPE/PP組成比50/50ではまだ75℃付近
にPEのα分散がピークとして認められ、140℃付
近にPPのα分散に相当する小さなシヨルダーが
認められるが、PE/PP組成比25/75になるの
PEのα分散に相当するピークは小さくなつて常
温から150℃付近までのなだらかな山部の中でピ
ークとして認めにくくなる。
第7図、第8図ではPE/PPの組成比75/25の
ブレンドフイルムについて示しておらず、また第
9図、第10図ではさらにPE/PPの組成比50/
50のブレンドフイルムについても示していないよ
うに、PEの含有率が高いブレンドゲル成形物は
λ=60やλ=100と言つた高倍率で延伸すること
は難かしい。これに対してPE100%の場合は、第
9図、第10図に見るようにλ=100でも延伸で
きる。しかし、PE100%の延伸フイルムは、第9
図に見るように、E′が極めて高くなるが、150℃
以上では融解する。一方、λ=100で延伸した
PE/PP組成比25/75のフイルムは、常温では
PP100%のフイルムより高いE′と、180℃付近で
も15GpaのE′を保持する。ブレンドの影響を第1
0図のE″で見ると、λ=100の場合も第8図のλ
=60の場合と同様、PE、PP両者の分散の性質が
組成比に依存して現われ、PE/PP組成比25/75
のフイルムではE″曲線がPP100%フイルムのそれ
に近い形状となる。
さらに、第8図、第9図のPE/PP組成比25/
75の延伸フイルムを20℃から170℃まで順次加熱
し、次いで20℃まで冷却して、その間の温度にお
けるフイルムの赤道方向X線回折図形を求め、こ
れを第11図に示した。ブレンド延伸フイルム
は、昇温して温度が160℃付近になると、PE結晶
の(110)および(200)のスポツトが消滅し、こ
の温度でPE結晶が融解しているのが分る。しか
し、PP結晶は170℃でも融解せずに存在している
から、160℃以上におけるブレンド延伸フイルム
の力学的性質は、PPの性質に依存するものと考
えられる。この第11図の各X線回折図形は、そ
れぞれの温度に達したら20分間その温度に保つた
後に写真撮影を行つて得たものであり、X線照射
時間は30分でその間温度はその温度に保つた。
170℃からの冷却過程では、140℃で(020)面の
回折が現われ、100℃に至るまで(110)と(200)
面の明確なスポツトは現われなかつた。
以上、本発明をフイルム製造の例について示し
たが、先にも述べたように、本発明は繊維状材料
の製造にも適用し得る。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば、高度に分
子配向したポリエチレンの優れた力学特性と、高
度に分子配向したポリプロピレンの優れた耐熱性
とを示すポリエチレン、ポリプロピレン混合物か
ら成る材料を効率よく製造することができると言
う優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はPE/PP組成比が50/50のデイカリン
溶液の150℃粘度−濃度グラフ、第2図は未延伸
乾燥ゲルフイルムの表面の結晶構造を示す走査型
電子顕微鏡写真、第3図は第2図のブレンドゲル
フイルムの膜面に平行にX線を照射して得られた
小角X線散乱強度グラフ、第4図はほヾ最大延伸
倍率で延伸したブレンドフイルムの広角X線回折
写真、第5図および第6図は延伸倍率20倍で延伸
したブレンドフイルムと比較例としてのPE100
%、PP100%フイルムの複素弾性率のそれぞれ実
部E′おおび虚部E″の温度依存性を示すグラフ、
第7図および第8図は延伸倍率60倍で延伸したブ
レンドフイルムとPE100%、PP100%フイルムの
複素弾性率のそれぞれ実部E′および虚部E″の温
度依存性を示すグラフ、第9図および第10図は
延伸倍率100倍で延伸したブレンドフイルムと
PE100%、PP100%フイルムの複素弾性率のそれ
ぞれ実部E′および虚部E″の温度依存性を示すグ
ラフ、第11図は延伸倍率60倍で延伸したPE/
PP組成比25/75の延伸フイルムの昇温−冷却過
程における広角X線回折写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリエチレンとポリプロピレンの混合溶液か
    ら生成させたゲル状物を成形し、該ゲル成形物に
    熱延伸を施す際に、該成形を行う前乃至該熱延伸
    迄の工程において脱溶媒を行い、該熱延伸を湿熱
    延伸で行うことを特徴とするポリエチレン、ポリ
    プロピレン混合物から成る材料の製造方法。 2 前記ポリエチレン及びポリプロピレンに分子
    Wが106以上のものを使用する特許請求の範囲
    第1項記載のポリエチレン、ポリプロピレン混合
    物から成る材料の製造方法。 3 前記湿熱延伸の延伸温度を140〜160℃の範囲
    に設定する特許請求の範囲第1項、又は第2項記
    載のポリエチレン、ポリプロピレン混合物から成
    る材料の製造方法。
JP27916585A 1985-12-13 1985-12-13 ポリエチレン,ポリプロピレン混合物から成る材料の製造方法 Granted JPS62138229A (ja)

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