JPH045512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、乗客コンベアのオイルパンの清掃を
行なう乗客コンベアにおける清掃装置に関する。

〔従来の技術〕

第４図は乗客コンベアの全体構造を示す側面図
で、一般に乗客コンベアは、この第４図に示すよ
うに、無端状に形成される手摺１、同じく無端状
に連結される複数の踏段２などを備えている。こ
の踏段２は、各々左右一対の前輪３と後輪４によ
り支持され、そして、これらの前輪３、後輪４
が、フレーム５に設置される前輪用レール６、後
輪用レール７にそれぞれ係合しながら、踏段２が
走行するようになつている。また、踏段２がター
ミナル部で反転して戻る際には、これらの踏段２
は天地逆向きの状態でフレーム５下方を走行する
が、この走行部分１９下方には、踏段２などから
落下する油及びごみ等を受けるオイルパン８が延
設されている。

このようなオイルパン８の清掃については、特
公昭58−44597号公報に示すように、一端にゴム
板からなる清掃子を、他端に、踏段の前輪軸に回
動可能に取付けられる金具をそれぞれ設けると共
に、中間部分で長さ調節可能に連結される左右一
対のアームを備え、乗客コンベアに取付けて上下
反転走行時に、清掃子がオイルパンを摺動するこ
とにより、清掃を行なう清掃装置が提案されてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、上記した従来の清掃装置にあつて
は、アームの金具が蝶ナツトにより前輪軸に取付
けられるので、この蝶ナツトがオイルパン清掃
時、緩んでアームの脱落を生じる懸念があるばか
りか、一回のオイルパン清掃では不充分で再度清
掃を行なう場合、清掃終了位置の下部乗降口で清
掃装置を乗客コンベアより外して、清掃開始位置
の上部乗降口へ運んでから、再び取付ける煩雑な
作業を要するという問題がある。

本考案は、上記した従来技術における実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、清掃中に脱落
事故等を生じることがなく、しかも、能率良く清
掃作業を行なうことのできる清掃装置を提供する
ことにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために本考案は、無端状に
連結された複数の踏段を有する乗客コンベアに備
えられ、前記踏段が上下反転した状態で走行する
部分の下方位置に延設されたオイルパンを清掃す
るための乗客コンベアにおける清掃装置におい
て、前記オイルパン清掃時に任意の踏段の代わり
に装着されるものであつて、前記踏段を案内する
レールに係合する各々左右一対の前輪及び後輪
と、これら前輪及び後輪により支持された基体
と、この基体の前輪側の位置に、その一端が回転
可能に固定された作動体と、この作動体の他端に
設けられ、前記基体の上下反転走行時に前記オイ
ルパンを摺動する清掃子とを備えた構成にしてあ
る。

〔作用〕

本考案は、上記のように構成してあるので、オ
イルパン清掃時には、少なくとも一つの踏段を取
外した後、清掃装置の前輪、後輪をそれぞれのレ
ールに係合させ、この清掃装置を乗客コンベアの
駆動チエーンに装着することができる。そして、
乗客コンベアを上昇運転すると、駆動チエーンに
装着された清掃装置の上下反転走行時に、清掃装
置の作動体が回動した状態で、作動体の一端に設
けられた清掃子がオイルパンを摺動しながら、こ
のオイルパン上に溜つたごみなどをかき落すこと
によりこのオイルパンを清掃することができる。

したがつて、清掃装置が踏段と同様にして乗客
コンベアに装着されるので、清掃中に清掃装置が
脱落したりすることがなく、連続運転により清掃
装置を１回以上続けて用いることができ、能率良
くオイルパンの清掃作業を行なえる。

〔実施例〕 以下、本考案の乗客コンベアにおける清掃装置
を図に基づいて説明する。第１図は本考案の乗客
コンベアにおける清掃装置の一実施例を示す側面
図、第２図は第１図に示した清掃装置の拡大平面
図、第３図は第１図に示した清掃装置の清掃時の
状態を示す側面図である。

これらの第１図及び第２図において、１１は第
４図の踏段２を案内する前輪用レール６と係合す
る左右一対の前輪、１２は同様に後輪用レール７
と係合する左右一対の後輪、１３はこれらの前輪
１１、後輪１２により支持される基体、１４は、
この基体１３に一端をヒンジ１６を介して取付け
られ、他端にゴム板等よりなる清掃子１５が設け
られる作動体である。１７は第４図の踏段２の前
輪３の軸と係合し、踏段２を駆動する駆動チエー
ンで、この踏段２と同様に、清掃装置の前輪１１
の軸が駆動チエーン１７に係合することにより、
この清掃装置が駆動される。第１図及び第３図の
１８は、上部ターミナル部で、この上部ターミナ
ル部１８で清掃装置が反転して清掃を開始する。

この実施例にあつて、清掃装置によりオイルパ
ン８の清掃を行なうには、踏段２を取外した後、
前輪１１を前輪用レール６に、後輪１２を後輪用
レール７に、さらに前輪１１の軸を駆動チエーン
１７にそれぞれ係合させて、清掃装置を踏段２と
同様に乗客コンベアに装着する。そして、乗客コ
ンベアを上昇運転すると、上部ターミナル部１８
で清掃装置が上下反転して、第３図に示すよう
に、清掃状態となる。すなわち、作動体１４が回
動して垂れ下がると共に、一端に設けられる清掃
子１５が踏段２が走行する走行部分１９の下方に
延設されたオイルパン８に当接する。この時、清
掃装置の清掃子１５は、駆動チエーン１７の駆動
により矢印２０方向に移動しているので、清掃子
１５はオイルパン８上を摺動し、このオイルパン
８上に溜つた油やごみ等がかき落されて、オイル
パン８下部に集められる。また、必要により、上
述の上部乗降口から下部乗降口までの清掃する動
作を、連続的にくり返して行なうことができる。

このように構成した実施例にあつては、清掃装
置が踏段２と同様にして乗客コンベアに装着され
るので、清掃中に清掃装置が脱落したりすること
がなく、また、清掃する動作を連続的にくり返す
ことができ、能率良く清掃作業を行なうことがで
きる。

〔考案の効果〕

本考案の乗客コンベアにおける清掃装置は、以
上のように構成したので、清掃中に脱落事故等を
生じることがなく、しかも、従来に比べて作業能
率が向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の乗客コンベアにおける清掃装
置の一実施例を示す側面図、第２図は第１図に示
した清掃装置の拡大平面図、第３図は第１図に示
した清掃装置の清掃時の状態を示す側面図、第４
図は乗客コンベアの全体構造を示す側面図であ
る。 ２……踏段、６，７……レール、８……オイル
パン、１１……前輪、１２……後輪、１３……基
体、１４……作動体、１５……清掃子、１７……
駆動チエーン、１９……走行部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 無端状に連結された複数の踏段を有する乗客コ
   ンベアに備えられ、前記踏段が上下反転した状態
   で走行する部分の下方位置に延設されたオイルパ
   ンを清掃するための乗客コンベアにおける清掃装
   置において、前記オイルパン清掃時に任意の踏段
   の代わりに装着されるものであつて、前記踏段を
   案内するレールに係合する各々左右一対の前輪及
   び後輪と、これら前輪及び後輪により支持された
   基体と、この基体の前輪側の位置に、その一端が
   回転可能に固定された作動体と、この作動体の他
   端に設けられ、前記基体の上下反転走行時に前記
   オイルパンを摺動する清掃子とを備えたことを特
   徴とする乗客コンベアにおける清掃装置。