JPH0455110Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、大口径の場所打ち杭工程の際に用い
られる大口径の竪孔を掘削するアースドリルに関
し、より詳しくは、トレーラで一体輸送可能な程
度の比較的小型の機械でありながら大口径孔掘削
用バケツトを装着した懐の深いアースドリルに関
する。

〔従来の技術〕

従来のこの種のアースドリルは、ベースマシン
の前方にリーダを起伏可能に立設し、該リーダの
上部に設けたトツプシーブブロツクを介して垂下
されるケリーロープによつて、下端に大口径孔掘
削用バケツトを取付けた伸縮ケリーバを昇降可能
に吊持すると共に、この伸縮ケリーバを回転する
ケリーバ回転駆動装置を前記リーダに昇降可能に
設け、且つケリーバ回転駆動装置とリーダとの間
に掘削時の反力を受けるロツク装置を設け、ケリ
ーバ回転駆動装置のリーダへの取付位置を掘削深
さに応じて変えて、ロツク装置によりケリーバ回
転駆動装置をリーダに固定し、掘削反力を受けて
いた。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、従来のアースドリルでは、作業場所
を移動する場合に、伸縮ケリーバやケリーバ回転
駆動装置を取外してリーダをベースマシンの上部
に略水平に倒して輸送していたため、伸縮ケリー
バやケリーバ回転駆動装置の分解組立作業に多く
の時間と労力を要するばかりでなく、分解したケ
リーバ等を別途に輸送する必要があつた。

そこで本考案は、ケリーバ等を分解することな
く輸送可能なアースドリルを提供することを目的
としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的達成のため本考案は、ベースマシンに
リーダを起伏可能に立設し、該リーダの上部に設
けたトツプシーブブロツクから垂下するケリーロ
ープを介してケリーバを吊持するアースドリルに
おいて、前記トツプシーブブロツクをリーダの上
下方向に回動可能に設け、該トツプシーブブロツ
クとリーダとの間にトツプシーブブロツクを回動
させるシリンダを設けると共に、前記ケリーバの
下端を保持するケリーバ受ブラケツトと、リーダ
をベースマシンの上部に略水平に倒した際に前記
ケリーバ受ブラケツトに保持されたケリーバの下
端より上部を支承するケリーバ保持ブラケツトと
を、前記リーダのケリーバ側周面に設けたことを
特徴としている。

〔作用〕

したがつて、アースドリルを輸送する際には、
大口径孔掘削用バケツトを下端から取外したケリ
ーバを引上げて、ケリーバ回転駆動装置の角孔部
から抜いた後、シリンダを伸長してトツプシーブ
ブロツクをリーダの上方に回動してケリーバをリ
ーダのケリーバ側周面に近付け、ケリーバの下端
をケリーバ受ブラケツトのケリーバ挿通孔に挿入
して係合し、バツクステーを縮めてリーダをベー
スマシンの上部に略水平に倒して、ケリーバをケ
リーバ保持ブラケツトに支承し、輸送時の車体高
さを低くすることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

アースドリル１は、ベースマシン２の上部旋回
体３前部に取付けたフロントブラケツト４にサブ
リーダ５の下部を枢着し、該サブリーダ５をバツ
クステー６にて起伏可能に支持している。

サブリーダ５の前部には、リーダ支持シリンダ
７が配設され、該リーダ支持シリンダ７は、上端
をサブリーダ５の上部に連結すると共に、リーダ
支持シリンダ７のピストンロツド８の先端を、サ
ブリーダ５の前部に昇降可能に支持されたリーダ
９に連結している。

このリーダ９は、上部リーダ１０と、該上部リ
ーダ１０の下端に設けられた下部リーダ１１とで
構成され、上部リーダ１０は、下部リーダ１１に
折曲可能に連結されている。そして、上部リーダ
１０の下部を前記リーダ支持シリンダ７のピスト
ンロツド８にて支持し、リーダ９のガイドパイプ
１２をサブリーダ５のガイドギブ１３に係合し、
ピストンロツド８の伸縮によりリーダ９を昇降す
る。

上部リーダ１０の上部には、該リーダ１０に固
設したブラケツト１４に後端を枢着され、リーダ
１０内に設けたシリンダ１５により前端を上部リ
ーダ１０の上下方向に回動可能に支持されたトツ
プシーブブロツク１６が設けられている。そし
て、上部旋回体３のウインチ１７から巻出され、
トツプシーブブロツク１６のシーブ１８，１９を
経て垂下するケリーロープ２０にスイベルジヨイ
ント２１を介して伸縮ケリーバ２２が吊持されて
いる。

この伸縮ケリーバ２２は、断面角形で、多段式
に形成され、前記ケリーロープ２０の巻上げ、巻
下しによつて昇降ならびに伸縮可能となつてい
る。

下部リーダ１１には、スラスタシリンダ２３を
介してケリーバ回転駆動装置２４を支持したフレ
ーム２５が設けられ、前記伸縮ケリーバ２２は、
該ケリーバ回転駆動装置２４のトルク伝達部であ
る角孔部（図示せず）を貫通して、その下端に大
口径掘削用バケツト２６を取付けている。

上部リーダ１０の伸縮ケリーバ２２側の周面、
本実施例では伸縮ケリーバ２２側の真正面より若
干偏寄した周面には、アースドリル１のトレーラ
輸送時に、上部リーダ１０をベースマシン２の上
部に略水平に倒した際に、伸縮ケリーバ２２を上
部リーダ１０上に保持するケリーバ保持ブラケツ
ト２７が３ケ所設けられ、また、上部リーダ１０
の下部伸縮ケリーバ２２側の周面、本実施例では
伸縮ケリーバ２２側の真正面より若干偏寄した周
面には、伸縮ケリーバ２２の下端部を保持するケ
リーバ受ブラケツト２８が設けられている。この
ケリーバ受ブラケツト２８は、ケリーバ挿通孔２
８ａを形成した保持腕２８ｂを有している。

尚、前記ケリーバ保持ブラケツト２７は、１ケ
所以上設けられていればよい。

このように構成することによつて、掘削作業時
には、リーダ支持シリンダ７のピストンロツド８
を伸縮させることにより、リーダ９をサブリーダ
５の所望位置に移動させて、リーダ支持シリンダ
７をロツクし、スラスタシリンダ２３を伸長して
ケリーバ回転駆動装置２４を下降させることによ
り、そのストローク分だけ大口径孔掘削用バケツ
ト２６を下げて、大口径の竪孔を掘削し、伸縮ケ
リーバ２２の下降とスラスタシリンダ２３が伸縮
操作を繰り返すことにより、順次掘削深さを増す
ことができる。

また、ケリーバ回転駆動装置２４は、スラスタ
シリンダ２３、フレーム２５、リーダ９、リーダ
支持シリンダ７、サブリーダ５等を介してベース
マシン２に連結状態になつているので、掘削作業
時に伸縮ケリーバ２２にかかる反力は、機械装置
全体で受けることができ、有効な推力を伸縮ケリ
ーバ２２に与えることができる。

次に、トレーラ輸送時には、伸縮ケリーバ２２
の下端から大口径孔掘削用バケツト２６を取外
し、ケリーロープ２０を巻上げて伸縮ケリーバ２
２を引上げ、伸縮ケリーバ２２をケリーバ回転駆
動装置２４の角孔部から抜くと共に、シリンダ１
５によりトツプシーブブロツク１６の前端を上部
リーダ１０の上方へ回動して、伸縮ケリーバ２２
を上部リーダ１０に近付け、左右のバツクステー
６，６を若干縮小したり長さに差を付けててリー
ダ９をやや後方や側方へ傾斜させて、伸縮ケリー
バ２２の下端を上部リーダ１０下部のケリーバ受
ブラケツト２８のケリーバ挿通孔２８ａに挿入し
て保持せしめる。

そして、第３図に示されるように、バツクステ
ー６，６をさらに縮小して、上部リーダ１０をベ
ースマシン２の上部に略水平に倒すと、伸縮ケリ
ーバ２２は上部リーダ１０のケリーバ保持ブラケ
ツト２７に保持され、輸送姿勢をとることができ
る。尚、この輸送姿勢の重心のバランスが悪い時
は、リーダ支持シリンダ７を伸縮させて調整する
ことができる。

したがつて、ケリーバ回転駆動装置２４を下部
リーダ１１に取付けた状態で、且つ伸縮ケリーバ
２２を取外すことなく、しかも、トツプシーブブ
ロツク１６の上方への高さを低くすることがで
き、輸送可能な高さに抑えることができ、長尺の
ため小型のトラツクでは輸送困難な伸縮ケリーバ
２２や重量のあるケリーバ回転駆動装置２４を取
外して別途輸送する手間を省略することができ
る。

尚、本実施例では、ケリーバ保持ブラケツト２
７及びケリーバ受ブラケツト２８を、上部リーダ
１０の伸縮ケリーバ２２側の真正面より若干偏寄
した周面に設けたから、高さの輸送制限に余裕が
ない場合でも、伸縮ケリーバ２２の輸送時の高さ
が高くならないので、車体高さを低くすることが
できる。したがつて、高さの輸送制限に余裕があ
るような小型のアースドリルの場合は、ケリーバ
保持ブラケツト２７及びケリーバ受ブラケツト２
８を、上部リーダ１０の伸縮ケリーバ２２側の真
正面の周面に設けても良い。

〔考案の効果〕

本考案は上記のように、ベースマシンに起伏可
能に立設したリーダ上部のトツプシーブブロツク
を、リーダの上部に設けたシリンダにて上下方向
に回動可能に支持すると共に、トツプシーブブロ
ツクからケリーロープを介して垂下するケリーバ
の下端を保持するケリーバ受ブラケツトと、リー
ダをベースマシンの上部に略水平に倒した際に前
記ケリーバ受ブラケツトに保持されたケリーバの
下端より上部を支承するケリーバ保持ブラケツト
とを、前記リーダの伸縮ケリーバ側の周面に設け
たので、アースドリルを輸送する際には、ベース
マシンの上部に略水平に倒したリーダにケリーバ
を保持でき、かつトツプシーブブロツクの回動に
より車体高さを低くすることが可能となり、ま
た、従来のようにケリーバを取外す手間や別途輸
送する必要がない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は作業状
態時のアースドリルを示す正面図、第２図は同じ
く側面図、第３図は上部リーダを倒した輸送状態
時の正面図、第４図はケリーバ受ブラケツトの平
面図、第５図はトツプシーブブロツクの正面図で
ある。 １……アースドリル、２……ベースマシン、５
……サブリーダ、６……バツクステー、７……リ
ーダ支持シリンダ、９……リーダ、１０……上部
リーダ、１１……下部リーダ、１６……トツプシ
ーブブロツク、２０……ケリーロープ、２２……
伸縮ケリーバ、２３……スラスタシリンダ、２４
……ケリーバ回転駆動装置、２６……掘削バケツ
ト、２７……ケリーバ保持ブラケツト、２８……
ケリーバ受ブラケツト、２８ａ……ケリーバ挿通
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベースマシンにリーダを起伏可能に立設し、該
   リーダの上部に設けたトツプシーブブロツクから
   垂下するケリーロープを介してケリーバを吊持す
   るアースドリルにおいて、前記トツプシーブブロ
   ツクをリーダの上下方向に回動可能に設け、該ト
   ツプシーブブロツクとリーダとの間にトツプシー
   ブブロツクを回動させるシリンダを設けると共
   に、前記ケリーバの下端を保持するケリーバ受ブ
   ラケツトと、リーダをベースマシンの上部に略水
   平に倒した際に前記ケリーバ受ブラケツトに保持
   されたケリーバの下端より上部を支承するケリー
   バ保持ブラケツトとを、前記リーダのケリーバ側
   周面に設けたことを特徴とするアースドリル。