JPH0454471B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、永久磁石の吸引と反撥作用を利用し
て羽根車を安定した回転が自在な状態と回転でき
ない状態の二様に変化可能としたパチンコ機にお
ける羽根車装置に関するものである。

〔従来の技術〕

周知のようにパチンコ機においては遊技盤面に
釘等を支軸として羽根車が回転自在な状態で配設
されているが、かかる従来の羽根車は単に落下す
る打玉を左右に振分け案内する機能を果たすに止
まるものであつた。

〔発明が解決しようとする課題〕

このため羽根車の動きが単調となり、入賞の難
易にも変化がないため遊技の興趣に乏しいという
問題点があつた。さらには羽根車を永久磁石の磁
力を利用して回転させるときには逆にその磁力が
安定した連続回転を妨げるという事態も起りう
る。

本発明は上記に鑑み、通常の状態では永久磁石
の反撥作用により羽根車を安定した回転が自在と
し、一方特定の入賞玉の発生或いは特定の遊技条
件の成立に関連づけて羽根車に落下する打玉を入
賞口へ導いて入賞し安くする等遊戯の興趣を倍加
するのに役立つパチンコ機における羽根車装置を
提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明のパチンコ
機における羽根車装置は、取付基板の前面に、中
心から複数の羽根を放射状に突設した羽根車を回
転自在に、かつ前後摺動自在に軸支し、その羽根
車の後端面に永久磁石と取付基板の係合孔に嵌合
する係合突起を設け、取付基板の裏面には前後方
向へ移動可能な可動体と、この可動体と対応させ
て回動自在な回転制御体を設け、前期可動体には
羽根車に永久磁石に対応して互いに吸引し合う関
係にあり、かつ前後へ移動自在な永久磁石と固定
的な永久磁石とを設けると共に、該可動体の前端
面中心から支持筒を突設して可動体が前方へ移動
したとき前記羽根車の後端面中心に当節可能なる
ように形成し、前記回転制御体には可動体の夫々
の永久磁石に対応させて極性を異にした永久磁石
を固定的に設けて構成した。

〔作用〕

回転制御体を所定範囲内で回転させることによ
り回転制御体の永久磁石と可動体の固定的な永久
磁石とを互いに反撥或いは吸引させる。そして、
その反撥力で可動体は前方へ移動し、その中心支
持筒の先端部で羽根車を押して前方へ移動させる
ことにより羽根車は係合突起と取付基板の係合孔
との係合が解かれる。そして羽根車は前方へ移動
後は磁力の反撥力を受けないうえ、可動体の前後
に移動自在な永久磁石は回転制御体の永久磁石に
吸引されるためその吸引力も羽根車の永久磁石に
影響を及ぼすことはなく、羽根車の自在で安定し
た回転が維持される。

一方、回転制御体の永久磁石と可動体の固定的
な永久磁石との間で生じた吸引力により、可動体
は後方へ移動し回転制御体に吸引保持されると共
に、可動体の移動自在な永久磁石と回転制御体の
永久磁石とが互いに反撥し合い、その反撥力によ
つて前記可動体の永久磁石が前方へ移動し羽根車
の永久磁石と互いに吸引し合つて羽根車を取付基
板側に吸引する。羽根車はその吸引力により後方
へ摺動し、羽根車の係合突起が取付基板の係合孔
に嵌合して回転できないように拘束される。

〔実施例〕

以下本発明の一実施例を図面について説明す
る。図において、１は遊技盤、２は遊技盤１の表
面に取付ける取付基板で、この中央部には軸孔３
が穿設され、該軸孔３の回りに３個の係合孔４が
等間隔で穿設されている。５は取付基板２の前面
に位置させた羽根車で、軸孔３から突出する支軸
６に中心支持筒７の軸孔８を挿通して回転自在に
かつ前後摺動自在に取付される。前記支持筒７の
外周には３枚の羽９が等間隔で放射状に配設され
ており、該羽根９の取付基板２に対応する後端面
には前記係合孔４に嵌合し得る係合突起１０が
夫々突設される。また、羽根９には夫々同極とし
た永久磁石１１が取付基板２側に一端を露出させ
て埋設されている。この永久磁石１１は例えば露
出側の磁極をＳ極とする。

１２は取付基板２側の裏面に連着される環状枠
であつて、その後面板２９に支軸６の基端が固定
されている。また、環状枠１２の内部にはドラム
状の可動体１３と、この可動体１３に対応させて
回転制御体１４が配設される。可動体１３は中心
の支持筒１５の支持孔１６を支軸６に挿通し、そ
の外周側部に形成した凹溝部１７を環状枠１２の
案内片１８に嵌合して前後方向へ摺動自在に保持
されている。また、可動体１３の周縁部には６個
の円筒部１９が等間隔で形成され、該円筒部１９
には羽根車５の永久磁石１１に対応して互いに吸
引し合う関係にあり、かつ前方向へ移動自在に保
持される３個の永久磁石２０，２０ａと固定的に
保持される３個の永久磁石２０，２０ｂとが交互
に収納されている。そして、永久磁石２０ａ又は
永久磁石２０ｂは羽根車５の３個の永久磁石１１
に正しく対応するように位置づけられている。ま
た、可動体１３は第４図に示す前方位置で中心の
支持筒１５の先端部２１が軸孔３から突出し羽根
車５を前方へ摺動させ回転自在に保持する。ま
た、永久磁石２０ｂは可動体１３が前方位置にあ
るとき、その吸引力が羽根車５の永久磁石１１に
影響を及ぼさない位置に固定されている。

前記回転制御体１４は支軸６に回転可能に保持
されている。また、回転制御体１４の周縁部には
６個の保持孔２２０）等間隔で形成され、該保持
孔２２には可動体１３の３個の永久磁石２０，２
０ａ及び３個の永久磁石２０，２０ｂに夫々対応
して吸引又は反撥し合う極性を異にした永久磁石
２３と永久磁石２４とを交互に固定的に収納して
いる。例えば永久磁石２３は可動体１３の永久磁
石２０，２０ａ，２０ｂに対応する磁極をＮと
し、永久磁石２４は可動体１３の永久磁石２０，
２０ａ，２０ｂに対応する磁極をＳとする。ま
た、回転制御体１４の後面には環状枠１２の後面
板２９に形成された扇形溝２５から後方へ突出す
る操作杆２６が一体に設けられている。そして、
回転制御体１４は扇状溝２５によつて停止位置を
定めて操作杆２６を介して扇状溝２５の範囲内で
反転させることにより永久磁石２３又は永久磁石
２４と可動体１３の永久磁石２０，２０ａ，又は
永久磁石２０，２０ｂとの反応位置を交換さるも
のである。その他図中２７は回転制御体１４の前
後方向への移動を阻止するＥリング、２８は羽根
車５の抜脱を阻止するＥリングである。

次に以上のような構成における本発明の作用に
ついて説明する。第４図に示す如く、可動体１３
の永久磁石２０，２０ａの磁極（Ｓ極）が回転制
御体１４の永久磁石２３の磁極（Ｎ極）に対応
し、可動体１３の永久磁石２０，２０ｂの磁極
（Ｓ極）が回転制御体１４の永久磁石２４の磁極
（Ｓ極）に対応しているときには、可動体１３の
永久磁石２０，２０ｂと回転制御体１４の永久磁
石２４とが互いに反撥し合い、その反撥力によつ
て可動体１３が支軸６を前方へ移動し、その中心
支持筒１５の先端部２１で羽根車５を押してい前
方へ移動させる。これによつて、羽根車５は係合
突起１０と取付基板２の係合孔４との係合が解か
れ、また可動体１３の永久磁石２０，２０ａと回
転制御体１４の永久磁石２３とが互いに吸引し合
い、その吸引力を以つて永久磁石２０，２０ａを
永久磁石２３に吸引する。

このため、可動体１３の永久磁石２０，２０
ａ，２０ｂはその吸引力が羽根車５の永久磁石１
１に影響を及ぼさない位置に置かれることになる
から、羽根車と５は何ら拘束されることなく支軸
６に対して軽快にかつ安定して回転し、上方から
落下する打玉をその落下速度、角度等の状態に応
じて左右に振分け案内することができる。

次に、この状態でう操作杆２６を介して回転制
御体１４を扇形溝２５の範囲内で回転させ、第５
図に示す如く可動体１３の永久磁石２０，２０ａ
の磁極（Ｓ極）に回転制御体１４の永久磁石２４
の磁極（Ｓ極）を対応させると共に、可動体１３
の永久磁石２０，２０ｂの磁極（Ｓ極）に回転制
御体１４の永久磁石２３の磁極（Ｎ極）を対応さ
せる。これによつて、可動体１３の永久磁石２
０，２０ｂと回転制御体１４の永久磁石２３とが
互いに吸引し合い、その吸引力によつて可動体１
３は後方へ移動し回転制御体１４に吸引保持され
ると共に、可動体１３の永久磁石２０，２０ａと
回転制御体１４の永久磁石２４とが互いに反撥し
合い、その反撥力によつて永久磁石２０，２０ａ
が前方へ移動し羽根車５の永久磁石１１と互いに
吸引し合つて羽根車５を取付基板２側に吸引す
る。羽根車５はその吸引力によつて後方へ摺動
し、羽根車５の係合突起１０が取付基板２の係合
孔４に嵌合して回転できないように拘束される。

なお、前記操作杆２６による回転制御体１４の
回転動作、応差は、例えはソレノイド等の電気的
な連動操作機構に連係させるか、或いは機械的な
い連動操作機構に連係させるようにしてもよく、
必要に応じて適宜設定すればよい。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明に係る羽根車装置は、永
久磁石を設けた羽根車と回転制御体との中間位置
に前後方向に移動可能な可動体を配設し、該可動
体に固定的な永久磁石と前後方向ち移動自在な永
久磁石とを夫々設けると共に、その前端面中心に
は支持筒を突設したため、対応する磁極をもつ永
久磁石の反撥と吸引を利用し、かつ不必要な磁力
の影響を排除して羽根車を前後方向にスムーズに
摺動させられ、かつ羽根車を磁力の影響を受ける
ことのない回転自在な状態と拘束されて回転でき
ない状態の二様に確実に変化作動させられる。こ
のため羽根車の軽快かつ安定した回転が得られる
と共に、例えは羽根車の回転を拘束することによ
つて上方から落下する打玉をすべて入賞口へ導く
等従来パチンコ機では到底なし得ない変化に富ん
だ遊技盤面のゲージ構成が可能となり、パチンコ
遊技の興趣を著しく高めることができるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明に係るもので、第１図は斜視図、第
２図は羽根車を分解して示す斜視図、第３図は全
体の斜視図、第４図及び第５図は作用を説明する
断面図である。 ２……取付基板、４……嵌合孔、５……羽根
車、６……支軸、９……羽根、１０……係合突
起、１１……永久磁石、１３……可動体、１４…
…回転制御体、１５……支持軸、２０（２０ａ，
２０ｂ）……永久磁石、２３，２４……永久磁
石。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 取付基板の前面に、中心から複数の羽根を放
   射状に突設した羽根車を回転自在に、かつ前後摺
   動自在に軸支し、その羽根車の後端面に複数の同
   極の永久磁石と取付基板の係合孔に嵌合する係合
   突起を設け、取付基板の裏面には前後方向へ移動
   可能なドラム状の可動体と、この可動体と対応さ
   せて回動自在な回転制御体を設け、前期可動体の
   周縁部には前記羽根車の永久磁石と対面する位置
   において、該羽根車の永久磁石と対応して互いに
   吸引し合う関係にあり、かつ前後へ移動自在な永
   久磁石と、固定的に保持される永久磁石とを交互
   に設けると共に、該可動体の前端面中心から支持
   筒を突設して前記相対する磁石の吸引及び反撥作
   用により可動体が前方へ移動したときその先端部
   が前記羽根車を前方へ摺動させて前記係合突起を
   係合孔から抜脱させることにより、羽根車を回転
   自在に保持するように形成し、一方、前記回転制
   御体には可動体の夫々の永久磁石に対面する位置
   において、該夫々の永久磁石に対応させて極性を
   異にした永久磁石を固定的に設けたことを特徴と
   するパチンコ機における羽根車装置。