JPH0454396Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、いわゆるインタロツクチユーブを内
蔵したフレキシブルパイプの構造に関する。

［従来の技術］ フレキシブルパイプは、各種可動部、配管と配
管の連結部等に用いられているが、たとえば自動
車の排気管においては、インタロツクチユーブを
内蔵したフレキシブルパイプが使用されることが
多い。

従来のインタロツクチユーブ入りフレキシブル
パイプは、たとえば第３図に示すように構成さ
れ、このようなフレキシブルパイプは実開昭57−
46181号公報等に開示されている。図において、
１，２は、エンジン側、ボデー側にそれぞれ支持
される排気管であり、これらがインタロツクチユ
ーブ入りフレキシブルパイプ３を介して接続され
ている。４は、軸方向に伸縮可能なベローズ管で
あり、ベローズ管４はその伸縮により軸湾曲方向
にも変形可能となつている。ベローズ管４の内周
側に、インタロツクチユーブ５が配設されてい
る。インタロツクチユーブ５は、らせん状に巻い
た部材構成をとることにより軸方向に伸縮可能と
なつており、らせん部の断面形状が鉤状に形成さ
れるとともに隣接する鉤状部が互に部分的に重合
されている。なお図示を省略したが、ベローズ管
４の外周側には、ベローズ管４を保護するため
に、通常ワイヤ網入り等のブレーダが設けられ
る。

このような従来のインタロツクチユーブ入りフ
レキシブルパイプ３においては、従来、たとえば
第３図に示したように、通常インタロツクチユー
ブ５が完全に引き伸ばされた状態で固定されてい
た。

また、実開昭57−37178号公報、実開昭58−
151315号公報の図面には、インタロツクチユーブ
を半圧縮状態で使用している構造が開示されてい
る。

さらに、実開昭58−96007号公報には、重合部
分が互いに巻込むように構成された特殊形状のイ
ンタロツクチユーブが開示されている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、第３図に示したような従来構造や実
開昭57−37178号公報、実開昭58−151315号公報
に示されるような従来構造では、ベローズ管が軸
方向に相当圧縮され、インタロツクチユーブが使
用状態において完全圧縮状態にならない限り、イ
ンタロツクチユーブがフレキシブルパイプに加わ
る圧縮荷重を分担しない構造となつている。つま
り、フレキシブルパイプの過大な圧縮変形を防止
する際に初めてインタロツクチユーブが機能する
ようになつている。しかし実際の使用において
は、インタロツクチユーブが完全圧縮状態になる
までの範囲で使用されることがほとんどであり、
ベローズ管にはくり返し圧縮荷重が加わることが
多い。このように、インタロツクチユーブが圧縮
荷重を実質的に分担しない範囲において、かつ苛
酷な使用条件下においては、フレキシブルパイプ
内で構造的に最も弱いと考えられるベローズ管の
耐久性が厳しくなり、その耐久信頼性の向上に限
界があるという問題がある。

本考案は、上記のような問題点に着目し、ベロ
ーズ管に過大な荷重が加わるのを防止し、フレキ
シブルパイプ全体として耐久信頼性を向上するこ
とを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この目的に沿う本考案のインタロツクチユーブ
入りフレキシブルパイプは、軸方向に伸縮可能な
ベローズ管と、該ベローズ管の内周側に配置され
らせん状に巻いた部材構成をとることにより軸方
向に伸縮可能に構成されるとともにらせん部の断
面形状を鉤状に形成し隣接する鉤状部を互に部分
的に重合させたインタロツクチユーブと、ベロー
ズ管の外周側に配置された可撓性を有するブレー
ダと、を備えたインタロツクチユーブ入りフレキ
シブルパイプにおいて、前記インタロツクチユー
ブを、完全圧縮状態で組み込んだものから成る。

ここで、インタロツクチユーブの軸方向長さ
は、フレキシブルパイプ全長に対し長すぎるとイ
ンタロツクチユーブ全体としてのへたりや変形が
大きくなるおそれがあるので、フレキシブルパイ
プ全長の1/2以下に抑えることが望ましい。

［作用］ このようなインタロツクチユーブ入りフレキシ
ブルパイプにおいては、インタロツクチユーブが
完全圧縮状態で組込まれているため、フレキシブ
ルパイプに圧縮荷重が作用した場合その荷重の大
部分は確実にインタロツクチユーブによつて分担
される。フレキシブルパイプに引張り荷重が作用
した場合には、ベローズ管の外周側に設けられた
ブレーグがその荷重の大部分を分担する。したが
つて、ベローズ管には圧縮方向にも引張り方向に
も過大な荷重が作用しなくなり、従来構造に比べ
ベローズ管の耐久性が飛躍的に向上される。

［実施例］ 以下に、本考案の望ましい実施例を図面を参照
して説明する。

第１図は、本考案の一実施例に係るインタロツ
クチユーブ入りフレキシブルパイプを示してい
る。インタロツクチユーブ入りフレキシブルパイ
プ１１は、たとえば自動車の排気管１２，１３の
連結部に介装される。

図において、１４は軸方向Ｘ−Ｘに伸縮可能な
ベローズ管を示しており、ベローズ管１４の両開
口端にそれぞれ挿入管１５ａ，１５ｂが固定さ
れ、この挿入管１５ａ，１５ｂが各排気管１２，
１３に連結される。両挿入管１５ａ，１５ｂ間
で、ベローズ管１４の内周側には、インタロツク
チユーブ１６が配置され、インタロツクチユーブ
１６の両端部が挿入管１５ａ，１５ｂにそれぞれ
固定されている。インタロツクチユーブ１６は、
らせん状に巻いた部材構成をとることによりコイ
ルばね状に軸方向Ｘ−Ｘに伸縮可能な構造となつ
ているが、両挿入管１５ａ，１５ｂ間に完全圧縮
状態で固定されており、これ以上の圧縮変形は、
部材自身の変形でしか実質的に発生しないように
なつている。インタロツクチユーブ１６のらせん
状に巻かれたらせん部の断面形状は、鉤状に形成
されており、隣接する鉤状部が互い部分的に重合
されている。

このインタロツクチユーブ１６の軸方向Ｘ−Ｘ
の長さは、フレキシブルパイプ１１全長の1/2以
下であることが望ましい。

ベローズ管１４の外周側には、ベローズ管１４
を覆うようにブレーダ１７が配置されており、ブ
レーダ１７の両端部１４の両端部に金属バンド１
８ａ，１８ｂでそれぞれ固定されている。ブレー
ダ１７は、フレキシブルパイプ１１の湾曲方向に
可撓性を有する部材から構成され、たとえば0.4
mm径程度のワイヤを網状に編み込んだシート状物
から成つている。そして、ブレーダ１７は、軸方
向Ｘ−Ｘに実質的にたるみなく緊張した状態で固
定されている。

上記のように構成されたインタロツクチユーブ
入りフレキシブルパイプにおいては、フレキシブ
ルパイプ１１に圧縮荷重が加わると、インタロツ
クチユーブ１６が完全圧縮状態で組み込まれてい
るため、圧縮荷重の一部は、インタロツクチユー
ブ１６によつて受けられる。ベローズ管１４は湾
曲部を複数配列した形状で、相当圧縮されない限
り大きな圧縮荷重は受けもたないので、実質的に
大部分の圧縮荷重は完全圧縮状態のインタロツク
チユーブ１６によつて受けもたれることになる。
したがつて、ベローズ管１４には大きな圧縮荷重
は作用しない。

この圧縮荷重作用時の圧縮荷重とフレキシブル
パイプ１１全体の圧縮方向変位との関係を第２図
に従来例と比較しながら示す。図における特性２
１が第１図に示した本考案装置による特性であ
り、特性２２が従来のインタロツクチユーブが完
全に伸び切つた状態あるいは半圧縮状態で組み込
まれた場合の特性であり、特性２３がインタロツ
クチユーブなしの場合を示している。２点鎖線２
４は、ベローズ管の耐久性が満足すべきレベルに
保証できる限界変位を示している。

本考案装置では、インタロツクチユーブ１６が
完全圧縮状態で組み込まれており、フレキシブル
パイプ１１の変位（圧縮変形）に対しすぐにイン
タロツクチユーブ１６がその荷重を受け持ち、変
位に対し受けもたれる荷重がすぐに立上り、ベロ
ーズ管１４の大きな変位が確実に防止される。

一方、引張り荷重が作用する場合には、ベロー
ズ管１４の外周側に取付けられたブレーダ１７が
その荷重の大部分を受けもつことになるので、や
はりベローズ管１４には大きな荷重は作用しな
い。

したがつて、ベローズ管１４には圧縮方向にも
引張り方向にも過大な荷重は作用しなくなる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案のインタロツクチ
ユーブ入りフレキシブルパイプによるときは、イ
ンタロツクチユーブを完全圧縮状態で組込み、フ
レキシブルパイプに圧縮荷重が作用した場合すぐ
にインタロツクチユーブでその荷重を分担できる
ようにするとともに、引張り荷重に対してはブレ
ーダで荷重分担できるようにしたので、ベローズ
管に過大な荷重が作用するのを確実に防止するこ
とができ、インタロツクチユーブ入りフレキシブ
ルパイプとしての耐久信頼性を大幅に向上させる
ことができ、その寿命も大幅に延長させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るインタロツク
チユーブ入りフレキシブルパイプの半断面図、第
２図は圧縮荷重とフレキシブルパイプの変位との
関係図、第３図は従来のインタロツクチユーブ入
りフレキシブルパイプの半断面図、である。 １１……インタロツクチユーブ入りフレキシブ
ルパイプ、１２，１３……排気管、１４……ベロ
ーズ管、１５ａ，１５ｂ……挿入管、１６……イ
ンタロツクチユーブ、１７……ブレーダ、１８
ａ，１８ｂ……金属バンド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸方向に伸縮可能なベローズ管と、該ベローズ
   管の内周側に配置されらせん状に巻いた部材構成
   をとることにより軸方向に伸縮可能に構成される
   とともにらせん部の断面形状を鉤状に形成し隣接
   する鉤状部を互に部分的に重合させたインタロツ
   クチユーブと、ベローズ管の外周側に配置された
   可撓性を有するブレーダと、を備えたインタロツ
   クチユーブ入りフレキシブルパイプにおいて、前
   記インタロツクチユーブを、完全圧縮状態で組み
   込んだことを特徴とするインタロツクチユーブ入
   りフレキシブルパイプ。