JPH0452521B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はヘリカルスキヤン回転ヘツド方式の磁
気記録再生装置に関する。

背景技術とその問題点 従来、回転ヘツド方式の磁気記録再生装置、例
えばビデオテープレコーダ（VTR）等において
は磁気テープのローデイング機構はいわゆるＵ
型、Ω型、Ｍ型、α型あるいはμ型等が採用され
ているが、何れの場合も磁気テープは回転ヘツド
ドラムに対して傾斜状態でローデイングするよう
に構成されているため、回転ヘツドドラムに対す
る入口側と出口側では段差が生じ、この段差をテ
ープカセツトとの間において解消するためにロー
デイングまでのテープパス系を長くすると共にロ
ーデイング機構の各テープガイドを傾斜させるこ
とにより磁気テープの傾斜角を修正するように構
成していたので、磁気テープの回転ヘツドドラム
に対するローデイングセツトまでに時間を要し、
記録再生時の応答性に難点があり、またローデイ
ング機構が複雑で比較的大形になり、量産に難点
がありコスト高になる不都合がある。

発明の目的 本発明は、回転ヘツドドラムに磁気ヘツド機能
の全機能を持たせ、回転ドラムの軸方向に対して
直交する方向の同一面上に形成される平坦状テー
プパスを形成し、テープパス系及び磁気ヘツド機
能を簡素化したヘリカルスキヤン回転ヘツド方式
の磁気記録再生装置を提供するものである。

発明の概要 本発明はヘリカルスキヤン回転ヘツド方式磁気
記録再生装置において、テープパス系を回転ドラ
ムの軸方向と直交する方向に形成し、回転ドラム
に主磁気ヘツドを回転ドラム軸方向に移動可能に
搭載すると共に補助磁気ヘツドを固定することに
より回転ヘツドドラムに磁気ヘツドの全機能を持
たせ、テープパス系及び磁気ヘツド機構を簡略化
するようにしたものである。

実施例 以下本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。

図において１は回転ドラムで一対の主磁気ヘツ
ド２，２′が直径方向に対称的に搭載されている。
この主磁気ヘツド２，２′はヘツドチツプ３，
３′を電気一機械変換素子、例えば２枚の圧電素
子を重ね合せて成るバイモルフ板４，４′の一端
に接着して形成され、この主磁気ヘツド２，２′
を回転ドラム１にその底面部１ａに形成した抜き
穴５，５′に対応して取付ける。即ち、回転ドラ
ム１の底面部１ａに主磁気ヘツド２，２′のバイ
モルフ板４，４′より巾広の抜き穴５，５′を設け
ると共に、周面部１ｂに抜き穴５，５′に連続し
て軸方向に長い窓孔６，６′を形成し、この抜き
穴５，５′に主磁気ヘツド２，２′のバイモルフ板
４，４′を対応させた状態で他端部を底面部１ａ
に固着すると共に、ヘツドチツプ３，３′を窓孔
６，６′に挿入しその先端を外方に突出させてあ
る。またこの回転ドラム１の底面部１ａの裏面側
には、抜き穴５，５′を挟んで主磁気ヘツド２，
２′と対応して補助磁気ヘツド７，７′が固定され
る。この補助磁気ヘツド７，７′はヘツドチツプ
８，８′をヘツド基板９，９′の一端に固着して形
成され、ヘツド基板９，９′を回転ドラム１の底
面部１ａの裏面側に止ネジ１０，１０′により固
定し、ヘツドチツプ８，８′の先端を主磁気ヘツ
ド２，２′のヘツドチツプ３，３′と回転ドラム１
の軸方向に対応して外方に突出させてある。

そしてこのように主、補助磁気ヘツド２，２′，
７，７′を搭載した回転ドラム１は中心部に一体
的に形成した軸筒部１１に嵌挿される回転ドラム
軸１２に固定され、この軸１２は外周面に軸方向
と直交する方向にテープガイドフランジ１３ａを
形成した固定ドラム１３の中心部に一体的に形成
したベアリングハウジング１４に内蔵されたベア
リング１５，１６によつて回転自在に軸支され、
ベアリング１５はベアリングナツト１７により押
えられている。

回転ドラム１の軸筒部１１と固定ドラム１３の
ベアリングハウジング１４との間に主磁気ヘツド
２，２′と補助磁気ヘツド７，７′との信号入出力
用のロータリトランス１８と１９が備えられてお
り、１８ａ，１９ａは夫々のロータリトランスの
ロータ側で回転ドラム１の軸筒部１１に固定さ
れ、１８ｂ，１９ｂは夫々のロータリトランスの
ステータ側で固定ドラム１３のベアリングハウジ
ング１４に固定されている。

回転ドラム軸１２の先端部には主磁気ヘツド
２，２′のバイモルフ板４，４′の電極と電気的に
接続されるスリツプリング２０が固定されてお
り、このスリツプリング２０に駆動電源回路（図
示せず）に接続されるブラツシ２１が摺接され、
バイモルフ板４，４′に駆動電圧が印加される。
また、回転ドラム軸１２の後端部にはBSLモー
タ２２が装着されており、このロータ側２２ａは
回転ドラム軸１２の後端に止着部材２３により固
定され、ステータ側２２ｂはベアリングハウジン
グ１４に固定されている。さらに、固定ドラム１
３には速度位相サーボ用としてのPGヘツド２４
が固定されており、これと対応して回転ドラム１
にマグネツト２５が固定されている。

２６は固定ドラム１３をシヤーシ本体２７に固
着する取付けネジである。Ｔは磁気テープであ
る。

次に以上のように構成される本体装置の動作を
説明する。

先ず、磁気テープＴを回転ドラム１と固定ドラ
ム１３に対し、回転ドラム軸１２と直交するテー
プパスを通してローデイング操作を行い一端縁部
を固定ドラム１３のテープガイドフランジ１３ａ
に支持させて回転ドラム軸１２と直交する方向に
走行させると共に回転ドラム１をBSLモータ２
２の駆動により回転させる。

なお本例において、テープＴの幅を1.905mm〜
3.81mm、テープ巻付角を30゜程度、記録パターン
角を5゜程度、回転ドラム１の回転数を1800r.p.m
とする。この回転ドラム１の回転に対応して、主
磁気ヘツド２，２′のバイモルフ板４，４′の電極
にスリツプリング２０を介して駆動電圧を印加す
ることによりバイモルフ板４，４′は伸縮効果に
より変形して一端部側、即ち自由端部側が振れる
ことになり、ヘツドチツプ３，３′は、回転ドラ
ム１の周面部１ｂに形成した窓孔６，６′に沿つ
て可動される。このヘツドチツプ３，３′は、バ
イモルフ板４，４′が印加電圧に略比例した振れ
により可動されることになるので回転ドラム１の
角速度に対応してバイモルフ板４，４′の印加電
圧を可変することにより磁気テープＴ上にヘツド
チツプ３，３′によるヘリカルスキヤンの記録パ
ターンａを形成でき、また記録パターンａに沿つ
たオートトラツキングが可能となる。

一方、補助磁気ヘツド７，７′は回転ドラム１
に固定されているので回転ドラム１の回転に伴い
ヘツドチツプ８，８′が磁気テープＴに摺接し、
この摺接方向は磁気テープＴの走行方向と同方向
（又は逆方向）であつて磁気テープＴにその端縁
と平行に記録パターンｂが形成される。

このようにして磁気テープＴに対して主磁気ヘ
ツド２，２′によりヘリカルスキヤンの記録パタ
ーンａが形成されると同時に補助磁気ヘツド７，
７′により平行記録パターンｂが形成されるので
主磁気ヘツド２，２′にはロータリトランス１８
を介して例えばPCMオーデイオ信号を、補助磁
気ヘツド７，７′には、ロータリトランス１９を
介して補助信号例えば位置決め、位相コントロー
ル信号を供給することにより、磁気テープＴに
PCMオーデイオ信号がヘリカルスキヤンにより
記録され、これと対応して平行にコントロール信
号が記録されることになる。このPCMオーデイ
オ信号のヘリカルスキヤンにより記録され、これ
と対応して平行にコントロール信号が記録される
ことになる。このPCMオーデイオ信号のヘリカ
ルスキヤンによる記録と、コントロール信号の平
行記録とは主磁気ヘツド２，２′と補助磁気ヘツ
ド７，７′とが回転ドラム１に上下に対向して配
設されているので同時に行われる。

なお、PCMオーデイオ信号は重ね記録が可能
で、また補助信号としては頭出し信号等として番
地信号を記録するようにしてもよい。また、この
補助磁気ヘツド７，７′を音声ヘツドとして用い
ることもできる。

以上のように本例装置におけるテープパスは、
回転ドラム軸１２と直交する面上に形成されるこ
とになり、各テープガイドは回転ドラム軸１２と
平行で磁気テープＴはひねりが生じることなく全
体にわたつて直線状に走行され、また回転ドラム
１に主磁気ヘツド２，２′と共に補助磁気ヘツド
７，７′を備えたことにより回転ヘツドドラム機
構に磁気ヘツドの全機能を持たせることになり、
テープトランスポートから音声コントロールヘツ
ド、音声消去ヘツドを省略することができて、テ
ープトランスポートの簡略化とテープバス系の短
縮と簡略化が可能となる。

発明の効果 以上のように本発明によればヘリカルスキヤン
回転ヘツド方式の磁気記録再生装置において、磁
気テープの長手方向中心線を通る面と回転ドラム
軸とが直交するようにテープパスを形成し、回転
ドラムに主磁気ヘツドを軸方向に移動し得るよう
に搭載すると共に補助磁気ヘツドを固定支持し、
磁気テープに対し主磁気ヘツドによりヘリカルス
キヤンの記録パターンを形成して補助磁気ヘツド
により水平方向の記録パターンを形成するように
構成したので、磁気テープに回転ドラムの回転に
伴い主磁気ヘツドにより主信号がヘリカル状に、
また、補助磁気ヘツドによりコントロール信号等
の補助信号が水平状に同時に記録されることにな
り、テープトランスポートの音声コントロールヘ
ツド、音声消去ヘツドを省略することができると
共にテープパスは、回転ドラム軸と直交するよう
に形成されるので各テープガイドは回転ドラム軸
と平行に設置されてテープパス系を含むテープト
ランスポートが簡素化されると共にテープパス系
が短縮される等、装置全体として構成が簡略化さ
れることにより量産に有利となり、コストが低減
され、しかも磁気テープはねじりを受けることな
く円滑に走行され磁気テープ自体の使用寿命も延
長される等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に適用するヘリカルスキヤン方
式の回転ヘツドドラム装置の平面図、第２図は第
１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は記録パターン図
である。 図中、１は回転ドラム、２，２′は主磁気ヘツ
ド、３，３′はヘツドチツプ、４，４′はバイモル
フ板、７，７′は補助磁気ヘツド、８，８′はヘツ
ドチツプ、９，９′はヘツド基板、１２は回転ド
ラム軸、１３は固定ヘツド、１３ａはテープガイ
ドフランジ、Ｔは磁気テープである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ヘリカルスキヤン回転ヘツド方式の磁気記録
   再生装置において、磁気テープの長手方向中心線
   を通る面と回転ドラム軸が直交するようにテープ
   パスを形成し、上記回転ドラムに主磁気ヘツドと
   補助磁気ヘツドが搭載され、上記主磁気ヘツドは
   上記回転ドラムに対して軸方向に移動し得るよう
   構成すると共に上記補助磁気ヘツドを上記回転ド
   ラムに固定して成り、上記主磁気ヘツドを軸方向
   に移動させ、磁気テープにヘリカルスキヤンの記
   録パターンを形成すると共に上記補助磁気ヘツド
   により磁気テープの長手方向に平行に記録パター
   ンを形成するようにしたことを特徴とする磁気記
   録再生装置。