JPH0452488Y2 - - Google Patents
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- JPH0452488Y2 JPH0452488Y2 JP1986133931U JP13393186U JPH0452488Y2 JP H0452488 Y2 JPH0452488 Y2 JP H0452488Y2 JP 1986133931 U JP1986133931 U JP 1986133931U JP 13393186 U JP13393186 U JP 13393186U JP H0452488 Y2 JPH0452488 Y2 JP H0452488Y2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本考案は四輪自動車におけるストラツチスラス
ト型サスペンシヨン（マクフアーソン式）に組込
まれる合成樹脂ストラツトスラスト軸受に関する
ものである。 〔従来技術〕 一般に、ストラツト型サスペンシヨンは主とし
て四輪自動車の前輪に用いられ、主軸と一体とな
つた外筒の中に油圧式シヨツクアブソーバを内蔵
したストラツトアツセンブリにコイルバネを組合
わせたサスペンシヨンである。上記サスペンシヨ
ンには、ステアリング操作によりストラツトアツ
センブリがコイルバネと共に回るさい、該アツセ
ンブリのピストンロツドが回るものと、該ピスト
ンロツドが回らない型式のものとあるが、いずれ
の型式においてもストラツトアツセンブリの回転
を円滑に許容するべく車体の取付部材とコイルバ
ネの上部バネ座シートとの間にスラスト軸受が必
要とされる。 そして、従来よりこの箇所の軸受にはボールあ
るいはニードルを使用した転がり軸受あるいは合
成樹脂すべり軸受が使用されている。 第４図は合成樹脂すべり軸受を組込んだストラ
ツトアツセンブリを示す従来例である。 図において、ストラツトアツセンブリＡを構成
するシヨツクアブソーバを内蔵したストラツト１
のピストンロツド２はその一端が該ストラツト１
のシヨツクアブソーバ内に挿入され、他端が該シ
ヨツクアブソーバより突出して車体にゴム弾性体
からなるマウントインシユレータを介して支持さ
れた取付部材３にナツト４で固定されている。 該ストラツト１の外周面に固定された下部バネ
座シート５と該下部バネ座シート５と相対向し、
かつピストンロツド２の外周に遊挿された上部バ
ネ座シート６との間にはコイルバネ７が配されて
いる。該上部バネ座シート６の平面部８と取付部
材３との間には、内面に挿通孔９を有する円筒部
１０と該円筒部１０の一方の端部に一体に形成さ
れた鍔部１１とからなり、該鍔部１１の外周面に
ゴム弾性体からなるダストシール１２を装着した
合成樹脂スラスト軸受１３が該円筒部１０の内面
挿通孔９を前記ピストンロツド２の外周面に嵌挿
させ、かつ円筒部１０の外周面を上部バネ座シー
ト６の平面部８の孔に嵌合固定させて配されてい
る。 〔考案が解決しようとする問題点〕 上述した従来技術において、該スラスト軸受１
３の鍔部１１外周面に装着されたダストシールは
該スラスト軸受１３の摺動面への塵埃等の侵入を
防止する目的として相対回転する摺動面間に密に
摺接させて配されるため、ステアリング操作時に
はその摺動摩擦抵抗が高く操舵力を増大させると
いう欠点がある。 本考案は上述した従来技術の欠点を解決するべ
くなされたもので、ゴム弾性体からなるダストシ
ールを使用することなく摺動面への塵埃等の侵入
を防止し、ステアリング操作時の操舵力の増大を
防止できる合成樹脂ストラツトスラスト軸受を得
ることを目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 上述した目的を達成するべく本考案はつぎの技
術的手段（構成）を採る。 すなわち、車体側にマウントインシユレータを
介して固定された取付部材３の下面と一端が該取
付部材３に固定されたピストンロツド３の外周面
に遊挿された上部バネ座シート６の上面との間に
配置される合成樹脂ストラツトスラスト軸受であ
つて、該合成樹脂ストラツトスラスト軸受は合
成樹脂下部ケース２１と合成樹脂上部ケース２２
と該上、下部ケース２２，２１内に配される合成
樹脂軸受片２３とから形成されていること。該
合成樹脂下部ケース２１は内面に挿通孔２４を有
する円筒部２５と該円筒部２５の外周面に該円筒
部２５の一部２５ａを突出させて一体に形成され
た環状の幅広鍔部２６と該鍔部２６の外周縁に一
体に形成された環状突出部２７と該鍔部２６の上
面に該円筒部２５の一部突出部２５ａと環状突出
部２７とで形成された環状凹部と該環状突出部２
７の下端外周面に形成されたテーパー面部２８ａ
と円筒面部２８ｂとからなる係合部２８を備えて
いること。該合成樹脂上部ケース２２は円板状
の平面２９と該平面部２９の中央部に形成された
円孔３０と該平面部２９の外周縁に一体に形成さ
れた環状垂下部３１と該環状垂下部３１の下端内
周面に形成されたテーパー面部３２ａと円筒面部
３２ｂとからなる係合フツク部３２を備えている
こと。該合成樹脂軸受片２３は前記下部ケース
２１の円筒部２５の一部突出部２５ａ外径より大
きい内径を有し、該環状突出部２７の内径より小
さい外径を有する円板状をなしていること。該
軸受片２７は該下部ケース２１の幅広鍔部２６上
面の環状凹部にその下面を摺接させて配され、該
下部ケース２１には該上部ケース２２がその環状
垂下部３１の係合フツク部３２を該下部ケース２
２の環状突出部２７の係合部２８に弾性装着さ
せ、該弾性装着部にラビリス作用による密封部を
形成して組合わされていること。以上乃至の
構成からなることを特徴とする合成樹脂ストラツ
トスラスト軸受である。 上述した構成において、該ケースを構成する合
成樹脂は耐摩耗性、耐衝撃性、耐クリープ性など
の機械的特性に優れていることが必要であり、ま
たケースに摺接嵌合される軸受体にはとくに自己
潤滑性を有するものが好ましく、例えばポリアセ
タール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレ
フタレート（PBT）などのポリエステル樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
イン樹脂などが良好に使用され、このほかポリカ
ーボネート樹脂なども使用し得る。 ケースには上記軸受体と同様の合成樹脂が使用
されるが、とくに該軸受体に使用される合成樹脂
と摩擦摩耗特性の良好な組合わせであつて、しか
も比較的剛性の高い合成樹脂材料であることが望
ましい。 その望ましい組合わせについて例示すると下表
のとおりである。
ト型サスペンシヨン（マクフアーソン式）に組込
まれる合成樹脂ストラツトスラスト軸受に関する
ものである。 〔従来技術〕 一般に、ストラツト型サスペンシヨンは主とし
て四輪自動車の前輪に用いられ、主軸と一体とな
つた外筒の中に油圧式シヨツクアブソーバを内蔵
したストラツトアツセンブリにコイルバネを組合
わせたサスペンシヨンである。上記サスペンシヨ
ンには、ステアリング操作によりストラツトアツ
センブリがコイルバネと共に回るさい、該アツセ
ンブリのピストンロツドが回るものと、該ピスト
ンロツドが回らない型式のものとあるが、いずれ
の型式においてもストラツトアツセンブリの回転
を円滑に許容するべく車体の取付部材とコイルバ
ネの上部バネ座シートとの間にスラスト軸受が必
要とされる。 そして、従来よりこの箇所の軸受にはボールあ
るいはニードルを使用した転がり軸受あるいは合
成樹脂すべり軸受が使用されている。 第４図は合成樹脂すべり軸受を組込んだストラ
ツトアツセンブリを示す従来例である。 図において、ストラツトアツセンブリＡを構成
するシヨツクアブソーバを内蔵したストラツト１
のピストンロツド２はその一端が該ストラツト１
のシヨツクアブソーバ内に挿入され、他端が該シ
ヨツクアブソーバより突出して車体にゴム弾性体
からなるマウントインシユレータを介して支持さ
れた取付部材３にナツト４で固定されている。 該ストラツト１の外周面に固定された下部バネ
座シート５と該下部バネ座シート５と相対向し、
かつピストンロツド２の外周に遊挿された上部バ
ネ座シート６との間にはコイルバネ７が配されて
いる。該上部バネ座シート６の平面部８と取付部
材３との間には、内面に挿通孔９を有する円筒部
１０と該円筒部１０の一方の端部に一体に形成さ
れた鍔部１１とからなり、該鍔部１１の外周面に
ゴム弾性体からなるダストシール１２を装着した
合成樹脂スラスト軸受１３が該円筒部１０の内面
挿通孔９を前記ピストンロツド２の外周面に嵌挿
させ、かつ円筒部１０の外周面を上部バネ座シー
ト６の平面部８の孔に嵌合固定させて配されてい
る。 〔考案が解決しようとする問題点〕 上述した従来技術において、該スラスト軸受１
３の鍔部１１外周面に装着されたダストシールは
該スラスト軸受１３の摺動面への塵埃等の侵入を
防止する目的として相対回転する摺動面間に密に
摺接させて配されるため、ステアリング操作時に
はその摺動摩擦抵抗が高く操舵力を増大させると
いう欠点がある。 本考案は上述した従来技術の欠点を解決するべ
くなされたもので、ゴム弾性体からなるダストシ
ールを使用することなく摺動面への塵埃等の侵入
を防止し、ステアリング操作時の操舵力の増大を
防止できる合成樹脂ストラツトスラスト軸受を得
ることを目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 上述した目的を達成するべく本考案はつぎの技
術的手段（構成）を採る。 すなわち、車体側にマウントインシユレータを
介して固定された取付部材３の下面と一端が該取
付部材３に固定されたピストンロツド３の外周面
に遊挿された上部バネ座シート６の上面との間に
配置される合成樹脂ストラツトスラスト軸受であ
つて、該合成樹脂ストラツトスラスト軸受は合
成樹脂下部ケース２１と合成樹脂上部ケース２２
と該上、下部ケース２２，２１内に配される合成
樹脂軸受片２３とから形成されていること。該
合成樹脂下部ケース２１は内面に挿通孔２４を有
する円筒部２５と該円筒部２５の外周面に該円筒
部２５の一部２５ａを突出させて一体に形成され
た環状の幅広鍔部２６と該鍔部２６の外周縁に一
体に形成された環状突出部２７と該鍔部２６の上
面に該円筒部２５の一部突出部２５ａと環状突出
部２７とで形成された環状凹部と該環状突出部２
７の下端外周面に形成されたテーパー面部２８ａ
と円筒面部２８ｂとからなる係合部２８を備えて
いること。該合成樹脂上部ケース２２は円板状
の平面２９と該平面部２９の中央部に形成された
円孔３０と該平面部２９の外周縁に一体に形成さ
れた環状垂下部３１と該環状垂下部３１の下端内
周面に形成されたテーパー面部３２ａと円筒面部
３２ｂとからなる係合フツク部３２を備えている
こと。該合成樹脂軸受片２３は前記下部ケース
２１の円筒部２５の一部突出部２５ａ外径より大
きい内径を有し、該環状突出部２７の内径より小
さい外径を有する円板状をなしていること。該
軸受片２７は該下部ケース２１の幅広鍔部２６上
面の環状凹部にその下面を摺接させて配され、該
下部ケース２１には該上部ケース２２がその環状
垂下部３１の係合フツク部３２を該下部ケース２
２の環状突出部２７の係合部２８に弾性装着さ
せ、該弾性装着部にラビリス作用による密封部を
形成して組合わされていること。以上乃至の
構成からなることを特徴とする合成樹脂ストラツ
トスラスト軸受である。 上述した構成において、該ケースを構成する合
成樹脂は耐摩耗性、耐衝撃性、耐クリープ性など
の機械的特性に優れていることが必要であり、ま
たケースに摺接嵌合される軸受体にはとくに自己
潤滑性を有するものが好ましく、例えばポリアセ
タール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレ
フタレート（PBT）などのポリエステル樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
イン樹脂などが良好に使用され、このほかポリカ
ーボネート樹脂なども使用し得る。 ケースには上記軸受体と同様の合成樹脂が使用
されるが、とくに該軸受体に使用される合成樹脂
と摩擦摩耗特性の良好な組合わせであつて、しか
も比較的剛性の高い合成樹脂材料であることが望
ましい。 その望ましい組合わせについて例示すると下表
のとおりである。
スラスト荷重：350Kg 揺動角度：±35°
揺動速度：60cpm
潤滑：始動時シリコングリースを摺動面に塗布
なお、摩耗量は上記試験を揺動角度±35°を１
サイクルとして100万サイクル行つた後の軸受片
の寸法変化量（mm）を示す。 〔実施例〕 以下、本考案はその実施例を示す添付図面の第
１図乃至第３図によつて詳細に説明する。 ２０は合成樹脂ストラツトスラスト軸受であ
り、該スラスト軸受２０は合成樹脂下部ケース２
１と合成樹脂上部ケース２２と該上、下部ケース
２２，２１内に配される合成樹脂軸受片２３とか
らなる。 該合成樹脂下部ケース２１は内面に挿通孔２４
を有する円筒部２５と該円筒部２５の外周面に該
円筒部２５の一部２５ａを突出させて一体に形成
された環状の幅広鍔部２６と該鍔部２６の外周縁
に一体に形成された環状突出部２７と該鍔部２６
の上面に該円筒部２５の一部突出部２５ａと該環
状突出部２７とで形成された環状凹部と該環状突
出部２７の下端外周面に形成された係合部２８を
備えている。 該係合部２８は該環状突出部２７の外周面から
該鍔部２６の下面にかけて形成されたテーパー面
部２８ａと該テーパー面部２８ａと連続し該鍔部
２６の下面に連なる円筒面部２８ｂとからなる。 該合成樹脂上部ケース２２は円板状の平面部２
９と該平面部２９の中央部に形成された円孔３０
と該平面部２９の外周縁に一体に形成された環状
垂下部３１と該環状垂下部３１のの下端内周面に
形成された係合フツク部３２とを備えている。 該係合フツク部３２は前記下部ケース２１の係
合部２８を形成するテーパー面部２８ａに対応す
るテーパー面部３２ａと該テーパー面部３２ａに
連続し前記係合部２８の円筒面部２８ｂに対応す
る円筒面部３２ｂとからなる。 該合成樹脂軸受片２３は前記下部ケース２１の
円筒部２５の一部突出部２５ａ外径より大きい内
径を有する内孔２３ａと該下部ケース２１の環状
突出部２７内径より小さい外径を有する円板状に
形成されている。該軸受片２３の両端面には該内
孔２３ａから外周面にかけて放射状に複数個の凹
溝２３ｂが周方向に30度の位相差をもつてそれぞ
れ形成されており、該凹溝２３ｂはグリースなど
の潤滑剤の溜り部となる。該軸受片２３は内孔２
３ａを該下部ケース２１の一部突出円筒部２５ａ
外周面に係合させて該下部ケース２１の幅広鍔部
２６上面に形成された環状凹部内に配されてい
る。 このように合成樹脂軸受片２３を保持した合成
樹脂下部ケース２１と合成樹脂上部ケース２２と
は、該上部ケース２２の環状垂下部３１の係合フ
ツク部３２を該下部ケースの環状突出部２７の係
合部２８に弾性装着させ、該弾性装着部にラビリ
ンス作用による密封部を形成して相対回転可能に
組合わされている。 この組合わせにより、軸受摺動面は弾性装着部
に形成されたラビリンス作用による密封部により
保護されるので、従来のゴム弾性体からなるダス
トシールを使用することなく当該摺動面への塵埃
等の侵入は防止される。 また、この組合わせにより構成されたストラツ
トスラスト軸受２０においては、上、下ケース２
２，２１間に相対回転が生じた場合、当該回転
は、下部ケース２１の幅広鍔部２６上面の環状凹
部底面と該環状凹部に嵌合される軸受片２３の下
面との摺接面あるいは上部ケース２２の円板状平
面部２９下面と該軸受片２３の上面との摺接面の
いずれか摩擦抵抗（摩擦係数）の低い側で許容さ
れる。 第３図は上述した合成樹脂下部ケース２１と合
成樹脂上部ケース２２と該上、下部ケース内に配
され合成樹脂軸受片２３とからなるストラツトス
ラスト軸受２０をストラツトアツセンブリＡに組
込んだ状態を示すものである。 すなわち、合成樹脂下部ケース２１の円筒部２
５の挿通孔２４をストラツト１のピストンロツド
２の外周面に挿通し、該下部ケース２１の円筒部
２５外周面を上部バネ座シート６の孔に嵌合固定
すると共に該下部ケース２１の幅広鍔部２６下面
を該バネ座シート６の平面部８に当接させ、該合
成樹脂上部ケース２２の平面部２９上面を車体側
取付部材３に当接させて該ストラツトスラスト軸
受２０を上部バネ座シート６と車体側取付部材３
との間に配置するものである。 このようにストラツトスラスト軸受２０を組込
んだストラツトアツセンブリＡにおいて、ステア
リング操作により車体側取付部材３と上部バネ座
シート６との間に相対回転変位が生じた場合、ス
トラツトスラスト軸受２０の下部ケース２１と軸
受片２３との摺接面あるいは上部ケース２２と軸
受片２３との摺接面のいずれか摩擦係数の低い側
の摺接面で当該回転変位は許容される。そして、
前述した合成樹脂材料の組合わせをとることによ
り、より小さな摩擦抵抗（低摩擦係数）で当該回
転変位を許容することができ、常時円滑なステア
リング操作を行わせることができる。 〔効果〕 上述した構成からなる合成樹脂ストラツトスラ
スト軸受は以下に述べる特有の効果を有する。 合成樹脂下部ケースと合成樹脂上部ケースと
は該下部ケースの環状突出部に形成された係合
部と該上部ケースの環状垂下部に形成された係
合フツク部との弾性装着により組合わされ、か
つ当該弾性装着部にラビリンス作用による密封
部が形成されるので、軸受摺動面への塵埃等の
侵入は防止されるばかりでなく、従来のゴム弾
性体からなるダストシールは不要となり、ステ
アリング操作時の操舵力の増大はない。 ステアリング操作により車体側取付部材と上
部バネ座シートとの間に相対回転変位が生じた
場合、ストラツトスラスト軸受の下部ケースと
軸受片との摺接面あるいは上部ケースと軸受片
との摺接面のいずれか摩擦係数の低い側の摺接
面で当該回転変位を許容することができる。 合成樹脂上、下部ケースと合成樹脂軸受片に
摺動摩擦抵抗の小さい（低摩擦係数）合成樹脂
材料の組合わせを選択することにより、上述し
たの効果と相俟つて長期間にわたつて円滑な
ステアリング操作を行うことができる。 合成樹脂ケースと合成樹脂軸受体とは弾性装
着により組合わされるので、その組立て作業を
極めて簡単に行うことができる。
サイクルとして100万サイクル行つた後の軸受片
の寸法変化量（mm）を示す。 〔実施例〕 以下、本考案はその実施例を示す添付図面の第
１図乃至第３図によつて詳細に説明する。 ２０は合成樹脂ストラツトスラスト軸受であ
り、該スラスト軸受２０は合成樹脂下部ケース２
１と合成樹脂上部ケース２２と該上、下部ケース
２２，２１内に配される合成樹脂軸受片２３とか
らなる。 該合成樹脂下部ケース２１は内面に挿通孔２４
を有する円筒部２５と該円筒部２５の外周面に該
円筒部２５の一部２５ａを突出させて一体に形成
された環状の幅広鍔部２６と該鍔部２６の外周縁
に一体に形成された環状突出部２７と該鍔部２６
の上面に該円筒部２５の一部突出部２５ａと該環
状突出部２７とで形成された環状凹部と該環状突
出部２７の下端外周面に形成された係合部２８を
備えている。 該係合部２８は該環状突出部２７の外周面から
該鍔部２６の下面にかけて形成されたテーパー面
部２８ａと該テーパー面部２８ａと連続し該鍔部
２６の下面に連なる円筒面部２８ｂとからなる。 該合成樹脂上部ケース２２は円板状の平面部２
９と該平面部２９の中央部に形成された円孔３０
と該平面部２９の外周縁に一体に形成された環状
垂下部３１と該環状垂下部３１のの下端内周面に
形成された係合フツク部３２とを備えている。 該係合フツク部３２は前記下部ケース２１の係
合部２８を形成するテーパー面部２８ａに対応す
るテーパー面部３２ａと該テーパー面部３２ａに
連続し前記係合部２８の円筒面部２８ｂに対応す
る円筒面部３２ｂとからなる。 該合成樹脂軸受片２３は前記下部ケース２１の
円筒部２５の一部突出部２５ａ外径より大きい内
径を有する内孔２３ａと該下部ケース２１の環状
突出部２７内径より小さい外径を有する円板状に
形成されている。該軸受片２３の両端面には該内
孔２３ａから外周面にかけて放射状に複数個の凹
溝２３ｂが周方向に30度の位相差をもつてそれぞ
れ形成されており、該凹溝２３ｂはグリースなど
の潤滑剤の溜り部となる。該軸受片２３は内孔２
３ａを該下部ケース２１の一部突出円筒部２５ａ
外周面に係合させて該下部ケース２１の幅広鍔部
２６上面に形成された環状凹部内に配されてい
る。 このように合成樹脂軸受片２３を保持した合成
樹脂下部ケース２１と合成樹脂上部ケース２２と
は、該上部ケース２２の環状垂下部３１の係合フ
ツク部３２を該下部ケースの環状突出部２７の係
合部２８に弾性装着させ、該弾性装着部にラビリ
ンス作用による密封部を形成して相対回転可能に
組合わされている。 この組合わせにより、軸受摺動面は弾性装着部
に形成されたラビリンス作用による密封部により
保護されるので、従来のゴム弾性体からなるダス
トシールを使用することなく当該摺動面への塵埃
等の侵入は防止される。 また、この組合わせにより構成されたストラツ
トスラスト軸受２０においては、上、下ケース２
２，２１間に相対回転が生じた場合、当該回転
は、下部ケース２１の幅広鍔部２６上面の環状凹
部底面と該環状凹部に嵌合される軸受片２３の下
面との摺接面あるいは上部ケース２２の円板状平
面部２９下面と該軸受片２３の上面との摺接面の
いずれか摩擦抵抗（摩擦係数）の低い側で許容さ
れる。 第３図は上述した合成樹脂下部ケース２１と合
成樹脂上部ケース２２と該上、下部ケース内に配
され合成樹脂軸受片２３とからなるストラツトス
ラスト軸受２０をストラツトアツセンブリＡに組
込んだ状態を示すものである。 すなわち、合成樹脂下部ケース２１の円筒部２
５の挿通孔２４をストラツト１のピストンロツド
２の外周面に挿通し、該下部ケース２１の円筒部
２５外周面を上部バネ座シート６の孔に嵌合固定
すると共に該下部ケース２１の幅広鍔部２６下面
を該バネ座シート６の平面部８に当接させ、該合
成樹脂上部ケース２２の平面部２９上面を車体側
取付部材３に当接させて該ストラツトスラスト軸
受２０を上部バネ座シート６と車体側取付部材３
との間に配置するものである。 このようにストラツトスラスト軸受２０を組込
んだストラツトアツセンブリＡにおいて、ステア
リング操作により車体側取付部材３と上部バネ座
シート６との間に相対回転変位が生じた場合、ス
トラツトスラスト軸受２０の下部ケース２１と軸
受片２３との摺接面あるいは上部ケース２２と軸
受片２３との摺接面のいずれか摩擦係数の低い側
の摺接面で当該回転変位は許容される。そして、
前述した合成樹脂材料の組合わせをとることによ
り、より小さな摩擦抵抗（低摩擦係数）で当該回
転変位を許容することができ、常時円滑なステア
リング操作を行わせることができる。 〔効果〕 上述した構成からなる合成樹脂ストラツトスラ
スト軸受は以下に述べる特有の効果を有する。 合成樹脂下部ケースと合成樹脂上部ケースと
は該下部ケースの環状突出部に形成された係合
部と該上部ケースの環状垂下部に形成された係
合フツク部との弾性装着により組合わされ、か
つ当該弾性装着部にラビリンス作用による密封
部が形成されるので、軸受摺動面への塵埃等の
侵入は防止されるばかりでなく、従来のゴム弾
性体からなるダストシールは不要となり、ステ
アリング操作時の操舵力の増大はない。 ステアリング操作により車体側取付部材と上
部バネ座シートとの間に相対回転変位が生じた
場合、ストラツトスラスト軸受の下部ケースと
軸受片との摺接面あるいは上部ケースと軸受片
との摺接面のいずれか摩擦係数の低い側の摺接
面で当該回転変位を許容することができる。 合成樹脂上、下部ケースと合成樹脂軸受片に
摺動摩擦抵抗の小さい（低摩擦係数）合成樹脂
材料の組合わせを選択することにより、上述し
たの効果と相俟つて長期間にわたつて円滑な
ステアリング操作を行うことができる。 合成樹脂ケースと合成樹脂軸受体とは弾性装
着により組合わされるので、その組立て作業を
極めて簡単に行うことができる。
第１図は本考案の合成樹脂ストラツトスラスト
軸受を示す縦断面図、第２図は合成樹脂軸受片の
平面図、第３図は合成樹脂ストラツトスラスト軸
受を組込んだストラツトアツセンブリを示す縦断
面図、第４図は従来のストラツトアツセンブリを
示す縦断面図である。 ２０……合成樹脂ストラツトスラスト軸受、２
１……合成樹脂下部ケース、２２……合成樹脂上
部ケース、２３……合成樹脂軸受片、２５……円
筒部、２６……幅広鍔部、２７……環状突出部、
２８……係合部、２９……平面部、３１……環状
垂下部、３２……係合フツク部。
軸受を示す縦断面図、第２図は合成樹脂軸受片の
平面図、第３図は合成樹脂ストラツトスラスト軸
受を組込んだストラツトアツセンブリを示す縦断
面図、第４図は従来のストラツトアツセンブリを
示す縦断面図である。 ２０……合成樹脂ストラツトスラスト軸受、２
１……合成樹脂下部ケース、２２……合成樹脂上
部ケース、２３……合成樹脂軸受片、２５……円
筒部、２６……幅広鍔部、２７……環状突出部、
２８……係合部、２９……平面部、３１……環状
垂下部、３２……係合フツク部。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 車体側にマウントインシユレータを介して固定
された取付部材３の下面と一端が該取付部材３に
固定されたピストンロツド２の外周面に遊挿され
た上部バネ座シート６の上面との間に配置される
合成樹脂ストラツトスラスト軸受であつて、 該合成樹脂ストラツトスラスト軸受は合成樹
脂下部ケース２１と合成樹脂上部ケース２２と
該上、下部ケース２２，２１内に配される合成
樹脂軸受片２３とから形成されていること。 該合成樹脂下部ケース２１は内面に挿通孔２
４を有する円筒部２５と該円筒部２５の外周面
に該円筒部２５の一部２５ａを突出させて一体
に形成された環状の幅広鍔部２６と該鍔部２６
の外周縁に一体に形成された環状突出部２７と
該鍔部２６の上面に該円筒部２５の一部突出部
２５ａと環状突出部２７とで形成された環状凹
部と該環状突出部２７の下端外周面に形成され
たテーパー面部２８ａと円筒面部２８ｂとから
なる係合部２８を備えていること。 該合成樹脂上部ケース２２は円板状の平面部
２９と該平面部２９の中央部に形成された円孔
３０と該平面部２９の外周縁に一体に形成され
た環状垂下部３１と該環状垂下部３１の下端内
周面に形成されたテーパー面部３２ａと円筒面
部３２ｂとからなる係合フツク部３２を備えて
いること。 該合成樹脂軸受片２３は前記下部ケース２１
の円筒部２５の一部突出部２５ａ外径より大き
い内径を有し、該環状突出部２７の内径より小
さい外径を有する円板状をなしていること。 該軸受片２３は該下部ケース２１の幅広鍔部
２６上面の環状凹部にその下面を摺接させて配
され、該下部ケース２１には該上部ケース２２
がその環状垂下部３１の係合フツク部３２を該
下部ケース２２の環状突出部２７の係合部２８
に弾性装着させ、該弾性装着部にラビリンス作
用による密封部を形成して組合わされているこ
と。 以上乃至の構成からなることを特徴とする
合成樹脂ストラツトスラスト軸受。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1986133931U JPH0452488Y2 (ja) | 1986-09-01 | 1986-09-01 | |
| US07/089,127 US4854745A (en) | 1986-09-01 | 1987-08-25 | Thrust bearing made of synthetic resin |
| US07/361,991 US4969752A (en) | 1986-09-01 | 1989-06-06 | Thrust bearing made of synthetic resin |
| US07/362,814 US4907289A (en) | 1986-09-01 | 1989-06-07 | Thrust bearing made of synthetic resin |
| US07/362,815 US4923312A (en) | 1986-09-01 | 1989-06-07 | Thrust bearing made of synthetic resin |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1986133931U JPH0452488Y2 (ja) | 1986-09-01 | 1986-09-01 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6340621U JPS6340621U (ja) | 1988-03-16 |
| JPH0452488Y2 true JPH0452488Y2 (ja) | 1992-12-10 |
Family
ID=31034696
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1986133931U Expired JPH0452488Y2 (ja) | 1986-09-01 | 1986-09-01 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0452488Y2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2012176380A1 (ja) | 2011-06-20 | 2012-12-27 | オイレス工業株式会社 | スラスト滑り軸受 |
| WO2013108596A1 (ja) | 2012-01-17 | 2013-07-25 | オイレス工業株式会社 | スラスト滑り軸受 |
| US8931958B2 (en) | 2008-08-26 | 2015-01-13 | Oiles Corporation | Synthetic resin-made thrust sliding bearing |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0475078U (ja) * | 1990-11-14 | 1992-06-30 | ||
| JP2006513374A (ja) * | 2002-12-20 | 2006-04-20 | エフアーゲー クーゲルフィッシャー アーゲー ウント カンパニー オーハーゲー | 特にマクファーソンストラットにおいて使用するためのプラスチックリング軸受 |
| JP2010216262A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-30 | Denso Corp | 燃料噴射ポンプ |
| JPWO2017086401A1 (ja) * | 2015-11-20 | 2018-09-06 | オイレス工業株式会社 | 合成樹脂製滑り軸受 |
| JP2019105306A (ja) * | 2017-12-12 | 2019-06-27 | オイレス工業株式会社 | 滑り軸受およびその製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5023542U (ja) * | 1973-06-27 | 1975-03-17 |
-
1986
- 1986-09-01 JP JP1986133931U patent/JPH0452488Y2/ja not_active Expired
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8931958B2 (en) | 2008-08-26 | 2015-01-13 | Oiles Corporation | Synthetic resin-made thrust sliding bearing |
| US9370983B2 (en) | 2008-08-26 | 2016-06-21 | Oiles Corporation | Synthetic resin-made thrust sliding bearing |
| WO2012176380A1 (ja) | 2011-06-20 | 2012-12-27 | オイレス工業株式会社 | スラスト滑り軸受 |
| WO2013108596A1 (ja) | 2012-01-17 | 2013-07-25 | オイレス工業株式会社 | スラスト滑り軸受 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6340621U (ja) | 1988-03-16 |
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