JPH0452294A - Ni,Cu被覆冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

Ni,Cu被覆冷延鋼板およびその製造方法

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JPH0452294A
JPH0452294A JP16347390A JP16347390A JPH0452294A JP H0452294 A JPH0452294 A JP H0452294A JP 16347390 A JP16347390 A JP 16347390A JP 16347390 A JP16347390 A JP 16347390A JP H0452294 A JPH0452294 A JP H0452294A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はNi、Cu被覆冷延鋼板およびその製造方法に
関し、詳しくは、−次電池用ボタン電池の負極板(封口
板)等に用いられる冷延鋼板の一方面をNiで被覆する
と共に他方面をCuで被覆するものにおいて、特に、鋼
素地のFeとNiおよび鋼素地のFeとCuとを夫々強
固に結合させて密着性を高め、耐食性および加工性の向
上を図ると共に、NiおよびCuの厚さを薄くすること
を可能として、コストダウンを図るものである。
従来の技術 従来、この種の冷延鋼板の両面をNiとCuで被覆する
方法として、一般に、圧延クラッド法が用いられている
。該圧延クラッド法では予め製造したNi箔およびCu
箔を鋼素地の両側に供給して、これらを圧延して密着さ
せているが、必要とするN1およびCuの厚みが薄い為
に、圧延・焼鈍を何度も繰り返し、Cu箔を略40μm
前後、Ni箔を略16μm前後の所要厚さにまで減少さ
せて、Nl被覆層およびCu被覆層を得ている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記圧延クラッド法では、Ni箔および
Cu箔を前辺て製造しておく必要があり、かつ、圧延を
何度も繰り返すために歩留まりが悪くなり、コスト高に
なる欠点がある。また、Ni箔およびCu箔を製造する
際、ある程度の厚みを必要とするため、NiおよびCu
の必要量が多くなり、この点からもコスト高になる欠点
がある。
上記した問題を有する圧延クラット法に代えて、メッキ
方法により冷延鋼板の両面をN1とCuで被覆する方法
も提供されている。即ち、鋼素地の一方面にNiメッキ
層、他方面にCuメッキ層を形成するものであるが、該
方法により製造した場合、鋼素地とメッキ層との密着性
が良好でない欠点を有している。密着性が良好でない場
合、加工を施すと、その形状によっては、例えば180
度折り曲げた場合、鋼素地の変形にNiメッキ層および
Cuメッキ層が追従することか出来ず、剥離が生じるこ
とがある。また、Niメッキ層は硬くて脆いため、剥離
を免れた部分にもクラックが発生しやすく、さらに、メ
ッキの付着量を増やしてもピンホールの発生を回避する
ことが出来ない。
上記した種々の理由より、鋼素地表面に直接にNiメッ
キ層およびCuメッキ層を設けたNi Cu被覆冷延鋼
板は加工性、耐食性の点で問題があった。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので
、鋼素地とNiメッキ層およびCuメッキ層との密着性
を高め、耐食性および加工性の向上を図ると共に、前記
圧延クラッド法と比較して必要なNi量およびCu1l
を大幅に減少し、かつ、作業工程の削減を図ることによ
り、コストダウンを図ることを目的としている。
課題を解決するための手段 本発明は、上記目的を達成するため、連続的に、冷延鋼
板からなる鋼素地の一方面にNiメッキ、他方面にCu
メッキを施した後、非酸化性雰囲気ガス中で光輝焼鈍を
行い、N1と鋼素地のFeとの拡散層およびCuと鋼素
地のFeとの拡散層を形成した後に調質圧延を行うこと
を特徴とし、冶金的に結合した拡散層の形成により鋼素
地に対するNiメッキ層およびCuメッキ層の密着性を
高め、耐食性および加工性に優れたNi、Cu被覆冷延
鋼板およびその製造方法を提供するものである。
詳しくは、冷延鋼板の鋼素地の表裏一方面にNi金属メ
ッキ層、他方面にCu金属メッキ層を備えると共に、こ
れら鋼素地とNi金属メッキ層の間にFeとNiの拡散
層、鋼素地とCu金属メッキ層の間にFeとCuの拡散
層を設けていることを特徴とするNi、Cu被覆冷延鋼
板を提供するものである。
また、本発明は、冷延鋼板の鋼素地の表裏一方面にNi
メッキを施すと共に、他方面にCuメッキを施し、つい
で、非酸化性雰囲気ガス中で焼鈍を行って、鋼素地のF
eとNiとの拡散層、鋼素地のFeとCuとの拡散層を
形成し、ついで、調質圧延を行うことを特徴とするNi
、Cu被覆冷延鋼板の製造方法を提供するものである。
上記したNi、Cu被覆冷延鋼板およびその製造方法に
おいて、鋼素地の表裏一方面に設けるNi金属メッキ層
の厚さは1.0〜6.0μm1他方面に設けるCu金属
メッキ層の厚さは2〜20μmとすると共に、調質圧延
を経て成形する全体の板厚を0.05mm〜0 、8 
mmとし、かつ、上記鋼素地のFeとNiの拡散層、鋼
素地のFeとCuの拡散層の厚さが0.1〜6.0μm
となるように、焼鈍条件を焼鈍時間0.5分〜36時間
、焼鈍温度500℃〜900℃、H,5%〜75%でN
295%〜25%の非酸化性雰囲気ガス中で焼鈍処理を
行っている。
尚、上記鋼素地にCuメッキを施す前にCuストライク
メッキあるいはNiストライクメッキを施し、Cuメッ
キの密着性を高めることが好ましい。
その際、Niストライクメッキを施すと、鋼素地とCu
メッキ層との間にFe−Ni−Cu拡散層が形成される
さらに、上記NiおよびCuメッキ層を形成して後、焼
鈍・調質圧延を任意の回数行い、最後の調質圧延後に、
再度、Niメッキ層にNiメッキおよびCuメッキ層に
Cuメッキを施して、調質圧延時等に表面に付着しやす
い異物を埋め込むために、最表層にメッキ層を形成する
ことが好ましい。
さらにまた、上記メッキ処理後で焼鈍前に1回目の調質
圧延を行い、その後、上記焼鈍処理・2回目の調質圧延
処理を行っても良い。
作用 上記本発明に係わるNi、Cu被覆冷延鋼板は、冷延鋼
板とNi金属メッキ層およびCu金属メッキ層との夫々
の間にFeとNiの拡散層、FeとCuの拡散層が設け
られるため、該拡散層により冷延鋼板とNi金属メッキ
層およびCu金属メッキ層との密着性が高まり、メッキ
方法によりNi、Cuを被覆した場合に生じる加工時の
メッキ層の剥離を確実に防止することが出来る。かつ、
メッキ方法によりNi、Cu被覆層を形成するため、前
厄てNi箔、Cu箔を設け、これを鋼素地の両面に供給
して何度も圧延を繰り返す圧延クラッド法と比較して、
作業工程の大幅な短縮を図ることが出来ると共に、Ni
メッキ層およびCuメッキ層の厚さを圧延クラッド法に
よる場合と比較して略1/4程度に減少できるため、大
幅なコストダウンを図ることも出来る。
実施例 以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
第1図は本発明の第1実施例に係わるNi、Cu被被覆
冷延鋼板金断面図を示し、2は鋼素地、3は鋼素地2の
表裏の一方面(以下、A面と称す)に積層された鋼素地
のFeとNiの拡散層(以下、Fe−Ni拡散層と称す
)、4は鋼素地2の他方面(以下、B面と称す)に積層
された鋼素地のFeとNiとCuの拡散層(以下、Fe
−Ni−Cu拡散層と称す)、5はFe−Ni拡散層3
の表面に積層されたNi金属メッキ層、6は上記Fe−
Ni−Cu拡散層4の表面に積層されたCu金属メッキ
層である。
上記構成からなるNi、Cu被覆冷延鋼板1の板厚は0
.05〜0.8mmで、板幅は10mm〜B 00mm
あり、Ni金属メッキ層5の厚さは1.0〜6.0μm
、Cu金属メッキ層6の厚さは2〜20、czm、Fe
−Ni拡散層3およびFe−Ni−Cu拡散層4の厚さ
は0.1〜6.0μmである。
上記Ni、Cu被被覆冷延鋼板金第3図に示すフローチ
ャートに従って製造しており、概略的には、第2図に示
すように、鋼素地2のA面には厚メッキでNiメッキ層
7を、B面にはNiストライクメッキ層8を形成した後
にCuメッキ層9を厚メッキで形成している。これらメ
ッキ工程が終了した後、非酸化性雰囲気ガス(H75%
〜75%、N295%〜25%)中で、焼鈍温度500
°C〜900℃、焼鈍時間0.5分〜36時間で焼鈍処
理を行い、鋼素地2とNi金属メッキ層5との間にFe
−Ni拡散層3、鋼素地2とCu金属メッキ層6との間
にFe−Ni−Cu拡散層4を形成し、その後、調質圧
延を行うことにより第1図に示すNi、Cu被被覆冷延
鋼板金完成している。
第3図を参照して、以下に製造方法を詳述すると、まず
、コイルに巻回した冷延鋼板の鋼素地2をコイル払出機
から巻き出し、煮沸脱脂処理、電解脱脂処理、酸処理を
順次行って後、片面のA面側をNiメッキ槽に送り、厚
メッキでNiメッキを施す。
上記鋼素地2のA面および後述する8面7こ対して個別
に施す片面メッキは、本出願人の平成2年5月15日出
願に係わる「Niメッキ鋼板、該Niメッキ鋼板からな
る成型品およびその製造方法」において開示した片面メ
ッキ装置によるメッキ方法等が適宜に採用出来る。
上記鋼素地2のA面になすNiメッキは、硫酸Ni20
0g#〜300g/(!、塩化Ni40g#〜60g#
!、硼酸35g/(〜55g/σのメッキ液を電解メッ
キ方法で電着し、10μm〜6.0μmのNi金属メッ
キ層7を設けている。該Ni電解メッキは、無光沢メッ
キ方法で、ワット浴、スルファミン酸浴等の通常のメッ
キ浴を使用している。
尚、メッキ方法としては無電解の化学メッキ方法を用い
てもよいが、電解メッキの方が短時間で所定のメッキ厚
を確実に得ることが出来るため、安価である利点を存す
る。
上記鋼素地2のA面に対するNi本メッキを施した後、
水洗処理し、ついで、鋼素地2のB面側をNiストライ
クメッキ槽でNiストライクメッキ8を施す。該Niス
トライクメッキは硫酸Ni150gIQ−250gIQ
、塩化Ni30g#!〜40g/Q、硼酸30g#!〜
40g/+2のメッキ液を用い、電解メッキ方法でメッ
キしている。該Niストライクメッキは0.05〜0.
2μmの薄さで電着させている。このNiストライクメ
ッキは後工程で行うCu本メッキ層の密着性を向上させ
るものである。
上記Niストライクメッキを施した後、水洗処理し、つ
いで、同じくB面にCuメッキ槽でCuメッキを施す。
該Cuメッキ(Cu厚メッキ)は、硫酸銅200 g#
!〜250 g/i2、硫酸45g/ρ〜60g/(!
のメッキ液を上記Niメッキと同様に電解メッキ方法で
電着し、2μm〜20μmのCu金属メッキ層を設けて
いる。
上記したA面側のNiメッキ、B面側のN1ストライク
メッキとCuメッキとを順次連続的に行った後、水洗処
理−中和処理一水洗処理一乾燥処理を順次行った後、コ
イル巻取機でコイル状に巻き取っている。
尚、上記B面側のCuメッキ9と鋼素地2との間に設け
るストライクメッキとしては、上記Niストライクメッ
キの代りに、第6図の第2実施例に示すようにCuスト
ライクメッキ層21を設けても良い。該Cuストライク
メッキはピロリン階調40g/ρ〜50g/C,ピロリ
ン酸カリウム150g/σ〜200g/σ、アンモニア
I g/Q、ンユウ酸カリウム5 g#〜10g/ρの
混合メッキ液により行っている。
上記したように、鋼素地2のA面側にNiメッキ層7、
B面側にNiストライクメッキ層8とCuメッキ層9(
第2図に示す第1実施例)を形成し、あるいはA面側が
第1実施例と同様で、B面側にCuストライクメッキ層
21とCu本メッキ層9(第6図に示す第2実施例)を
形成してメッキ工程を終了する。
上記メッキ工程を終了してコイル状としたものを、コイ
ル払出機から巻戻ながら連続焼鈍炉へ供給し、H,5%
〜75%、N295%〜25%の混合ガスの非酸化性雰
囲気中で、好ましくは、H275%、N、25%、露点
−50℃以下の非酸化性雰囲気中で、加熱温度500℃
〜900℃に昇温度し、均熱時間0.5分〜36時間光
輝焼鈍を行っている。
尚、該焼鈍は連続焼鈍あるいはバッチ焼鈍のいづれを用
いても良く、バッチ焼鈍の場合は焼鈍時間が長くなる。
上記連続焼鈍を行う場合、第4図に示す連続焼鈍炉II
に連続的に供給する。該連続焼鈍炉11において、12
は加熱炉、13は均熱炉、14は一次冷却炉、15は遇
時効炉、16は二次冷却炉である。該連続焼鈍炉11に
はコイル払出機I7より巻出して連続的に通過させた後
、調質圧延機18を通過させ、調質圧延を行って後、コ
イル巻取機19で巻き取っている。
上記焼鈍処理により、A面側では鋼素地2とNi本メッ
キ層7との間にF e −N i拡散層3を形成してい
る。また、B面側には、N1ストライクメッキ層8を挟
んで鋼素地2とCuメッキ層9の間にFe−Ni−Cu
拡散層4を形成している。上記Fe−Ni拡散層3およ
びFe−Ni−Cu拡散層4は0.1μ−〜6.0μm
の厚さとなるように、焼鈍処理を行っている。
尚、前記B面側のストライクメッキとしてCuストライ
クメッキ層2Iを形成した第2実施例においては、第5
図に示すように、焼鈍処理によりCuストライクメッキ
層21を挟んで鋼素地2とCuメッキ層9との間にFe
−Cu拡散層22を形成している。該Fe−Cu拡散層
22の厚さも0.1μm〜6.0μmである。
上記拡散113.4(あるいは拡散層22)を形成する
ために行う焼鈍処理工程において、拡散層を所要厚さに
迅速に形成するために重要な要素は、雰囲気、加熱温度
、加熱時間およびメッキ厚さの相互関係である。特に、
加熱温度か高くなると鋼素地2のFeとNi、鋼素地2
のFeとCuの拡散速度が速くなる。しかしながら、鋼
素地の8面にCUメッキが為されており、Cuの溶融点
は1083℃であるため、高温とするとCuが溶解する
こととなる。このため、焼鈍温度の最高限度は略900
℃までとなり、かつ500℃以下では鋼素地2とNiが
拡散しないため、焼鈍温度は500℃〜900℃の間に
する必要がある。
(実験例I) 上記焼鈍処理の温度および時間と形成される拡散層の厚
さとの関係、形成された拡散層の厚さと折り曲げ強度(
密着性)および加工性との関係をテストした。
冷延鋼板の鋼素地のA面にNiメッキ3.0μmB面に
Niストライクメッキ0.2μm、Cuメッキ6.0μ
mの各メッキ層を形成した。ついて、8275%、N、
25%、露点−40℃の混合カス雰囲気で、下記の表に
示す加熱温度と加熱時間とで連続光輝焼鈍を行った。
上記焼鈍温度および時間を変えて焼鈍処理した場合に形
成される拡散層の厚さは下記の表に示す通りである。か
つ、この拡散層を形成させた5種類のNi、Cu被覆冷
延鋼板について、第7図(イ)に示すようにCu金属メ
ッキ層6を外面として、また、第7図(ロ)に示すよう
にNi金属メッキ層5を外面として180度折り曲げ、
観察側Pより顕微鏡で400倍に拡大して亀裂の有無を
検査した。その結果は下記の表に示す如くであり、表中
、×は180度折り曲げて亀裂が発生したことを現し、
△は180度折り曲げて亀裂が少し発生したことを現し
、○は180度折り曲げても亀裂の発生がなく、延性が
良好なことを現している。
(以  下  余  白) 前頁の表に示す実験の結果より明らかなように、700
℃あるいは750℃で90秒加熱し、形成される拡散層
の厚さが厚い場合、180度折り曲げても亀裂が発生せ
ず、かつ、加工性が良好であった。よって、拡散層の厚
さは1μm以上、6μm以下が好ましいことが判明した
(実験例2) 上記第1実施例に係わるA面にNiメッキ、B面にNi
ストライクメッキを施した後にCuメッキを施した場合
における焼鈍による拡散層の形成状態をGDS測定法を
用いた実験により分析し1こ。
第8図(イ)(ロ)はA面側のFe−Ni拡散層の厚さ
を分析したもので、第9図(イ)(ロ)はB面側のFe
−Ni−Cu拡散層の厚さを分析したものである。第8
図および第9図において、(イ)は焼鈍前、(ロ)は焼
鈍後の分析結果を示している。上記第8図および第9図
において、横軸は板厚最表面からの深さに応じた厚さを
現し、縦軸は成分割合を現している。上記図面より明ら
かなように、第8図に示すA面側では焼鈍前は表面より
3μmまで100%N1層であるが、焼鈍により、表面
から約2μmまでか100%Ni層で、2.5μmから
4.5μmまでFe−Ni拡散層が形成されていた。
また、第9図に示すB面側では焼鈍前は表面より6μm
まで100%Cu層であるが、焼鈍により、表面から5
.5μmから7.5μmまでFe−NiCu拡散層が形
成されていた。
上記した第1実施例および第2実施例ではいずれも、メ
ッキ工程終了後、焼鈍処理を行い、該焼鈍処理後に1回
の調質圧延処理を行って製造している。即ち、冷延鋼板
として普通冷延鋼板を用い、該冷延鋼板の鋼素地に対し
て前記したメッキ処理および焼鈍処理を行って後に、圧
下率0.5%〜lO%の調質圧延を行っている。
しかしながら、製造方法は上記した実施例に限定されず
、調質圧延方法として、冷延鋼板の材質との関係等から
下記の第3、第4および第5実施例の方法を用いること
も出来る。
まず、第3実施例では、冷延鋼板として未焼鈍冷延鋼板
を用いた場合、上記第1、第2実施例と同様な条件でメ
ッキ処理、焼鈍処理を行って後、第1回目の調質圧延を
圧延率lO%〜30%で行い、その後に再度、2回目の
焼鈍を非酸化性雰囲気ガス中で行った後、2回目の調質
圧延を圧延率0.5%〜10%で行っている。
第4実施例では、冷延鋼板として普通冷延鋼板を用い、
第1および第2実施例と同様な条件でメッキ処理および
焼鈍処理して後、圧延率2%〜10%で圧延を第1回目
の調質圧延として行う。その後に再度、2回目の焼鈍処
理を非酸化性雰囲気ガス中で行って後、0.5%〜3%
の圧延率で2回目の調質圧延を行っている。
上記第3および第4実施例では焼鈍および調質圧延を2
回繰り返し行うことにより、拡散層の厚さが増し、密着
性が良好となって、180度の折り曲げ加工を行っても
、亀裂の発生を確実に防止出来る。
第5実施例では、冷延鋼板として普通冷延鋼板を用い、
上記第1および第2実施例と同様な条件でメッキ処理を
行って後、焼鈍処理を施す館に、第1回目の調質圧延処
理を圧延率2%〜lO%で行う。該調質圧延後に第1お
よび第2実施例と同様な条件で焼鈍処理を行い、その後
、第2回目の調質圧延処理を圧延率0.5%〜3%で行
っている。
上記第5実施例の場合、Cuメッキにメッキのピンホー
ル等が発生しても、メッキ後に1回目の調質圧延を行う
ことにより、Cu膜を埋め込むことになり、ピンホール
を無くすことが出来る。また、鋼素地とCuとの密着性
が良くなり、その後、焼鈍、調質圧延をすることにより
更に密着性を高めることが出来る。
(実験例3) 焼鈍および調質圧延の回数を変えることにより、形成さ
れる拡散層の厚さを比較した。
■普通冷延鋼板のA面にNiメッキを3.0μmの厚さ
で施し、B面にNiストライクメッキを0゜2μm、 
Cuメッキを6.0μmの厚さで施した後、圧延率4%
の1回目の調質圧延を行った。その後、H,25%、N
、75%、露点−40℃の混合ガス雰囲気中で温度75
0℃で90秒の焼鈍時間で光輝焼鈍を行い、その後に再
度、圧延率1.4%で2回目の調質圧延を行った。
■上記■と同一条件でA、B面のメッキを行って後、■
と同一条件で光輝焼鈍を行い、ついで、圧延率5%の調
質圧延を行った。
■上記■の調質圧延を行ったものについて、再度、同一
条件で2回目の光輝焼鈍を行って後、圧延率0.75%
で2回目の調質圧延を行った。
上記■、■および■において形成された拡散層の厚さを
測定したところ、■および■はFe−Ni拡散層は3.
0μm5Fe−Ni−Cu拡散層は2.7μmであり、
■では焼鈍を2回行っているため、Fe−Ni拡散層は
5.0μm1Fe−Ni−Cu拡散層は4.5μmにな
り、■および■と比較して約17倍の厚さとなっていた
。機械的特性については、■、■および■とも余り変化
はなかった。また、前記第7図(イ)(ロ)に示すのと
同様な180度折り曲げ後の表面観察テストにおいては
、いずれも亀裂は発見出来なかった。
さらに、本発明に係わる製造方法においては、最終の調
質圧延処理の後に、Ni金属メッキ層5の表面にNiメ
ッキ、Cu金属メッキ層6の表面にCuメッキを施す第
6実施例を採用することもてきる。このように、最終的
な表面メッキを施すと、焼鈍処理および調質圧延処理の
後、Ni金属メッキ面の光沢が不十分な場合、再度、光
沢Niメッキを施すと、光沢を出すことが出来る。かつ
、Cu金属メッキ面においては耐食性が不十分な場合に
再度Cuメッキを施すことにより耐食性をカバーするこ
とが出来る。さらに、調質圧延処理の際に異物が表面に
付着した場合に、該異物を再度施すメッキにより埋め込
んで、異物を表面化させないことが出来る。
発明の効果 以上の説明より明らかなように、本発明に係わるNi、
Cu被覆冷延鋼板では、冷延鋼板の鋼素地の両面に施し
たNiメッキ層とCuメッキ層とを焼鈍処理することに
よりNiメッキおよびCuメッキの組織の一部を鋼素地
のFeと拡散させ、拡散層を設けているため、鋼素地と
Niメッキ層およびCuメッキ層との密着性を向上させ
ることが出来る。かつ、上記拡散層の表層部は金属組織
をもつNi金属層およびCu金属層の状態に保持でき、
冷延鋼板の鋼素地の両面をNi金属層およびCu金属層
で被覆した状態とすることが出来る。しかも、メッキ方
法により略4μm前後の薄さでNiメッキを、略4μm
前後の薄さでCuメッキを施してNi金属層およびCu
金属層を形成するため、従来の圧延クラッド法によりN
iを16μm前後、Cuを40μm前後の厚さとする場
合と比較して、メッキ量を約1/4程度とすることが出
来、大幅なコストダウンを図ることが出来、安価にNi
、Cu被覆ステンレス鋼を提供することが出来る。かつ
、圧延クラッド法による場合は何度も圧延工程を必要と
するため、作業手数および作業時間が多くかかるが、こ
の点においても本発明のメッキ方法によりNi、Cu被
覆層を形成する方が簡単かつ短時間で有利である。
また、鋼素地の片面づつにNiメッキおよびCuメッキ
を別個に施すため、これらメッキ層の厚さを別々に任意
に制御でき、差厚とすることも容易である等の種々の利
点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示す断面図、第2図は第
1実施例のメッキ後で焼鈍前の状態を示す断面図、第3
図は第1実施例の製造工程を示−すフローチャート、第
4図は焼鈍工程で使用する連続焼鈍炉の概略構成図、第
5図は第2実施例を示す断面図、第6図は第2実施例の
メッキ後で焼鈍前の状態を示す断面図、第7図(イ)(
ロ)は180度折り曲げテストを示す図面、第8図(イ
)(ロ)はFe−Ni拡散層の形成状態を示す線図、第
9図(イ)(ロ)はFe−Ni−Cu拡散層の形成状態
を示す線図である。 1・・Ni、Cu被覆冷延鋼板、 2・・鋼素地、 3・・Fe−Ni拡散層、 4 ・・Fe−Ni−Cu拡散層、 5・・Ni金属メッキ層、 6・・Cu金属メッキ層、 22・・Fe−Cu拡散層。 特許出願人 片山特殊工業株式会社 代理人弁理士青 山  葆ほか28 第 図 第1図 第2図 第5図 第6図 第4図 第 8 図(イ) 第9図(イ) 一オ閂陳ω0\ぜ一針(μm) 第8図(ロ) 第9図(ロ) −Jし1ノ¥−kh、−ら祇宋で(ツノm)−オパ表面
からnう象で (、iim)手続補正書 補正の内容 平成 2年 7月27日 明細書中、 「発明の詳細な説明」の欄の 第18頁の表を別紙のごとく訂正します。 以 上 平成 2年 特許願 第163473号 2、発明の名称 Ni、Cu被覆冷延鋼板およびその製造方法3、補正を
する者 事件との関係

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、冷延鋼板からなる鋼素地の表裏一方面にNi金属メ
    ッキ層、他方面にCu金属メッキ層を備えると共に、こ
    れら鋼素地とNi金属メッキ層の間にFeとNiの拡散
    層、鋼素地とCu金属メッキ層の間にFeとCuの拡散
    層を備えていることを特徴とするNi、Cu被覆冷延鋼
    板。 2、上記鋼素地の表裏一方面に設けるNi金属メッキ層
    の厚さは1.0〜6.0μm、他方面に設けるCu金属
    メッキ層の厚さは2〜20μm、全体の板厚が0.05
    mm〜0.8mmからなり、かつ、上記FeとNiの拡
    散層およびFeとCuの拡散層の厚さが0.1〜6.0
    μmである請求項1記載のNi、Cu被覆冷延鋼板。 3、冷延鋼板の鋼素地の表裏一方面にNiメッキを施す
    と共に、他方面にCuメッキを施し、ついで、非酸化性
    雰囲気ガス中で焼鈍を行って、鋼素地のFeとNiとの
    拡散層、鋼素地のFeとCuとの拡散層を形成した後、
    調質圧延を行うことを特徴とするNi、Cu被覆冷延鋼
    板の製造方法。 4、上記鋼素地の表裏一方面に設けるNiメッキの厚さ
    を1.0〜6.0μm、他方面に設けるCuメッキの厚
    さを2〜20μmとすると共に、調質圧延により成形す
    る全体の板厚を0.05mm〜0.8mmとし、かつ、
    上記FeとNiの拡散層、FeとCuの拡散層の厚さが
    0.1〜6.0μmとなるように、焼鈍時間0.5分〜
    36時間、焼鈍温度500℃〜900℃、H_25%〜
    75%、N_295%〜25%の非酸化性雰囲気ガス中
    で焼鈍処理を行うことを特徴とする請求項3記載の製造
    方法。 5、上記NiおよびCuメッキ層を形成して後、焼鈍・
    調質圧延を任意の回数行い、最後の調質圧延後に、Ni
    金属メッキ層にNiメッキおよびCu金属メッキ層にC
    uメッキを施すことを特徴とする請求項3または請求項
    4のいずれか1項に記載の製造方法。 6、上記最終の調質圧延処理あるいはメッキ処理を連続
    して行ったNi、Cu被覆冷延鋼をコイル状に巻き取る
    ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項
    に記載の製造方法。
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