JP3309234B2 - 耐食性と加工性に優れたCu基合金めっきステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐食性と加工性に優れたCu基合金めっきステンレス鋼板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,高耐食・高加工性を具
備したCu基合金めっきステンレス鋼板およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Ni含有率が15〜30mass%のCu-Ni
合金は白銅(キュプロニッケル)として知られており,
耐海水性に優れていることから熱交換器や各種パイプ材
料などに用いられている。またCu-Ni合金はNi含有率
が10mass%以下では赤銅色,20mass%を超えると銀
白色, 10〜20mass%ではその中間色を呈し, 色合い
が美麗なために装飾用途などにも広く用いられている。
しかし, Cu-Ni合金は価格的に高価なこともあってそ
の用途が限られている。
【0003】そこで安価な汎用材料例えば鋼を母材とし
て,その表面にCu-Ni合金の電気めっきを施すことに
より,Cu-Ni合金の特徴を生かしたパイプ材料や装飾
材料を得ることが検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし,各種めっき浴
で得られた電気Cu-Ni合金めっきの皮膜は硬く且つ伸
びが小さいので,比較的緩やかな加工でもめっき層に割
れが発生するという問題がある。この傾向はめっき層中
のNi含有率が高くなるほど顕著になる。
【0005】また,母材に普通鋼板を用いて電気Cu-N
i合金めっきを施した場合にはCu-Ni合金層の浸せき電
位の方が普通鋼板のそれよりも貴なため,加工等によっ
てめっき層に割れが発生した部位では下地の母材鋼板が
優先的に腐食される。したがって,耐食用途には適用で
きないという問題がある。
【0006】本発明はこのような問題の解決を目的とし
たもので,耐食性に優れ且つ耐加工割れ性に優れた電気
Cu-Ni合金めっき層をもつ新規材料の開発を意図した
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,ステン
レス鋼板の表面に3μm以下のCu-Ni-Fe合金層を介
してCu-Ni合金層を形成してなる耐食性と加工性に優
れたCu基合金めっきステンレス鋼板を提供する。
【0008】このCu基合金めっきステンレス鋼板は,
ステンレス鋼板母材に対し, 先ず厚みが1μm以下のN
iストライクめっきを施したあと,電気Cuめっきを施
し,次いで電気Niめっきを施したうえ,この積層めっ
き鋼板を不活性雰囲気または還元性雰囲気下で400℃
〜950℃の温度範囲で加熱処理することによって有利
に製造できる。
【0009】
【作用】本発明は,ステンレス鋼板の母材表面に対し
て,厚みが3μm以下のCu-Ni-Fe合金からなる中間
層を介してCu-Ni合金層を形成したものであるが, 中
間層としてのCu-Ni-Fe合金層は,母材と最外表面の
Cu-Ni合金層との間に介在してめっき密着性を高める
作用を供する。
【0010】一般にCu-Ni-Fe合金層はCu-Ni合金層
に比べると延性が劣るので,このCu-Ni-Fe合金層が
厚いと,この層から割れが発生してCu-Ni合金の表層
までその割れが伝播する。しかし,Cu-Ni-Fe合金層
の厚みを3μm以下とすれば,めっき層の密着性を高め
る作用により,めっき層の耐加工割れ性を向上させる。
【0011】また,このCu-Ni-Fe合金層中のFe含有
率が50mass%以下のときにめっき層の耐加工割れ性が
特に良好となる。したがって,中間層としてのCu-Ni-
Fe合金層は厚みが3μm以下で且つFe含有率が50ma
ss%以下であるのがよい。
【0012】ただし,この中間層はCu-Ni-Fe合金を
形成するに必要なFeを含有しなければならず,その最
低Fe含有率は3mass%である。またこの中間層中のNi
含有量は好ましくは20〜60mass%の範囲である。
【0013】表層部のCu-Ni合金層はCu-Ni合金の本
来の耐食性と加工性が良好であり装飾性にも優れる合金
層であり,その厚みは特に限定されないが,製造性や価
格の点から通常は20μm以下とするのがよい。またこ
のCu-Ni合金層中のNiの含有量も一般のCu-Ni合金
の場合と同様に特に限定されないが通常はNi含有量が
10〜70mass%の範囲である。また,若干量のFeが
不純物として含有されていてもよく例えば3mass%以下
のFeが含有されていてもよい。Feが3mass%を超える
とめっき層の加工性が悪くなる。
【0014】母材として使用するステンレス鋼は,要求
される化学的・物理的特性に応じて18−8クロムニッ
ケル鋼等のオーステナイト系,18クロム鋼等のフェラ
イト系,13クロム鋼等のマルテンサイト系,さらには
オーステナイト・フェライト2相組織のステンレス鋼等
を用いれば良い。ステンレス鋼を母材とした場合には普
通鋼を母材とした場合に比べてCu-Ni-Fe合金層の膜
厚を薄くできるという作用を供する。このためにめっき
層の耐加工割れ性が良好となるという効果を奏する。
【0015】すなわち,普通鋼板を母材とした場合に
は,以下に説明する本発明の製造法によって同様のCu
基合金めっき層を形成しても,Cu-Ni-Fe合金層の成
長速度が大きくなって厚くなり,このため加工性の良好
なめっき層を形成することが困難であるのに対し,ステ
ンレス鋼板を母材とした場合には,3μm以下の薄層で
密着性のよいCu-Ni-Fe合金層が有利に形成できる。
また,Cu-Ni合金の浸せき電位はステンレス鋼のそれ
よりも卑であるから,めっき層に割れが発生した部位で
もステンレス鋼が優先的に腐食されることもない。した
がって,ステンレス鋼板を母材とした場合に加工性と耐
食性が同時にすぐれた材料とすることができる。
【0016】次に,このCu基合金めっきステンレス鋼
板の製造法について説明する。本発明によれば,ステン
レス鋼板母材に対し, 先ず厚みが1μm以下のNiスト
ライクめっきを施したあと,電気Cuめっきを施し,次
いで電気Niめっきを施したうえ,この積層めっき鋼板
を不活性雰囲気または還元性雰囲気下で400℃〜95
0℃の温度範囲で加熱処理することによってCu-Ni-F
e合金層とCu-Ni合金層が積層された本発明のCu基合
金めっきステンレス鋼板が有利に製造できる。
【0017】すなわち,合金めっき用の浴を用いた合金
電気めっきによって当該合金層を形成するのではなく,
Ni,Cu,Niの各々単独金属の電気めっき層を形成した
あとこれを合金化処理することによって当該Cu金属合
金めっき層を形成するのである。
【0018】そのさい,先ず第1層としてNiストライ
クめっきを施すことが必要である。母材としてステンレ
ス鋼を用いる本発明の場合, いずれのステンレス鋼種の
場合でも,ステンレス鋼板にNiストライクめっきを施
さずに, 直接CuまたはNiめっきを施した場合には密着
性の良いめっきが得られず,加熱処理の有無に関わらず
加工時にめっき層がステンレス鋼板から剥離してしま
う。
【0019】このNiストライクめっきの膜厚は0.05μ
m以上あれば密着性が良好となり,加熱合金化処理後の
めっき層が加工時にめっき層が剥離することがなくな
る。一方,Niストライクめっき膜厚があまり厚くなる
と加熱合金化処理においてCu-Ni-Fe合金層の厚さが
3μmを超えてしまうようになるので,Niストライク
めっき膜厚は1μm以下とするのがよい。
【0020】Niストライクめっき浴としては,一般に
用いられている全塩化物浴,硫酸塩浴等を用いることが
できる。
【0021】次いで,このNiストライクめっきの上に
電気Cuめっきを施し,そのあとで電気Niめっきを施
す。Cuめっきは通常の硫酸塩浴,シアン化物浴,ピロ
リン酸塩浴,ホウフッ化物浴等を用いて電気めっきすれ
ばよく,またNiめっきは通常のワット浴,スルファミ
ン酸塩浴,全硫酸塩浴等を用いて電気めっきすれば良
い。
【0022】なお,Niストライクめっきの上に,前記
とは順序を逆にして,例えばワット浴等で高速Niめっ
きを施し,その後Cuめっきを施した場合には,加熱合
金化処理においてCu-Ni-Fe合金層の厚さを3μm以
下に制御することが困難となり,本発明に従う耐食性と
加工性に優れたCu基合金ステンレス鋼板が得られな
い。
【0023】すなわち, 1μm以下のNiストライクめ
っきを施し,その上に電気Cuめっきしたうえで電気Ni
めっきを施して,Ni/Cu/Niストライク/母材の構造と
した場合に,加熱拡散処理時において上層Niめっき層
からCuめっき層への拡散が生じてCu-Ni合金層を形成
するとともに,CuとNi,Feとの相互拡散によって,Cu
-Ni合金層と母材との間に, 適切な厚さとFe含有率を
もつCu-Ni-Fe合金層が形成される。
【0024】この場合, 加熱合金化処理温度は400℃
〜950℃の範囲とするのがよい。400℃未満の加熱
温度ではNiおよびCuの拡散が遅く100時間以上の加
熱処理を施してもCuとNiが完全には合金化しない。一
方,950℃を超える加熱では,極短時間の加熱処理で
も加工性に劣るCu-Ni-Fe合金層が著しく成長してし
まい,加工性に優れたCu基合金めっきステンレス鋼板
を工業的に安定して連続製造するのが困難となる。
【0025】加熱合金化処理の条件は実際に使用する装
置によって前記温度範囲内で適切に決めればよく,例え
ばバッチ式焼鈍炉を用いる場合には400℃〜600℃
の範囲で1〜100時間の加熱処理を施し,連続焼鈍炉
もしくはめっきライン中に高周波誘導加熱炉等を設けて
インラインで連続処理する場合には800℃〜950℃
の範囲で5秒〜2分の加熱処理を施せばよい。
【0026】
【実施例】
〔実施例1〕アルカリ脱脂および酸洗を施した板厚0.4
mmのSUS304系ステンレス鋼板を母材とし,常法
にしたがって,Niストライクめっき,電気Cuめっき,
電気Niめっき(ワット浴)を順に施した。そのさい,
各めっきの膜厚を表1に示したように種々変化させた。
各電気めっきの浴組成は次のとおりである。
【0027】〔全塩化物ニッケルストライクめっき浴〕 塩化ニッケル(NiCl2・6H2O):150g/L 塩酸(HCl) : 30g/L
【0028】〔硫酸銅めっき浴〕 硫酸銅(CuSO4・5H2O):220g/L 硫酸(H2SO4) : 50g/L
【0029】〔ワット浴〕 硫酸ニッケル(NiSO4・6H2O):150g/L 塩化ニッケル(NiCl2・6H2O): 45g/L ほう酸(H3BO4) : 30g/L
【0030】得られた3積層の各めっき品をいずれもN
2雰囲気中で600℃×1時間の加熱合金化処理を施し
た。その結果,表1に示す膜厚と組成を有するCu-Ni-
Fe合金層を中間層として,その上に,表1に示す組成
を有するCu-Ni合金層が形成されたCu基合金めっきス
テンレス鋼板が得られた。
【0031】表1における各めっき層中のCu,Ni,Fe
の含有率 (mass%) は,各Cu基合金めっきステンレス
鋼板より試験片を採取し,走査電子顕微鏡(SEM)に
付帯のエネルギー分散型分析装置(EDX)を用いて供
試材の断面から5点の定量分析を行い,平均した値を各
合金めっき層中のCu,Ni,Fe含有率としたものであ
る。
【0032】そして,得られた各Cu基合金めっきステ
ンレス鋼板より試験片を採取し,めっき層の密着性,め
っき層の耐加工割れ性を調査した。また,加熱処理によ
りめっき層が合金化しているか否か(めっき層の合金化
判定)はX線回折結果から判定した。これらの結果を表
1に総括して併記した。
【0033】なお,めっき密着性試験は試験片を180
°密着曲げして,その折り曲げ部にセロハンテープを貼
付けて剥離するテーピング試験を施し,めっき剥離状態
を次の基準で評価した。 ○:めっき剥離無し △:若干めっき剥離あり ×:全面剥離あり
【0034】めっき層の耐加工割れ性の試験は,試験片
を0mmR〜10mmRの900V曲げした後,断面検
鏡でめっき層の割れ発生の有無を調査し,割れの発生し
ない最小Rにて評価した。
【0035】合金化判定条件は,θ−2θ法によりX線
回折測定を行い,得られたピークのd値により次の基準
により判定した。 ○:Cu-Ni合金ピークのみ △:Cu-Ni合金,純Cu,純Niピークが混在 ×:Cu-Ni合金ピークなし,純Cuと純Niピークが混
【0036】
【表1】
【0037】表1の結果から,形成された中間層として
のCu-Ni-Fe合金層の膜厚が3μm以下の本発明に従
うCu基合金めっきステンレス鋼板は,めっき密着性が
良好で且つめっき層の耐加工割れ性がいずれも0mmR
であり,加工性が極めて良好であることがわかる。これ
に対して,Cu-Ni-Fe合金層の膜厚が3μmを超えた
ものはめっき層の耐加工割れ性が劣っている。なお,C
u-Ni-Fe合金層が3μm以下の本発明例のものは,当
初のNiストライクの膜厚がいずれも1μm以下である
のに対し,本発明外のものは1μmを超えていた。
【0038】〔実施例2〕アルカリ脱脂および酸洗した
板厚0.3mmのSUS430系ステンレス鋼板を母材と
し,実施例1と同様のめっき浴を用いて0.3μmのNiス
トライクめっき,7μmのCuめっきおよび3μmのNi
めっきを順次施した。得られためっきステンレス鋼板を
90%N2−10%H2ガス雰囲気中で加熱温度と時間を
表2に示したように変化させてCu基合金めっきステン
レス鋼板を作製した。
【0039】得られたCu基合金めっきステンレス鋼板
について,実施例1と同様に,各合金めっき層中のCu,
Ni,Fe含有率,めっき層の密着性,めっき層の耐加工
割れ性,めっき層の合金化判定を調べ,その結果を表2
に示した。
【0040】
【表2】
【0041】表2の結果から,加熱温度が400〜95
0℃の範囲ではめっき層の合金化が良好に行われ,めっ
き密着性およびめっき層の耐加工割れ性が良好であるこ
とがわかる。これに対して,加熱温度が400℃より低
い場合には特にCuの拡散が十分ではなく良好な合金化
が達成できず,また加熱温度が950℃を超えた場合
や,400〜950℃の温度範囲でも加熱時間が長すぎ
てCu-Ni-Fe合金層の膜厚が3μmを超えるかまたは
Fe含有率が50%を超えるようになると,めっき層の
耐加工割れ性が低下することがわかる。
【0042】〔比較例1〕アルカリ脱脂および酸洗した
板厚0.4mmの普通鋼の冷延鋼板を母材とした以外は,
実施例2と同様にしてめっき処理した。得られためっき
鋼板をN2ガス雰囲気中で温度と時間を変えて加熱処理
し,実施例2と同様に,各合金めっき層中のCu,Ni,F
e含有率,めっき層の密着性,めっき層の耐加工割れ
性,めっき層の合金化判定を調べ,その結果を表3に示
した。
【0043】
【表3】
【0044】表3の結果から,普通鋼を母材とした場合
には,ステンレス鋼を母材とした表1や表2のものよ
り,めっき層の耐加工割れ性は低下することがわかる。
すなわち,普通鋼母材では,本発明で規定する条件で合
金化処理しても,Cu-Ni-Fe合金層が厚くなるか,ま
たはCu-Ni-Fe合金層中のFe含有量が高くなり,めっ
き層は十分な耐加工割れ性を示さない。
【0045】
【比較例2】アルカリ脱脂および酸洗を施した板厚0.4
mmのSUS340系ステンレス鋼板に対し,先ず実施
例1と同様のニッケルストライク浴を用いて0.3μmの
Niストライクめっきを施した後,実施例とは順序を逆
にして,実施例1のワット浴で電気Niめっきを施し,
次いで実施例1の硫酸銅浴で電気Cuめっきを施した。
各々のめっき厚を表4に示した。得られためっきステン
レス鋼板をN2ガス雰囲気中で本発明で規定する範囲内
の表4に示す条件で加熱処理を施した。実施例1と同様
に,各合金めっき層中のCu,Ni,Fe含有率,めっき層
の密着性,めっき層の耐加工割れ性,めっき層の合金化
判定を調べ,その結果を表4に併記した。
【0046】
【表4】
【0047】表4の結果から,電気Cuめっき,電気Ni
めっきの順序を逆にすると,合金化処理してもめっき層
の耐加工割れ性は良好とはならないことがわかる。
【0048】〔耐食性試験〕前記の実施例1および2並
びに比較例1および2のうち代表的なものを選び,また
加熱処理前のものも選び,JIS Z 2371に準じた塩水噴霧
試験を行った。耐食性の評価はこの試験で素地露出面積
が5%に達するまでの時間で評価した。その結果を表5
に示した。
【0049】
【表5】
【0050】表5の結果から,本発明に従うCu基合金
めっきステンレス鋼板はいずれも3万時間を超える耐食
性を示すのに対し,本発明の条件を満たさないものは,
十分な耐食性を示さないことがわかる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば加
工性と耐食性が同時に優れたCu基合金めっきステンレ
ス鋼板が得られ, 高価なCu-Ni合金に代替可能な安価
な材料を提供でき, 例えば海水用材料や装飾材料分野に
用途の拡大が達成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 幸夫 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株 式会社鉄鋼研究所内 (56)参考文献 特開 平6−275770(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 28/02 C25D 5/14 C25D 5/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼板の表面に3μm以下のC
    u-Ni-Fe合金層を介してCu-Ni合金層を形成してなる
    耐食性と加工性に優れたCu基合金めっきステンレス鋼
    板。
  2. 【請求項2】 Cu-Ni-Fe合金層は,Fe含有率が50
    mass%以下である請求項1に記載の耐食性と加工性に優
    れたCu基合金めっきステンレス鋼板。
  3. 【請求項3】 ステンレス鋼板の表面に3μm以下のC
    u-Ni-Fe合金層を介してCu-Ni合金層を有するCu基
    合金めっきステンレス鋼板を製造するにあたり,当該ス
    テンレス鋼板に対し, 先ず厚みが1μm以下のNiスト
    ライクめっきを施したあと,電気Cuめっきを施し,次
    いで電気Niめっきを施したうえ,この積層めっき鋼板
    を不活性雰囲気または還元性雰囲気下で400℃〜95
    0℃の温度範囲で加熱処理することを特徴とする耐食性
    と加工性に優れたCu基合金めっきステンレス鋼板の製
    造方法。
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