JP2747730B2 - 溶融アルミめっきクロム含有鋼板の製造法 - Google Patents

溶融アルミめっきクロム含有鋼板の製造法

Info

Publication number
JP2747730B2
JP2747730B2 JP24174889A JP24174889A JP2747730B2 JP 2747730 B2 JP2747730 B2 JP 2747730B2 JP 24174889 A JP24174889 A JP 24174889A JP 24174889 A JP24174889 A JP 24174889A JP 2747730 B2 JP2747730 B2 JP 2747730B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
steel sheet
hot
plating
chromium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24174889A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03104848A (ja
Inventor
征順 樋口
隆之 大森
健一 麻川
稔 冨田
邦夫 西村
二三夫 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP24174889A priority Critical patent/JP2747730B2/ja
Publication of JPH03104848A publication Critical patent/JPH03104848A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2747730B2 publication Critical patent/JP2747730B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は溶融アルミめっきクロム含有鋼板の製造法に
関するものである。
従来の技術 溶融アルミめっき鋼板は、その性質が亜鉛系めっき鋼
板と比較して、めっき表面に緻密な皮膜が形成されるた
めに優れた耐食性、耐熱性を示す。また使用用途別に一
般加工用、絞り加工用、深絞り加工用と加工性、および
めっき密着性の優れたアルミめっき鋼板が製造されてい
て、自動車排気系、建材、家電系用途に使用されてい
る。その製造法は最も経済的かつ効率的な方法としてラ
イン内焼鈍方式が一般に採用されている。低C鋼の場
合、750〜850℃の温度範囲の焼鈍を行い、引き続きアル
ミまたはアルミ合金めっき浴に浸漬させて溶融アルミめ
っき、あるいはさらに塗油、調質圧延などを施して製品
に供されている。
さらに使用環境での寿命を向上させるために、鋼成分
としてクロム添加(特開昭59−265324号公報、特開昭62
−274060号公報)やチタン添加(特開昭56−102523号公
報)が効果あることが知られている。また製造方法とし
て、溶融アルミめっき性を向上させるためのめっき前処
理条件(特開昭61−147865公報)や、加熱条件の制御
や、炉内部雰囲気管理などの操炉条件(特開昭62−2740
60公報)など諸条件を管理して製造されている。
このようにクロム含有鋼板に溶融アルミめっきを施し
た鋼板は、加工時にめっきが剥離する問題があった。
発明が解決しようとする課題 溶融アルミめっきクロム含有鋼板を各用途に使用する
場合、様々な形状に加工されるが、クロム含有鋼を母材
とするアルミめっき鋼板は、鋼にCr、Niなどの合金元素
を含有するため、アルミめっき浴とクロム系鋼との鋼面
反応の際、アルミめっき層とクロム含有鋼の間にAl−Fe
−Si−Cr系あるいは、Al−Fe−Si−Cr−X(X=Ni、M
o、Nbなど)の複数の鋼中元素を含む、硬度の高い成形
性の劣る合金層が生成する。
まためっき金属(浴)の融点が浴中Si量に応じて600
〜700℃と高く、その後、急速に冷却を受けるために合
金層付近に大きな歪みが残留する。さらに急速冷却のた
め凝固過程でアルミめっき層が硬質化する。
従って厳しい絞り加工や曲げ加工を行う場合、合金層
に割れを生じ、さらに硬質化しためっき層に応力が伝播
してアルミめっき層自体が破断したり、めっき剥離を生
じやすい。このように溶融アルミめっきされたクロム含
有鋼板のままではすぐれた加工性や成形性を得られず、
めっきを剥離して意匠性を低下して商品価値を下げる問
題があった。
課題を解決するための手段 本発明は上記のような問題を解消しためっき密着性に
すぐれた溶融アルミめっきクロム含有鋼板の製造法を提
供するものであって、その要旨は、Crを10%〜25%含む
クロム系合金鋼を、アルミまたはアルミ合金系浴中にて
溶融めっきした後、250℃〜470℃の温度域にて低温加熱
処理をする、めっき密着性に優れた溶融アルミめっきク
ロム含有鋼板の製造法である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず転炉、電気炉などで溶製された鋼片を、熱間圧
延、酸洗、冷間圧延あるいは鍛造、酸洗、冷間圧延など
の工程を経て製造した、Cr含有量10%〜25%のクロム含
有鋼板、あるいは他金属をクラッドやめっきなどによっ
て被覆したクロム含有鋼板を使用し、アルミまたはアル
ミ合金めっき浴にて溶融めっきを行ったアルミめっき鋼
板を製造する。
本発明において、クロム含有鋼板を使用する理由は次
の通りである。一般に普通炭素鋼に溶融アルミめっきを
施した鋼板は、自動車排気系内外面環境や屋外環境など
において、端部や厳しい加工を受けた部位では素地が露
出したり、めっき層が薄いため、赤錆が発生しやすく意
匠性を低下させたり、また長時間の使用に耐えられない
問題点がある。また高温においてもスケールが発生しや
すく耐熱性に問題がある。クロム含有鋼板を使用するこ
とはこの点の問題を解消するもので、素地露出部の耐食
性が大幅に向上すると共に、鋼中のCr量が多くなるに従
って、アルミめっき層との腐食電位が逆転して、カソー
ド・タイプの防食作用で鋼の腐食を抑制する効果が加わ
る。
また高温環境では、Cr含有鋼とアルミめっき層が相互
拡散した層が鋼板表面に形成されるために、耐熱性がさ
らに向上する効果が得られる。
しかしながらクロム合金鋼のCr含有量が10%未満の場
合、Cr含有量が少ないために、耐食性や耐熱性向上効果
は小さい。一方、25%を越えるCr含有量の場合、鋼板表
面が強固ないわゆる不動態皮膜で覆われるため、適正ア
ルミめっき技術の確立が実操業上、難しく、また鋼自体
の硬度が上昇し、厳しい加工が行えない。したがってク
ロム系合金鋼のCr含有量は10〜25%とした。
また、クロム含有鋼板の耐食性、耐熱性、加工性など
の鋼の性能を向上させるために、Ni:0.1〜22%、Mo:0.1
〜4%、Nb、Ti、V:0.03〜0.8%、Cu:0.1〜2.5%、Al:1
%以下などの合金元素を必要に応じ添加してもよい。こ
うした成分組成の鋼板は、アルミまたはSiなどを含有す
るアルミ合金めっき浴にてアルミめっきされる。
この場合、浴中Siは合金層厚みを制御するために添加
するが、浴中Si量が少ないと低炭素鋼では硬度の高い合
金層が極めて厚くなり、加工時にクラックが発生しやす
く加工時のめっき密着性が低下する。しかし10%以上Cr
を含有する鋼板では、アルミめっき浴との濡れ性が低い
ため、浴温が高い低Si浴は反応性を高めるうえで有利
で、かつ合金層が厚く成長しにくい鋼のため、低Si浴も
加工用に使用できる。浴中Siは合金層の成長抑制に有利
であるが、含有量が多くなるとめっき層中のSiが粗大化
し、まためっき層中のSi量も増大してめっき層の硬度が
高くなり、めっき層の加工性は低下する。従ってめっき
層自体の加工性をそこなわないためにはSi量は13%以下
が望ましい。
このようにして製造された溶融アルミめっきクロム含
有鋼板は、自動車排気系内外面環境や屋外環境などの厳
しい環境においても、従来の溶融アルミめっき鋼板と比
較して極めて優れた耐食性能や耐熱性能、耐候性能を示
す。しかし加工性の点では、合金層中にCrが含有される
ために、従来材に比較して合金層硬度が上昇すると共
に、合金層付近に急速冷却のために歪みが残留したり、
急速冷却のために凝固過程で硬質化する。従ってめっき
層の軟質化処理、歪みとり処理をするために温度250〜4
70℃で低温加熱処理を行う。ただしこの場合、クロム含
有鋼板は鋼中CがCrなどによって固定されるため、鋼自
体の軟質化効果は期待できない。
すなわち、低温加熱処理の温度が250℃未満では、合
金層、アルミ系めっき層の軟質化処理、歪みとり処理に
時間が極めてかかり実操業上、不経済である。また470
℃を越える温度では、アルミ系めっき層と鋼との相互反
応が短時間で起こり合金化が進行しやすく、合金層厚み
が厚くなり、めっき密着性が反対に低下したり、硬度が
高くなる。また上記の反応が急速に起こるため、軟質化
や残留歪みの緩和が十分にできない。この場合の加熱雰
囲気については、大気や窒素などの不活性ガス系雰囲
気、あるいは水素含有の雰囲気のいずれでも、めっき密
着性に効果がある。
上記のような本発明によって得られた溶融アルミめっ
きクロム含有鋼板は、加工時のめっき密着性が一段と向
上する。
実施例 以下、本発明の実施例について説明する。
次の工程(1)〜(3)に従い、本発明のめっき密着
性に優れた溶融アルミめっきクロム系合金鋼を製造し
た。
(1)溶融アルミめっき鋼板のめっき原板鋼成分 第1表にめっき原板鋼成分を示す。鋼板は板厚0.8mm
の冷延鋼板、焼鈍鋼板、Niプレめっき鋼板(付着量1g/m
2、片面当たり)、またはFe−Niめっき鋼板(Ni付着量
0.1g/m2、片面当たり)を使用した。
(プレめっき浴) ・Niプレめっき:NiSO4−NiCl2−H3BO3 ・Fe−Niプレめっき:FeSO4−NiCl2−NiSO4−H3BO3 (2)溶融アルミめっき方法 (方法)無酸化炉タイプの連続ラインでの溶融めっき (浴成分)浴柱Si量は0.3、2.2、6.3、10.2、12.8%
で、通板時に鋼やポットへの浸漬物から溶け込むFe、Cr
などや精錬時の不可避的不純物を含む。
(付着量)80g/m2、両面当たり。
(操炉条件)板温:最高1000℃、通板時間:最大60秒、
雰囲気:80%窒素−20%水素 (3)加熱処理条件 (方法)電気炉 (温度)220〜490℃ (雰囲気)大気、窒素、95%窒素−5%水素 上記のように製造された本発明鋼板については、次の
効果が得られた。
効果1.浴中Si量と加工後のアルミめっき鋼板のめっき密
着性の改善効果(第2表) 各鋼を溶融アルミめっき鋼板(工程1→2)と溶融ア
ルミめっきした後加熱処理した鋼板(工程1→2→3)
のめっき密着性を調べた所、加熱処理した上記の鋼中Cr
量の資料のめっき密着性は改善効果が得られた。
効果2.加熱処理条件とアルミめっき鋼板のめっき密着性
の改善効果(第3表) 各鋼を溶融アルミめっきした鋼板(工程1→2)と溶
融アルミめっきした後、加熱処理した鋼板(工程1→2
→3)のめっき密着性を調べた所、上記の各々の加熱条
件で製造された溶融アルミめっきクロム系合金鋼のめっ
き密着性は改善効果が得られた。
効果3.加熱処理温度と合金層硬度の軟質化効果(第4
表) 各鋼を溶融アルミめっきした鋼板(工程1→2)と溶
融アルミめっきした後、加熱処理した鋼板(工程1→2
→3)の合金層硬度をヌープ硬度計を使用して測定した
所、鋼中Crが多いクロム計合金鋼板においても軟質化す
る結果が得られた。
発明の効果 本発明は上記したようにめっき密着性のすぐれた溶融
アルミめっきクロム含有鋼板である。
フロントページの続き (72)発明者 冨田 稔 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (72)発明者 西村 邦夫 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (72)発明者 山本 二三夫 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Crを10%〜25%含むクロム含有鋼板を、ア
    ルミまたはアルミ合金浴で溶融めっきした後、250℃〜4
    70℃の温度で加熱処理をすることを特徴とする、めっき
    密着性に優れた溶融アルミめっきクロム含有鋼板の製造
    法。
JP24174889A 1989-09-20 1989-09-20 溶融アルミめっきクロム含有鋼板の製造法 Expired - Fee Related JP2747730B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24174889A JP2747730B2 (ja) 1989-09-20 1989-09-20 溶融アルミめっきクロム含有鋼板の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24174889A JP2747730B2 (ja) 1989-09-20 1989-09-20 溶融アルミめっきクロム含有鋼板の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03104848A JPH03104848A (ja) 1991-05-01
JP2747730B2 true JP2747730B2 (ja) 1998-05-06

Family

ID=17078954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24174889A Expired - Fee Related JP2747730B2 (ja) 1989-09-20 1989-09-20 溶融アルミめっきクロム含有鋼板の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2747730B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5873465B2 (ja) 2013-08-14 2016-03-01 日新製鋼株式会社 全反射特性と耐食性に優れたAl被覆鋼板およびその製造法
ES2943270T3 (es) * 2017-02-28 2023-06-12 Tata Steel Ijmuiden Bv Método para producir una tira de acero con una capa de recubrimiento de aleación de aluminio

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03104848A (ja) 1991-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6836600B2 (ja) ホットスタンプ部材
JP5444650B2 (ja) ホットプレス用めっき鋼板及びその製造方法
JP5463906B2 (ja) ホットスタンプ用鋼板及びその製造方法
EP2659019B1 (en) Aluminum coated steel sheet having excellent oxidation resistance and heat resistance
JP5098864B2 (ja) 塗装後耐食性に優れた高強度自動車部材およびホットプレス用めっき鋼板
JPH0555594B2 (ja)
JP4264373B2 (ja) めっき欠陥の少ない溶融Al系めっき鋼板の製造方法
JP3485411B2 (ja) 耐食性、耐熱性に優れた溶融アルミニウムめっき鋼板及びその製造法
JPS645108B2 (ja)
JP2003049239A (ja) 加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JP2747730B2 (ja) 溶融アルミめっきクロム含有鋼板の製造法
JP4132950B2 (ja) 高温成形に適し高温成形後に高強度となるアルミもしくはアルミ−亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
WO2022091529A1 (ja) 熱間プレス部材および熱間プレス用鋼板ならびにそれらの製造方法
JP3845271B2 (ja) 高温成形に適し高温成形後に高強度となるアルミもしくはアルミ−亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP3383119B2 (ja) 光沢保持性、耐食性に優れた溶融アルミめっき鋼板及びその製造法
JP4022063B2 (ja) 加工性、加工部耐食性に優れた高強度アルミ系めっき鋼板及び高強度自動車部品
JP2003034854A (ja) 高温プレス成形性に優れた溶融アルミめっき鋼板
JP3383121B2 (ja) 耐食性、耐熱性に優れたステンレス系溶融アルミめっき鋼板及びその製造法
JPH022939B2 (ja)
JP3383125B2 (ja) 耐食性、耐熱性に優れた溶融アルミめっき鋼板及びその製造法
JP3126508B2 (ja) 加工性に優れた溶融アルミニウムめっきクロム含有鋼板の製造方法
JP3383122B2 (ja) 耐熱性、高温強度、耐食性に優れた溶融アルミめっき鋼板及びその製造法
JP7243949B1 (ja) 熱間プレス部材
JP4634655B2 (ja) 耐熱性に優れたホットプレス用アルミめっき鋼板
JPH05311380A (ja) 加工性とめっき密着性に優れた溶融アルミめっきCr含有鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080220

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees