JP2002143903A - Ni拡散メッキ鋼板の製造方法および鋼板 - Google Patents
Ni拡散メッキ鋼板の製造方法および鋼板Info
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Abstract
性加工性,加工後の耐食性に優れ、更に、優れた光沢度
のミラーブライト表面を有するNi拡散メッキ鋼板を提
供することである。 【解決手段】 通常の製法で造られた熱延鋼板を冷間圧
延を行うに当り、少なくとも最終スタンドの圧延ロール
をRa:0.3〜2.0μmのダルロールを用い冷間圧
延鋼板を製造し、無光沢或は半光沢Niメッキ浴でS含
有量を0.05%以下に制御した5〜50g/m2 のN
iメッキ鋼板を製造した後、 650℃以上で再結晶焼鈍
とNiメッキ層の合金化拡散熱処理を行い、 その後、 表
面粗さRaが0.07μm以下のロールでの伸び率が
1.3%以上でドライ調質圧延を施すことを特徴とする
光沢度が950超のミラーブライト表面を有する塑性加
工性と耐食性に優れたNi拡散メッキ層を有するNi拡
散メッキ鋼板の製造方法。
Description
が軟質でプレス加工時の塑性加工性、加工後の耐食性に
優れ、更に、優れた光沢度のミラーブライト表面を有す
るNi拡散メッキ鋼板の製造方法および鋼板に関するも
のである。
ッキ鋼板の製造方法としては、 文献−1(大村等、大村
英雄: 東洋鋼鈑,29(1991),p43)、特開昭
61−235594号公報、特開平6−2104号公報
の方法がある。これらのいずれの方法においても、 Ni
メッキ後熱処理を施すことによって、 Niメッキ層が再
結晶すると共に軟質化し、プレス加工後においてもNi
メッキ層の良好な塑性加工性が確保され、 優れた耐食性
が得られるのであるが、 本発明が目標とする光沢度の良
好なNi拡散メッキ鋼板は得られない。
品種の製造法とその特性を紹介したものである。 同文献
は、 「Ni拡散メッキ法はブライトとダル仕上げ表面
(文献ではbright and dull fini
shと記載) の製品が製造でき、 本発明が目標とするミ
ラーブライト表面を有する光沢度の優れたNiメッキ鋼
板は、 半光沢Niメッキ層の上に光沢Niメッキを施し
てミラーブライト(文献ではmirror−like
Iustrous surfaceと記載)表面の製品
が造れること( 熱拡散処理無しの2重めっき処理) が、
また、 硫黄が添加される光沢メッキは、 硫黄がNiメッ
キ層中に吸着され、 その後の拡散熱処理時に硫黄の影響
でNi拡散メッキ層が脆化する。 従って、 光沢メッキに
は熱拡散処理の適用は困難である。」を明らかにしてい
る。
−1とほぼ同じ技術に基づいたものでブライト或はダル
の表面仕上げのものはできる技術を開示しているが、ミ
ラーブライト表面のNi拡散メッキ鋼板の開示はない。
更に、 特開昭61−235594号公報も同様にミラー
ブライト表面のNi拡散メッキ鋼板の開示はない。尚、
特開平10−280184号公報には、本発明と目的を
同じくする発明が開示され、最も高い光沢度のものは、
調質圧延ロールを硬質Crロールにすることによって、
最高で、光沢度が1020が得られている実施例が示さ
れているが、硬質Crメッキロールを使わねばならず製
造コストが高くなる。
Niメッキ層が軟質でプレス加工時の塑性加工性に優れ
加工後の耐食性にも優れた光沢度が1020超のミラー
ブライト表面を有するNi拡散メッキ鋼板はなく、又、
製造コストの高い硬質Crメッキロールを使用しないで
通常の調質圧延ロールで950以上の良好な光沢度を有
する鋼板の製造方法もない。
する課題は、 Ni拡散メッキ層が軟質でプレス加工時の
塑性加工性、加工後の耐食性に優れ、更に、優れた光沢
度のミラーブライト表面を有するNi拡散メッキ鋼板の
製造方法および鋼板を提供することである。
メッキ層が軟質でプレス加工時の塑性加工性に優れ加工
後の耐食性にも優れたミラーブライト表面を有する光沢
度の優れたNi拡散メッキ鋼板の製造方法および鋼板を
提供することについて、 鋭意検討を行い本発明を完成し
たものであり、 その要旨とするところは下記の通りであ
る。 (1)通常の製法で造られた熱延鋼板を酸洗後、冷間圧
延を行うに当り、少なくとも最終スタンドの圧延ロール
をRa:0.3〜2.0μmのダルロールを用い冷間圧
延鋼板を製造し、脱脂、 酸洗を経て、 Niメッキを行う
に当り、 無光沢或は半光沢Niメッキ浴で浴中のS濃度
を規制し、 Niメッキ層中のS含有量を0.05%以下
に制御した5〜50g/m2 のNiメッキ鋼板を製造し
た後、 650℃以上で再結晶焼鈍とNiメッキ層の合金
化拡散熱処理を行い、 その後、 表面粗さRaが0.07
μm以下のロールでの伸び率が1.3%以上でドライ調
質圧延を施すことを特徴とする光沢度が950超のミラ
ーブライト表面を有し、 最表層のFe濃度が50%以下
であることを特徴とする塑性加工性と耐食性に優れたN
i拡散メッキ層を有するNi拡散メッキ鋼板の製造方
法。
洗後、冷間圧延を行うに当り、少なくとも最終スタンド
の圧延ロールをRa:0.3〜2.0μmのダルロール
を用い冷間圧延鋼板を製造し、再結晶焼鈍後、必要に応
じ調質圧延を施し、その後、Niメッキを行うに当り、
無光沢或は半光沢Niメッキ浴で浴中のS濃度を規制
し、 Niメッキ層中のS含有量を0.05%以下に制御
した5〜50g/m2 のNiメッキ鋼板を製造した後、
550℃以上でNiメッキ層の合金化拡散熱処理を行
い、 その後、 表面粗さRaが0.07μm以下のロール
での伸び率が1.3%以上でドライ調質圧延を施すこと
を特徴とする光沢度が950超のミラーブライト表面を
有し、 最表層のFe濃度が50%以下であることを特徴
とする塑性加工性と耐食性に優れたNi拡散メッキ層を
有するNi拡散メッキ鋼板の製造方法。
拡散メッキ鋼板の製造法において、 Niメッキ後の調質
圧延工程での、Raが0.07以下のロールでの伸び率
が1.8%以上で、 ドライ調質圧延を施すことを特徴と
する光沢度が1020超であるNi拡散メッキ鋼板の製
造方法。 (4)前記(1)〜(3)のNi拡散メッキ鋼板の製造
法において、Niメッキ後の調質圧延を施すに当り、 少
なくともRa:0.07μm以下のロールが硬質Crメ
ッキロールであることを特徴とする光沢度が1020超
のNi拡散メッキ鋼板の製造方法。
で、 熱処理によりそのNiメッキ層の少なくとも一部が
Fe−Ni合金層を形成しているNi拡散メッキ鋼板に
おいて、 Ni拡散メッキ層のS含有量が0.05%以下
で、 且つ、 Ni拡散メッキ層が圧延ロールで平滑化され
た光沢度が1020超のミラーブライト表面を有し、 最
表層のFe濃度が50%以下であることを特徴とする塑
性加工性と耐食性に優れたNi拡散メッキ鋼板である。
尚、本発明では、Ni拡散メッキ層とは、焼鈍によって
延性が向上した「純Niメッキ層+Fe−Ni拡散メッ
キ層」或いは、「Fe−Ni拡散メッキ層」をさす。
又、Ni拡散メッキ鋼板とは、上記のNi拡散メッキ層
を有する鋼板をさす。
明者らは、 まず、 Niメッキ後、 熱処理を施すNi拡散
メッキ層が優れた塑性加工性を有し、且つ耐食性にも優
れたNi拡散メッキ鋼板について、 種々の検討を行っ
た。Ni拡散メッキ層の塑性加工性について、 再結晶焼
鈍を施していない冷間圧延後のIF鋼に、 無光沢、 半光
沢、 光沢Niメッキを施し、 26.4g/m2 のNiメ
ッキ鋼板を施し、 連続焼鈍で焼鈍温度時間を変え拡散状
態を変えた種々のNi拡散メッキ鋼板に1.0%の調質
圧延を施した試験片を造り、 Niメッキ層中のS含有量
とNi拡散メッキ最表層のFe濃度とを測定すると共
に、試験片を円筒深絞り加工を行い側壁部のNi拡散メ
ッキ層表面を倍率200倍で走査型顕微鏡でNi拡散メ
ッキ層にクラックが入っているか否かの観察(以下、N
i拡散メッキ層の割れ評価試験と記す) と、 絞り缶を塩
水噴霧試験(5%塩水、35℃、6Hr.:以下、単に
SST試験という) を行い赤錆発生率(面積%)の調査
を行った。
れ性は、1)Ni拡散メッキ層中のS含有率が0.05
%超になると割れが発生し始めることが明らかとなりN
i拡散メッキ層中のS含有率は少なくとも0.05%以
下でなければ良好な塑性加工性を有するNi拡散メッキ
層が得られないことが判明した。 2)Ni拡散メッキ層
の最表層まで拡散してきたFeの含有率は、 少なくとも
50%以下でなければならないことが判明した。 尚、 本
発明の場合は、Ni拡散メッキ層の最表層のFe含有率
が50%まで良好な塑性加工性が得られる理由はNi拡
散メッキの拡散条件が連続焼鈍で均熱時間が10〜12
0secと短いことに起因しているものと思われる。
i拡散メッキ層の健全性で整理できNi拡散メッキ層が
割れていなければ良好な加工後の耐食性が得られず、 優
れた加工後の耐食性を得るには、 Ni拡散メッキ最表層
の拡散してきたFeの含有率は、 少なくとも50%以下
にする必要がある。Niメッキは、 良好な耐食性とメッ
キ層の加工性を得るには、 少なくとも、 無光沢或は半光
沢NiメッキでS含有量が0.05%以下で、 Niメッ
キ目付量が5g/m2 以上に規制しなければならない。
Ni目付量が5g/m2 未満では、Niメッキ後拡散処
理を行った場合でも目付量が少なすぎピンホール欠陥を
防止できなくなり耐食性が確保できなくなる。
軟質でプレス加工時の塑性加工性に優れ加工後の耐食性
にも優れ、 且つ、ミラーブライト表面を有する光沢度の
優れたNi拡散メッキ鋼板の製造方法および鋼板を提供
することについて検討を行った。本発明者らは、 特開平
10−280184号公報と同様に、上述の検討におい
て、 一般的に行われている光沢Niメッキはメッキ層中
にSが含有されるため、 Ni拡散メッキ層が脆くなりプ
レス加工時に剥離すること、またプレス加工後の耐食性
も劣化すると言う問題を有していることが明らかとなっ
たので、 無光沢メッキ後拡散処理を行いその上に光沢N
iメッキを行うことを検討した。 その結果、 優れた光沢
度が得られプレス加工後の耐食性も確保できるが、 表層
の光沢メッキは熱処理が成されていないため硬く脆いの
でプレス加工時に光沢メッキ部が割れ剥離脱落しやすい
ことが判明した。 また、 この方法は2重メッキを施す必
要があり製造コストも高くなる。
0184号公報の請求項6の硬質Crメッキロールで調
質圧延で得られる良好な光沢度のNi拡散メッキ鋼板
を、製造コストの安い通常のミラーブライトロールで製
造する方法、および、光沢度が1020超の更に優れた
Ni拡散メッキ鋼板並びに製造方法を種々検討し、本発
明の鋼板および製造方法を見出した。通常のミラーブラ
イトロールを用いた調質圧延方法で更に優れたミラーブ
ライト表面光沢を得る方法について、種々検討した結
果、特開平10−280184号公報のような調質圧延
方法のみでは達成が困難で、冷間圧延時のタンデム圧延
の少なくとも最終スタンドのロールを、通常使用されて
いるスムースロールから、Raが0.3〜2.0μmの
ダルロールにすることが必要であることを見いだした。
鋼板を得るには、冷間圧延ロールよりも平滑なロールに
するのが好ましいと考えられるが、結果は逆で、より粗
いダルロールとすることで、特開平10−280184
号公報の発明の効果を更に向上させることが可能である
ことを見いだしたのである。本発明者等は、その原因を
究明した結果、スムースロールで冷間圧延を施すと、冷
間圧延の後段でロールがスリップしたり焼き付いてでき
るスリップ痕が全面に多数発生し、ミラーブライトロー
ルを用いた調質圧延でもそのスリップ痕が除去できず残
るため到達する光沢度に限界があるが、ダルロールでは
スリップ痕が入らず、金属光沢をした冷間圧延鋼帯がで
き、その後のミラーブライトロールを用いた調質圧延で
より高いレベルの光沢度が得られることを見いだした。
又、更に、製造コストは高くなるが、硬質Crメッキの
ミラーブライトロールで調質圧延を施すと、更に光沢度
が向上し1050以上の極めて優れた光沢度が得られる
ことも見いだした。
な説明を行う。対象となるNi拡散メッキ鋼板は、 5 〜
50g/m2 厚みのNi拡散メッキ鋼板で、 メッキ厚み
が5g/m2 未満では処理中に地鉄からのFeの拡散が
速くNi最表層にFe濃度が50%を越えやすくなると
ともに、5g/m2 未満ではNiメッキ時のピンホール
が多くなり耐食性が劣化するので5g/m2 以上に規制
する必要がある。 又、 上限を50g/m2 としたのは、
耐食性の向上効果が飽和しかつ電気メッキで50g/m
2 超のメッキを施すには製造コストが高くなりするの
で、 上限値を50g/m2 とした。
あれば特に限定する必要がないが、冷間圧延時に、少な
くとも最終スタンドの圧延ロールをRa:0.3〜2.
0μmのダルロールを用いて冷間圧延された未再結晶の
鋼板を用いる必要がある。尚、 再結晶焼鈍後の鋼板でも
更に調質圧延後の鋼板でも同等の品質が得られるが焼鈍
を2 回行うことになるので経済的には未再結晶板にNi
メッキを行う1回焼鈍法が好ましい。
な通常行われているメッキ方法で、無光沢或は半光沢N
iメッキでNiメッキ層中のS含有量が0.05%以下
に規制し、 Niメッキ目付量を5g/m2 以上にしなけ
ればならない。 絞り加工後の側壁のNiメッキ層の割れ
性は、メッキ層中のS含有率が0.05%超になると割
れが発生し始めるようになるのでNiメッキ層中のS含
有率は少なくとも0.05%以下でなければならない。
尚、 Ni目付量が5〜50g/m2 でなければならない
理由は上述の通りである。
処理は、 連続焼鈍炉で650℃以上で、鋼板の再結晶焼
鈍とNiメッキ層の合金化拡散熱処理とを行う必要があ
る。又、2回焼鈍法の場合は、鋼板の再結晶焼鈍を行
い、Niメッキを施し、その後、Ni拡散熱処理を55
0℃以上で連続焼鈍或いは箱焼鈍で行えばよい。但し、
箱焼鈍法の場合には焼鈍時間が非常に長いのでNi−F
eの相互拡散の距離が長すぎNiメッキ層の最表層のF
e濃度が50%超にならないようにする必要がある。こ
の拡散処理により、Ni拡散メッキ層の塑性加工時並び
に耐食性がすぐれたものになる。
μm以下のロールで、 伸び率が1.3%以上になるよう
に行わなければならない。又、1020超の優れた光沢
度を得るには、表面粗さRaが0.07μm以下のロー
ルで、 全伸び率を1.8%以上でなければならない。
又、調質圧延ロールを硬質Crメッキロールとするとき
は、硬質Crメッキロールでの伸び率を1.3%以上に
すると1020超の光沢度が得られ、更に、硬質Crメ
ッキロールでの伸び率を1.8%以上にすると1050
超の極めて優れた光沢度が得られる。以上の製造方法で
得られためっき量が5〜50g/m2 、Ni拡散メッキ
層中のS含有量が0.05%以下で、 且つ、 Ni拡散メ
ッキ層が圧延ロールで平滑化され光沢度の優れたミラー
ブライト表面を有し、 最表層のFe濃度が50%以下で
あるNi拡散メッキ鋼板は、優れた光沢とNi拡散メッ
キ層の優れた塑性加工性と耐食性とを両立させることが
できる。
る。表1および表2に示す組成、 熱延、冷延条件で0.
26mm厚みの冷間圧延コイルを製造し、表2に示す条
件で、アルカリ脱脂、 酸洗後ワット浴でのNiメッキ、
鋼板の再結晶焼鈍を兼ねたNi拡散熱処理或いは、鋼板
の再結晶焼鈍後NiメッキおよびNi拡散熱処理を行
い、表3に示す調質圧延を施しNi拡散メッキ鋼板を試
作した。試作したNi拡散メッキ鋼板の品質を調査する
ため、 前述と同様の条件で、 光沢度、 Fe濃度(Fe/
Fe+Ni比%)、円筒絞り加工後の側壁外面をSEM
観察し評価したNi拡散メッキ層の割れ(0:割れ無
し、 ×: 割れ発生)、胴缶外側面のSST耐食試験後の
赤錆発生面積率%を調査し、 その結果を表3に示す。
で、Tiを0.035%、Nbを0.008%、Bを
0.0003%添加したNb−Ti添加極低炭素鋼で、
軟質で深絞り性に優れた特性が得られる鋼である。供試
鋼Bは、 C含有量が0.040%のブリキ原板として一
般に用いられるAl−K鋼である。試料No.1,2
は、特開平10−280184号公報の従来例で、絞り
缶のNiメッキ層の割れ、赤錆の発生はなく、光沢度も
850,800とまずまずではあるが、本発明の目標と
するレベルには未達である。
の実施例で、 光沢度も1025,1040と優れた値が
得られている。試料No.4−2は、調質圧延ロールを
硬質CrメッキしたMB(ミラーブライト)仕様のRa
が0.04μmの調質圧延ロールで2.0%の調質圧延
を行った本請求項4、5の実施例で、1100の極めて
優れた光沢度が得られている。試料No.4−3は、タ
ンデムロールをダルロールとした本発明の冷間圧延条件
であるが、調質圧延ロールをRa:0.10μmのブラ
イトロールとした比較例で、光沢度は800にとどまっ
ている。
ルロールであるがRaが3.50μmと粗すぎた比較例
で、目標の950以上の光沢度が得られていない。試料
No.6は、低炭Al−K鋼を用いた本発明の実施例
で、良好な光沢度が得られている。試料No.7は、冷
間圧延時のロールを硬質Crメッキのダルロールを使用
した本発明の実施例で、光沢度が1090と極めて優れ
た値が得られている。
の本発明の実施例で、良好な光沢度並びに絞り缶のNi
メッキ層の割れおよび赤錆発生のないNiメッキ鋼板が
得られた。試料No.10は、冷間圧延ロールがスムー
スロールで、且つメッキ層中のS濃度が本発明の限度を
超えた比較例で、光沢度が未達で、絞り加工後のNi拡
散メッキ層が割れ、そして耐食性が劣悪となっている。
以上の実施例の結果から明らかなように、 本発明の方法
によって、 「Ni拡散メッキ層が軟質でプレス加工時の
塑性加工性,加工後の耐食性に優れ、更に、優れた光沢
度のミラーブライト表面を有するNi拡散メッキ鋼板の
製造方法および鋼板を提供すること」が十分に達成でき
る。
に、 本発明の方法によって、 本発明が解決しようとする
課題の、 「Ni拡散メッキ層が軟質でプレス加工時の塑
性加工性、加工後の耐食性に優れ、更に、優れた光沢度
のミラーブライト表面を有するNi拡散メッキ鋼板の製
造方法および鋼板を提供すること」が十分に達成でき、
工業的価値が極めて大である。
Claims (5)
- 【請求項1】 通常の製法で造られた熱延鋼板を酸洗
後、冷間圧延を行うに当り、少なくとも最終スタンドの
圧延ロールをRa:0.3〜2.0μmのダルロールを
用い冷間圧延鋼板を製造し、脱脂、 酸洗を経て、 Niメ
ッキを行うに当り、 無光沢或は半光沢Niメッキ浴で浴
中のS濃度を規制し、 Niメッキ層中のS含有量を0.
05%以下に制御した5〜50g/m2 のNiメッキ鋼
板を製造した後、 650℃以上で再結晶焼鈍とNiメッ
キ層の合金化拡散熱処理を行い、その後、 表面粗さRa
が0.07μm以下のロールでの伸び率が1.3%以上
でドライ調質圧延を施すことを特徴とする光沢度が95
0超のミラーブライト表面を有し、 最表層のFe濃度が
50%以下であることを特徴とする塑性加工性と耐食性
に優れたNi拡散メッキ層を有するNi拡散メッキ鋼板
の製造方法。 - 【請求項2】 通常の製法で造られた熱延鋼板を酸洗
後、冷間圧延を行うに当り、少なくとも最終スタンドの
圧延ロールをRa:0.3〜2.0μmのダルロールを
用い冷間圧延鋼板を製造し、再結晶焼鈍後、必要に応じ
調質圧延を施し、その後、Niメッキを行うに当り、 無
光沢或は半光沢Niメッキ浴で浴中のS濃度を規制し、
Niメッキ層中のS含有量を0.05%以下に制御した
5〜50g/m2 のNiメッキ鋼板を製造した後、 55
0℃以上でNiメッキ層の合金化拡散熱処理を行い、 そ
の後、 表面粗さRaが0.07μm以下のロールでの伸
び率が1.3%以上でドライ調質圧延を施すことを特徴
とする光沢度が950超のミラーブライト表面を有し、
最表層のFe濃度が50%以下であることを特徴とする
塑性加工性と耐食性に優れたNi拡散メッキ層を有する
Ni拡散メッキ鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のNi拡散メッキ
鋼板の製造法において、 Niメッキ後の調質圧延工程で
の、Raが0.07以下のロールでの伸び率が1.8%
以上で、 ドライ調質圧延を施すことを特徴とする光沢度
が1020超であるNi拡散メッキ鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のNi拡散メッキ鋼板の製
造法において、Niメッキ後の調質圧延を施すに当り、
少なくともRa:0.07μm以下のロールが硬質Cr
メッキロールであることを特徴とする光沢度が1020
超のNi拡散メッキ鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 Niのめっき量が5〜50g/m2 で、
熱処理によりそのNiメッキ層の少なくとも一部がFe
−Ni合金層を形成しているNi拡散メッキ鋼板におい
て、 Ni拡散メッキ層のS含有量が0.05%以下で、
且つ、 Ni拡散メッキ層が圧延ロールで平滑化された光
沢度が1020超のミラーブライト表面を有し、 最表層
のFe濃度が50%以下であることを特徴とする塑性加
工性と耐食性に優れたNi拡散メッキ鋼板。
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