JPH0451470B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は例えば両面複写装置のスタツカー部
に適用して好適な用紙スタツカーに関するもので
ある。

〔従来の技術〕

一般に両面複写装置は複写部で片面に複写した
用紙を方向転換して複写部の下方に搬送してスタ
ツカー部に収容し、該用紙を再度送り出して上方
に搬送し方向転換して複写部に供給し、他面を複
写するようにしたもので、このスタツカー部は自
由落下してくる用紙をスタツクすることと、スタ
ツク後の用紙を再給紙機構で給送し易くするため
に用紙先端にもとより横巾をきちんと揃えること
が必要となる。このためにはスタツカー基板上に
底面部と立上り部を有する横巾規制部材を設け、
落下してきた用紙を横巾規制部材の立上り部間で
捕らえられるとともに捕らえた用紙を傾斜面を滑
らせるか或いは送りローラの回転摩擦を利用して
一方向に進行させ、進行方向端部に設けたストツ
パーに当てるようにすることが従来一般的であつ
たが、ローラの回転摩擦で用紙先端を揃える方法
はローラの制御が難しく、送り不足や送り過ぎに
よる不都合があつた。一方、傾斜面を利用する場
合は構成が簡易であり、信頼性も高いが、傾斜面
をかなり急角度にして落差を大きくとらないと、
確実に滑らせることができず、その落差分の空間
が必要であり、上下の空間の限られた個所には採
用できない場合があつた。

そこで、本出願人は傾斜面を急角度にすること
なく用紙を確実に滑降させる手段としてスタツカ
ー基板に空気流噴出口を設け、用紙を空気膜上に
乗せて滑らせるようにして上記問題を解消するよ
うにしたが、斯くするときは横巾規制部材の拡大
縮小時（特に縮小図）にその底面部により空気流
噴射口が塞がれてしまう虞れがあつた。

〔発明の目的〕

この発明は上記の点に鑑み、空気流を利用して
用紙先端を揃える方向に進行させ得るようにする
とともに、空気流噴射口を横巾規制部材により塞
ぐことがないようにした用紙スタツカーを提供す
ることを目的としている。

〔発明の構成〕

上記の目的を達成するため、この発明は空気流
噴出口を有するスタツカー基板を設け、該スタツ
カー基板上に底面部と立上り部とからなる横巾規
制部材を備え、該横巾規制部材の底面部に前記空
気流噴射口を塞がないように切欠部を設けた構成
としたものである。

〔実施例〕

次に、この発明を添付図面に示す実施例に基づ
いて説明する。

第１図はこの発明を適用した両面複写装置の断
面図を示している。図において、１は片面複写に
ための給紙部、２は該給紙部１より一枚づつ送出
された用紙に原稿台（図示せず）上に載せられた
原稿画像を複写する複写部、３は複写部２で片面
に複写された用紙を搬送ベルト４を介して受領
し、複写面を定着させる定着部である。定着部３
の下流側には定着後の用紙を直進させて機外に排
出する排紙経路ａと、両者複写のため、或いは反
転排紙のための導入経路ｂとを切換える機能を持
つ経路分岐装置６が設けられている。該経路分岐
装置６に連続する両面複写経路５の下流側で複写
機本体の下部には用紙を反転させる反転機構７
と、これにより反転した用紙を収容するスタツカ
ー部８と、該スタツカー部８に収容された用紙の
再給紙機構９が設けられ、更に、該再給紙機構９
の下流側には用紙を前記複写部２の給紙経路に戻
す中継機構１０を備えている。

前記分岐装置６は上下ローラからなる上流ロー
ラ１１と下流ローラ１２の間に軸１４を支点とし
て揺動できるように設けた断面逆三角状をした可
動分岐体１３を設け、該可動分岐体１３はソレノ
イド等の駆動装置（図示せず）の作用で上流ロー
ラ側の尖端１３ａを該ローラ１１の挟持点Ｐより
上下に変位し、導入経路ｂを開けて排紙経路ａを
閉じるか、この逆に作動できるようになつてい
る。前記反転機構７は前記両面複写経路５を通し
て送られてきた用紙を、大径プーリ１５と小径プ
ーリ１６との間に張設された複数条のエンドレス
ベルト１７と、その上面に圧接するように設けた
コロ１８とで挟んで搬送し、大径プーリ側の外周
に設けた反転ガイド板１９に沿つて反転して圧接
ローラ２０の挟持点２１から後方に向けて放出す
るようになつている。

第２図乃至第５図は前記反転機構７から後方に
向けて放出された用紙をスタツクするスタツカー
部を示したもので、反転機構７の下方において用
紙Ｒの放出方向と逆向きに傾斜設置されたスタツ
カー基板２２と、その上面に用紙サイズに合わせ
て広狭調節できる用紙規制部材２３を備えてい
る。このスタツカー基板２２の上位側には反転機
構７より放出された用紙の放出方向と逆向きで、
水平方向より上向きに空気流を噴射できる送風フ
アン２４の噴射口２５が設けられ、用紙の下側に
空気を潜り込ませて落下の際に用紙を空気膜上に
乗せてスタツカー面を滑降できるようにしてい
る。これにより、スタツカー基板２２の傾斜角度
を急にしなくてもよくしている。また、スタツカ
ー部８の傾斜下端側にはストツパー２６が出没自
在に設けられ、滑降した用紙の先端が当たるよう
になつている。ストツパー２６はスタツク時には
突出し、再給紙機構９による給送時には没入する
ように構成されている。

前記横巾規制部材２３は底面部２３ａと立上り
部２３ｂとからなるもので、拡大縮小可能にスタ
ツカー基板２２上に設けられている。この拡大縮
小機能は例えば第４図示の如くスタツカー基板２
２の下部に設置した正逆回転可能の駆動装置２７
と出力軸に固定したピニオン２８を挟んで各横巾
規制部材２３の底面部２３ａの下面に基端を固定
したクラツチ２９，３０を噛合させてなり、使用
する用紙サイズ毎に自動的に適正巾が確保できる
ようになつている。

横巾規制部材２３の底面部２３ａはその傾斜上
部側の内端角部には前記空気流噴射口２５を塞が
ないように切欠部３１が設けらている。つまり、
横巾規則部材２３の底面部は用紙を直接受ける面
であるから、スタツカー基板２２の上面を覆うよ
うに設ける必要があり、上記部位に切欠部３１を
設けた場合には横巾規制部材２３を第２図示の二
点鎖線にて示すように縮小させても、前記空気流
噴出口２５を塞ぐ虞れがなく、用紙サイズによつ
て空気流が使えたり、使えなくなるようなことを
有効に防止しているものである。

前記横巾規制部材２３の立上り部２３ｂは用紙
積層部位となる下部を直立し、上縁部を互いに外
方に向けて斜状に拡開している。この拡開部は本
実施例の場合は反転機構７から放出された用紙Ｒ
が落下する際の横方向のズレをカバーするために
設けている。従つて、この上縁部の拡開角は落下
してくる用紙が斜めになつたり、片寄ることによ
り正規の位置よりズレであろう見込量と紙端がこ
れに当たつた場合に途中でつつかえることなく滑
り落ちることができる角度とにより決められる
が、この見込量を外れる稀な場合までも考慮すれ
ば第３図示の如く拡開を段階的にし、補捉範囲を
少しでも大きくとることが好ましい。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明に係る用紙スタ
ツカーは空気流噴出口を有するスタツカー基板を
設け、該スタツカー基板上に底面部と立上り部と
からなる横巾規制部材を備え、該横巾規制部材の
底面部に前記空気流噴射口を塞がないように切欠
部を設けたことを特徴としているから、スタツカ
ー基板の傾斜面を利用し、或いは利用せずして一
方向に搬送して用紙先端を揃えることができ、し
かも、この搬送力をスタツカー基板の傾斜面と共
に付与するようにすれば、その傾斜角度を緩くで
き、狭い個所への設置も可能となる。また、スタ
ツカー基板に設けた空気流噴出口は横巾規制部材
をいかなるサイズの用紙に適用するように移動さ
せた場合でも空気流の噴出を制限されることがな
いという各種の優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を適用したスタツク装置を搭
載した両面複写装置の断面図、第２図はスタツカ
ー部の外観斜視図、第３図は収容する用紙の落下
状態との関係を示す正面断面図、第４図は横巾規
制部材の可動手段の斜視図である。 ８……スタツカー部、２２……スタツカー基
板、２３……横巾規制部材、２３ａ……底面部、
２３ｂ……立上り部、２４……空気ポンプ、２５
……空気流噴出口、３１……切欠部、Ｒ……用
紙。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 空気流噴出口を有するスタツカー基板を設
   け、該スタツカー基板上に底面部と立上り部を有
   する横巾規制部材を備え、該横巾規制部材の底面
   部に前記空気流噴射口を塞がないように切欠部を
   設けたことを特徴とする用紙スタツカー。 ２ 前記横巾規制部材の立上り部の上縁が、外方
   に拡開されている特許請求の範囲第１項記載の用
   紙スタツカー。 ３ 前記横巾規制部材が、横巾規制方向に拡大縮
   小可能になつている特許請求の範囲第１項又は第
   ２項記載の用紙スタツカー。 ４ 前記スタツカー基板が、用紙を反転させて後
   方に向けて放出できる反転機構の下方に、該用紙
   の放出方向と逆向きに傾斜設置されている特許請
   求の範囲第１項乃至第３項記載の用紙スタツカ
   ー。