JPH0450992Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ブランクをプレス機械のフイードバ
ーに送るブランク搬送装置に関するものである。

〔従来の技術〕

フイードバーを有するプレス機械には、コイル
材からブランクを打ち抜くブランキングプレス
と、このブランクを前記フイードバーで搬送しな
がらプレス加工するトランスフアープレスとを結
合一体化したもの及びこれらのブランキングプレ
スとトランスフアープレスとを別の場所に設置し
て分離別体化したものがある。これらのプレス機
械では、ブランキングプレスからトランスフアー
プレスのフイードバーまでブランクを送るための
ブランク搬送経路をそれぞれ異なるタイプのブラ
ンク搬送装置により構成している。

これを具体的に説明すると、ブランキングプレ
スとトランスフアープレスとが結合一体化された
プレス機械に用いられるブランク搬送装置は、ブ
ランキングプレスの下型の下方位置から前記フイ
ードバーまで延びる固定ブランク受台と移動ブラ
ンク受台とを有するものとして構成され、移動ブ
ランク受台を固定ブランク受台に対して上下動及
び前後進させることにより、ブランクをトランス
フアープレスのフイードバーへの受け渡し位置ま
で一定ピツチ毎に搬送するようになつている。

また、ブランキングプレスとトランスフアープ
レスとが分離別体化されたプレス機械に用いられ
るブランク搬送装置は、ブランクを積載して例え
ばスクウエアコンベア上を走行するマガジンと、
このマガジンからブランクを押し上げるリフト装
置と、押し上げられたブランクを吸着具で吸着
し、この吸着具が上下動及び前後進してブランク
をアイドルステージを経てトランスフアープレス
のフイードバーへの受け渡し位置まで送るブラン
ク送り手段とにより構成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

以上において、ブランクの形状が円形や正方形
であれば、フイードバーのフインガによるブラン
ククランプ時におけるブランクのフイードバー搬
送方向に対する向きは問題とならないが、ブラン
クが細長形状等の異形状の場合にはフインガでブ
ランクを確実にクランプできるようにするために
は、クランプを確実にクランプできるようにする
ためには、クランプ時にブランクがフイードバー
搬送方向と平行の向きになつていることが必要で
ある。

しかし、ブランクの向きは、前記ブランキング
プレスによりコイル材からブランクを打ち抜く時
に歩留りを向上させることとの関係や、前記ブラ
ンク送り手段に複数設けられたブランク吸着具の
配列方向との関係により定められ、従来のブラン
ク搬送装置を使用すると、異形状のブランクをフ
イードバー搬送方向と平行の向きにしてフイード
バーに送ることができない場合が生じる。

ここに、本考案の目的は、異形状のブランクを
フイードバー搬送方向と平行の向きにしてフイー
ドバーに送ることができ、ブランクをフインガに
よつて確実にクランプできるブランク搬送装置を
提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案では、プレス機械のフイードバーまで延
びるブランク搬送経路を構成し、このフイードバ
ーにブランクを送るブランク搬送装置において、
前記ブランク搬送経路中にブランク受部材及び回
動機構を設け、前記ブランク受部材を異形状のブ
ランクを載せるものとしこのブランク受部材を前
記回動機構により水平面内で回動させるように構
成している。

〔作用〕

このような構成の本考案によると、ブランキン
グプレスによりコイル材からブランクが打ち抜か
れたときや、ブランク送り手段の複数のブランク
吸着具でブランクが吸着されたときのブランクの
向きがフイードバー搬送方向と平行の向きになつ
ていなくとも、ブランクが載せられたブランク受
部材を回動機構によつて回動させることにより、
ブランクの向きをフイードバー搬送方向と平行の
向きにしてフイドバーに送ることができる。これ
により、フイードバーによつてプランクを搬送す
る際に、フイードバーのフインガによつてブラン
クを確実にクランプできることになる。

〔実施例〕

以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。本実施例のブランク搬送装置は、ブランキ
ングプレスとトランスフアープレスとが結合一体
化されたプレス機械に適用されている。

プレス機械の全体構成が示される第１図におい
て、トランスフアープレス１は、フインガ１Ｂ
（第３図参照）が取り付けられた一対のフイード
バー１Ａを有するもので、このトランスフアープ
レス１の側方にはプランキングプレス２が設けら
れ、これらのトランスフアープレス１とブランキ
ングプレス２との間には本実施例に係るブランク
搬送装置３が配置されている。これらのトランス
フアープレス１のスライド１０とブランキングプ
レス２のスライド１２とは同じクランク軸により
所定タイミングにより上下動するようになつてい
る。

ブランキングプレス２について示す第２図の通
り、スライド１２はクランク軸の偏心部にコンロ
ツド１１を介して連結され、このスイラド１２及
びベツド部１３に固定された上型１４と下型１５
とによつてコイル材４Ａからブランク４が打ち抜
かれるようになつている。このブランク４は、第
３図の通り、細長形状、つまり異形状であり、ま
た、打ち抜き時には、コイル材の歩留りを向上さ
せるためにブランク４の長手方向がトランスフア
ープレス１におけるフイードバー搬送方向Ｐと直
交するようになつている。

前記ブランク搬送装置３は、第３図の通り、前
記下型１５の下方位置からトランスフアープレス
１のフイードバー１Ａまで延びるバー状の固定ブ
ランク受台３１と移動ブランク受台３２とを有す
るものとなつており、これらによりブランク搬送
経路が構成される。前記固定ブランク受台３１は
３本あり、２本の移動ブランク受台３２は、これ
ら３本の固定ブランク受台３１の間に配置され、
固定ブランク受台３１と移動ブランク受台３２の
上面にはそれぞれブランク４を吸着保持するため
のマグネツト３３が等ピツチで配設されている。

第４図の通り、２本の移動ブランク受台３２は
中央の固定ブランク受台３１の下側を通る板部材
３２Ａで結合され、この板部材３２Ａの下方には
昇降手段３４が設けられている。この昇降手段３
４は、第５図にも示されるように、移動ブランク
受台３２の両側面にその長手方向に沿つて形成さ
れた長溝３２Ｃに係合するローラ３５と、このロ
ーラ３５を支持する昇降部材３６と、この昇降部
材３６に結合されガイド部材３７に案内されて昇
降するロツド３８と、このロツド３８と回動軸３
９の偏心部３９Ａとを連結するコンロツド４０
と、回動軸３９に取り付けられたピニオン４１
と、このピニオン４１と噛合するラツク４２と、
このラツク４２を往復動させるシリンダ４３（第
４図参照）とから構成され、シリンダ４３による
ラツク４２の往復動により、ピニオン４１を介し
て回動軸３９が180度正転、逆転すると、回動軸
３９の偏心部３９Ａのため、コンロツド４０、ロ
ツド３８、昇降部材３６、ローラ３５及び板部材
３２Ａを介して移動ブランク受台３２が前記固定
ブランク３１に対して上下動するようになつてい
る。

第４図の通り、前記移動ブランク受台３２の下
部には板部材３２Ａを介してブロツク４５が固設
され、第３，５図の通り、このブロツク４５には
前記フイードバー搬送方向Ｐと直交する方向に延
びる２本のガイドロツド４６が固定されている。
これらのガイドロツド４６には一対の連結部材４
７が摺動自在に配置され、これらの連結部材４７
には上下方向の孔４７Ａか形成され、この孔４７
Ａには、前記一対のフイードバー１Ａから下向き
に突出したピン１Ｃが摺動自在に係合している。
これにより、前記移動ブランク受台３２には、フ
イードバー１Ａの三次元のブランク搬送作動のう
ちのアドバンス、リターン、つまりフイードバー
搬送方向Ｐの往復動のみが伝達されるようになつ
ている。

第１図の通り、前記ブランク搬送装置３は、前
記ブランキングプレス２の下型１５の下方におい
て、ブランク受部材５０とこのブランク受部材５
０を水平面内で90度回動させる回動機構６０とを
備えたものとなつており、これらのブランク受部
材５０と回動機構６０とは前記固定ブランク受部
材３１と移動ブランク受台３２とで構成されるブ
ランク搬送経路の前端に配置されている。ブラン
ク受部材５０は、第３図の通り、ブランク４を載
せられるように、その平面形状が細長となつてい
るとともに、中央の固定ブランク受台３１の長手
方向に延びた細長形状の孔３１Ａから出没可能と
なつている。

回動機構６０は、第６，７図にも示されるよう
に、フレーム３０に回動自在に取り付けられたシ
リンダ６１と、このシリンダ６１の外周に固設さ
れたピニオン６２と、このピニオン６２と噛合す
るラツク６３と、このラツク６３を進退駆動する
駆動シリンダ６４とから構成されている。駆動シ
リンダ６４に第２図で示す空気源６５からエアー
が切換弁６７、配管６６を介して供給されること
により、ラツク６３の移動でシリンダ６１が回動
せしめられ、この結果、第７図の通りシリンダ６
１の内部にピン７３で廻り止めされて配置された
ピストン７１及びピストンロツド７２も回動し、
このピストンロツド７２の上端に固設された前記
ブランク受部材５０も回動するようになつてい
る。また、第２図の通り、前記シリンダ６１には
空気源７４からエアーが切換弁７６、配管７５を
介して供給され、これによりブランク受部材５０
は前記固定ブランク受台３１の孔３１Ａを貫通し
て昇降するようになつている。

以上の駆動シリンダ６４によるブランク受部材
５０の回動及びシリンダ６１によるブランク受部
材５０の昇降は、前記トランスフアープレス１の
スライド１０の上下動、前記フイードバー１Ａの
ブランク搬送動作と所定のタイミングで行われ
る。

次に、作用について説明する。第８図はこの作
用を示す図である。

まず、第８図Ａの通り、ブランキングプレス２
の上型１４と下型１５との間にコイル材４Ａが供
給された後、第８図Ｂの通り、上型１４を下降さ
せてコイル材４Ａからブランク４を打ち抜き、こ
の打ち抜かれたブランク４を予め上死点の位置に
あるブランク受部材５０に載せる。この際、打ち
抜かれるブランク４は、前述の通り、その長手方
向がフイードバー搬送方向Ｐと直交するようにな
つている。なお、ブランク受部材５０の表面にマ
グネツト等の吸着具を設けることにより、ブラン
ク４をブランク受部材５０に吸着させて載せるよ
うにしてもよい。

その後、第８図Ｃの通り、駆動シリンダ６４に
よつてシリンダ６１及びブランク受部材５０を90
度回転させ、これによりブランク４の向きを90度
変える。

さらにその後、第８図Ｄの通り、前記シリンダ
６１を作動させてブランク受部材５０を下死点ま
で下降させる。これにより、前記ブランク４は、
その長手方向がフイードバー搬送方向Ｐと一致し
た状態で前記固定ブランク受台３１及び移動ブラ
ンク受台３２の上に載せられる。

その後、前記昇降装置３４のシリンダ４３の作
動によつて、移動ブランク受台３２は前記固定ブ
ランク受台３１に対して上下動し、また、前記フ
イードバー１Ａによるアドバンス、リターン作動
によつて移動ブランク受台３２はフイードバー搬
送方向Ｐに往復動し、移動ブランク受台３１のこ
れらの一連のリフト、アドバンス、ダウン、リタ
ーンの作動の繰り返しにより、ブランク４は前記
マグネツト３３で吸着保持されながらトランスフ
アープレス１に向かつて１ピツチ毎に搬送され
る。

以上の動作はコイル材４Ａからブランク４が打
ち抜かれる毎に行われ、前のブランク４が移動ブ
ランク受台３２のアドバンスにより送られると、
次のブランク４を受け取るために、ブランク受部
材５０はシリンダ６１により上死点まで上昇し、
さらに、駆動シリンダ６４によりブランク受部材
５０は前述とは逆方向に90度回動し、第８図Ａの
状態に戻る。

フイードバー１Ａに受け渡される位置まで送ら
れたブランク４は一対のフイードバー１Ａの近接
動作により前記フインガ１Ｂでクランプされ、そ
の後のフイードバー１Ａのブランク搬送動作によ
りブランク４は、トランスフアープレス１のそれ
ぞれの加工ステージ上に順番に送られてプレス加
工される。

このように、ブランク４がフイードバー１Ａの
フインガ１Ｂでクランプされるとき、ブランク４
の向きはフイードバー搬送方向Ｐと平行の向きに
なつているため、フインガ１Ｂによる異形状のブ
ランク４のクランプを確実に行えるようになり、
この結果、トランスフアープレス１内におけるフ
イードバー１Ａによるブランク４の搬送を確実な
ものとして行える。

以上のように本実施例によれば、ブランキング
プレス２からトランスフアープレス１まで延びる
ブランク搬送経路を構成するものとなつているブ
ランク搬送装置３は、ブランク受部材５０と、こ
のブランク受部材５０を水平面内で回動させる回
動機構６０とを有する構成になつているため、ブ
ランキングプレス２において、コイル材４Ａから
打ち抜かれたときのブランク４の向きがコイル材
４Ａの歩留りの向上のためフイードバー搬送方向
Ｐと直交する向きになつていても、トランスフア
ープレス１のフイードバー１Ａにブランク４を受
け渡すときにはブランク４の向きをフイードバー
搬送方向Ｐと平行の向きにしておくことができ、
フインガ１Ｂによるブランク４のクランプを確実
に行える。

特に、本実施例によれば、ブランク受部材５０
及び回動機構６０は、前記ブランク搬送経路の中
でもブランキングプレス２の前記下型１５と前記
固定ブランク受台３１、移動ブランク受台３２と
の落差を解消するための部材となつている前記シ
リンダ６１の部分に設けられているため、この落
差の解消とブランク４の向きの修正とを同一部材
により行えるようになり、それだけ部品点数の削
減、構造の簡素化を達成できる。

なお、本考案にかかる回動機構６０は前記実施
例のものに限定されるものではなく、第９図に示
される回動機構６０、さらには、第１０，１１図
に示される回動機構６０としてもよい。

第９図で示す回動機構６０は、前記実施例のラ
ツク６３及び駆動シリンダ６４の代わりに歯車８
０及びサーボモータ８１を用いたものである。

第１０，１１図で示す実施例は、シリンダ９０
を回動させずにブランク受部材５０を回動させる
ものである。シリンダ９０の底部にはピニオン９
１が回転自在に配置され、このピニオン９１の軸
９２にピストンロツド９３が突起９４で回転方向
に位置決めされてから上下動自在に嵌合される。
ピストンロツド９３の上下端にブランク受部材５
０とピストン９５とが固設され、油圧源９６から
の油が切換弁９７、配管９８を介してシリンダ９
０に供給されることにより、ブランク受部材５０
は昇降する。第１１図の通り、ピニオン９１には
ラツク９９が噛合し、このラツク９９が油圧源１
００から切換弁１０１、配管１０２を介して供給
される油によつて往復動することにより、ピニオ
ン９１が回動してブランク受部材５０も回動す
る。

以上述べたように、ブランク受部材を水平面内
で回動させる回動機構の構成は任意である。

〔考案の効果〕

前述のような本考案によれば、フイードバーに
ブランクが送られたときに異形状のブランクの向
きをフイードバー搬送方向と平行の向きにできる
ため、フイードバーのフインガによるブランクの
クランプを確実に行えるようになるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るブランク搬送
装置が適用されたプレス機械の概略正面図、第２
図、第３図はそれぞれ第１図中−線、−
線に沿う矢視図、第４図、第５図はそれぞれ第３
図中−線、Ｖ−Ｖ線に沿う矢視断面図、第６
図は前記実施例の回動機構の側面図、第７図はそ
の断面図、第８図Ａ〜Ｄは前記実施例の作動説明
図、第９図は回動機構の変形例を示す断面図、第
１０図は回動機構の他の変形例を示す断面図、第
１１図は第１０図中XI−XI線に沿う矢視断面図
である。 １……トランスフアープレス、１Ａ……フイー
ドバー、２……ブランキングプレス、３……ブラ
ンス搬送装置、４……ブランク、３１……固定ブ
ランク受台、３２……移動ブランク受台、５０…
…ブランク受部材、６０……回動機構、６１，９
０……シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コイル材からブランクを打ち抜くブランキング
   プレスと、このブランクをフイードバーで搬送し
   ながらプレス加工するトランスフアープレスとの
   間に、前記ブランキングプレスの下型の下方位置
   から前記トランスフアープレスの前記フイードバ
   ーまで延びる固定ブランク受台と、この固定ブラ
   ンク受台に対して前進、下降、後退、上昇を繰り
   返して前記ブランクを前記ブランキングプレス側
   から前記トランスフアープレス側へ搬送する移動
   ブランク受台とを設け、前記ブランキングプレス
   の下型の下方に、このブランキングプレスの上型
   と下型とでコイル材から打ち抜かれた前記ブラン
   クを受け取りかつ前記固定ブランク受台に受け渡
   すブランク受部材を上下動自在に設けるととも
   に、このブランク受部材を回動機構により水平面
   内で回動自在としたことを特徴とするブランク搬
   送装置。