JPH0449971Y2

JPH0449971Y2 -

Info

Publication number: JPH0449971Y2
Application number: JP11719889U
Authority: JP
Priority date: 1989-10-05
Filing date: 1989-10-05
Publication date: 1992-11-25
Also published as: JPH0355764U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、切花を飾りかつ輸送にも使用するこ
とのできる花器に関するものである。

（従来の技術）一般に、吸水フオームを用いて切花を飾る場
合、水盤或は上部開放花器が使用されている。

従来、宴会場などのテーブル上に飾花する場
合、あらかじめ吸水フオームに切花を刺してアレ
ンジすると共に水盤に水を入れてから運ぶことが
多い。

また、花器に生花をアレンジしたまま、贈り物
として配達する花の宅配便が行われている。

（考案が解決しようとする課題）ところで、従来の上記水盤に、水を入れて運ぶ
と、よほど注意していても水などがこぼれて、テ
ーブルクロスを濡らすし、テーブル上で水盤に水
を入れると水がこぼれることがある。また、花の
宅配便では、輸送時間が長い場合には、吸水フオ
ーム中の水分が不足し、花の鮮度が著しく低下す
ることがある。そして、花を贈られた人も、吸水
フオーム自体を水そのものと誤解し、水を補給し
ないことが多く、せつかくの贈り物も好意が減殺
されてしまうなどの問題がある。

さらに、旅館やホテルなどの部屋飾り等におい
ても、生花の補水管理が至極面倒で、花の新鮮さ
を長く保たせることができないという問題があつ
た。

本考案は、上記のような実状に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、花の宅配便に
おいて、輸送時間が長い場合でも花の鮮度を低下
させることがなく、輸送の長距離化を可能ならし
め、新鮮さの保持による贈り手の好意を減殺させ
ることのない、そして生花の寿命を増大せしめる
ことができ、さらに、水を入れて持ち運んでも、
また花器を傾けたり転倒させても水がこぼれるこ
とがなく、花の補水管理が容易でしかも吸水機能
の増大を図りうる花器を提供するにある。

（課題を解決するための手段）本考案では、上記目的を達成するために、次の
技術的手段を講じた。

即ち、本考案にかかる花器は、上部開放の花器
本体内の上下方向中間に、繊維体などの吸水体を
挿通した給水管を有する仕切板を設け、該仕切板
上に吸水フオームを載置しうるようにしたことを
特徴としている。

なお、仕切板には花器本体の側壁寄りに注水穴
を設けて注水管を固着し、注水管の上端に栓体を
着脱自在に装着することができる。

（作用）本考案によれば、花器本体の底板と仕切板の間
に、注水管または給水管から水を入れ、仕切板上
から給水管の吸水本体挿通穴を通して吸水体例え
ば吸水紙を前記底板上に届くように密に挿入し
て、仕切板上に吸水フオームを載せた後、吸水フ
オームに切花を刺してアレンジする。花器本体内
の水は、吸水紙を伝つて毛細管現象により吸水フ
オームに供給される。そして、花器が傾いたり転
倒し或は持ち運んでも、仕切板、吸水体及び給水
管の共同作用によつて水がこぼれ落ちることはな
い。なお、花器本体内には、その側壁上方から適
宜水を補給することができる。

（実施例）以下本考案の実施例を図面に基づき説明する。

図面において、１は花器本体で合成樹脂材によ
り略方形箱形に成型され、上部が開放されると共
に周壁１ａ内面には上端面１ｂと底板２との中間
部に係止段部３が設けられている。

４は仕切板で、合成樹脂材により方形状に成型
され、略中央に吸水体例えば吸水紙５を挿通した
給水管６を固着するための穴７が設けられ、花器
本体１内の前記係止段部３上にはめ込まれ、接着
剤または熱融着手段によつて水密状に接着され、
一体化されている。そして、花器本体１内の仕切
板４と底板２との間が水タンク８となつている。

また、前記仕切板４の上面には、吸水フオーム
９を固定するための針状突起１０が、複数本突設
されている。

そして、前記吸水紙５は、その上端部が仕切板
４の上面で吸水フオーム９に接触し、かつ前記穴
７を通つて底板２に接触するように、毛管現象を
阻害しない程度に密に挿入されている。

前記仕切板４には花器本体１の側壁１ａに近接
して注水穴１１を設け、この穴１１に注水管１２
を固着し、その上端を花器本体１の上端縁よりも
上に導き、栓体１３を着脱自在に接着してある。

前記給水管６の下端は、吸水体５による吸水機
能を損ねない程度に、底板２に近接させてある。

上記実施例において、水タンク８内に水を入れ
ると水は吸水紙５を伝い毛細管現象によつて上昇
し吸水フオーム９に供給される。従つて、吸水フ
オーム９から蒸発した分及び切花が吸い上げた分
だけ常に補給され、切花に適度の水を吸い上げさ
せ、その寿命を長くすることができる。なお、花
器本体１内に水を入れた状態で傾けたり、転倒さ
せたり或は持ち運んでも、水タンク８内の水がこ
ぼれ落ちることはなく、安心して取り扱うことが
できる。そして、水タンク８内に水を補給すると
きは、注水管１２の上端から花器本体１の水タン
ク８内に、ジヨウゴなどの器具を用いて注水すれ
ばよい。

なお、上記実施例において、花器本体１の周壁
１ａ内面は上開きのテーバー状とし、段部３を省
略することができる。

また、給水管６は第３図に示すように、円管状
とすることができ、注水管１２は花器本体１の角
隅に位置させることができる。

第４図及び第５図は、本考案の他の実施例をし
めすもので、花器本体１がバケツ形を呈し、仕切
板４と給水管６が合成樹脂によつて一体的に成型
されており、底板２に注水穴１４を設けてこの穴
１４に栓体１５が装着されている点において、上
記実施例と異なつている。この実施例では、花器
本体１の底板２に設けた栓体１５を外して、水を
入れた水盤や他の容器に花器本体１を入れておく
ことができる。また、この実施例においても、仕
切板４に前記実施例の注水管１２を設けて、花器
の上方から水の補給を行うことができるようにし
てもよい。

本考案は、上記各実施例に限定されるものでは
なく、例えば、仕切板４に設ける給水管６は複数
本とすることができ、また、吸水体５は連続気泡
のスポンジとしてもよい。

（考案の効果）本考案にかかる花器は、上述のように、上部開
放の花器本体内の上下方向中間に、吸水体を挿通
した給水管を有する仕切板を設け、該仕切板上に
吸水フオームを載置しうるようにしたことを特徴
とするものであるから、花器本体から水がこぼれ
ることがなく、花の宅配便において、輸送時間が
長くても花の鮮度を低下させることがなく、また
傷みをなくして輸送の長距離化が可能となり、贈
り手の好意を減殺させることがなく、生花の新鮮
さを長い間に亙つて保ちかつ楽しむことができ
る。また、花器本体を傾けたり、転倒させ或は持
ち運んでも、給水管、仕切板及び吸水体の共同作
用によつて水タンク８内の水がこぼれることがな
く、しかも、吸水体を介して吸水フオームに常に
適度の補水を行うことができ、花器本体内に補水
できる。従つて、宴会場などでテーブル上に飾花
する際においても、水がこぼれてテーブルクロス
を濡らすことがなく、安心して飾花作業をするこ
とができる。また、事務所、店舗はもとより、ホ
テルや旅館などの花飾りにおける補水管理が容易
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部破断斜視
図、第２図は平面図、第３図は他の実施例を示す
平面図、第４図及び第５図はさらに他の実施例を
示すもので、第４図は平面図、第５図は第４図の
Ａ−Ａ線断面図である。１は花器本体、１ａは周壁、１ｂは上端面、２
は底板、４は仕切板、５は吸水体、６は給水管、
８は水タンク、９は吸水フオーム。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

上部開放の花器本体１内の上下方向中間に、繊
維体などの吸水体５を挿通した給水管６を有する
仕切板４を設け、該仕切板４上に吸水フオーム９
を載置しうるようにしたことを特徴とする花器。