JPH0447407B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は電磁開閉装置に係り、特に転流板の
改良に関するものである。

以下この種従来装置を図面と共に説明する。

第１図、第２図、第３図において、１は耐熱性
の材料よりなるアーク消弧用のアークボツクスを
示し、複数の磁性金属板よりなるグリツド２及び
転流板３が開閉する電路の相数に対応して配設固
定されている。４はクロスバー、５は可動接触
子、６は可動接触子５の両端に取付けられた可動
接点、７は可動接触子押え、８は押えばね支え、
９は接触子ばね、１０はストツパーである。

上記接触子ばね９はストツパー１０の下部と押
えばね支え８の下端部との間に圧縮固定されてお
り、押えばね支え８の上端部と可動接触子押え７
の上面および可動接触子５の上面と可動接触子押
え７の下面とは当接して組立てられている。

１１は電気絶縁物よりなるベース、１２はベー
ス１１の上部にねじで固定された端子、１３は端
子１２の上面にねじ締めされたコの字形状の固定
接触子で、その上面には固定接点１４が取付けら
れている。１５は固定接触子１３に固定され、ア
ークボツクス側に延長して形成されたアークラン
ナーである。

かかる可動接触子５は可動接触子ばね９を介し
て内蔵された周知の電磁駆動装置に接続される。

このような接点機構はＡ−Ａ断面を中心に左右
対称に設けられると共に紙面に直交する方向に開
閉する電路の相数に対応して配設されている。

第２図は第１図の要部である転流板３、可動接
触子５、可動接点６を模写的に示す斜視図であ
り、また第３図は第１図における固定接触子１
３、固定接点１４及びアークランナ１５の部分を
模写的に拡大したものである。

かかる電磁開閉装置において、固定接点１４と
可動接点６とが開離された場合、これらの間に転
流板３を配置すると、両接点間に生じたアークの
一端は可動接点６から可動接触子５を通して転流
板３へ転移する一方その他端は、固定接点１４か
らアークランナ１５へ転移する。この転移したア
ークの他端はアークランナ１５上を端部方向へ移
動し、最終的にはアークランナ１５の垂直部分
と、これに対向する転流板３との間でグリツド２
によりアークは消弧される。

ところで、かかる電磁開閉装置において、第２
図に示すように固定接点１４と可動接点６とが開
成されたとき両接点間に生じたアークの足が可動
接点６から転流板３における脚１７の一点Ｐに転
移すると、このアーク１６は脚１７に流れる電流
ｉが作る磁界によつてフレミング左手の法則に基
づき第２図右側方向に駆動される力が働くことに
なる。

ところが、脚１７と直角な脚１８が存在する
と、この脚１８にも電流ｉが流れることになり、
この電流はアーク電流と平行で同一方向に流れる
ため、脚１８に流れる電流が作る磁界によつてア
ーク１６はフレミング左手の法則に基づき第２図
左側方向に駆動される力が作用することになる。
しかも、転流板３の脚１７の長さｌを大きくする
ことができないため、脚１７を流れる電流ｉが作
る磁界が弱く、この結果アーク１６の駆動が十分
に行われず、アーク１６がグリツド２間に移動す
るまでの時間が長いものとなつていた。

従つて、アークの持続時間が長くなり、アーク
エネルギーが大きくなつて十分なしや断性能を得
ることができないという欠点を有していた。

この発明は電磁開閉装置のしや断性能を高める
ことを目的としてなされたものである。

以下、この発明を一実施例である第４図につい
て説明する。

第４図は、この発明の要部構成を示すもので、
図において、転流板３は一対のグリツド２と対向
する一対の対向片部３ａ，３ｂと、これらの対向
片部３ａ，３ｂを連結するとともに可動接点６の
開離時に可動接触子５と固定接触子１３との間に
位置するように配置された平板状の連結片部３ｃ
と、この連結片部３ｃの中央部分に形成された切
り欠き３ｄおよび対向片部３ａ，３ｂの遊端側に
形成された腕部３ｅとから構成されている。

また、この転流板３は、腕部３ｅをアークボツ
クス１の天井部に形成された穴に挿入され、先端
を折り曲げることによつてアークボツクス１に固
定される。

なお、転流板３以外の構成は第１図に示す従来
の電磁開閉装置とほぼ同一である。

このような構成のもとで、可動接触子５を転流
板３の切り欠き３ｄを介して上方に移動させ、可
動接点６を固定接点１４から開離させると、接点
間にはアーク１６ａが発生することになる。この
アーク１６ａは転流板３の連結片部３ｃに転移す
るが、図示のように点Ｐに転移してアーク１６と
なつた場合、このアーク１６は平板状の連結片部
３ｃを流れる電流ｉによつてのみ駆動されること
になる。

すなわち、従来の転流板３における脚１７に直
角な脚１８が無いため、アーク１６を可動接点６
側に押し戻す駆動力は生ずることがなく、したが
つて、アーク１６はきわめて効果的にグリツド２
方向へ駆動されることになる。更に連結片部３ｃ
を長く形成することが可能となるため、連結片部
３ｃを流れる電流が作る磁界が強くなり、この結
果アーク１６の上記駆動力は一層大きくなり、電
磁開閉装置のしや断性能を向上させることができ
る。

以上で述べたこの発明によれば、一対のグリツ
ド対向片部を連結する連結片部を平板状に形成し
たことにより、アークのグリツド対向片部への駆
動を速やかに行なわせることができ、この結果、
電磁開閉装置のしや断性能を向上させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電力開閉装置を示す一部断面
図、第２図は第１図における転流板を模写的に示
す斜視図、第３図ａは第１図におけるアークラン
ナを模写的に示す平面図、第３図ｂは第３図ａの
Ａ−Ａ断面を示す断面図、第４図は本発明の一実
施例である電磁開閉装置の転流板を模写的に示す
斜視図である。 図中、２はグリツド、３は転流板、３ａ，３ｂ
は対向片部、３ｃは連結片部、３ｄは切り欠き、
５は可動接触子、６は可動接点、１３は固定接触
子、１４は固定接点、１６はアークである。な
お、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 両端部にそれぞれ可動接点が接合された平板
   状の可動接触子、上記可動接点と接離する固定接
   点がそれぞれ接合された固定接触子、該固定接触
   子から反対方向に延長して設けられた一対のアー
   クランナ、該アークランナにそれぞれ対向して配
   置された複数の磁性金属板からなる一対のグリツ
   ド、これらのグリツドにそれぞれ対向して配置さ
   れ、上記固定接点及び可動接点の開離時に該接点
   間に生じるアークを消弧する一対の対向片部と、
   これらの対向片部を連結するとともに上記接点の
   開離時に上記可動接触子と上記固定接触子との間
   に位置するように配置され、上記接点間に生じた
   アークを上記対向片部に移動させる平板状の連結
   片部とを有し、該連結片部に上記可動接触子の移
   動を許容する切り欠きを形成してなる転流板を備
   えた電磁開閉装置。