JPH0446648Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は化粧料を収納する容器本体の後端部に
蓋体を開閉自在に枢着してなるコンパクト容器に
関するもので、より具体的には蓋体の前端縁部に
爪片を突設するとともに爪片の内面に第１の係合
突起を設け、そして容器本体の前端縁部に形成し
た凹状切欠部内に解錠ピースを摺動自在に取付け
るとともにこの解錠ピースの奥面に第２の係合突
起を設け、両係合突起が係止した蓋体の止錠位置
において解錠ピースを内方へ押し込むと両係合突
起の係止が解かれるようにしてなるコンパクト容
器に関するものである。

《従来の技術》 従来、この種のコンパクト容器としては実開昭
61−92309公報に示すように、解錠ピースとは別
に容器本体の下方後面部に金属板を設け、この金
属板の後端部を弾性変形させて容器本体と蓋体と
の枢着部の上方において蓋体の垂直内壁面に圧接
させ、解錠ピースを内方へ押し込んで蓋体の止錠
が解かれた時に、蓋体が上記金属板の弾性により
自動的に上方に開放されるように構成されてい
る。

《考案が解決しようとする問題点》 しかしながら、この公知のコンパクト容器では
蓋体を所定角度開放するために、解錠ピースとは
別体に金属板を設ける必要があり、コストアツプ
になるだけでなく金属板の弾性変形部の寸法誤差
により蓋体の開放角度が比較的大きくバラつくと
言つた問題があつた。

本考案は上記のような問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は解錠ピースを内方へ押圧する
ことによつて蓋体の止錠を解除するとともに解錠
ピース自体によつて蓋体を正確な一定角度押し上
げることのできるコンパクト容器を提供するにあ
る。

《問題点を解決するための手段》 上記の目的を達成するため、本考案では、化粧
料を収納する容器本体の後端部に蓋体を開閉自在
に枢着し、該蓋体の前端縁部に爪片を垂設すると
ともに該爪片の内面に第１の係合突起を形成し、
該爪片に対応して該容器本体の前端縁部に凹状切
欠部を形成し、該凹状切欠部内に解錠ピースを摺
動自在に設けるとともに該解錠ピースに第２の係
合突起を形成し、該解錠ピースの奥面部には弾性
体１９を設けて該解錠ピースを常時前方へ付勢す
るようにし、該第１の係合突起と該第２の係合突
起が係合した止錠位置において該解錠ピースを内
方へ押し込んだ時に該第１の係合突起と該第２の
係合突起の止錠が解除されるようにしてなるコン
パクト容器において、該解錠ピースは中央部に開
口を有するとともに該該開口を画成する後部壁に
断面略逆Ｌ字形の作動片の角部が蝶着され、該止
錠位置においては該解錠ピースの水平腕部の上面
が該爪片の下面と接触または近接し、該凹状切欠
部の内奥下方部には段部または突部が設けられ、
該止錠位置から該解錠ピースを内方へ押圧した時
に該解錠ピースの垂直脚部が該段部または突部に
よつて傾動されると同時に該水平腕部が該爪片を
上昇させてなるのである。

《実施例》 以下に本考案の好適な実施例を示す添附図面を
参照して詳述する。

図において、１は容器本体を示し、この容器本
体１には化粧料を収納するための中皿２が嵌着さ
れ、容器本体１の後端部にはピン３によつて蓋体
４が枢着されている。この蓋体４の内面には鏡５
が接着され、その前端縁には爪片６が下方に垂設
され、爪片６の内面に第１の係合突起７が形成さ
れている。この爪片６に対応して中皿２の前端縁
部には窓孔８が穿設され、この窓孔８の下方にお
ける容器本体１の前端縁部には凹状切欠部９が形
成されている。この凹状切欠部９内には第２図に
示された解錠ピース１０が収納されている。この
解錠ピース１０は前方押圧壁１１と両側壁１２−
１２とが平面コ字状に一体形成され、更に押圧壁
１１と両側壁１２−１２の内面中央部から矩形平
面プレート１３が後方に水平に延長して形成され
ている。この平板プレート１３の中央部には矩形
の開口１４が形成され、この開口１４を画成する
後壁の下端には断面Ｌ字形とした作動片１５の角
部１６がヒンジ結合されている。また解錠ピース
１０の後端上面にはフツク片１７が突設され、こ
のフツク片１７の前端は第２の係合突起１８とな
つている。更に、解錠ピース１０の後端両側から
は弾性アーム１９−１９が外側後方へ突出してい
る。好ましくは、この解錠ピース１０はヒンジ特
性と弾性を有する合成樹脂から一体成形されるこ
とである。

この解錠ピース１０を容器本体１の凹状切欠部
９内に摺動自在に取付けるため、凹状切欠部９の
両側壁には第３図及び第４図において鎖線で示し
た凹長溝２０−２０が形成され、これに対応して
解錠ピース１０の両側壁１２−１２の外面には小
突起２１−２１が形成され、そしてこの小突起２
１−２１が凹長溝２０−２０内に嵌合している。

このようにして解錠ピース１０を取付けた後に
蓋体４を閉じると、その爪片６が中皿２の窓孔８
を通つて容器本体１の凹状切欠部９内に入り、こ
こで爪片６に形成した第１の係合突起７が解錠ピ
ース１０のフツク片１７に形成した第２の係合突
起１８に係止して蓋体４は第３図に示す止錠位置
を占める。この止錠位置においては、解錠ピース
１０の弾性アーム１９−１９は中皿２の前方外壁
に圧接し、解錠ピース１０を常時前方へ付勢して
いる。そして、解錠ピース１０に設けた断面逆Ｌ
字形作動片１５の水平腕部２２は開口１４の下面
に沿つて水平に延長し、またその垂直脚部２３の
下方後面には凹状切欠部９の内奥下方部に形成さ
れた階段状角部２４に近接している。そして蓋体
４の爪片６の下端部は解錠ピース１０の矩形開口
１４内に位置している。

本考案のコンパクト容器は上記のように構成さ
れているので、第３図の止錠位置から解錠ピース
１０の前方押圧壁１１を内方へ押圧すると、前記
凹長溝２０−２０と小突起２１−２１の摺動嵌合
により案内されて解錠ピース１０は内方へ水平移
動し、蓋体４の爪片６に形成した第１の係合突起
７と解錠ピース１０に形成された第２の係合突起
１８との係止が解除される。この水平移動と同時
に作動片１５の垂直脚部２３の下方後面が階段状
角部２４に押し当たり、このヒンジ結合部１６を
支点として傾動する。この傾動によつて、作動片
１５の水平腕部２２が上方へ回動してこの直上に
位置する爪片６を所定距離押し上げ、蓋体４を一
定角度開放する。

なお、本考案の上記実施例では解錠ピース１０
を内方へ押圧したときに作動片１５の垂直脚部２
３を傾動させるため、凹状切欠部９内に階段状角
部２４を形成したが、これ以外に突起を設けるよ
うにしてもよい。

《効果》 以上のように本考案のコンパクト容器では、解
錠ピースを水平に押圧するとその作動片が回動し
て蓋体の爪片を押し上げてるようにしたため、単
一の作動片によつて蓋体の止錠の解除と蓋体の上
方への開放とを行うことができ、しかも蓋体の開
放角度は作動片の移動量に比例するから、蓋体の
開放角度は略一定となる。更にまた、蓋体の爪片
を押し上げる作動部が内方に位置するため、所要
の場合には前方の押圧部を肉薄として、コンパク
ト容器自体も周縁部を肉薄な美観の優れた形状と
形状とすることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の好適な実施例に係るコンパク
ト容器を示す縦断面図、第２図は上記実施例に用
いられる解錠ピースを示す半断面斜視図、第３図
は上記実施例に係るコンパクト容器の止錠位置を
示す要部拡大断面図、第４図は第３図の状態から
解錠ピースを押し込んだ解錠位置を示す要部拡大
断面図である。 １……容器本体、４……蓋体、６……爪片、７
……第１の係合突起、９……凹状切欠部、１０…
…解錠ピース、１５……作動片、１８……第２の
係合突起、２４……階段錠角部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料を収納する容器本体１の後端部に蓋体４
   を開閉自在に枢着し、該蓋体４の前端縁部に爪片
   ６を垂設するとともに該爪片６の内面に第１の係
   合突起７を形成し、該爪片６に対応して該容器本
   体１の前端縁部に凹状切欠部９を形成し、該凹状
   切欠部内に解錠ピース１０を摺動自在に設けると
   ともに該解錠ピースに第２の係合突起１８を形成
   し、該解錠ピースの奥面部には弾性体１９を設け
   て該解錠ピースを常時前方へ付勢するようにし、
   該第１の係合突起７と該第２の係合突起１８が係
   合した止錠位置において該解錠ピース１０を内方
   へ押し込んだ時に該第１の係合突起７と該第２の
   係合突起１８の止錠が解除されるようにしてなる
   コンパクト容器において、該解錠ピース１０は中
   央部に開口１４を有するとともに該開口を画成す
   る後部壁に断面略逆Ｌ字形の作動片１５の角部が
   蝶着され、該止錠位置においては該解錠ピース１
   ０の水平腕部２２の上面が該爪片６の下面と接触
   または近接し、該凹状切欠部９の内奥下方部には
   段部２４または突部が設けられ、該止錠位置から
   該解錠ピース１０を内方へ押圧した時に該解錠ピ
   ースの垂直脚部２３が該段部２４または突部によ
   つて傾動されると同時に該水平腕部２２が該爪片
   ６を上昇させてなることを特徴とするコンパクト
   容器。