JPH0446007Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、簡単な構造で好適に天井板を取り付
けることができる天井取付構造に関する。

〔従来の技術及びその課題〕

従来より、所定幅の天井板を取り付けるには、
吊りボルト等が使用されていた。この吊りボルト
では、吊りボルトを上方にて支持する構造が複雑
になるという欠点があつた。また、吊りボルトの
位置での断熱性が充分でなく、冷橋や熱橋作用を
生じ、結露を発生させる欠点があつた。

〔課題を解決するための手段〕 そこで考案者は、前記課題を解決すべく鋭意、
研究を重ねた結果、本考案を、逆Ｌ形状のハンガ
ー金具の水平状部に挿入可能な、段付き環状の断
熱具の小径部に、上側にフツク片を下側に垂下板
片を有した吊子板の垂下板片の貫孔を挿通し、ハ
ンガー金具を断熱具を介して吊子板に固定し、そ
のハンガー金具の下部の中心位置を前記垂下板片
の垂下方向位置に略一致させてなる吊金具とし、
該吊金具の吊子板のフツク片を、両馳締屋根板の
上馳部と下馳部との間に挟持させ、吊金具のハン
ガー金具の下部に、断面ハツト形状の長尺なるジ
ヨイナーを横設し、この隣接するジヨイナーの左
右側突片間に、所定幅の天井板を敷設してなる天
井取付構造としたことにより、簡単な構造で好適
に天井板を取り付けることができ、前記の課題を
解決したものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図乃至第４図に基
づいて説明する。

Ａは折版状の馳締屋根板であり、有底Ｖ字状部
１の両側に上面部２，２が形成され、この両上面
部２，２の外端より立ち上げられて断面略？状に
形成されて上馳部３及び下馳部４が形成されてい
る。この上馳部３が隣設する馳締屋根板Ａの下馳
部４に順次馳締されて、折版状の馳締屋根が施工
されている（第１図参照）。

この上馳部３と下馳部４との間には、吊金具Ｂ
の吊子板５が挟持されている。この吊金具Ｂは、
吊子板５にハンガー金具６が固着されて構成され
ている（第３図参照）。吊子板５は帯板が適宜屈
曲された形状であり、上側の前記上馳部３及び下
馳部４に係合するように、上馳部３及び下馳部４
に対応した形状に形成されている。また、その吊
子板５の下側には貫孔が穿設されている。

ハンガー金具６は金属製の軸杆が適宜屈曲され
て形成され、水平状部６ａと垂下状部６ｂとから
なつている。垂下状部６ｂは適宜屈曲され、中間
に形成された鍔部６ｃの下側に雄ねじ６ｄが螺設
されている。７は断熱具であり、合成樹脂又は硬
質ゴム等の断熱素材から成つている。本実施例に
おいては断熱具７は段付ブシユとして環状に形成
され、その内径は前記ハンガー金具６の水平状部
６ａの径と、その外径のうち補足形成された部分
の径は前記吊子板５に穿設された貫孔の径とそれ
ぞれ略等しく形成されている。そのハンガー金具
６の水平状部６ａが断熱具７に挿入されつつ、前
記吊子板５に穿設された貫孔に挿入固着されてい
る。また、ハンガー金具６の水平状部６ａ端部付
近には半径方向に小貫孔が穿設され、この小貫孔
にピン８が挿入されて、ハンガー金具６を吊子板
５に固定される（第１図、第２図参照）。

また、実施例において、ピン８によつて固定す
る代わりに、水平状部６ａに雄ねじ６ｄを螺設し
ておいて、ナツト１０等により固着することもあ
る。

この吊金具Ｂの吊子板５の上部が、前記馳締屋
根板Ａ，Ａ間で馳締された上馳部３と下馳部４間
に係合して、これらに挟持されている。

この吊金具Ｂの下部にはジヨイナー９が挿入固
着されている。ジヨイナー９はハツト形鋼が使用
されている。このジヨイナー９の上面には貫孔が
穿設され、該貫孔にて前記吊金具Ｂのハンガー金
具６下部に挿入され、下側からナツト１０で固着
され、ジヨイナー９が横設されている（第１図、
第２図参照）、該隣接するジヨイナー９，９に対
向する突片間に、所定幅の天井板１１が敷設され
ている。

図中１２はコイルばね、１３は継手用の袋ナツ
トをそれぞれ示す。

〔考案の効果〕 本考案においては、逆Ｌ形状のハンガー金具６
の水平状部６ａに挿入可能な、段付き環状の断熱
具７の小径部に、上側にフツク片を下側に垂下板
片を有した吊子板５の垂下板片の貫孔を挿通し、
ハンガー金具６を断熱具７を介して吊子板５に固
定し、そのハンガー金具６の下部の中心位置を前
記垂下板片の垂下方向位置に略一致させてなる吊
金具Ｂとし、該吊金具Ｂの吊子板５のフツク片
を、両馳締屋根板Ａ，Ａの上馳部３と下馳部４と
の間に挟持させ、吊金具Ｂのハンガー金具６の下
部に、断面ハツト形状の長尺なるジヨイナー９を
横設し、この隣接するジヨイナー９，９の左右側
突片間に、所定幅の天井板１１を敷設してなる天
井取付構造としたことにより、第１に構造を簡単
にでき、第２に施工を容易にでき、第３に断熱性
を良好にできる等の効果を奏する。

これらの効果について詳述すると、まず、第１
に本考案の天井取付構造は、屋根構造に吊金具Ｂ
を介して断面ハツト形状の長尺なるジヨイナー９
を取り付け、その上に所定幅の天井板１１を敷設
したのみの極めて簡単な構造である。

また、吊金具Ｂの吊子板５の形状を馳締屋根板
Ａ，Ａの上馳部３及び下馳部４の形状に適合させ
ればよく、従来よりの馳締屋根板をそのまま使用
した簡易な構造とすることができるという効果を
奏する。

第２に、本考案の天井取付構造は、従来よりの
折版状の馳締屋根の馳部をそのまま利用すること
ができる。すなわち、この馳部に特殊な加工もす
ることもない。このことは、馳部に吊子板のフツ
ク片を挟持した構成によるものである。

第３に、本考案の構造は、馳締屋根板Ａの熱が
ジヨイナー９まで伝わらないように構成されてい
る。即ち、馳締屋根板Ａからの熱は吊金具Ｂの吊
子板５に伝わるが、この吊子板５とハンガー金具
６は、断熱具７を介して取り付けられている。こ
のため、吊子板５からハンガー金具６へは熱の伝
播が行われない。従つてこの箇所での冷橋、熱橋
作用を有効に防止でき、結露の防止に好適である
という効果を有する。

結露は外気が冷えて内部との温度差が生じてい
る場合にその内部に生ずる水滴状のものである。
すると、外気が冷えていると、その冷気は、断熱
具７が存在しないとすると、馳締屋根板Ａの馳部
を介して吊子板５からハンガー金具６を介してジ
ヨイナー９に達する。すると、その冷気で、天井
板１１の側部に結露が発生し、これが室内に落下
する欠点があるが、その断熱具７の存在にて、そ
の冷気を遮断でき、この箇所は天井板１１の上側
位置となり、室内には結露は落下しないようにで
きる利点がある。このようなことを冷橋を防止で
きるという。

また、反対に、熱橋の場合には、外気が高温と
なつている場合には、断熱具７が存在しないと、
室内側のジヨイナー９が温められ、室温を上昇さ
せ、冷房効果を低減させる欠点があるが、本考案
のように、断熱具７の存在にて、その熱遮断がで
きる。このようなことを熱橋作用を防止できると
いう。

さらに、逆Ｌ形状のハンガー金具６の水平状部
６ａに挿入可能とした段付き環状の断熱具７の小
径部に、上側にフツク片を下側に垂下板片を有し
た吊子板５の垂下板片の貫孔を挿通し、ハンガー
金具６を断熱具７を介して吊子板５に固定したの
で、そのハンガー金具６付きの断熱具７に対して
吊子板５の垂下板片を、外側より水平方向に挿入
することででき、屋根上の現場でも簡単に取り付
けることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は本考案
の斜視図、第２図は第１図の断面図、第３図は吊
金具の分解斜視図、第４図は本考案を利用した実
施例の断面図である。 Ａ……馳締屋根板、Ｂ……吊金具、３……上馳
部、４……下馳部、５……吊子板、６……ハンガ
ー金具、７……断熱具、９……ジヨイナー、１１
……天井板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 逆Ｌ形状のハンガー金具の水平状部に挿入可能
   な、段付き環状の断熱具の小径部に、上側にフツ
   ク片を下側に垂下板片を有した吊子板の垂下板片
   の貫孔を挿通し、ハンガー金具を断熱具を介して
   吊子板に固定し、そのハンガー金具の下部の中心
   位置を前記垂下板片の垂下方向位置に略一致させ
   てなる吊金具とし、該吊金具の吊子板のフツク片
   を、両馳締屋根板の上馳部と下馳部との間に挟持
   させ、吊金具のハンガー金具の下部に、断面ハツ
   ト形状の長尺なるジヨイナーを横設し、この隣接
   するジヨイナーの左右側突片間に、所定幅の天井
   板を敷設してなることを特徴とする天井取付構
   造。