JPH0444294Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、鋳造用模型に関するもので、特に
圧縮空気により鋳枠へ砂を吹き込むブロー方式
（以下ブローイングという）によつて砂詰めを行
う場合に、鋳型（中子）の砂詰まりを良くするも
のに用いて好適な鋳造用模型に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来この種の鋳造用模型としては第３図ａ，ｂ
に示すようなものが一般に用いられている。

第３図ａ，ｂは第２図にしめしたような形状の
中子を鋳造する場合に用いられる鋳造用模型を示
す。

第２図は中子の形状の一例であり、３，４，
５，６，７，８に示したような構成要素を有する
形状のものとなつている。そして第３図ａは型合
せ面（割り面）からみた型Ａ，Ｂのうちの一方の
型Ａの平面図であつて、中子の形状に対応する空
隙の形状に３′，４′，５′，６′，７′，８′と示す
ように同じ符号でダツシユを付して示した。a′，
b′は砂の吸込口、c′は空気の流れを示す。

ブローイングによつて中子を形成する際に模型
Ａ，Ｂの分割面にC′に示したようなブローイング
用の空気が流れる。その理由は金型を加熱する
と、どうしても型のソリが生じ、従つて型の分割
面の歪みを起こさせるので型の合せ部に隙間が生
じるからである。

（考案が解決しようとする問題点） しかして上記従来のものでブローイングによつ
て中子を成形する場合には模型の型合せ面である
分割面にブローイング用の空気の流れが生じる
が、中子の一部すなわち、例えば中子の７の部分
は、これに相当する模型の空所の部分７′が上記
型合せ面に生じる空気の流れのために砂詰まりが
悪くなつて中子の部分の砂が詰められないという
ような不具合がしばしば発生する。

この考案は上記不具合を解消することをその目
的とするものである。

（問題点を解決するための手段および作用） この考案は上記の点に鑑みなされたものであつ
て、中子の砂の詰まりにくい部分に対応する凹所
の近くにおいて、模型の型合せ面に溝を設け、該
溝は一方の型に凸部を、他方の型にキリ孔を設け
ることによつて形成されており、溝に対し型合せ
面と反対側である溝の裏側に空気抜き孔を設け、
模型の分割面である型合せ面の空気の流れを阻止
すると共に、上記流れを阻止された空気のみを逃
がすことによつて砂詰まりの悪い部分に空気を流
さないようにして、鋳型（中子）の砂詰まりを良
くしたものである。

（実施例） つぎにこの考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図ａ，ｂ，ｃ，ｄはこの考案の一実施例の
鋳造用模型であつて、第１図ａは型合せ面Ｘ−Ｘ
から見た型，のうちの一方である型を示し
た平面図、第１図はｂは型，を組合せたＹ−
Ｙ断面図、第１図ｃは第１図ａのＺ−Ｚ断面図を
示す。

上記第１図ａ，ｂ，ｃ，ｄに示したものは第２
図に示した中子の形状に対応する空隙を有してい
て中子の各部分に対応して同一の符号にダツシユ
を付して示した。

ａ，ｂは砂の吸込口を示し、吸込口ａ，ｂより
砂を空気と共に吹き込むが、その際に穿孔部４′，
５′，６′，７′と空気が経由して行く。

この考案ではこれらの空気を抜くことを目的と
したものではなく、凹所３′から金型の型合せ面
Ｘ−Ｘを通つて第１図ａの矢印Ｃ方向に空気が走
り、凹所７′の部分へ外側（金型側）から入ろう
とする空気を止めるようにした点に特徴を有する
ものである。

すなわち９は溝でその詳細は例えば第１図ｄに
示したように一方の型に凸部９′を、他方の型に
キリ孔１１を設けることにより形成される。

この溝９は中子の砂の詰まりにくい部分７に対
応する７′の凹所近くにおいて模型の型合せ面Ｘ
−Ｘに設けてあつて、溝９の後部には１０に示し
たような空気抜き孔が設けてある。

このように模型の型合せ面に凸所９′とキリ孔
１１により形成した溝９を設けたことによつて模
型の型合せ面の空気の流れ（Ｃ方向）を止めると
共に、止めた空気は溝の裏側に設けた空気抜き穴
１０を経て逃がすことによつて、砂詰まりの悪い
部分７′に空気を流さないようにした。

従つて中子の部分７は十分に砂詰まりを良くす
ることができる。

なおこの考案は中子だけでなく主型にも適用で
きることは勿論である。

（考案の効果） この考案は上述したようにしてなるので、中子
の砂の詰まりにくい部分の近くにおいて模型の型
合せ面に溝を設け、該溝を一方の型に設けた凸部
と他方の型に設けたキリ孔により形成したことに
よつて、模型の型合せ面の空気の流れが阻止され
ると共に、阻止された空気を溝の裏側に設けた空
気抜き穴により、逃がすようにしたことによつ
て、砂詰まりの悪い部分に空気が流されることが
ないので、砂詰まりの良い鋳型が得られるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ，ｃ，ｄはこの考案の一実施例の
鋳造用模型で、第１図ａはＸ−Ｘの型合せ面に沿
つてみたいずれか一方の模型の平面図、第１図ｂ
は側面図、第１図ｃは上面図、第１図ｄは溝部の
詳細を示す。第１図は中子の形状の一例を示し、
第３図ａ，ｂは従来のもので第３図ａ、第３図ｂ
はそれぞれ平面図、側面図である。 ，……型、７……砂の詰まりにくい部分、
７′……凹所、９……溝、９′……突部、１０……
空気抜き穴、１１……キリ孔、Ｘ−Ｘ型合せ面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中子の砂の詰まりにくい部分７に対応する凹所
   ７′の近くにおいて模型の型合せ面Ｘ−Ｘに溝９
   を設け、該溝９は一方の型に凸部９′を、他方の
   型にキリ孔１１を設けることによつて形成されて
   おり、溝９に対し型合せ面と反対側である溝の裏
   側に空気抜き孔１０を設けたことを特徴とする、
   鋳造用模型。