JP4094112B2 - 反転排砂式中子成形用金型 - Google Patents
反転排砂式中子成形用金型 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の垂直割型を衝合してなる金型のキャビティ内に中子砂を吹き込み充填後、金型を反転して未硬化の中子砂を排出し、中空中子を成形する反転排砂式中子成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、中空中子を多数個成形するための反転排砂式中子成形用金型として、一対の垂直割型を衝合してなり、該両垂直割型の互いに対向する型割面の上部に金型上面に開口する上部キャビティを形成すると共に該両型割面の下部に金型下面に開口する下部キャビティを形成した金型があり、中子成形に際して、該金型の上部キャビティに中子砂を吹き込み充填後、該金型を反転して未硬化の中子砂を排出し、次いで下部キャビティに中子砂を吹き込み充填後、再び該金型を反転し、未硬化の中子砂を排出して該両キャビティ中で中空中子を多数個成形している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の金型では、金型を加熱することにより垂直割型が歪み、互いに対向する型割面の間に隙間が生じるため、上部キャビティ中の中子砂を排出し、次いで下部キャビティ中に圧縮空気と共に中子砂を吹き込むと、圧縮空気が下部キャビティから該隙間を経て上部キャビティ中に流入し、上部キャビティ中に形成された中空中子の未硬化層が剥離し、中子肉厚が薄くなるという問題点を有する。
そこで、本発明は係る問題点を解決するためになされたものであり、中子成形に際して中子砂の未硬化層が剥離しない反転排砂式中子成形用金型を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、一対の垂直割型を衝合してなり、該両垂直型の互いに対向する型割面の上部に金型上面に開口する上部キャビティを形成すると共に該両型割面の下部に金型下面に開口する下部キャビティを形成した反転排砂式中子成形用金型において、
該上部キャビティと該下部キャビティとの間の該両型割面部位の一方又は両方に、金型側面に開口部を有する通気溝を形成し、該通気溝の底面又は該底面と対向する型割面に凸条部を突設すると共に、該凸条部と対向する型割面部位又は通気溝の底面部位に凹条部を刻設し、該凸条部先端を該凹条部に嵌挿して該通気溝を上側溝部と下側溝部とに分断することを特徴とする。
【0005】
請求項1記載の金型では、上部キャビティ中又は下部キャビティ中に圧縮空気と共に中子砂を吹き込むと、該圧縮空気は、該キャビティから加熱により生じた型割面間の隙間を経て通気溝に流入し、さらに該通気溝を経て金型側面の開口部から外部に流出する。
請求項1記載の金型では、凸条部の先端が凹条部に嵌挿され、通気孔が上側溝部と下側溝部とに分断され、上部キャビティから型割面間の隙間を経て上側溝部に流入した圧縮空気は該上側溝部を経て金型側面から外部に流出し、下部キャビティから該隙間を経て該下側溝部に流入した圧縮空気は、該下側溝部を経て金型側面から外部に流出する。
【0006】
【発明の実施の形態】
通気溝は、一方の金型側面にのみ開口部を有するように形成してもよく、両方の金型側面に開口部を有するように形成してもよい。
通気溝の数は限定されず、単数でもよく複数でもよい。
通気溝の断面形状は、方形状、逆台形状、半月状等種々の形状をとることができるが、その断面積は、流入した圧縮空気を外部に良好に排出させる観点から、2平方ミリ以上とすることが望ましい。通気溝を凸条部により上側溝部と下側溝部とに分断する場合は、上側溝部及び下側溝部の断面積をそれぞれ2平方ミリ以上とすることが望ましい。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1に基づいて説明する。
図1に示すように、金型1は、第1垂直割型2と第2垂直割型3とから形成されている。第1垂直割型2は、第1ダイベース4及び第1連結部材5を介して反転装置(図示せず)に連結され、第2垂直割型3は、第2ダイベース6及び第2連結部材7を介し、基台(図示せず)上に支承された回動自在な回動部材(図示せず)に連結されている。
【0008】
金型1の上部には、第1垂直割型2の第1型割面8の上部に刻設され、かつ金型上面10に開口する上部第1キャビティ部8aと、第2垂直割型3の第2型割面9の上部に刻設され、かつ金型上面10に開口する上部第2キャビティ部9aとを一体結合してなる上部キャビティ11が形成され、金型1の下部には、第1型割面8の下部に刻設され、かつ金型下面12に開口する下部第1キャビティ8bと、第2型割面9の下部に刻設され、かつ金型下面12に開口する下部第2キャビティ9bとを一体結合してなる下部キャビティ13が形成されている。
【0009】
上部キャビティ11と下部キャビティ13との間の第1型割面8部位には、金型1の両側面14、15に開口部22を有する通気溝16が刻設されている。
通気溝16は、矩形状断面の底面中央部に凹条部17を有する段状に形成され、凹条部17に対向する第2型割面9部位に凸条部18が突設され、凸条部18の先端が凹条部17に嵌挿され、凸条部18により通気溝16が上側溝部19と下側溝部20とに分断されている。ここで、上側溝部19及び下側溝部20は、それぞれ幅5mm、深さ0.5mmの矩形状断面を有する。
【0010】
加熱した金型1の金型上面10にブローヘッド21を近接させ、ブローヘッド21から上部キャビティ11中に圧縮空気と共に中子砂を吹き込むと、圧縮空気が、第1型割面8と第2型割面9との間に熱歪みにより生じた隙間を経て通気溝16の上側溝部19に流入し、上側溝部19を経て開口部22から外部に流出する。ブローヘッド21を金型上面10から離間し、反転装置(図示せず)により金型1を反転し、金型下面12にブローヘッド21を近接させ、ブローヘッド21から下部キャビティ13中に圧縮空気と共に中子砂を吹き込むと、圧縮空気が該隙間を経て通気溝16の下側溝部20に流入し、下側溝部20を経て開口部22から外部に流出する。
上側溝部19と下側溝部20との間の圧縮空気の流通が凸条部18により遮断されるため、上部キャビティ11中に中子砂を充填後、金型1を反転して未硬化の中子砂を排出し、次いで下部キャビティ13に圧縮空気と共に中子砂を充填する際にも、下部キャビティ13に吹き込まれた圧縮空気が上部キャビティ11に流入することはなく、上部キャビティ11中に形成された中空中子に未硬化層がある場合でも、未硬化層が剥離せず、中子肉厚の均一な中空中子が成形される。
【0011】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、一対の垂直割型を衝合してなり、該両垂直割型の互いに対向する型割面の上部に金型上面に開口する上部キャビティを形成すると共に該両型割面の下部に金型下面に開口する下部キャビティを形成した反転排砂式中子成形用金型において、該上部キャビティと該下部キャビティとの間の該両型割面部位の一方又は両方に、金型側面に開口部を有する通気溝を形成したので、一対の垂直割型の間に形成された隙間に流入する圧縮空気が通気溝を経て開口部から外部に流出するため、上部キャビティに充填した中子砂を反転排砂した後、下部キャビティに圧縮空気と共に中子砂を充填する際においても、上部キャビティ中に圧縮空気が流入せず、中空中子の未硬化層の剥離を起こすことなく肉厚均一な中空中子を成形することができ、中空中子の不良品が発生せず生産性が向上する。
請求項1記載の発明によれば、反転排砂式中子成形用金型において、該通気溝の底面又は該底面と対向する型割面部に凸条部を突設すると共に、該凸条部と対向する型割面部位又は通気溝の底面部位に凹条部を刻設し、該凸条部先端を該凹条部に嵌挿して該通気溝を上側溝部と下側溝部とに分断するので、上側溝部と下側溝部との間の圧縮空気の流通が凸条部により遮断されるため、中空中子の未硬化層の剥離がほとんど発生せず、中空中子の生産性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である金型の正面図である。
【符号の説明】
8 第1型割面
9 第2型割面
11 上部キャビティ
13 下部キャビティ
14 側面
15 側面
16 通気溝
17 凹条部
18 凸条部
19 上側溝部
20 下側溝部
Claims (1)
- 一対の垂直割型を衝合してなり、該両垂直割型の互いに対向する型割面の上部に金型上面に開口する上部キャビティを形成すると共に該両型割面の下部に金型下面に開口する下部キャビティを形成した反転排砂式中子成形用金型において、
該上部キャビティと該下部キャビティとの間の該両型割面部位の一方又は両方に、金型側面に開口部を有する通気溝を形成し、該通気溝の底面又は該底面と対向する型割面部に凸条部を突設すると共に、該凸条部と対向する型割面部位又は通気溝の底面部位に凹条部を刻設し、該凸条部先端を該凹条部に嵌挿して該通気溝を上側溝部と下側溝部とに分断することを特徴とする反転排砂式中子成形用金型。
Priority Applications (1)
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JP11395398A JP4094112B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 反転排砂式中子成形用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP11395398A JP4094112B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 反転排砂式中子成形用金型 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11309546A JPH11309546A (ja) | 1999-11-09 |
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JP11395398A Expired - Fee Related JP4094112B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 反転排砂式中子成形用金型 |
Country Status (1)
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1998
- 1998-04-23 JP JP11395398A patent/JP4094112B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11309546A (ja) | 1999-11-09 |
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