JPH0428681Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、中子造型金型、特にスリツト状の貫
通穴を有する中子を造型するための金型に関する
ものである。

［従来技術］ 金型のキヤビテイ内にシエル砂を吹込み、吹込
んだシエル砂を熱により硬化させて、中子を造型
する中子造型方法はよく知られている。

このような中子造型方式を用いたデイスクロー
タ鋳造用の中子（第４図参照）の造型において
は、デイスクロータの放射状のリブを成形するた
めにスリツト状の貫通穴を設ける必要があり、そ
のため、上金型、下金型夫々に互いに当接する突
部を設け、突部相互の突合わせによつて貫通穴を
成形するようにしている。

しかしながら、前述したように、金型はシエル
砂を硬化させるために高温に保持されているた
め、熱変形を生じ、特に上記突部の突き合わせ面
に隙間が生じると、ブローエアがこの隙間を通つ
て流れ、中子にブローホールが形成されてしまう
問題があつた。

かかる問題を直接に意識したものではないが、
特公昭60−49066号公報には、第５図に示すよう
に、上金型１の突部２と下金型３の突部４との突
き合わせ面に溝５を形成し、この溝５を排気孔６
に連通させて、この溝５から積極的に排気を図る
ようにした構造が開示されている。

しかし、かかる排気構造では、熱歪により隙間
が形成された場合に、隙間を吹き抜けるエアを十
分に減速させることができず、ブローホールの生
成は依然避け難い。

［考案の目的］ 本考案の目的は、熱歪によつてリブ成形用突部
間に隙間が生じたとしても、ブローホールの発生
を確実に防止することができる構造を備えた中子
造型金型を提供することである。

［考案の構成］ このため、本考案は、スリツト状の貫通穴を有
する中子を造型するための金型において、上記貫
通穴を形成する金型の合わせ面の一方をフラツト
面とし、他方をリブ状突部で形成する一方、この
突部端面を跨いでベントプラグを上記金型のフラ
ツト面側に複数個設け、金型内に吹き込まれたエ
アを各ベントプラグから金型外に排出するエア通
路を設けて構成したものである。

［考案の作用・効果］ 本考案によれば、複数のベントプラグがリブ状
突部を跨いで設けられているため、熱歪により合
わせ面に隙間が生じたとしても、隙間を吹き抜け
ようとするエアを十分に減速させながら、金型外
に排出することができ、これによつてブローホー
ルの形成を確実に防止することができる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を具体的に説明する。

第１図に示す金型１１は、第４図に示す如きデ
イスクロータ成形用中子１０を造型するためのも
のであつて、下型ホルダ１２上に位置決めして保
持される下型１３と、この下型１３との間に中子
成形のためのキヤビテイ１４を形成する上型１５
とによつて構成されている。

上記のキヤビテイ１４内には、ブローブツシユ
１６によつて形成されるブロー通路を通して、ブ
ロータンクのブローヘツド（具体的に図示せず）
からシエル砂が圧搾エアによつてブローされ、キ
ヤビテイ１４内に吹き込まれた圧搾エアは、排出
通路１７から、シエル砂を伴うことなしに金型外
に排出される。キヤビテイ１４内に密に充填され
たシエル砂は、上型１５側に取付けたヒータ１８
によつて与えられる熱によつて次第に硬化して、
最終的に中子が形成される。

第４図に示したように、デイスクロータ成形用
中子１０には、デイスクロータのリブを形成する
ためのスリツト状の貫通穴１９を放射状に形成す
る必要があり、この貫通穴１９部分を成形するた
めの環状の成形型２１，２２がボルト等によつ
て、下型１３、上型１５の夫々に固定されてい
る。

下型１３側に固定される成形型２１上には、第
２図に示すように、放射状の突部２３，２３，…
が形成されており、第３図に示すように、上型１
５側の成形型２２は、その表面に実質的にフラツ
トな面２２ａとして形成され、突部２２上面とフ
ラツト面２２ａとで合わせ面が形成されている。
さらに、上記フラツト面２２ａには、各突部２３
につき、２つのベントプラグ２４，２４が突部２
３の長手方向に沿つて適当な間隔でかつフラツト
面２２ａと面一をなすように埋設されている。

第３図に明瞭に示されるように、ベントプラグ
２４は、突部２３の横幅より十分大きな直径を有
するように形成されていて、突部２２を跨ぐよう
に突部２３の幅方向中心とベントプラグ２４の中
心とを一致させて埋設されている。これら各ベン
トプラグ２４は、第１図，第３図に示すように、
上型１５に貫設した排出通路１７に接続される。

したがつて、ベントプラグ２４の細孔２４ａ
は、突部２３の両側に常時開口した状態にあつ
て、エアの排出を行なう。このため、突部２３の
左，右エツヂまで確実にシエル砂が廻り込むよう
になる。また、加熱時に生ずる熱歪によつて、下
型側の成形型２１の突部２３と上型側の成形型２
２のフラツト面２２ａとの間に隙間が生じたとし
ても、この隙間を通過しようとするエアは、各突
部２３の長手方向に沿つて複数配置したベントプ
ラグ２４に直接に流入するか、直接に流入しない
までも十分に減速され、その結果、ブローホール
と呼ばれるようなエアの吹き抜けによる穴が形成
されることがなくなる。

上記のようにして、金型１１内において造型さ
れたデイスクロータ用中子１０は、上型１５の上
昇後、下型１３側に多数設けたエジエクトピン２
５，２５により押上げられ、外部に取り出され
る。

上記の実施例では、デイスクロータ成形用中子
１０について説明したが、本考案はこれに限定さ
れるものではなく、また、突部を上型側に設け、
フラツト面を下型側に設けるようにしてもよいこ
とはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる金型の一部断
面側面図、第２図は上記金型の下型の平面説明
図、第３図は第２図の−線方向の部分拡大断
面図、第４図は中子の斜視図、第５図は従来の金
型の部分断面図である。 １１……金型、１３……下型、１４……キヤビ
テイ、１５……上型、１７……排出通路、１９…
…貫通穴、２１，２２……成形型、２３……突
部、２４……ベントプラグ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スリツト状の貫通穴を有する中子を造型する金
   型であつて、上記貫通穴を形成する金型の合わせ
   面の一方をフラツト面で、他方をリブ状の突部で
   形成し、この突部端面を跨いで複数個のベントプ
   ラグを上記金型のフラツト面側に設けるととも
   に、金型内に吹き込まれたエアを各ベントプラグ
   から金型外に排出するエア通路を設けたことを特
   徴とする中子造型金型。