JPH044427Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は軒樋を軒先に施工する軒樋吊金具に関
するものである。

（従来技術と問題点） 軒先に軒樋を施工する場合、軒樋の外周面より
保持する受金具と、軒樋の両上端耳部を係合して
吊架する吊金具式が知られているが、近年では住
宅の洋風化や高級化に伴ない外観意匠が重視さ
れ、金具が目立たない吊金具が増えてきている。

この吊金具は軒樋の上端に形成した耳部に係合
して吊架するため取付強度が重要となり、強度が
不十分であると雪害などにより軒樋が外れたりす
るする恐れがある。

このため取付強度が強く確実なものが求めら
れ、又同時に軒樋を取付ける作業は高所の不安定
な足場で行なうため安全性の面からも施工作業が
容易に行なえることが重要となるものである。

（考案の目的） 本考案は上記したような吊金具に対する要望点
を満たしたものであり、軒樋を強固にして確実に
施工でき、又作業も容易にできるため安全にして
迅速に作業できる軒樋吊金具を提供するものであ
る。

（考案の構成） 以下本考案を添付図面である一実施例にもとず
いて説明する。

第１図吊金具Ａの斜視図であり、第２図及び第
３図は吊金具Ａの吊板１の軒先より遠い前側端部
の斜視図を示す。

吊金具Ａは銅板などの金属帯板を折曲形成して
なり、軒樋を吊架する吊板１及び足部２より構成
される。

吊板１の両端に軒樋耳部を係合するため軒先よ
り遠い側の前端は上方に立ち上げて逆Ｌ字状の係
合部１１が設けられ、又後端は下方にＬ字状の垂
下部１２が折曲して嵌入部１４が形成されてい
る。

そして係合部１１には両側方より弾性挟着する
ように上方に開口したコ字状の挟着片３が装備さ
れ、該コ字状の側部の立設片３１，３１には内方
に突出した係合突条３２，３２が設けられ、この
係合突条３２は内方に略三角形状に突出してお
り、上面は平坦となり、下面は傾斜面に形成さ
れ、吊板１と逆Ｌ字状の係合部１１の間に側方よ
り嵌入されている。

又上記挟着片３の底板３３は軒先方向に延設さ
れ、端部に包持片３４を折曲形成して吊板１の垂
直部１６を包持し、上下方向に摺動移動可能とな
つている。

一方、吊板１の下面側には軒先に近い方向である
後方に向けて板バネ１３が固定され、後部は上方
に折曲され、後端には前記嵌入部１４と開口部分
が相対向した小さなコ字状の凹部１５が設けられ
ている。

又吊板１の上面側には足部２がリベツト２４に
てカシメ固着され、軒先方向に吊板１を越えて下
方に折曲した垂下片２１が設けられ、該垂下片２
１には直交方向に釘孔２３が穿設し軒先の鼻隠し
板などに固定するトンボ２２が固着されている。

本願に係る吊金具Ａは上記の如く構成され、第
５図及び第６図は軒樋４を施工する時の側面図を
示す。

軒樋４は第４図に示す如く銅板などの金属薄板
を上方が開口した略コ字状に折曲してなり、上端
には角形の耳部４１が設けられ、該耳部４１の上
端は内方に折曲した短かい折曲片４２が設けられ
開口部４３が樋方向に形成されている。

施工に際しては軒先の鼻隠し板などに予じめ釘
などにて固着した吊金具Ａに軒樋４を固定する
が、軒樋４の前端の係合部１１を開口部４３より
耳部４１の内部に嵌入し、この時挟着片３も同時
に嵌入され、後端側は板バネ１３を押し上げるよ
うにして嵌入部１４に嵌入しＬ字状の垂下部１２
に係合させる。

次に前端の耳部４１を下方に押して折曲片４２
にて挟着片３を下げて係合突条３２が吊板１の下
側に位置させると共に係合部１１を耳部４１の内
部上端にまで当接させる。

この挟着片３の係合突条３２は上記したように
三角形状をしており、下方には移動するが上方に
戻ることはなく、又包持片３４にて吊板１の垂直
部１６を包持しているため移動に際してガタつい
たりすることも防止でき、第５図及び第６図は上
記のように挟着片３を移動させて施工する時の側
面図を示し、板バネ１３の凹部１５には耳部４１
の折曲片４２が係合され軒樋４を確実に吊架して
いる。

（考案の効果） このように本考案に係る吊金具Ａは軒樋を施工
するに際し、吊板の軒先より遠い側の前端と軒樋
耳部の係合が挟着片３を介して確実に行なえ、又
作業も容易なものである。

すなわち、吊板の係合部に挟着固定してなる挟
着片を耳部の内部に挿入し、次にこの挟着片を下
方に押し下げることにより軒樋耳部は確実に係合
され、又挟着片が元の位置に戻ることもなく外れ
たりする恐れもなく、長期間の使用に耐えるもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例に係り、第１図は吊金
具の斜視図、第２図及び第３図は吊金具の吊板の
前端部分の斜視図、第４図は軒樋の側面図、第５
図及び第６図は吊金具に軒樋を施工する時の側面
図を示す。 Ａ……吊金具、１……吊板、１１……係合部、
１２……垂下部、１３……板バネ、１４……嵌入
部、１５……凹部、１６……垂直部、２……足
部、２１……垂下片、２２……トンボ、２３……
釘孔、２４……リベツト、３……挟着片、３１…
…立設片、３２……突条、３３……底板、３４…
…包持片、４……軒樋、４１……耳部、４２……
折曲片、４３……開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端を軒樋耳部と係合する吊板と足部よりなる
   吊金具に於いて、前記吊板の軒先より遠い前端部
   に上方に立設した逆Ｌ字状の係合部を設け、該係
   止部と隣接する吊板に下方に摺動すると共に摺動
   後に固定させる係合突起を形成した挟着片を設け
   てなる軒樋吊金具。