JPH044340A - 慣性ダンパ並びにその製造方法 - Google Patents

慣性ダンパ並びにその製造方法

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JPH044340A
JPH044340A JP10629490A JP10629490A JPH044340A JP H044340 A JPH044340 A JP H044340A JP 10629490 A JP10629490 A JP 10629490A JP 10629490 A JP10629490 A JP 10629490A JP H044340 A JPH044340 A JP H044340A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (発明の目的) 〈産業上の利用分野〉 本発明はOA機器や各種の自動生産機器等の駆動源とし
て多用されるようになったステッピングモータに組み付
けられ、このものにおけるステップ応答時の振動防止や
回転シャフトの過渡的振動防止のための慣性ダンパに関
するものであって、特にその耐久性の向上を図った新規
な構造に係るものである。
〈発明の背景〉 正確な駆動や迅速な停止、発進等に優れた機能を発揮す
るステッピングモータはその原理上、回転開始の立ち上
がり時における過渡応答が振動的になり易く、更には駆
動電源の一定周波数域における共振等の不安定現象から
回転が円滑になし得なくなるなどの障害があるため、こ
れらステッピングモータによる駆動を行う場合にはこれ
に対処する機構を不可欠とする。このようなことからす
でに本出願人は吸振性の優れたゲル状物質の性状に着眼
し、これらを利用した慣性ダンパを開発し前記技術課題
の解決を見ている。ところでこれらは通常シャフト取付
体と慣性体とゲル状物質とを有し、前記シャフト取付体
と慣性体とがゲル状物質を介して相互に吸振的に結合し
ている構成をとり、シャフト取付体をモータの回転軸に
取り付けるようにして用いているが、種々の運転状況下
で充分な耐久性を発揮することが求められている。とこ
ろで目下試行されているタイプは第7図に示すようにシ
ャフト取付体10′と慣性体20’とゲル状物質30′
とを具え、このシャフト取付体10’と慣性体20′と
がこのゲル状物質30’を介して相互に吸振的に結合し
ているものであって、慣性体20′とシャフト取付体1
0’とは円環状を成す慣性体20′の内周面側とシャフ
ト取付体10’におけるボス12′との間にゲル状物質
30’が介在して両者を吸振的に結合している。このよ
うなタイプにあってはゲル状物質30’が形成される面
積は比較的小さいから、微妙な振動を吸振したりする場
合には極めて高い性能を発揮するものであるが、運転状
況によっては更に吸収、収束を要求される振動エネルギ
ーがより過大な場合もあり、このような場合には吸振性
能はともがくとして、耐久性の点で必ずしも満足し得な
い場合も生じていた。
く開発を試みた技術的事項〉 本発明はこのような背景に鑑みなされたものであって、
過大な負荷を受けるような運転状況下にあっても、充分
な耐久性を発揮する慣性ダンパの開発を試みたものであ
る。
(発明の構成)。
〈目的達成の手段〉 即ち本出願に係る第一の発明たる慣性ダンパは、シャフ
ト取付体と蓋板と慣性体とゲル状物質とを具えて成り、
前記シャフト取付体と慣性体とは前記ゲル状物質を介し
て相互が吸振的に結合して成り、前記シャフト取付体に
はその外周側に周覆部を形成することによって、その内
側に慣性体を収納状態に取り付ける受入部を形成し、且
つ前記慣性体とシャフト取付体とは慣性体外周面と周環
部内周面との間にゲル状物質を介在させて相互に吸振的
に結合して成るダンパにおいて、前記シャフト取付体に
おける周覆部は、シャフト取付体におけるボスに直接組
み付けられる保持体の一部を成す外覆板と、この内側に
組み込まれる内スリーブとより成り、前記慣性体はゲル
状物質を介して内スリーブと吸振的に結合していること
を特徴として成るものである。
また本出願に係る第二の発明たる慣性ダンパは前記要件
に加え、前記シャフト取付体は一体成形されていること
を特徴として成るものである。
更にまた本出願に係る第三の発明たる慣性ダンパは前記
要件に加え、前記シャフト取付体における周環部と前記
蓋板とを接着させ、前記受入部を密閉状態にしたことを
特徴として成るものである。
更にまた本出願に係る第四の発明たる慣性ダンパは前記
要件に加え、前記蓋板、保持体及び内スリーブには互い
にその位置を固定するための凹凸係合構造を有すること
を特徴として成るものである。
更にまた本出願に係る第五の発明たる慣性ダンパは前記
要件に加え、前記慣性体が前記シャフト取付体及び前記
蓋板と臨む部分には、摩擦係数の少ない薄板を設けたこ
とを特徴として成るものである。
更にまた本出願に係る第六の発明たる慣性ダンパの製造
方法は、金型に慣性体と内スリーブとを一定の距離をお
いてセットし、この慣性体と内スリーブとの間にゲル状
物質を注入硬化させるユニット製造工程と、シャフト取
付体を成形する工程と、シャフト取付体に対して前記ユ
ニットを組み込む工程と、シャフト取付体に蓋板を設け
るとともに、保持体の外周部及び蓋板の外周端と内周端
近くを内部加熱して保持体の周環部と内スリーブとの溶
着及び保持体の周環部から内スリーブと蓋板との溶着を
する工程とを有して成ることを特徴として成るものであ
る。
更にまた本出願に係る第七の発明たる慣性ダンパの製造
方法は前記要件に加え、前記シャフト取付体を成形する
工程において、蓋板との噛み合い構造を形成することを
特徴として成るものである。
更にまた本出願に係る第への発明たる慣性ダンパの製造
方法は前記要件に加え、前記シャフト取付体の成形工程
は一体成形であるとともに、シャフト取付体における保
持体との嵌まり合い部分には凹凸加工を施したことを特
徴として成るものである。
これら発明により前記目的を達成しようとするものであ
る。
〈発明の作用〉 本発明は慣性ダンパにおけるシャフト取付体に受入部を
形成して、そこに慣性体を収めるように構成し、且つ慣
性体の外周側とシャフト取付体における周環部内側との
間にゲル状物質を介在させるようにしたから、ゲル状物
質の作用面積が大きくなり、その耐久性が著しく向上し
た。
〈実施例〉 以下本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明する
。符号1は本発明たる慣性ダンパであって、このものは
第1図に示すように一例としてステッピングモータ2に
対して取り付けられる。具体的にはステッピングモータ
2の一方に延長される駆動軸3と実質的に同軸であって
、例えばその反対方向にこれを更に延長するようにして
形成した部分を慣性ダンパ取付軸4とし、この部位に取
り付けるようにする。勿論ステッピングモータ2の外筺
内に慣性ダンパ1を内蔵することもできる。因みにこの
ような起動時における慣性等が問題となる駆動源、例え
ば他のタイプの電動機、内燃機関、油圧モータ、エアモ
ータ等においても必要であれば適用することができる。
以下この慣性ダンパ1について説明すると、このものは
大別するとシャフト取付体10と慣性体20とゲル状物
質30とを有して成る。
まず第1.2図に示す実施例について述べると、シャフ
ト取付体10はアルミ合金等の金属、あるいはエンジニ
アリングプラスチック等の合成樹脂、七ラミック等の材
料から成り、−例として慣性体20とゲル状物質30と
を直接収納状態に取り付ける保持体11とボス12との
二部品が結合されて構成される。この保持体11とボス
12とを一体化するには両者をプレス圧入してもよいし
、圧入した後、溶接により固着するか、あるいは他のボ
ルト等を螺合させる部分を形成しておいてそれらによる
固着手段をとるなど適宜の手法がとり得る。まず、保持
体11はボス12が組み込まれる部分を円孔状に開放さ
せた環状のものであって、その周縁に周環部11Aを形
成することにより、実質的にその内側に受入部13を形
成する。そしてボス12はその中央にステッピングモー
タ2の慣性ダンパ取付軸4を受は入れるシャフト受入孔
14を穿孔させるとともに、これに直角に向かうように
メネジを刻設したロックボルト孔15を設け、更にこの
ものにロックボルト16を螺合させてステッピングモー
タ2に取り付けられるように構成する。尚シャフト取付
体10における保持体11の開放側の端部には蓋板17
を設けるようにしてもよい。このような蓋板17を設け
るときには、慣性ダンパ1の内部構成部品を密閉するこ
とができ、これによって内部への粉塵の侵入を防ぎ、ま
た内部のゲル状物質30から分離するガス成分、オイル
成分の外部への飛散がなく、これによる電気接点への悪
影響を避けることができる。このような取付体10に対
しその受入部13に慣性体20が設けられるものであっ
て、両者の間、即ちシャフト取付体10の受入部13と
慣性体20との間がゲル状物質30により結合される。
勿論、慣性体20はこの実施例では受入部13が円環状
の凹陥したスペースであることに因み、同様に円環状の
形状をとる。勿論ボス12が受入部13側に突出してい
ないタイプのものにあっては慣性体20は円盤状のもの
でもよい。そして本発明の特徴的構成として前記ゲル状
物質30は受入部13を形成する周環部11Aの内周面
と、慣性体20の外周面との間に介在して、慣性体20
とシャフト取付体10とを吸振的に結合させる構成をと
る。ここでゲル状物質としては、ウレタンゲル、アクリ
ルゲル、その他適宜なゲル状物質が使用できるが、次に
詳述するシリコーンゲルは、特性が広範な温度域におい
て安定しており、硬化時に副生物を生ぜず、また吸振性
能も優れるものとして最適である。即ちこのシリコ−ン
ゲルは、ジメチルシロキサン成分単位から成るもので、
次式(1)で使用されるジオルガノポリシロキサン(A
成分): RR’ 2 SiO(R” 25iO)nsiR’ 2
 R・・CI)(ただし、Rはアルケニル基であり、R
1は脂肪族不飽和結合を有しない一価の炭化水素基であ
り、R2は一価の脂肪族炭化水素基(R2のうち少なく
とも50モル%はメチル基であり、アルケニル基を有す
る場合にはその含有率は10モル%以下である)であり
、nはこの成分の25℃における粘度が100〜100
,000cStになるような数である)と、25℃にお
ける粘度が5,000cSt以下であり、−分子中に少
なくとも三個、Si原子に直接結合した水素原子を有す
るオルガノハイドロジエンポリシロキサン(B成分)と
から成り、且つオルガノハイドロジエンポリシロキサン
(B成分)中のSi原子に直接結合している水素原子の
合計量に対するジオルガノポリシロキサン(A成分)中
に含まれるアルケニル基の合計量の比(モル比)が0.
1〜2.0になるように調整された混合物を硬化させる
ことにより得られる付加反応型シリコーンポリマーであ
る。このシリコーンゲルについて更に詳しく説明すると
、上記A成分であるジオルガノポリシロキサンは、直鎖
状の分子構造を有し、分子の末端にあるアルケニル基R
が、B成分中のSi原子に直接結合した水素原子と付加
して架橋構造を形成することができる化合物である。こ
の分子末端に存在するアルケニル基は、低級アルケニル
基であることが好ましく、反応性を考慮するとビニル基
が特に好ましい。また分子末端に存在するR1は、脂肪
不飽和結合を有しない一価の炭化水素基であり、このよ
うな基の具体的な例としては、メチル基、プロピル基及
びヘキシル基等のようなアルキル基、フェニル基並びに
フロロアルキル基を挙げることができる。
上記式CI)においては、R2は、−価の脂肪族炭化水
素基であり、このような基の具体的な例としては、メチ
ル基、プロピル基及びヘキシル基のようなアルキル基並
びにビニル基のような低級アルケニル基を挙げることが
できる。ただし、R2のうちの少なくとも50モル%は
メチル基であり、R2がアルケニル基である場合には、
アルケニル基は10モル%以下の量であることが好まし
い。アルケニル基の量が10モル%を超えると架橋密度
が高くなり過ぎて高粘度になり易い。またnはこのA成
分の25°Cにおける粘度が通常は100〜100,0
OOcSt 、好ましくは200〜20.000cSt
の範囲内になるように設定される。上記B成分であるオ
ルガノハイドロジエンポリシロキサンは、A成分の架橋
剤であり、Si原子に直接結合した水素原子がA成分中
のアルケニル基と付加してA成分を硬化させる。B成分
は上記のような作用を有していればよくB成分としては
、直鎖状、分岐した鎖状、環状、あるいは網目状などの
種々の分子構造のものが使用できる。またB成分中のS
i原子には水素原子のほか、有機基が結合しており、こ
の有機基は通常メチル基のような低級アルキル基である
。更にB成分の25°Cにおける粘度は、通常5000
cS を以下、好ましくは500cS を以下である。
このようなり成分の例としては、分子両末端がトリオル
ガノシロキサン基で封鎖されたオルガノハイドロジエン
シロキサン、ジオルガノシロキサンとオルガノハイドロ
ジエンシロキサンとの共重合体、テトラオルガノテトラ
ハイドロジエンシクロテトラシロキサン、HR’2Sj
0172単位と3i04/2単位とから成る共重合シロ
キサン、及びHR’ 25iO17z単位とR13S 
i ot / 2単位と5i0472単位とから成る共
重合シロキサンを挙げることができる。ただし上記式に
おいてR1は前記と同じ意味である。そして上記のB成
分中のSiに直接結合している水素原子の合計モル量に
対するA成分中のアルケニル基の合計モル量との比率が
通常は0.1〜2.0、好ましくは0.1〜1.0の範
囲内になるようにA成分とB成分とを混合して硬化させ
ることにより製造される。この場合の硬化反応は、通常
は白金系触媒を用いて行われる。このような白金系触媒
の例としては、微粉砕元素状白金、塩化白金酸、酸化白
金、白金とオレフィンとの錯塩、白金アルコラード及び
塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩を挙げることが
できる。このような触媒は、A成分とB成分との合計重
量に対して通常は00−1pp (白金換算量、以下同
様)以上、好ましくは0.5ppm以上の量で使用され
る。このような触媒の量の上限については特に制限はな
いが、例えば触媒が液状である場合、あるいは溶液とし
て使用することができる場合には、200ppm以下の
量で充分である。上記のようなA成分、B成分及び触媒
を混合し、室温に放置するか1、あるいは加熱すること
により硬化し、本発明で使用されるシリコーンゲルが生
成する。このようにして得られたシリコーンゲルは、J
 I S  K (K −2207−198050g荷
重)で測定した針入度が通常5〜250を有し、好まし
くは50〜200を用いる。このようなシリコーンゲル
の硬度は、上記A成分の量をB成分中のSiに直接結合
している水素原子と架橋構造を形成することができる量
よりも過剰に用いることにより調整することができる。
また他の方法として、両末端がメチル基であるシリコー
ンオイルを得られるシリコーンゲルに対して5〜75重
量%の範囲内の量であらかじめ添加することにより調整
することもできる。
このようなシリコーンゲルは、上記のようにして調整す
ることできるし、また市販されているものを使用するこ
ともできる。本発明で使用ができる市販品の例としては
、CF3027、TOUGH−2、TOUGH−3、T
OUGH−4、TOUGH−5、T OU G H−6
、TOUGH7(株式会社トーレシリコーン製)やX3
2902 / c a t 1300 (信越化学工業
株式会社製)F250−121  (日本ユニカ株式会
社製)等を挙げることができる。尚、上記のA成分、B
成分及び触媒のほかに、顔料、硬化遅延剤、n燃剤、充
填剤等を得られるシリコーンゲルの特性を損なわない範
囲内で配合することもでき、また微小中空球状のフィラ
ーを混入して成る複合シリコーンゲルを用いてもよく、
このような材料に日本フィライト株式会社製造のフィラ
イト (登録商標)や同社販売のエクスパンセル(登録
商標)、マツモトマイクロスフェア−(松本油脂製薬株
式会社製造販売)等が例示できる。この場合、例えば上
記CF3027を針入度150程度に調整したものをベ
ースとし、これに上記エクスパンセルを3重量%添加し
て成る複合シリコーンゲルを用いれば好結果が得られる
。尚、実施例では上記TOUGH−7を針入度100に
調整して用いた。因みにこのシリコーンゲルの針入度が
高い。即ち、例えば針入度160程度であるときは共振
現象の解消に適し、針入度がこれより低い。即ち、例え
ば100程度であるとセトリングタイムの改善に特に効
果的であった。このような実施例にあってはシャフト取
付体10が保持体11とボス12との二部材で構成され
ているから、これらを適宜選択的に組み合わせることに
より、種々の仕様のものが製造し得る。面このゲル状物
質30を慣性体20の外周面と周環部11Aの内周面と
の間に介在させる手法としては慣性体20を受入部13
内にやや浮き上がり状態に支持した状態で仮組みし、こ
の状態で充填すべき空間に未硬化のゲル状物質を流し込
むようにし、しかる後これを加熱硬化させてもよいし、
あるいは予めシート状に成形されたゲル状物質30を帯
状に切断して慣性体20の外周に巻き付けるような形で
組み付けるようにしてもよい。尚ゲル状物質30と慣性
体20の外周面及び周環部11Aの内周面とのそれぞれ
の接着を強化するためにはあらかじめこれら表面にシリ
コーン系プライマー及び/または付加反応型シリコーン
系接着剤を塗布しておくのが望ましい。この点について
は、本出願人が別途特許出願に及んでいる特願平1−2
42774号において詳述しているが、このようなシリ
コーン系プライマーとしては具体的にはプライマーA 
()−レシリコーン株式会社)、プライマーZ−304
2(バイエル合成シリコーン株式会社)などが挙げられ
る。また更に上記のシリコーン系プライマーにトリエト
キシシランなどのカップリング剤を添加してもよい。
またこのようなシリコーン系プライマーを塗布した後、
付加反応型シリコーン系接着剤を更に塗布することで、
より効果的とすることもできる。このような付加反応型
シリコーン系接着剤としては、加熱時にシリコーンゲル
と付加反応が起こり、シリコーンゲルを硬化し得るよう
なシリコーン系接着剤が用いられ、具体的には、例えば
K E−1800T (信越化学工業株式会社)あるい
は5E−1700(1−−レシリコーン株式会社)など
が挙げられる。また付加反応型シリコーン系接着剤とし
て、上記のようなジオルガノポリシロキサンとオルガノ
ハイドロジエンポリシロキサンとの混合物であって、こ
のオルガノハイドロジエンポリシロキサンのビニル基と
、このオルガノハイドロジエンポリシロキサンの5i−
H結合における水素とのモル比が、水素過剰となってい
るような組成物を用いることもできる。例えばビニル基
と5i−Hにおける水素との比が1:1.05〜1:2
.02であるような組成物を用いることができる。この
ようなシリコーン系プライマー及びシリコーン系接着剤
が必要に応じ塗布された表面に、未硬化状態のシリコー
ンゲルを接触させて加熱することによって、未硬化状態
のシリコーンゲルが硬化するとともに、シリコーンゲル
の支持体たる周環部11A内面の接合予定表面に塗布さ
れたシリコーン系プライマー及び/または接着剤と、シ
リコーンゲルとが反応して、シリコーンゲルとそれらと
の接合が強化される。尚、フィラー入り複合シリコーン
ゲルを用いるときは、まずフィラー未充填の未硬化状態
のシリコーンゲルを塗った上に、フィラー入りシリコー
ンゲルを塗り重ねるように注入、加熱して硬化させるの
が望ましい。
更に慣性ダンパ1の具体的な構造については種々の実施
例がとり得る。まず第3図に示す実施例はすでに述べた
第1.2図の実施例とは異なり、周環部11Aの内側に
ゲル状物質30を介して慣性体20を組み込むにあたっ
て、あたかも周環部11Aを二層構造とする実施例であ
る。即ち周環部11Aはこれを構成する一部として外覆
板11Bとし、これと別体にこの内側に密に内嵌めされ
る内スリーブ18とによって周環部11Aが構成される
ようにしたものである。このようにするときには、製造
する場合において内スリーブ18と慣性体20とを予め
組み合わせ、その間にゲル状物質30を充填するように
して別途組み立てておき、そのユニットUを保持体11
における外覆板11Bの内側に挿入するとともに、例え
ば奥部の位置決め段部11Cに当接させて内嵌め状態に
構成する。因みにこのようにした場合には保持体11側
を定寸規格としておき、慣性体20を適宜選択すること
により種々のダンピング特性を有する仕様の異なる慣性
ダンパ1をより合理的に製造し得る。またユニットUと
して別途製造するにあたっては、例えば慣性体20を浮
き上がり状態に支持せずに、内スリーブ18と共に定盤
等の上に横置き状態にして未硬化のゲル状物質30を注
入すればよいから、製造工程がより簡略なものとなる。
更に第4図に示す実施例は保持体11と慣性体20との
対向する面、即ち周環部11Aの内周面と慣性体20の
外周面との間に適宜の突起19a、19bを設けてあた
かもゲル状物質30がジグザグ状に配設されるような状
態として異なるダンピング特性を得るようにしたもので
ある。
更にまた第5図に示す実施例はゲル状物質30の配設面
積をシャフト取付体10の有効径を増大せずにより大き
く確保することができるようにしたものであって、保持
体11の周環部11Aと慣性体20の外周面を共にテー
パ状に構成し、いわゆるコーンタイプとしたものである
更にまた第6図に示す実施例は、例えば第3図に示す実
施例のように周環部11Aが外覆板11Bと内スリーブ
18とによって構成されるようなタイプのものにおいて
、内スリーブ18と慣性体20との組み合わせから成る
ユニソ)Uを適宜の枚数組み込み得るようにしておき、
要求される仕様に応じたダンピング特性を有する慣性ダ
ンパが得られるようにしたものである。
更に蓋板17を設けた本発明たる慣性ダンパの好ましい
実施例の一つとして第10図に示すものがある。このも
のは内部に格納される部材である慣性体20と緩衝機能
を担うゲル状物質30とをシールドしたタイプであって
、次のような具体的な構成をとる。基本構成はすでに述
べた実施例とほぼ同様であり、以下各部材の詳細な構成
と請求項6〜8に記載したそれらの相互の組立手法を中
心に順次説明する。まずボス12と保持体11との関係
は第11図(b)に示されるようにインサート成形で一
体化するものであって、具体的にはプラスチック金型に
ボス12を所定の位置に保持し、そこに保持体11を構
成するプラスチック素材、例えばポリエステル、ナイロ
ン、ポリアセタール等の溶融樹脂を射出する。面この材
料は他の部材である内スリーブ18、蓋板17にも用い
る。このとき保持体11とボス12との接続を確実にす
るためにボス12の外周面にローレット、セレーション
等の凹凸を形成しておくことが好ましい。これによって
保持体11のボス庇部11Dとボス12とは凹凸の食い
込み固着がなされる。またこの成形後、更に必要がある
ときには保持体11の受入部13の側壁面側に慣性体2
0が摺擦した場合を考慮して、薄い摺面板11Bを張設
する。即ち慣性体20に対して通常は殆ど生ずることは
予想されないが、スラスト方向へのフレが生じた場合、
このものが保持体11の受入部13側の側壁面に摺擦す
ることも予想されるため、その部分に摩擦係数の少ない
例えばフッ素樹脂系の樹脂薄板を貼り付けるようにする
。勿論この手法は慣性体20の他の一方の側面が接する
蓋板17の内側側壁面にも摺面板17Eとして同様にと
り入れる。次に慣性体20と内スリーブ18とを一体に
組み付ける。これは製造効率を向上させる観点、及び性
能に著しい影響を及ぼすゲル状物質30の保全をするた
めに好ましい手法であって、慣性体20と内スリーブ1
8との間にゲル状物質30をあらかじめ充填したユニッ
トとして構成する。具体的には例えば第11図(a)に
示すように治具Gによって慣性体20と内スリーブ18
とを横置き状態に置き、両者の間にゲル状物質30を注
入して組み付けを行う。このように慣性体20とゲル状
物質30と内スリーブ18とが一体化された部品と前記
ボス12と保持体11とが一体化された部品とをそれぞ
れ組み立てた後、これら組み付けられた部品の相互の組
み立てを行う。これはまず保持体11に対し、慣性体2
0とゲル状物質30及び内スリーブ18とから成る部品
を圧入するものであって、両者が相互に接触する部分は
保持体11の周環部11Aの内面と内スリーブ18とで
ある。このような状態とした後、蓋板17を開放端面倒
にあてがう。蓋板17はその内周面側に外周より幾分か
内側に嵌込リブ17Aを有するものであり、この嵌込リ
ブ17Aは蓋板17と保持体11との正確な位置決めを
行うことと、内スリーブIBを正確に受入部13111
1に収納状態に取り付けるためのものである。そしてこ
のように一体的に組み付けた後、超音波溶着等の内部加
熱の手法により第11図(d)に示すように保持体11
の外周部及び蓋板17の外周端と内周端近くを集中的に
加熱し、保持体11における周環部11Aと内スリーブ
1Bとの溶着をし、更に保持体11の周環部11Aから
内スリーブ18と蓋板17との溶着を行う。また蓋板1
7はその内周端において保持体11のボス庇部11Dの
先端との間で溶着を行う。ところでこのような溶着手法
により保持体11等の固着がほぼなし得るものであるが
、更に入念に固着を行うには凹凸係合による保持体11
と内スリーブ18と蓋板17との固定を図ることが望ま
しい。具体的には第9図に示すように保持体11の周環
部11Aの自由端縁側に凹み状の係合凹部110を構成
し、また内スリーブ18も同様に開放端縁側に係合凹部
180を設ける。そして蓋板17側には前記嵌込リプ1
7A側に内スリーブ18における係合凹部180に対応
した係合突起170Aを設けるとともに、更に外周端側
に保持体11の周環部11Aにおける係合凹部に嵌まり
合う係合突起170Bを形成するのである。このように
するときには保持体重1と内スリーブ18及び蓋板17
とが相互に噛み合い係合により位置決めが維持された状
態で組み付けられる。尚、勿論、内スリーブ18はシャ
フト取付体10側に形成した凹凸と係止するようにして
もよいし、保持体と内スリブとをそれぞれ凹凸係合させ
るようにしてもよい。即ち要は蓋板と保持体と内スリー
ブとがそれぞれ互いの位置が固定されるようにすればよ
いのである。
本発明たる慣性ダンパ1は以上述べたような種々の具体
的な構造を有するものであり、これを用いるには常法に
従い、第1図に示すように例えばステッピングモータ2
の慣性ダンパ取付軸4にこれを固定して用いる。このよ
うに取り付けた後ステッピングモータ2を起動させると
、例えば起動時に過渡的に生ずる振動等を慣性体20と
ゲル状物質30との作用により有効にそのエネルギーを
吸収し、起動に伴う振動を迅速に収斂させ、また中間周
波数における共振による回転停止を起こさせずに安定し
た回転上昇を図るのである。
(発明の効果) 本発明は以上述べたように慣性ダンパ1のダンピング作
用を直接担う部材である慣性体20と、ゲル状物質30
との組み合わせを行うにあたり、ゲル状物質30を慣性
体20の外周部と、保持体11における周環部11Aの
内面との間に介在させるようにしてゲル状物質30の配
設面積を増大させたから、ゲル状物質30の単位面積当
たりの耐荷重が小さくなり、製品の耐用時間が第7図に
示すような従来例と比べ格段に向上した。これを具体的
に表としてまとめると表1のとおりである。
即ちシャフト取付体10及び慣性体20の質量等は同一
の条件で、一定のサイクルで往復させたり、同方向に一
定あるいは異なるタイミングで回転させたりする同一条
件の負荷試験を行ったものである。この表かられかるよ
うに収斂性能を決定するいわゆる振動の収斂時間たるセ
トリングタイムについては、本発明も従来型もほぼ同一
の性能が発揮されている。またパルスモータにおける中
間周波数の共振も発生しない。また本発明が特に目的と
した耐久性の向上は同一の負荷試験で行った場合におい
て、従来型より100倍以上の耐久性を発揮した。
く表1 本発明と従来型との性能仕様比較表〉またシャ
フト取付体10の周環部11Aと蓋板17とを接着させ
、受入部13を密閉状態にすれば、受入部13内への埃
等の侵入を防止できるとともに、ゲル状物質30が疲労
により分解してグリース状になった場合でも、このもの
が外に漏れることがない。
更にまた蓋板17に係合突起170A、170Bを形成
し、この係合突起170A、170Bが保持体11及び
/または内スリーブ18に形成した係合凹部110.1
80と係合する構造をとれば、蓋板17を介して保持体
11及び/または内スリーブ18が一体的に固定される
更にまた慣性体20がシャフト取付体10及び蓋板17
と臨む部分に摩擦係数の少ない樹脂薄板たる摺面板LI
E、17Bを設ければ、慣性体20がブした場合でも慣
性体20やシャフト取付体10、蓋板17が摩擦により
損傷することがないし、衝撃音、摺擦音も低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は慣性ダンパを適用したステッピングモータを示
す斜視図、第2図は同上慣性ダンパの分解斜視図、第3
図は周環部を二層構造とした慣性ダンパの実施例を示す
斜視図、第4図はゲル状物質をジグザグ状に配設した実
施例を示す横断面図、第5図は外周面をテーパ状に構成
した実施例を示す縦断面図、第6図は第3図に示す実施
例におけるユニットを複数枚組み込んだ実施例を示す縦
断面図、第7図は従来の慣性ダンパを示す斜視図、第8
図は本発明の慣性ダンパの分解斜視図、第9図は蓋板と
保持体、蓋板と内スリーブとの係合構造を示す分解斜視
図、第10図は本発明の慣性ダンパの横断面図、第11
図は本発明の慣性ダンパの製造方法を示す説明図である
。 1 ; 2 ; 3 ; 4 ; 10; 11 ; 1A 1B 1C LD IE 慣性ダンパ ステッピングモータ 駆動軸 慣性ダンパ取付軸 シャフト取付体 保持体 ;周環部 ;外覆板 ;位置決め段部 ;ボス庇部 ;摺面板 110;係合凹部 12;ボス 13;受入部 14;シャフト受入孔 15;ロックボルト孔 16;ロックボルト 17;蓋板 17A;嵌込リブ 17E;摺面板 170A、170 B ;係合突起 18;内スリーブ 180;係合凹部 19a 、 19b ;突起 20;慣性体 30;ゲル状物質 G;治具 U;ユニット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)シャフト取付体と蓋板と慣性体とゲル状物質とを
    具えて成り、前記シャフト取付体と慣性体とは前記ゲル
    状物質を介して相互が吸振的に結合して成り、前記シャ
    フト取付体にはその外周側に周覆部を形成することによ
    って、その内側に慣性体を収納状態に取り付ける受入部
    を形成し、且つ前記慣性体とシャフト取付体とは慣性体
    外周面と周覆部内周面との間にゲル状物質を介在させて
    相互に吸振的に結合して成るダンパにおいて、前記シャ
    フト取付体における周覆部は、シャフト取付体における
    ボスに直接組み付けられる保持体の一部を成す外覆板と
    、この内側に組み込まれる内スリーブとより成り、前記
    慣性体はゲル状物質を介して内スリーブと吸振的に結合
    していることを特徴とする慣性ダンパ。
  2. (2)前記シャフト取付体は一体成形されていることを
    特徴とする請求項1記載の慣性ダンパ。
  3. (3)前記シャフト取付体における周覆部と前記蓋板と
    を接着させ、前記受入部を密閉状態にしたことを特徴と
    する請求項1または2記載の慣性ダンパ。
  4. (4)前記蓋板、保持体及び内スリーブには互いにその
    位置を固定するための凹凸係合構造を有することを特徴
    とする請求項1、2または3記載の慣性ダンパ。
  5. (5)前記慣性体が前記シャフト取付体及び前記蓋板と
    臨む部分には、摩擦係数の少ない薄板を設けたことを特
    徴とする請求項1、2、3または4記載の慣性ダンパ。
  6. (6)金型に慣性体と内スリーブとを一定の距離をおい
    てセットし、この慣性体と内スリーブとの間にゲル状物
    質を注入硬化させるユニット製造工程と、シャフト取付
    体を成形する工程と、シャフト取付体に対して前記ユニ
    ットを組み込む工程と、シャフト取付体に蓋板を設ける
    とともに、保持体の外周部及び蓋板の外周端と内周端近
    くを内部加熱して保持体の周覆部と内スリーブとの溶着
    及び保持体の周覆部から内スリーブと蓋板との溶着をす
    る工程とを有して成ることを特徴とする慣性ダンパの製
    造方法。
  7. (7)前記シャフト取付体を成形する工程において、蓋
    板との噛み合い構造を形成することを特徴とする請求項
    6記載の慣性ダンパの製造方法。
  8. (8)前記シャフト取付体の成形工程は一体成形である
    とともに、シャフト取付体における保持体との嵌まり合
    い部分には凹凸加工を施したことを特徴とする請求項6
    または7記載の慣性ダンパの製造方法。
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